昨年の晩秋以降、一月末と二月末締め切りの大量の仕事二本が立て続けに入り、大童の数ヶ月だったのだが、それも漸く一段落した今、放知技の読者に約束していた、天武天皇シリーズの続きに筆を進めたいと思うが、その前に掲示板「放知技」で強く印象に残った、堺のおっさんの投稿について一言感想を述べておきたい。
 http://grnba.bbs.fc2.com/reply/17003576/418/
赤色の下線で示した「テレワーク」という言葉に注目していただきたい。仕事(翻訳)で使用することの多い、日経の「CD-ROM 日経経済・ビジネス用語辞典」(絶版)は、ビジネス関連の翻訳の仕事を数多く手掛ける小生にとって、実に重宝な電子辞書となっている。その日経の電子辞書、「テレワーク」を以下のように定義している。
テレワーク 〔経営用語辞典〕 tele-work Eメールやインターネットなどの急速な普及によって,就業者は事業所などの特定の場所で働かなくても済むようになった。事業所とは別の場所(tele),たとえば自宅で十分仕事ができるようになった。このため,通勤困難な高齢者や障害者,家事と仕事の両立に悩む女性などにとってメリットが大きいため,この種の就業者が急激に増加している。しかし,発注企業と就労者との間で報酬金額,支払い時期などの基本的契約条件が示されずにトラブルの原因となることもあるため,労働省がガイドラインの作成に取りかかっている。
ウィキペディアの「インターネットの歴史」によれば、パソコン通信の時代からインターネットの時代に変わりつつあった1990年代半ば以降、「インターネットは文化や商業に大きな影響を与えた」とある。
 アシストの代表取締役会長ビル・トッテン氏の企業HPから拝借
小生がサラリーマン生活から足を洗い、いずれは個人貿易を開業するつもりで、当面の生活費を稼ぐべく、翻訳者としてのフリーランス生活に入ったのが2000年の4月だった。サラリーマンとして長年勤めていた会社を辞めたのが1998年9月30日、翌年の4月から一年間、浜松町にあった翻訳学校に一年間かけて通っている。だから、同校を修了した2000年3月末、独立開業の世界に足を踏み入れる準備が整ったということになる。そして初受注の翻訳の仕事は、忘れもしない同年6月であった。さらに翌年、翻訳者仲間のサークルが中心となって、Forbes誌の記事翻訳を請け負うことになり、当時は翻訳者として駆け出しだった小生も、翻訳チームの一員に加えてもらったのである。 亀さんが手がけた海外誌の記事翻訳
爾来、20年が経過した。その後のインターネットの急激な発展により、今ではノートバソコン一台あれば、地球の裏側でも仕事ができることを、一昨年の2018年の夏、地球の裏側のアルゼンチンの友人宅で身をもって体験した。
映画「男はつらいよ」の寅さんは、トランクを片手に日本各地を飛び回っていたが、小生もノートパソコンを片手に、二年後には世界を再び放浪する計画を立てている。計画と書けば聞こえは良いが、特に行先を決めているわけではなく、雲が東に流れて行けば東に行き、北に流れて行けば北へ向かうという、十代の頃に体験した、三年間に及ぶ世界放浪の旅の再開である。現在は、下の息子が四年制の専門学校に通っているので、彼の学資等を稼ぐため今すぐには放浪の旅を実践するわけにはいかないが、彼が卒業した二年後には開始するつもりだ。
二年後と謂えば69歳…。日本人男性の場合、健康寿命は72.14歳だというから、それが小生にも当てはまるのなら、三年間ほどしか健康でいられる時間がないということになる。むろん、先のことは分からない。しかし、健康である限り、半年は日本(春・秋)、残り半年は海外(夏・冬)で生活するつもりだ。旅費などはネット環境が整っている処なら、滞在費や旅行資金くらいは現地で生活しながら稼げる。
そして、小生の密かな願いは、旅の途中で息を引き取ることだ。カミさんや子供たちには、「もし、海外で息を引き取ったら、面倒くさいとは思うが現地に赴いて荼毘に付し、菩提寺に納骨してくれ」と依頼済みである。
【追記1】 フリーランスと言っても、テレワークだけで可能な翻訳といった仕事もあれば、喫茶店のマスターといった、テレワークとは無縁の仕事もある。とあもれ、フリーランスと言えば聞こえはいいが、決して楽な仕事ではないということ、この機会に強調しておきたい。
よって、現役のサラリーマンで、早期退職を夢見ている、殊に三十代から四十代の人たちに忠告。フリーランスの世界は甘いものではないということを、肝に銘じていただきたく、以下の記事を紹介しておこう。 「早期退職してよかった?」脱サラした60歳カフェ店主の哀しい回答
小生のような何の取柄もない者でも、20年に及ぶフリーランサーとしての経験の積み重ねがあるからこそ、ノートパソコン片手に世界を放浪できるのである。
【追記2】 東洋経済が興味深い記事を公開しており、特に印象に残ったのが、藤原新也氏の言葉だ。
『印度放浪』を書いた俺などは放浪世代だけど、たった1人で捨て身で旅するような若者が今はいない。
藤原氏は小生同様に若いころ(1960~1970年代)に世界を旅した、同じ放浪世代同士なのだが、その藤原氏の言葉、同じ放浪世代として大いに頷けるものがある。
しかし、現実には世の中を見渡せば世界を放浪している若者もいるのだ。例えば、小林希さんという旅行作家だ。かつての放浪世代として、実に嬉しい限りでR。 仕事で迷ったら、迷わずひとり旅に出よう!
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