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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
大野和士×原田マハ
NHKの「SWITCHインタビュー 達人達」、気にいっている番組の一つということもあって大方は録画しているが、如何せん普段は仕事に追われていて、せっかく録画してあるのに殆ど未だに鑑賞していない有様だ。幸いにして、先週末あたりから仕事も一段落したこともあり、せめて最近録画した分だけでもと見始めたのだが…。

先週土曜日(2月16日)に放送された「大野和士×原田マハ」、思わず身を乗り出したほどであった。と言うのも、対談者の一人である原田マハ女史が元学芸員だったからで、実は亀さんの従姪夫婦も二人揃って学芸員だ。だから、学芸員とはどのような仕事をするのか、日頃から興味を持っていたのだし、それが同番組を見始めるきっかけとなった。そして、原田女史が「学芸員」とは「プロデューサーのようなもの」と語るのを聞くに及んで、なるほどと思った。

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学芸員から作家に転身した原田女史、数多ある彼女の作品の中で、代表作ともいえるが『楽園のカンヴァス』という作品のようで、天才画家のルソーとピカソの二人を登場させている。

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対話が進み、やがて「言葉」についての話題に移ったのだが、その中で原田女史は以下のように語った。

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つまり、読者が頭にイメージできるような文章を、原田女史は常に心がけているのだという。その言葉を耳にして、我が意を得たりの思いだった。何故なら、亀さんも旧ブログを含め、いろいろとブログ記事を書いてきたのは、最初の頃は日本語力を向上させるという目的があった。だから、読者に自分の文章をビジュアルに頭の中で描いてもらえるだろうかと、考えながら推敲するのを常としてきたのである。ただ、未だに己れの文章力は未熟だと思うし、そのため画像ファイルというビジュアルの力を借りているわけだ。こうした方法で漫画チックなブログを15年近く書いてきた。ホームページ時代も含めれば、1998年にホームページ「日本脱藩のすすめ」を開設して以来、かれこれ20年以上にわたってネットにあれこれ書いてきたことになる。そうした地道なことを続けてきたこともあり、最近は漸く人様に読んでもらえるような文章になってきたかなと思う。尤も、ここ数年は己れの日本語力を磨く為というよりは、次に続く若い世代のために〝遺言〟として遺しておきたい、という気持ちの方が強い。

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原田女史には、なかなか書く踏ん切りがつかなかった画家が一人いた。その画家とは、あのゴッホ…。それでも、漸くにして女史はゴッホの晩年の作品「星月夜」を叩き台に、『たゆたえども沈まず』(幻冬舎)という作品を世に出している。また、日本人画商の林忠正が登場しているということで、機会があれば手に取って読んでみたい本だ。

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次に指揮者である大野和士氏だが、2018年9月1日に新国立劇場の芸術監督(オペラ部門)に就任している。その大野氏がタクトを振る練習光景を新国立劇場で見た原田女史、流石は言葉のプロであるだけに、言葉にまつわる鋭い質問を大野氏に投げた。

演奏の仕方などについて大野氏が、オーケストラ楽団員に言葉で色々と伝える前と後では、明らかに異質の演奏になっていることに、原田女史は気づいたのだ。そこで、原田女史は大野氏に問うた。「楽団員に伝えた言葉、これは予め練りに練って考えてきたものなのか、それとも、インスピレーションで脳裏に浮かんだ言葉が口をついて出てきたものなのか?」と。それに対して大野は以下のように答えた。

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つまり、譜面に集中し、作者の心を掴もうと悩みに悩み、そして一心不乱にタクトを振る…。すると、作者の心、魂が大野氏に乗り移ったような体験をするのだという。その上で大野氏は、「(私は楽団員に)このように演奏して欲しい」と、一本の目に見えぬ糸のようなものが頭に浮かび、それが自然に言葉になって口をついて出てくるのだと語る。この大野氏の「糸」という言葉の持つ意味については、大野氏と原田女史の間で交わされた、ベートーヴェンから始まってタクトを振る練習に至るまでのシーンで語られている。

もう一つ、思わず身を乗り出した大野氏の言葉があった。それは、大野氏がクロアチア紛争中も、タクトを振り続けていたという話だ。また、紛争の間、大野氏と楽団員は一度も定期演奏会を休まなかったという。

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さらに感動したのは、紛争という大変な時期であったにも拘わらず、平和時よりも却って大勢の人たちが演奏場に駆け付けたという実話だ。この大野氏の言葉を耳にした時、咄嗟に脳裏に浮かんだのがフルトヴェングラーだった。そのあたりについては、旧ブログでも紹介した宇野功芳氏と中野雄氏の言葉を、ここでも再掲しておきたい。

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シューベルト《グレイト》ベルリン・フィル 1942年

・おそらく彼(フルトヴェングラー)の数多いレコードの中で最も、燃え切り、自己の内面を赤裸々にさらけ出したのは、ベートーヴェンの《第五》とこのシューベルトの《グレイト》であろう。(宇野功芳)

・(第二次大戦という状況下における)指揮者(フルトヴェングラー)と楽団員の明日なき思いが聴く者の胸を抉る。(中野雄)

クラシックのすすめ


さて、オペラ部門の芸術監督に就任した大野氏、本邦初の日本語によるオペラ、『紫苑物語』をプロデュース、先々月の1月31日に上演の運びに至っている。その『紫苑物語』、BSプレミアム「プレミアムシアター」で3月25日に放送されるとのこと。これは是非に録画し、鑑賞したい。何故なら、大野氏の作品は、日本のオペラに「革命」を起こすという予感がするからだ。

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【追記】
音楽は心をつなぐ

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