先週の日曜日(4月21日)、久しぶりに上京してTOEIC時代の同僚と赤羽で呑んできた。二年ぶりだったので多くを語り合ってきたのだが、特に印象に残ったテーマは、同僚の一人である先輩が取り上げた「孝明天皇暗殺説」だった。今の小生は巷で噂になっている、孝明天皇暗殺説を全く信じていないので、念のため先輩に「情報源は?」と訊いてみたところ、案の定「鬼塚英昭」という答えが返ってきた。その一言で、先輩の孝明天皇観が手に取るように分かった次第である。
落合莞爾や飯山一郎といった先達は、孝明天皇は暗殺されたのではなく、「お隠れ」になったと主張しており、小生もその通りだと思っている。鬼塚氏については、旧ブログの「『瀬島龍三と宅見勝「てんのうはん」の守り人』」と題した記事で取り上げているが、同氏の孝明天皇観は鹿島曻が著した、一連の書籍を根拠としていることは、同記事で簡単に紹介した。
また、孝明天皇は伊藤博文に暗殺されたという噂は、故鹿島昇氏の『裏切られた三人の天皇 明治維新の謎』が噂の出所となっており、ネットでの孝明天皇暗殺説もほとんどが同書に由来していると云っても過言ではない。当然ながら、鬼塚氏も鹿島昇天皇観から一歩も出ていない。小生も長い間にわたって鹿島昇天皇観に囚われていたが、それを打ち破いてくれたのが落合莞爾氏であった。ともあれ、孝明天皇暗殺などと根本から間違えているため、鬼塚氏の田布施に関する記述についても眉唾物であると云わざるを得ない。

それから、上掲の拙記事にコメントを寄せてくれた國體奉公衆という人が「田布施」について言及しているので、併せて一読されるとよいかもしれない。田布施については、いずれ飯山史観カテゴリで取り上げる予定である。
先輩と分かれた日の翌日、お礼も兼ねて電話を入れたのだが、その時に『飯山一郎最終講義』を贈ると約束し、以下のように電話口で述べた。
小生は鬼塚の語る「孝明帝暗殺説」は信じていません。近く、そのあたりについて二人で語り合いましょう。その事前知識として、『飯山一郎最終講義』を贈りますので一読していただければ幸いです。

そして、以下のようなことも付言しておいた。
同書は主に金正恩についての本なのですが、実は孝明天皇といった皇室の話にも根底で繋がる内容です。
金正恩の母親は巷で噂になっている高英姫ではなく、拉致された横田めぐみさんであり、そのめぐみさんの母親・横田早紀江さんに流れる、高貴な血こそが拉致の真相です。単刀直入に言えば、金王朝を樹立するためでした。金正恩は凡人には到底理解の及ばぬ政事家であり、そのあたりは故飯山一郎さんが「金王朝の “深い謎”」で実証済みです。
先輩も初耳の話ばかりだったためか、「ホォ…」、「エッ!」と、受話器の向こうで非常に驚いている様が手に取るように分かった。小生は普通、金正恩について人前で語ること滅多にない。話しても信じてもらえないし、時間の浪費になることが分かっているからだ。このあたり、「海面下に沈む氷山を観察しないことには、大手マスコミが流す表層的な国際政治しか目に見えて来ず、本当の世界の潮流が分かるはずもない」と、前稿「米中の新冷戦?」にも書いた通りである。
しかし、先輩とは付き合いは35年以上に及んでおり、TOEIC時代の同僚の中では最も人物として信頼がおけ、多様な世の中の意見・意見を一旦は受け止め、その上で咀嚼して己自身の血肉にする人なので、最終的にどのような孝明帝観に至るのかは分からないものの、飯山史観を編集していく上で何等かのヒントが得られると思い、近く幾度かお会いすることにした次第である。
さて、肝心の飯山史観の編集、ここのところ大分滞るようになってしまった。そのあたりを反省し、再び編集作業に注力していきたいと思う。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
|