寅さんが柴又に帰るたびに、おばちゃんが腕によりをかけたご馳走を作ってくれる。そのおばちゃんに寅さんが、目一杯のワガママを言うのが何時ものパターンさ。
上等上等、温かい味噌汁さえありゃ十分よ。後はお新香、海苔、タラコひと腹。ね、カラシの効いた納豆。これにはね、生ねぎ細かく刻んでたっぷり入れてくれよ。
実は亀さんにも同じようにワガママの言える、〝血の繋がっていないお袋〟がアルゼンチンにいるんだ。亀さんの実のお袋と同い年だから85歳か…。そのアルゼンチンのお袋が元気なうちに、アルゼンチンを再訪して会ってきたいというのが今の亀さんの夢さ…。
アルゼンチンから帰国した後の話なんだが、お世話になったアルゼンチンのお袋の娘が、はるばる日本に遊びに来たことがある。あの日、飯能駅に着いたという電話をもらったので、一家総出で迎えに行ったんだ。当時はまだステーションビルが無かった時代だったので、道路に面した改札口で彼女は待っていた。再会した瞬間、周囲が振り向くような大きな音を立てて、互いの頬にチュ~❤をしたんだが、突然のことに家のモンや周囲の人がびっくらこいていたなぁ…(笑)。二人で、5月連休を利用して京都・奈良を旅したり、週末はオートバイに彼女を乗せて、アチコチ突っ走ったりしたもんだよ。結局、彼女は半年亀さんの実家に居候したんだが、今では良い想い出だ。
しかし、なんだね、異国にいるとやはり、ごはん、味噌汁、お新香、納豆なんかが無性に食べたくなるんだろうなぁ…と、上の寅さんの台詞を読みながら思った。
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