時々、仕事の息抜きに茶の間へ行って一服、その間はテレビのニュース報道を漠然と眺めるのを日課としている。それにしても、相も変わらずピント外れの報道番組ばかりだ(笑)。そんな折、日テレの深層NEWSがYouTubeにアップされていたのに気づいた。テーマはウクライナ情勢についてだったので、50分近い番組だったものの、取り敢えず最後まで観てみた。
【ロシア侵攻は】緊迫するウクライナ情勢…ロシア軍事侵攻の可能性は?【深層NEWS】
見終えた感想としては、思っていた通り西側(特に米国)に偏った論調に始終した番組で、大手マスコミの限界というものを改めて垣間見る思いだった。
個人的に思うのは、今現在のウクライナ問題を正しく把握するには、ウクライナの国内事情、そしてプーチンという人物を識っていない限り、今のウクライナ情勢を見誤る恐れ大ということだ。
第一に、プーチンが置かれている立場というものを、動画に登場する三人のパネリスト全員が関心がなさそう、なさそうと言うよりは、まったく理解していないのが手に取るように分かる。つまり、林千勝氏の言うところの「NWO」について、知ってか知らずか三者とも全く話題に取り上げることはなかった。そのNWOと対峙している一団のリーダーこそがプーチンに他ならず、このあたりを認識しているのとそうでないのとでは、天地ほどの差があり、その人の持つ世界観というものが全く異なってくるのだ。

小生がプーチンについて言及した拙稿は194本に及んでおり、その小生のプーチン観を確立してくれたのは四人の識者(山浦嘉久・飯山一郎・佐藤優・畔蒜泰助)だ。なかでも、山浦さんから直接話を聞けたことは大きかった。
天啓がプーチンに降りた。クリミア併合あたりから、プーチンの顔つきが変わってきたことからして明かだ。これは、世界がとてつもない大転換期を迎えようとしていることを意味し、その大転換期への橋渡し役を担うのがプーチンということになる。そうしたプーチンの本当の姿を最初に見抜いたのがバチカンとイギリスだった。そして、最近はイスラエルも気づき始め、ロシアを支持するようになってきている。 天啓を得たプーチン
なを、上記の拙稿では藤原源太郎の話となっているが、これは山浦嘉久さんのペンネームだった。
ところで、同拙稿の中で小生は佐藤優氏の記事を紹介している。 ウクライナとクリミアの歴史的経緯を鑑みれば、ウクライナが"善"でロシアが"悪"なんていう簡単な構造ではないことがわかります
記事の冒頭で佐藤氏が、以下のように語っているのに注目されたい。
ロシアのこともウクライナのこともわかっていない人が、アメリカの情報を基にして書いている「素人の記事」ですから、鵜呑みにしないほうがいいと思います。
佐藤氏は東京新聞の記事を指しているのだが、上掲の日テレの動画も、素人の井戸端会議に過ぎないのがお分かりいただけるだろう。この佐藤氏の記事は8年前の記事なのだが、今日読み返しても、ウクライナの国情を知る上で最良の記事の一本だと小生は思っている。
ここで、その他の識者はウクライナ情勢について、どう観ているのだろうか?
【ぼくらの国会・第272回】ニュースの尻尾「プーチン大統領は日本を試してるぞ」
青山繁晴議員の動画は数多く観ており、ほとんどの動画について小生は高く評価している。殊に、メタンハイドレートと皇室関連については、素晴らしいの一言に尽きると思う。しかし、別のテーマとなると、目も当てられない動画もままあるのだし、上掲の動画もそうした一本だ。青山氏はロシアのクリミア侵攻について語っているのだが、それを北方領土に結びつけているのはいただけない。何故なら、1945年当時のソ連と現在のロシアは、全く別の国であるという視点が必要であり、特にエリツィンからプーチンが政権を引き継いでから間もなくして、ロシアは嘗てのソ連ではなくなったということが、どうも青山氏には理解できていないようだ。
栗本慎一郎氏も語っているように、ロシア革命を引き起こしたのは西側だった。つまり、ソ連を建国したのは西側だったし、当然ながら米ソ冷戦は出来レースだったことに思いを致すべきである。この〝西側〟だが、今日ではNWOあるいはネオコンと呼んでいる。そして、そのNWOと対峙しているのがプーチンということになる。
もう一人、最近ロシアについての動画が多い、柏原竜一氏の動画を一本だけ紹介しておこう。
柏原竜一のインテリジェンス 台湾、北方領土が日本の領土にもどる日 TSMCとサムソンから透視する今後の世界秩序
柏原氏のロシアに関する動画は数本観ているが、共通して云えることは同氏のロシア観も、ソ連時代のままということである。これでは動画に掲げている、「インテリジェンス」の看板が泣こうというものだ。
ここで、青山氏や柏原氏と違い、故山浦嘉久さんや佐藤優氏同様、深くウクライナの国情を理解している識者の一人に、幸福実現党の及川幸久氏がいる。だから、以下の及川氏の記事は一読に値すると思うし、同氏の主張には小生も概ね賛成である。 (及川幸久)【言論チャンネル】ウクライナ国境にロシア軍大集結。第三次世界大戦勃発か?ロシアからみたウクライナ問題の真相。
小生は「プーチンと六韜」で、故飯山一郎さんの以下の記事を紹介した。 ◆2014/03/22(土)2 『 プーチンの兵法 』
同記事には飯山さんが遺してくれた、プーチン兵法に関する記事一覧が表示されており、気になる記事があったら一読するといいだろう。上掲の記事で飯山さんは、「『プーチンの兵法』は、『孫子の兵法』を凌ぐかも知れない」と書いているが、小生も同感だ。だから、今回のウクライナ騒動にしても、個人的には高みの見物を決め込んでおり、仮にプーチンがウクライナに侵攻したら、どのようなプーチンの戦略がウクライナで展開されるのか、プーチン兵法を注意深く見守りつつ、自分の頭でプーチン兵法について考察してみたいと思う。ご参考までに、小生は「プーチンと六韜」で以下のように書いている。
『プーチンの兵法』が『孫子の兵法』を凌いでいるかどうかはさておき、孫子に匹敵するほどの兵法が我々の目の前で展開されていることだけは確かだ。よくぞプーチン兵法の目撃者として、凄い時代に生まれ合わせたものよと、天に感謝したい気持ちで一杯である。
最後に、今や時代が大きく変わろうとしていることは、以下のマドモアゼル・愛氏の動画からも、十分に伝わってくるのではないだろうか・・・。
流れがサーッと変化してきている
マドモアゼル・愛氏と言えば、同氏の別の動画で「本物のプーチンは既に亡くなっている」と、サラリと語っていたのが今でも小生の耳にこびりついている。それは、プーチンと30年間連れ添い、2013年に離婚した元妻のリュドミラさん、「(目の前にいるプーチンは)夫ではない」という言葉を残してプーチンの元を去っていたからだ。恐らく、事の真相を永久に我々は知ることはないだろう。ただ、仮に本物のプーチンや金正恩が、既に亡くなっていたとしても、プーチンあるいは金正恩が遺していった国家としての土台は、これからも継承されていくはずだ。それが国家というもの、マドモアゼル・愛氏が謂うところの「サーッと変化してきている流れ」に乗ることになるからである。
【追加情報】
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