 正次郎のNewsToday
「政治と政治家を糺す会」の理事長である渡邉正次郎さんは、安楽死についての記事を今までに193本も自身のブログ、「正次郎のNewsToday」で発表している。
渡邉さんは安楽死の法案化に向けて精力的に動いており、国会議員にも会う度に同法案の成立を強く呼びかけてはいるものの、残念ながら未だに成立に至っていない。以下、安楽死についての渡邉さんの動画だ。
㊿「安楽死法」を急げ‼︎
現在、介護疲れによる親殺しが社会問題となっており、加えて、老人介護が医療費全体の六割を占めるようになった今日、一日でも早く安楽死法を成立させようと、今日も渡邉さんは東奔西走しておられるわけである。小生も、個人的な体験から渡邉さんの安楽死の法案化について、諸手を挙げて賛成である。
その渡邉さん、国会議員ではないものの、今までに発案や改正を実現させた法律が、以下のように四本ある。各々の法律を成立させた過程については、ブログ「正次郎のNewsToday」の左欄に詳述してあるので、関心のある読者は目を通していただきたい。
*動物愛護管理法の改正 *団体規制法 *NPO法 *個人情報保護法
それにしても、四本の法律を成立させた渡邉さんをして、何故に安楽死法が未だに成立しないのか? そのあたりの理由を考えるにあたって、ヒントになりそうなのが以下の動画だ。ちなみに、同動画の作者は高須クリニックの高須幹弥医師で、父親はあの有名な高須克弥氏、大村秀章愛知県知事のリコール運動で話題になった人物だ。
何故日本は寝たきり老人大国なのか説明します。
高須幹弥医師の動画は今までに幾本か観ているが、時事問題に関してはピント外れを感じさせる動画が多いこともあり、最近は滅多に同医師の動画を観ることもなくなったが、それでも餅は餅屋、医学関連の動画には優れたものが多く、その場合は極力観るようにしている。
それはともかく、高須医師が専門家の立場で語っていた、「(1)金儲けに走る日本の病院」、および「(2)日欧の安楽死に対する考え方の違い」、この二テーマについての解説は優れていたし、個人的にも概ね賛同できる内容だった。加えて、「(3)延命措置をしないことで、患者は苦しまずに最期を迎えられる」という同医師の解説、医者としての実体験に基づいたものだけに、個人的に最も参考になった解説だった。以下、個人的な実体験を織り交ぜる形で、(1)~(3)についてコメントしてみよう。
(1)金儲け主義に走る日本の病院 上掲の動画でも高須医師が切実に語っていたことだが、今の日本の病院は金の亡者に堕落している。尤も、金儲けに徹しないことには、病院の経営が成り立たなくなるという、切実な問題を抱えていることも確かだ。その上で、「医は算術」と題したブログ記事を小生は書いた。
一昨年の暮れに逝去した実母の場合、79歳の時に脳内出血で倒れて救急車に運ばれて以降、92歳で亡くなるまでの13年間、数年ほどヘルパーの助けを借りて、家で生活していた時期もあったものの、ほとんどの日々を病院で送った。特に、二度目の脳梗塞で2011年に再び倒れてからというもの、2019年暮れに逝去するまで、9年間という長期入院生活を強いられたのだが、見舞いを兼ねて病院を訪問する度に、金儲けに走る日本の病院の在り方が目に付くようになり、個人的に大いに疑問を感じたものである。そして、何も金儲けに走るのは病院だけではなく、国会、官公庁、大手企業も、大方が金の亡者であるのは言うまでもないことだ。日本のみならず世界が金儲けに血眼な背景については、拙稿「世界権力vs.ナショナリズム」で述べたので、関心のある読者は参照にしていただきたい。

(2)日欧の安楽死に対する考え方の違い 最初に、以下のグラフを眺めていただきたい。
 日本の寝たきりを半分にしよう
上掲図は、日本慢性期医療協会の武久洋三会長による、186ページにも及ぶプレゼン資料であり、その中から抜粋させていただいたものだ。同プレゼン資料の主張を一言で言い表すなら、寝たきり老人にかかっている医療費を半分にするための提案ということになる。したがって、日欧の安楽死についての文化比較論ではないため、参考になりそうな考察は書いていない。
そこで、再び高須医師の言葉に耳を傾ければ、欧米では寝たきり老人が少ない理由として、「国民性の違い」という同医師の言葉で言い表せることが分かる。
小生は掲示板「放知技」に昨秋、長男である上の息子に手渡した「終末期の医療・ケアについての事前指示書」、その文面を公開している(個人情報は伏せ字にしてある)。
私(●●●●)が、意識を失うような状態に陥ったり、あるいは、たとえ呼びかけには応じても 意識が朦朧としている状態であったり、あるいは、意識はあっても自分の意思を伝えることができない状態、かつ自分で身の回りのことができなくなり、自分で飲むことも食べることもできなくなったときには、以下のようにしてください。
私が自分の力では水も飲めず、食べ物も食べられなくなったら、無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください、加えて、鼻管を入れたり、胃瘻を施したりは絶対しないように願います。そして、私が自分の力で呼吸ができなくなっても、人工呼吸器をつけないでください。 万一、人工呼吸器がつけられている場合でも、一旦、医師に電源を切っていただき、私の自発呼吸が戻らなかった場合、人工呼吸器を取り外してください。 少々意識があっても、場所や日時をはっきり言うことができなければ、同じように扱ってください。 そうなった場合、昇圧薬、輸血、人工透析、血漿交換などは絶対にやらないでください。 私の苦しくみえる状態を緩和できる治療であれば喜んでお受けしますが、昇圧薬や脳圧低下薬などの延命のための治療は止めてください。
私の命を長らえるべく努力をしてくださる医師、看護師、医療スタッフの皆様方には心から感謝致しますが、何卒、私の意思を尊重していただけますようお願いいたします。
私はこの終末期の医療・ケアについての意思表明を、意識がはっきりしている状態、かつ認めた内容を十全に理解した上で書いています。 どうか、私の意思を尊重していただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
令和二年九月八日
本人 住所 ×××××××××××××××××××× ●●●●〔印〕
家族 住所 ×××××××××××××××××××× ●●▲▲〔印〕
以上の意思表明書に変わりはないことを認めます。 本人 令和二年九月八日 ●●●●〔印〕
このような書面を認めたのも、実母を通じて様々な体験をしたことが大きい。病院あるいは家で母を介護した体験から言えることは、母本人も世話をする我々も、大変な負担を強いられたということである。だからこそ、今度は自分が寝たきり老人になった場合、子どもたちには決して迷惑をかけまいと心に誓ったものだ。
ここで、昨日アップされたマドモアゼル・愛氏の以下の動画を観ていただきたい。
消される100万人にならないために
要は、新聞やテレビでの評論家の発言、あるいはコマーシャルに騙されるなと、愛氏は切実に語っているわけである。たとえばテレビで医師や栄養士が、当たり前のように三食を摂ること、野菜不足にならないようにすること、といったことを語っているが、日本人であれば基本的に玄米と漬け物、そして時々焼き魚や肉を食すれば充分であり、かつ百回以上咀嚼すること、一日一食に徹することといっことを守っていけば、ヒトは生きていけるものだし、長生きできるものなのである。
それから、寝たきり老人になる一因として痴呆症があり、寝たきり老人になる原因の20%近くを占めていることを示しているのが以下の図である。
 http://hh-shika.com/img/reason/newssource.pdf
ヒトが痴呆症になる原因だが、武田邦彦氏が動画で主張しているように、〝サラダ油〟が元凶の一つであることが判明しており、実に貴重な動画だと云えよう。
【武田邦彦】TVでは放送できない…日本を『寝たきり老人大国』にした大手食品メーカーの残酷だけどホントの話【人生を変えるマインド
ともあれ、小生は様々な観点で健康について、今までに128本の記事を書いてきたが、健康に関心のある読者に一読願えたら幸いだ。
(3)延命措置をしないことで、患者は苦しまずに最期を迎えられる 今回、高須医師の動画で最も参考になったことだが、延命措置をせずとも寝たきり老人は、苦しまずに最期を迎えられるという事実である。寝たきり老人に対しては、胃瘻(いろう)を施すのか当たり前のように行われているが、母本人が元気だった頃は胃瘻をはじめとする、延命措置を一切講じてくれるなと書き残していたし、延命措置を巡って兄弟でじっくり事前に語り合ってきたことから、胃瘻をはじめとする延命措置を講じない旨、母の担当医にはっきりと伝えたものである。
そして、最期を迎えた寝たきり老人は、最早食事が喉を通らず、やがて枯れていくように餓死していく。我々のような健康人から見れば、大変苦しみつつ最期を迎えるのではと今までは思っていたのだが、この度高須医師の体験談を聴いて、そうでもないことを知ったのは大きな収穫であった。だから、今度上の息子か帰省したら、このあたりについて説いて聞かせるつもりだ。
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