今日紹介するのは、今東光和尚から自衛官を父親に持つ女の子への言葉だ。和尚の人としての優しさが滲み出ている。
自衛官の娘から一書 和尚のおっしゃる通り、自衛隊がなけれぱ日本の平和はありえないのです。私は幼い時からそう思っていただけに、和尚の意見をとても嬉しく思います。
自分の父が自衛官だったから言うのではないのですが、あまりにも身勝手な意見とか、直接友だちから言われる――力が弱いとか(国防費が少ないのにどうしようもないじゃないですか)税金のむだづかいだとか――自衛隊なんか必要でないなんて言葉を聞くたびに胸がつまる思いでした。
少なくとも私の父などは日本の国と本土の人々を守るために、男の一生を自衛隊に捧げてきました。ただ単なる国家公務員というのに甘えてはいないのです。自衛隊の基礎となる警察予備隊、その前の軍隊の時から、日本を守るという目的をずーっと維持しているんです。皆さんは知っているでしょうか? 外国から日本を守るだけでなく、災害や台風の時、またデモなどがある時、私の家に父はいません。民衆を救うために出動する隊員の指揮をしたリ、連絡をしたりなどいろんなことをしているのです。私の家は男手がなく、弟と母と私とで守るのです。それがどんなに心細いか、わかってもらえるでしょうか。
和尚さまの意見をもっとたくさんの人々に、そして私の気持ち-自衛隊の家族の気持ちも知って欲しいと思います。和尚さま、いつまでもお元気で素晴らしい意見を聞かせて下さい。(徳島市 PBの愛読者 YOKO)
可愛いい女の子だね。お手紙を見て大変胸を打たれました。民族と国家のために身を挺してやっておられる方のご家族は、どんなに心細く、そういう嫌味な話を聞いてどんなに心を痛められるか十分にお察しします。しかし、あなたのお父様のような方がいなかったら、日本という国はもっと早く堕落し、もっと早く危い目に遭っていたに違いない。本当にお父様のご健康を祈るとともに、お嬢さんたちの一層の覚悟を促してやまないわけです。
オレの非常に親しい人の息子、それは大実業家で何十という会社を持っている人の長男なんだけれど、うちの仕事をしないで今度海幕へ入っちゃった。そして海上自衛隊の爆撃機の操縦をやっているんだ。ミサイルを運んで戦うという大変な仕事なんだよ。もう、親父はどうすることもできない。お母さんはイライラ心配している。
こういう男も日本にはいるんだ。自衛隊は憲法違反だとか、税金の何だのとバカなことぬかしている奴らこそ、オレらの税金の中でのたのたと暮らしているのかと思うと、もう腹が立って「くたばれ!」と言いたくなるんだ。無駄飯食いは死んでもらいたいよ。 人間、理屈はなんとでも言えるんでね。しかし現実の問題で、いま世界がどうなっているか、と。この間ある経済学者と話していたら、「景気は二十一世紀まで回復しないでしょう」と。いくら福田が逆立ちしようとね。その間に何か動きがある可能性といえば、もうこれは世界戦争しかないよ。それが怖いんだ。ロシアはいま世界中の方々に戦争の種を蒔いている。南アのアパルトヘイト問題とか、ウクライナ分離という問題とか、発火点はいくらでもあるんだ。そんなこと考えたら、今更憲法改正がどうのと言っている段階じゃねえだろうが。まったく日本人のバカさ加減には愛想がつきるよ。 『最後の極道辻説法』p.42
- 関連記事
-
スポンサーサイト
|