一昨日、「daft prick」という拙文を書いた。その時、『原発大震災の超ヤバイ話』(安倍芳裕 ヒカルランド)という本を紹介し、「福島原発問題が未解決というのに、ノー天気に原発輸出を目論む政府、三年も経つというのに、未だに有効な手を打てないでいる東電」と書いたが、これを突き詰めていくと「お金」に辿り着く。そして、そのお金の奥の院こそが英国のシティなのである。
この機会にシティについて少し言及しておこうと思うに至ったのは、一昨日観た「英国王のスピーチ」がきっかけである。

この映画はエリザベス女王も鑑賞したという映画で、好意的な感想を述べられたと聞いている。ただ、物事には必ず裏表があり、以下の『ニューズウィーク』誌の批判記事にも目を通しておきたい。 『英国王のスピーチ』史実に異議あり!
同映画の評価は読者にお任せするが、亀さんが同映画を観ながら脳裏に浮かんだのがシティである。実は、シティの本質に迫る優れた論文が最近発表されている。それは、昨年発行された世界戦略情報誌『みち』の11月1日号だ。 みち392号(平成25年11月01日) 122 お金の功罪 111 現存する有史以前の怪物
〝有史以前の怪物〟とはどういうことか? 筆者の安西さんは同記事の中で以下のように述べている。
●シティに入るときは、国王でさえ武器を取り上げられた。
ウィリアム一世がドゥームズデイ・ブック(王国の資産や収入の調査台帳。課税の基礎となった)を作成させたとき、シテイ・オブ・ロンドンは調査対象から除外された。
その五〇〇年後に宗教改革が起こった。一五三二年、イングランドの聖職者会は自らの法的独立を放棄し、完全に王に従う旨を発表する。英国国教会は国王に従属することになった。
それから現代に至る数百年の間に、国王の権力は衰え、議会は徐々に貴族的性格を失って、ほぼすべての成人に選挙権が拡大された。
このように英国の伝統的な三つの政体は、歴史のなかで変化の波にさらされ、かつての力を失っていった。
だが、シティはそうした変化とは隔絶されていた。輝きを失うどころか、金融資本が幅を利かせる近現代に入っていっそう輝きを増していった。
一九世紀のある改革者は、いみじくもシティをこのように表現した。
「不思議なことに現代まで生き延びている有史以前の怪物のようだ」
『みち』392号(平成25年11月01日)p.11
映画で英国王室に目を向けた機会に、シティの奥の院にも関心の目を向けて欲しい。それにより、「お金」の正体を知ってもらえたらと思うのだが、その最良の道標となるのが安西正鷹著『お金の秘密』(成甲書房)だ。以下にアマゾンのカスタマーレビューを一件引用しておこう。


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