
病院での長期入院は、退屈極まりない日々が続くのだろうと覚悟していたが、幸いノートパソコンを持ち込んでネットに接続する許可が下りたので、家にいた時よりも森羅万象について一層深く思索を重ねることができ、退屈とは無縁の日々を送ることができたのは大変有難かった。今回持ち込んだノートパソコンは、三年前の夏にお世話になったアルゼンチンの友人宅に持って行ったものだが、帰国して以降は使用することもなく、埃を被ったままだっただけに、まさか今回の入院で再び使うようになろうとは思ってもみなかった。ともあれ、おかげさまで入院生活に退屈することもなく、ニュースや動画をチェックしたり、ブログ記事を書いたり、息子らとGoogle Meetでビデオ会議をしたりしている。
さて、今回は病院食についての記事を書いてみたいと思う。今から15年ほど前、鼠径ヘルニアで最寄りの大学病院で手術を行い、一晩入院したことがある。当時の病院食は何だったか最早記憶には無いのだが、なぜか美味しくなかったことだけは今でも覚えている。加えて、病院食は美味しくないというのが、世間の〝常識〟だったこともあり、今回も期待はしていなかったのだが、入院してから三週間が経ち、今では朝昼晩の食事を心待ちにしている自分がいる。美味しい食事が続くからだ。何よりも、魚が中心の献立を小生は気に入っている。それは、魚は肉よりも健康に良いという理由からだ。量的には多少物足りなさを感じるのだが、咀嚼することで一応の満腹感を得ることができる。

タバコが吸えない上、酒も呑めない生活が三週間以上も続いているが、三度の食事と微糖の缶コーヒーの購入がOKなので(特に気に入っているのがサントリーのBossシリーズ)、タバコや酒が無くても然程気にならないのは意外であった。五十代に入った頃に禁煙を試み、十二年ほどタバコとは無縁の生活を送ることができたのだが、ニコチンガムで苦労して禁煙した苦い想い出があるだけに、こんなにも簡単に禁煙できるのかと拍子抜けしたというのが正直なところだ。尤も、家に戻ったら再び喫煙生活を始めるつもりだ。何故なら、世間ではタバコとガンの関係で喧しいが、武田邦彦氏もYouTubeで語っているように、タバコはガンとは関係ない上に、ストレス解消にもつながるからだ。
■白米 当たり前の話だが病院食の主食は白米だ。小生のように日常的に玄米食の生活を送っている者にとって、玄米なら大変有難かったのだが、玄米を食する人たちは少数派ということもあり、入院中は栄養価ゼロに近い白米でもやむを得ない(白米の害については、拙稿「腸活」を参照)。
西原克成 具体的には、脚気に対しての森林太郎の偏見で、それに基づいて彼が実施した『日本兵食論』の誤りです。脚気の問題で森林太郎が犯した致命的な過ちは、日本の医学史において恥ずべき汚点であり、脚気は陸海軍で日清戦争直前に克服されていました。ところが、白米中心の陸軍兵食にこだわった森軍医は、軍医部長の麦飯給与の進言を退けた。それで、戦闘で死んだ者よりも脚気で死んだ者のほうがはるかに多い、という大失策を犯したのです。
その他に気になった点として、白米以外にも以下の点を挙げることができる。
・もし玄米食に切り替えれば一日一食で十分のはずだ。しかし退屈な入院生活を送っている人たちにとっては数少ない、というよりは唯一の楽しみだろうから、三食でも良いのかもしれない。 ・牛乳や動物性ヨーグルトが多いのには閉口した。本来であれば牛乳よりも豆乳、動物性よりも植物性のヨーグルトなどを食するべきだと思うが、世の中の多くの人たちが牛乳や動物性ヨーグルトが良いと思い込んでいるようで、仕方がないと諦めている。 ・小生以外の他の患者さんは、食べ終わるのが物凄く早い。多分、十分に咀嚼せずに食べ物を呑み込んでいるからだろう。これでは折角の食べ物の栄養を、消化器系が十分に吸収し切れないではないか。 ・個人用としては大きすぎる冷蔵庫が、一人一人に用意されている。入っているのは飲料缶が中心のようだが、小生は冷たい飲み物が人体に及ぼす害を、西原克成博士に幾度も注意されたことがあるだけに、冷蔵庫は使わずに専ら室温の缶コーヒーを飲んでいる。
結局、拙稿「昭和天皇と千島博士」でも述べたように、以下の方法で以て各々の消化器を、健全に保っていくことが肝心ということになりそうだ。何故に消化器なのかは、千島博士の「小腸絨毛」説を理解した読者には、これ以上の説明は不要であり、小腸絨毛のメカニズムについて十分に理解していない読者は、博士の『血液と健康の知恵』を熟読玩味されたい。
消化器を健全にするためには気血動の調和(精神の安定、食物の量と質…食事の3S主義、適度の運動)以外にはない。 『血液と健康の知恵』p.119
【参考 1】 病院食はマズイ!?私が入院中に食べた病院食の全て
【参考 2】 日本の発酵食品:コロナ第5波が急速に減衰した最大の理由鴨?
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