
飯山一郎さんの北朝鮮シリーズ、「金王朝の “深い謎”」および「ビビンバ!北朝鮮!」は、今でも掲示板「放知技」の冒頭に残っている。この2本は、北朝鮮の裏史に迫る上で極めて貴重な史料だからだろう。小生は今でも時折、両史料にアクセスしているほどだ。
よって、本稿では金王朝について少し敷衍してみよう。
 元工作員金賢姫に聞く!第一部
最初に取り上げたい人物は、大韓航空機の爆破に関与した金賢姫だ。金賢姫は一度だけだが、横田めぐみさん本人に会っているだけではなく、横田めぐみさんが金正恩の生母であることを裏付けてくれる人物でもある。そのあたりについては、飯山さんの「金王朝の “深い謎”」に詳述されているので確認していただくとして、その金賢姫に対して李相哲氏が昨年(2022)11月、貴重な単独インタビューを試みており、それが以下の三本だったのだが、残念ながらバンされてしまったため、現在は観ることができない。
(917) (2022.11.29)元工作員金賢姫に聞く!インタビュー映像解説編 ○ (917) (2022.11.29)元工作員金賢姫に聞く!第一部 生い立ち、如何にして工作員になったか (946) (2022.11.30)元工作員金賢姫に聞く![第2部] 政治に翻弄されて35年!恋愛.結婚.家族
幸い、バンされる前に小生は上記動画を一通り観ている。内容が内容だっただけに、直ぐにもバンされるであろうと思い、ダウンロードするつもりでいたが、当時は仕事に追われていたこともあり、実際にダウンロードしたのは○印を付けた動画のみだった。ただ、改めて[第一部]を観た限り、飯山さんの「金王朝の “深い謎”」を超えるものではなかった。
この「金王朝の “深い謎”」に、以下の記述があるのに注目されたい。
このKAL爆破事件の本当の主役は、金賢姫ではなく、金正日と横田めぐみさんだ!
つまり、金賢姫は手駒に過ぎなかったということなのだが、一方で同稿の以下の記述が意味するところは、金賢姫がいなかったら、横田めぐみさんが金正恩を生んだということが分からないままだっただろうということだ。
もし、大韓航空機の爆破! この事件の主犯が金正日でないとしたら、 今まで苦労して実証した「めぐみは金正恩の母」説は、音をたてて崩れてしまう…。
現在の北朝鮮を本質的に理解するには、一度太古の時代に遡り、朝鮮半島のみならず遼東半島をも含む、満州一帯で繰り広げられた激動の歴史を紐解く必要がある。その意味で、拙稿「天武天皇05」で箕子朝鮮を復習していただきたいし、満州すなわち瀋陽軍区に大勢住んでいる、朝鮮族が北朝鮮を守っていること(「瀋陽軍区の正体」参照)、および北朝鮮は大日本帝国の残置国家であること(旧ブログ「金王朝の “深い深い謎”」参照)がお分かりいただけるだろう。
では、上述の〝基礎知識〟を身につけたことを前提に、以下に筆を進めていくので、腑に落ちないと思った箇所に出会ったら上述の〝基礎知識〟に戻り、もう一度復習していただきたい。
最初に、金王朝について書くからには、皇統(天皇の血統)について簡単にお復習いをしておこう。
日本は万世一系の神国だと耳にしたことがあるだろう。つまり、日本は男系の皇統(「皇位継承」参照)が綿々と2600年以上の長きにわたって続いてきた国だ。このあたりが、ヨーロッパの女系王室と最も異なる点である。そして、北朝鮮は旧大日本帝国が創った残置国家でもあり、金日成を始祖として金王朝の最終的な体制づくりをしている最中だ。
金正恩の生母である横田めぐみさんには、日本の高貴な血が流れている。かつての小生は横田めぐみさんの御母堂である横田早紀江さんは、李垠皇太子と梨本宮方子皇太子妃の間に生まれたものとばかり思っていたが、かつて大変お世話になった山浦嘉久さんから、「横田早紀江さんは高貴の出であることは、ほぼ間違いないと思うが、何れの宮家(京都)の出かまでは分からない」という回答を直接もらっている(「金正恩死亡?」参照)。
それから、金正恩=影武者説あるいは死亡説だが、元ウクライナ大使だった馬渕睦夫氏は、「今の金正恩は影武者で、本物の金正恩は既に死んでいる」と明確に語っていた。ブログ『文殊菩薩』の野崎晃市博士も、「金正恩の娘がデビュー」と題する記事を公開、金正恩は逝去した可能性があり、今の金正恩は影武者だろうと野崎博士は推定している節がある。このあたりについての小生の見方は、上掲の拙稿「金正恩死亡説」を参照にしていただくとして、今回は深入りしないでおこう。
 横田めぐみさん(右)と孫の金主愛(左)
次に、上掲の野崎博士の記事にも掲載している金正恩の次女についてだが、「金正恩の三人の子供の誰かが、成人して国王のような地位に就き、南北統一にのり出すかもしれない」と野崎博士は書いていた。小生が注目したのは金正恩の子どもが三人おり、そのうちの一人が男子であることだ。
仮に金正恩が日本の皇室に倣うのだとすれば、男系皇統の金王朝にするはずで、長男が金王朝の〝神武天皇〟になるのではないだろうか・・・。つまり、〝聖徳太子〟が権威と権力とを分けたように、長男を金王朝の初代天皇にする、すなわち権威が付与され、一方で次女が政治を司る、すなわち権力を付与されるのではないだろうか・・・。
今回、金正恩が政治の表舞台に長女ではなく、次女をデビューさせたのも、多分次女の方が長女よりも政治家向きだと、金正恩が判断したからではないのか・・・。金正恩自身も三男でありながら主席に上り詰めたことを思えば、無理のない推測だと個人的に思っている。


最後に、野崎博士が編集した『飯山一郎最終講義』の副題、「金正恩が統一朝鮮王になる!!」を思い出していただきたい。仮に今でも金正恩が生きているとすれば(多分生きていると個人的には思っている)、金正恩は近未来の東アジアの政治・経済、ひいては世界の政治・経済の要(リーダー)に成るだろうし、それだけの器の持ち主であると小生は確信している。何故にそう言えるのかについては、『飯山一郎最終講義』に目を通せば自ずと納得いただけるはずだ。
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