歯科&音楽ウォッチャーさんの前稿「洞察歯観のすすめ(37)」をアップしたのが、今年の4月14日だから、かれこれ二ヶ月以上もの月日が経ったことになる。一ヶ月目を過ぎた五月あたりから、なかなか次の原稿が届かないので催促しようと思ったほどだが、おそらく御母堂の世話で忙しいのだろうと、小生なりに遠慮していたwww そして、漸く届いた新稿、仕事が一段落して真っ先に読んだのだが、今回も実にグー!!!
アラカン(還暦世代)のおじさんやおばさんが集まると、話は決まって健康の話になるとか…。亀さんも地元の友人らと呑むことが多く、以前は小生が声をかけて呑み会を進んで開催していたものだが、今はやっていない。自分たちの健康の話や老親の話で始終することが分かっているからだ。
ところで、今回のウォッチャーさんの話で特に印象に残ったのが、「100人の名医をたち所にゲットする方法」だった。「えっ、100人もの名医に見てもらうと、ベラボーなお金がかかるのでは…」と心配するアナタ、実は一銭もかからないのでR。どのようにするのかって? そのあたりは、ウォッチャーさんの以下の記事に目を通して猪!
週末=久しぶりに事務所で、スーダラ宴会をいたしました。参加者は何時もながらの、おじさん・おばさん族なのですが、今回は珍しく、平成生まれの若手が数人参加しており、賑やかなものとなりました。 その時のこと・・・乾杯したと思ったら、早速にも飛び出してきた話題が、財前五郎と浪速大学の物語、「白い巨塔」。そしてもうひとつ,「高血圧」と 「クスリ」! 「白い巨塔」といえば、おじさん・おばさん族は、田宮二郎を思い出しますが・・・平成生まれの若手は、田宮二郎も、山本學も知りません。松田聖子や山口百恵も昔々のアイドル。 おじさんたちが、ビールを飲みつつ、 「白い巨塔は山崎豊子の原作で、昭和41年に映画化され、その後にテレビ連続ドラマになり・・・」 説明している間に、 「えーっ!そんな昔からあるんですかぁ~」 と、平成チームは驚き、大笑い。 わたしも、そんな昔の「白い巨塔」のリメイク作品を暇潰しにみておりました。ドラマが始まると同時に流れ出した音楽(テーマ曲)を聴くに、忘れていた意外な昭和のテレビ番組(化学を悪用した怪奇な犯罪ドラマ)が心に浮かび上がってきたのですが・・・まあ、それはさておき、事務所宴会で毎度の如く話題に上がるのが、健康に関することです・・・何せ宴会のレギュラーは、おじさん&おばさん族ですから。 といったところで、先ずは、高血圧とクスリです。
「あなた血圧、高めだからクスリ(降圧剤)飲まなきゃダメよ・・・って、お医者に、さんざん脅されたけど、今はもう全然飲んでないのよ」 と、大ジョッキでビールを美味しそうに飲みほして話しだしたのが、Fさん。 このFさん、昨年(ブログNO 29)において、高血圧を取り上げたことがありましたが・・・ お医者に、 「先生。わたし、高血圧だから、血圧下げなきゃダメよっていわれましたけど・・・わたしが血圧高い、その理由は何なんでしょうか??」 素朴な疑問を投げかけたところ、お医者先生(女医さん)は、 「そんなことがわかれば、医者はいらないですよねぇ~!」 そっぽ向いたまま、冷たい言葉が返ってきたので、 「お医者がわからないとはねぇ・・・」 と苦笑しながら帰宅した女性です。 その後、通院をキャンセル。 クスリを止めて大丈夫だろうかと、一時は不安が心に広がったものの、あれやこれやと血圧や、クスリ(降圧剤)について調べるようになり、 「書店や図書館に通ったのよ。なんか学生時代に戻ったような気分で・・・」 と、そうするなか、 「やっぱりクスリは、危険なモノ!お医者に言われるままに飲むものじゃないわね!」 そう呟くに至り、クスリを止め、 「クスリを止めて大丈夫だろうか・・・」 という一時の不安を振り払い、しばらくしてからは、起床時の嫌な気だるさがなくなり食事もアルコールも、通院していた頃より美味しく感じられるようになったとのこと。 そのFさんがここ最近、読んだという本の中から、 松本光政氏(著) 「やっぱり 高血圧はほっとくのが一番」 そしてもう一冊、和田秀樹(著) 「だから医者は薬を飲まない」 二冊の新書を紹介してくれました。 Fさんが、和田氏、松本氏の著書の一部をコピーして、宴会参加者みんなに配ってくれましたので、下記、紹介してみます。二冊の本は、200ページ前後の新書ブックなので、書店で手に取り飛ばし読みするのもいいかもしれません。
(Fさんから手渡されたコピー用紙に興味深く目を通していたのは、おじさん・おばさん族より、むしろ平成チームのほうでした。一読した後、平成チームがFさんに、医者とのやり取りから、クスリを飲み続けていた時と、クスリをストップしてからの体調の変化などを熱心に質問しておりました)
***「こんなに沢山のクスリを飲んで大丈夫だろうか??」 調剤薬局で受け取った大量のクスリを見たら、誰しもこんな疑問を抱くと思います。 ところが、医者自身もこんなに沢山のクスリを飲んで大丈夫かな?と思いながら処方箋を書いていたとしたら、皆さんはどう思いますか??そんなことが現実に起こっているとしたら・・・・ 日本の医療は専門分化型になっています。大学病院に行くと、昔だったら内科はひとつしかなかったのに、いまは、 「循環器内科」「消化器内科」 「呼吸内科」「腎臓内科」「糖尿病内科」「神経内科」 というふうに細かく分かれています。 専門分化が進んだことによって、それぞれの分野で治療が進歩した面ももちろんありますが、実は現在では専門分化型医療の弊害のほうが目立っているのです。それは医者自身が自分で開業してみて初めてわかる事実かも知れません。 例えば、大学病院で循環器を専門としていた医者が自分でクリニックを開業するという場合、循環器だけでは流行らないからという理由で、「循環器内科 内科 小児科」などと複数の科を看板に掲げることがよくあります。「循環器が内科全般と小児科も診ます」 ということです。 あるいは外科を専門にやってきた医者が、開業の際に外科では患者さんがあまり来ないからという理由で、「内科 小児科 耳鼻科」などと掲げることもあります。 「外科が専門なのに」と疑問を持つかも知れませんが、医師免許さえ持っていれば、麻酔科を除いてどの科を標榜してもかまわないと国が認めているのです。
そもそも大学の医学部では全科を履修しなければなりません。一科目でも落とすと卒業することは出来ないのです。将来は耳鼻咽喉科になると決めていても、眼科も内科も外科も産婦人科もすべての試験に受からなければ、進級することも卒業も出来ないのです。国家試験もいまは、すべての科目を取り混ぜた総合問題形式で出題されます。つまり、医学部を卒業して医師国家試験に受かって医師免許を持った人、つまり医者は、基本的に医学全般の知識を持っているわけですから、開業の際に自分の専門以外の科を標榜することに何ら問題は無いわけです。 ただし、自分の専門分野以外の分野については十分なトレーニングを積んでいないので、自信を持って対応しているとは言い難い面があります。循環器が専門の開業医のところに消化器や呼吸器の問題を抱えた患者さんが来たら、そちらの専門の医者ほど詳しく診ることは出来ないということになります。 とは言っても、「胃腸のことはあまり詳しくなくて・・・」と患者さんに不安を与えるようなことを言う医者はいません。かと言って、自分の知識だけでは心配ですから、 「今日の治療指針」(医学書院)といった医学専門のハンドブックを開いて治療法を調べたり処方すべきクスリを決めたりするわけです。 ハンドブックには標準的な治療法とクスリの名前や用法用量もでているので、自分の専門外の知識を得るのに非常に心強いわけですが、標準治療として推奨されているクスリは、たいがいどんな病気に対しても一種類ではなく二種類、三種類ぐらいあるのです。そうすると、心臓病の患者さんを診ているとき、 「実は、骨粗しょう症もあるんです」「血糖値も高い」「ぜんそく持ちです」「胃潰瘍もあります」 と言われると、そういうことなら・・・ということで医者もそれらのクスリを処方するわけですが、例えば、ひとつの病気や症状に対して三種類のクスリを出さなければならないとしたら、全部でだいたい十五種類のクスリをだすことになるわけです。 「さすがに、ちょっと多いな」 と医者自身も思っているはずですが、総合的な判断が出来ず、どうやって量を減らしたらいいのか、ほとんど判断つきません。***
どうやって量を減らしたらいいのか、ほとんど判断つきません・・・でありながらも、なんでも診ます・・・「虎の巻」とにらめっこしながら、ごった煮診療。といったところでしょうか。 著者の和田氏は、内科の認定医の資格を持っているとのことで、 ***「内科学会の勉強会や研修会などに参加することがありますが、そこでは残念なことに、クスリの減らし方を教わることはなく、逆に新しいクスリの使い方を次から次へと聞かされ、減らすどころか、「薬漬け医療」を促進するかのようなことが行われている」*** とも記しています。 通院をキャンセルした後、Fさんは煩わしさから解放されたと思いきや、家族、友人などから、 「なに考えてるの。血圧高いんだから、クスリ飲まなきゃダメじゃない」 「あなた、そんな馬鹿なことしてたら、大変なことになるわよ」 と、非難の嵐!Fさん、家族、友人に診療室でのやり取りや、自分で調べたことなどを、話してはみたものの、 「聞く耳・・・持たないのよ。困ったことに。お医者が言うこと、することが正しいと思い込んでるから・・・いくら話してもダメ。こんな本があるから、ちょっと読んでみたらって勧めてみても、見向きもしない・・・」
お医者様は、神様です・・・と、それほどに思い込んでいる友人・知人が、わたしの身近にもチラホラおります。頭が痛いの、腹痛だの、風邪っぴきや、花粉症気味だのと言っては病院通いして、クスリを土産にもらって安堵する。「お医者love!」というタイプの人様に、何を話したところで通じません。患者の後ろで、虎の巻を見ながらごった煮診療するお医者様は、「紙様」とお呼びした方が、よいのかも知れません。 ところで、今、ふと思い出したのですが・・・ 内科の待合で座ったまま長々と待たされ、名前を呼ばれドクターと面会かと思いきや、看護師から、 「診察の前に、体重と血圧を測りますね・・・」 と言われ、その後、体重、血圧の数字が打ち込まれた、薄っぺらなスーパーのレシートのようなものを渡され診察室へと移動。 お医者先生は診察の間、ずぅ~~と、電動絡繰り箱(パソコン)と向き合い、話をするのも横を向いたまま、患者の顔などろくに見ない。診察終了後は、降圧剤を土産に持って帰るようにと言われ・・・ と、このような体験をされた方が、数多くいるのではないでしょうか!診察直前に、体重と血圧をチェックする・・・これ、巧妙な心理的仕掛けです。この後、診察というスタイルのもと、「あなたメタボで、血圧が沸騰してます・・・」 などと恫喝され、ヤク中患者へと導かれます。まあ、ここは、大げさに言えば、ということですが。しかし、心理的仕掛けにより患者は一瞬意識混濁。その間に、医者の声の響きは、紙であっても神の如く患者の心に流れ込んでしまうのかも知れません。
さて、ここで、松本光政(著) 「やっぱり高血圧はほっとくのが一番」 Fさんが、何度となく、暗記するほどに読み返したというところ。 ***身体の中には、100人の名医を抱えている。内科 外科 婦人科 眼科 耳鼻科 皮膚科 整形外科 循環器科 血液内科など、ありとあらゆる診療科の名医たちが総出であなたの身体の修復にあたっているのです。ヤブでも研修医でもありません。名医がです。これを知れば、ちょっとした症状で慌てて受診しなくても大丈夫だと納得できるのではないでしょうか。*** ***自然治癒力には、 身体を一定に保とうとする=恒常性維持機能 傷ついたものを元に戻そうとする=自己再生機能 異物を排除して自分を守る=自己防衛機能(免疫力) という3つのはたきがあります。***
***あなたの身体は、そのとき、その状況に応じて最も適した値になるようにあなたの血圧を調整します。階段を上がっているときは血圧を高くします。高くしないと上がれないからです。下りは少々下がるでしょう。下りは肉体にとって楽なため、血圧を高くする必要は無いからです。 怒っているときには血圧は上がるでしょう。怒りという感情が起こると血圧は高くなります。これは動物の本能です。ゆったりとリラックスしているときは、血圧は下がります。このように、あなたがどのような状況にあるのかに応じて、最適な血圧を身体は選んでいます。ですから、血圧は一定ではありません。誰でも高くなったり低くなったりします。 よく患者さんが、「血圧がしょっちゅう変動します」と訴えますが、それはちっともおかしなことではないのです。血圧は終始変化しているのです。寝ているときは寝るのに適した血圧に、起きるときは起きるのに必要な血圧に、ご飯を食べるときは、ご飯を食べるのに必要な血圧にといったふうに、身体はその場面にふさわしい血圧を自動調整してくれるのです。 毎日の暮らしのなかで、心も身体もいつ変化しています。その変化に合わせて一番良い血圧値を身体に作りだしています。血圧は変動するもので、それどころか激しく変動しているのが正常な人間なのだと理解してください。***
***人間は後ろ足で立ち上がった珍しい哺乳動物です。立ち上がったために地球の重力に逆らって、心臓よりも高いところにある脳に血液を送らなければなりません。では、どうしたら重力に逆らい、心臓から脳まで血液をポンプアップ出来るのでしょうか。それはポンプの圧力を上げることでしょう。圧力を上げて心臓から上へと血液を送り出さないと、脳はたちまち血液不足に陥って人間は死んでしまいます。しかも年をとると血管は狭くなり、弾力が無くなります。だから年とともに人間の血圧は上がるのです。それなのに、なぜわざわざ薬を飲んで血圧を下げるのでしょうか。血圧を下げたら、脳の血流が低下して、脳に栄養や酸素が行き渡らなくなってしまいます。だから降圧剤を飲む人には、好ましくない不調が現れるのです。***
***あなたが着ている洋服は既製品でも、既製品を着ているあなたの身体は世界にただひとつのオーダーメイドです。白血球の数、赤血球の数、コレステロールの値、肝臓の機能、尿酸値、そのほかの身体中のホルモン、数万以上の血液物質の数値など誰一人として同じ人はいません。あなたの身体は、自分の命にとって、最も良い値に見事にコントロールされ、構成されています。まさに名工が作ったオーダーメイドです。その見事に構成され、コントロールされているものを、ほかの誰かが決めた標準にあわせるために化学薬品で無理にいじっても良いものでしょうか。名工が作ったオーダーメイドの洋服をいじれる人はそうはいないでしょう。あなたの身体だってそうです。本人でもない医師がいじれるわけがありません。あなたの現在の身体は、あなたの身体に備わった自然治癒力という名工があなたのためだけにオーダーメイドで仕上げてくれた姿です。 検査値もそうです。現在のその値こそがあなたにとって最良の値なのです。医師がなんと言おうと、あなたにとって一番ふさわしい値を他人に合わせる必要などありません。他人は他人です。せっかくあなたの身体に最適の状態にオーダーメイドされているのに、それをクスリによって世間一般に合わせようとすることが問題なのです。***
あそこが痛いの痒いのと病院通いしている間に、あれやこれやとクスリを与えられ、飲み続ける。そうするうちに、身体の中にある、100人の名医たち(自然治癒力)が弱体化していく。クスリというのは、ことによると、身体の中にある100人の名医たちを暗殺するためのヒットマンの役目にある・・・ということなのかも、知れません。 身体の中にある100人の名医たちは、ヤブでも未熟な研修医でもなく、また、大量の薬を飲ませ、金銭を要求する算術医でもない。ヒットマン・チームを近づけないようにすることが先ずは肝心。
ーー追記ーー
そう言えば、五夜連続で「白い巨塔」のリメイク作品をみていた平成チームの女性が、 「あの里見っていう内科のお医者さんって、なんか優しそうにしてるけど、なんたらかんたら言って患者を検査漬けにして、ストレス与えてますよね!」 と感想を漏らしておりました。これには、おじさん・おばさんチーム、 「なるほど。そういう見方もあるか・・・」 と、驚き!爆笑しました! ###ー ただ今、BGMに「バッハの無伴奏チェロ組曲 第1番プレリュード」をカザルスで聴きながら、雪国仕込みの酒を一杯飲んでいるのですが・・・どういうわけか、バッハの無伴奏チェロ組曲を聴きながらの一杯が、やけに美味しく感じます。酒がチェロの音色に聴き惚れているのでしょうか・・・それにしても美味い! 飲む前に、一升瓶に音楽鑑賞させると、まろやかに変身するのかも知れません??-###
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