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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
寅さんのことば 第2部 44

姐さん、俺は汚ねえ男です。
第34作「寅次郎真実一路」


第34作「寅次郎真実一路」のマドンナは大原麗子なんだが、それで思い出したのが拙ブログで彼女について取り上げた2本の記事だ。

1本目は「大原麗子の女優魂」で、映画「居酒屋兆治」について書いた。記事を執筆した当時は未だ「居酒屋兆治」を観ていなかったが、その後しばらくしてから鑑賞している。映画のラストで、大原麗子演じる神谷さよが死んでいくシーンを見て、大原自身が独り寂しく死んでいったのも、あのシーンのようだったのではとふと思った。

2本目は「高倉健となべおさみに見る任侠道」という記事で、なべおさみの著した『やくざと芸能と』(イースト・プレス)を取り上げているが、実は同書で大原麗子が登場している。以下は加賀まりこと大原麗子について述べた行であり、少々長くなるものの、大原麗子の意外な一面が分かる、貴重な行なので敢えて引用することにした。

加賀まりこざんのこと

まりちゃんは、青春時代の中で近寄りがたい女のピカイチだったな。

これぞ東京っ娘という代表格かなあ。

昭和三十年代なんて、東京と地方とでは何もかも雲泥の差があったんだ。もう大宮や八王子辺りから向こうの娘は、直ぐに東京っ子じゃないって判るくらい、一目で雰囲気が違っていました。東京に住んでる娘と、近郊から来た娘が原宿を一緒に歩いていると、まるで違ってる。幾らセンスが良く金持ちの娘でも、なんか都会の臭いがしないんだな。

青山や原宿で化粧した若い娘を見るだけで、田舎娘の背伸びした姿だと、直ぐ判った。そのぐらい都会で育った娘は、化粧なんて絶対しなかったのが昭和三十年代かな。化粧なんて水商売の化け道具だと、皆思っていて、化粧会社の宣伝文句になんか決して乗らなかったもんだ。

あの人は何時も素顔だった。

加賀まりこさんは、私が見て来た都会っ娘の中のピカイチだった。

私は小学生の頃から銀座や盛り場をほっつき歩いて来たのに、まりちゃんを見た時の輝きは忘れられない。映画女優にも、こんな溌刺と青春を発揮している娘なんて居ないだろうと思えた。

とにかく可愛かった。決して美人ではないのだが、屈託ないピチピチした若さが弾けとんでいた。

私なんぞは、己の様相を心に浮かべ、三歩もさがって見つめるだけだった。

幸いな事に私は、この世界の中心を担って日本の芸能界に革命をもたらした渡辺プロダクションに潜り込んでいて、同時にファッション業界に男性ファッションの新風を巻き起こしたVANの石津さんとの太い縁もあったから、有名になりたい、有名になろうとする若者(私もその一人であったのだが)をいつでも身近に見つめていた。

まりちゃんも必然的にその一人になっていった。本人の志は別にしても、周囲が放っておかなかったんだよね。それに値したからね。

これに匹敵する娘は、私達が「ビッチ」と言って可愛がった大原麗子だろう。

ビッチとは、業界用語だ。「チビ」の事だ。まだ中学生になったばかりで突然現れて、芸能界の若手歌手なんかに気に入られて、出入り自由の身となっていた。

よほどのコネがないとジャズ喫茶の楽屋なんぞには入り込めない。それなのに、いきなり水原弘の部屋に入って来て、「お兄ちゃん、着替えさせてぇー!」なんてハナ声の甘ったるさで言い出す。

おやじ(水原弘)は、私を見て甘えている目線から、私の知り合いだと思ったのだが、私はおやじの知り合いだと察したのだ。この娘はそう思わせる術を得ている子だった。軽くしてやられたのだもの。

こちらの返事も待たず、さっさとセーラー服もスカートも脱いじゃうから、おやじも私も急いで外に出た。百五十センチにも満たないチビでも、女の子だし、慌てたのだ。

黒い学生鞄から取り出した私服に着替えた娘は、畳んで仕舞った学生服でパンパンに膨らんだ鞄を私に押し付けて、「楽屋で預かっといてぇー」と飛び出して行った。

「何だ、あのビッチは?」

水原のこの一言が、大原麗子の愛称の名付け親だと知る人は居まい。

その後、平気の平左で学校帰りに水原の出ているジャズ喫茶に現れては、まるで妹の如くバンドの連中ともじゃれ合っていた。

私は何時だって荷物の番人で、私に押し付けて遊びに出て行っちゃう。

腹の立つガキだったが、「なべちゃん、ありがと!」って言われると、ついニヤケてしまって悪い気がしなかった。

まりこも麗子も、化粧っ気一つない娘で、若さがいっぱいに輝いていた。


『やくざと芸能と』p.107


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