NHKの「新日本風土記」という番組、民俗学に関心のある身として毎回放送を楽しみにしている。しかし、時には社会の底辺を描いた番組も放送されることもあり、しかも内容的に実に興味深い。たとえば、「東京の夏」という番組を新日本風土記で放送したことがあるが、その中でテキヤが登場するシーンがあった。このあたりは拙稿「プロポーズを受けたら、二つ返事でOK…」で簡単に取り上げたことがあるが、今回の「釜ヶ崎」も実に良かった。
大阪市西成区にある通称・釜ヶ崎は、日本の経済成長を支えてきた労働者の街だ。その日暮らしをする人々、彼らを支える街の人たち……。冬の釜ヶ崎の今と、人情を見つめる。
釜ヶ崎の朝は日の出前から始まる。仕事をあっせんする手配師と呼ばれる人々と、その日の仕事を求める人たちとの交渉の様子を紹介。現場は? 賃金は? 50年以上続いてきた光景だ。いま街では高齢や体の不調で働けない人たちが多くなっている。そんな彼らを癒す憩いの場とは?
また、人々の人生が詰まった貸しロッカーの中身も取材。その中に入っていたものとは? 厳冬の季節になると毎年路上で亡くなる人も。そうさせないために夜の街で行われている大人たちや子供たちの取り組みも紹介する。
西が釜ヶ崎なら、東の〝釜ヶ崎〟が山谷だ。そして、山谷という言葉に接すると、岡林信康の「山谷ブルース」を思い出さずにはいられない。
「人は山谷を 悪くいう だけど俺たち いなくなりゃ ビルもビルも 道路もできゃしねぇ」と歌う、岡林の言葉が胸に突き刺さる。「釜ヶ崎」でも以下のシーンが…。


また、以下のシーンも強く印象に残った。
 釜ヶ崎ガイドツアー

 中年男性(53歳)が入社式に着ていく服を探していたところ、、100円のジャケットをゲット

 釜ヶ崎で生まれ育つ子供たちが、路上生活者に食べ物を配る…

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