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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
がんばれストリップ
最近、アメリカのオハイオ州で3人の女の子が、10年間も監禁されていたというニュースは記憶に新しいところだ。



ニュースに接して咄嗟に思い出したのが、今東光和尚の『おれも浮き世がいやになったよ』の一節、「がんばれストリップ」であった。面白い小節なので、本稿の最後に転載しておこう。日本でも似たような犯罪が過去にあったが、そうした犯罪の起こる理由を知り、防止に努める意味で、和尚の発言に耳を傾ける価値があるんじゃないだろうか。

また、TVドラマの「深夜食堂」の第9話も思い出した。ストリッパー嬢の物語なのだが、粗筋は以下のブログに書いてある。
http://manamanawatching.mediacat-blog.jp/e46670.html
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がんばれストリップ

はき違えた取締り
いつだったか、大阪の桃花会という会に招かれたことがある。
これは大阪市内の有名なスーリップ劇場の若き経営者達の集まりで、中には大学を出た紳士も数人いた。あまりいろんな会合には顔を出さない僕は、少なからず好奇心と興味があるがままに敢えて出席したのだ。第一、桃の花と洒落ているではないか。
日本では桃いうと女性の象徴だが、アメリカでは男性のシンボルの突端を現しているのだ。その桃の花盛りとは、ピンクムードの劇場主にはふさわしい名称だと思ったことである。
彼等の訴えることは、不必要なまでの警察の干渉という話題だった。事実、聞いていると愚にもつかない点まで干渉しているらしい。お節介の好きな日本人のうちでもお節介な警察は、何のためにストリップ劇場などに干渉するのかわからない。
僕は平生、疑問に思うのだが、映画館の看板とストリップ劇場の看板を比較した場合(もし暇な御仁があったらよく比較研究して見給え)、よほど映画館の看板の方がショッキングでエロティックだ。ストリップ劇場の踊子の写真など飾ってあっても、ことごとく着衣もしくはそれに近い慎ましい姿で、決して映画のポスターのようにドギついものではないのだ。もし取締りの対象になるなら、日本国中の映画ポスターや看板こそことごとく撤去すべきであって、殆ど春画まがいの看板が白昼堂々と立ててあるのこそ奇怪至極だ。
当今は大手筋の映画会社の看板も落第だ。いわんやエロダクションの作品の看板にいたって目を蔽いたくなるものさえある。
ロートレックの『赤い風車』のポスターなど見ると、フランスが羨ましくなる。あれこそ一級品の芸術で通るポスターだ。然るに日本では何万となく制作されるポスターで、あれに匹敵するものがあったか。その意味では都市美のためにもポスターや看板に対してこそ、もっと神経を使って取締りを厳にすべきではあるまいか。
武智鉄二君の『黒い雪』が映倫に黒星を与えて、興行面ではほくほくしたそうだが、これも興行者の一つの作戦、あるいは陰謀だったような気がするのだ。映倫を乗り越えて、遂に警視庁が干渉せざるを得なかったという謳い文句は魅力的だし、当然、切られるべき個所を予想してカットされたことは大いに宣伝になったことは確かだ。
僕の言いたいことは、武智鉄二君の作品がエロ過剰であるか否かということではなく、武智君が反米思想を盛った作だという点に却って問題があると思うのだ。日本政府は安保条約を結んでいるのだ。経済的には好むと好まざるとに拘らずドル経済圏に入っているのだ。一映画作品がエロであるか否かはさして重要ではない。公然と反米思想を掲げる映画を製作させることに、抵抗を感ぜざるを得ないのだ。左翼の表現に従えば、安保条約は即ち軍事同盟だというのだ。然り軍事同盟で結構だ。然らば、軍事同盟を締結した国に対する反対思想を鼓舞することは、国是に反するではないか。この点の取締りを逸して何の取締りであろうか。

庶民の憂さ晴らしの場を奪うな
かつて大阪の新世界、温泉劇場に有能な支配人が存在し、彼の作った宣伝文にはいたく感心したものだ。ストリップ劇場には、時としてこのような街の詩人が存在するのだ。その遺稿が出版されたらと僕は楽しみに待っているのだ。
僕はたびたび、ストリップ劇場の見物客となる。ここでは庶民が浮世の憂さを晴らしているのだ。家庭から、社会から、あるいは国家からも遁走して、人間の裸に陶酔しているのだ。僕は齢六十を過ぎて、永井荷風先生が浅草のストリップ劇場に耽溺した気持がわかってきた。
特に強調したいことは、フロイトの精神分析学を持ち出すまでもなく、ここには不思議な一連の常連客を見出すのだ。僕は東洋尉場でも、その他の小屋でも、よく同じ人物を見かける。彼は僕の顔を見ると、ちょっと目顔で挨拶してこそこそと人陰にかくれて行くが、舞台の踊子を見つめる目は異常で、荒々しく興奮し、果ては感激のため卒倒しそうになっているのだ。それは若い女の肉体に圧倒されるからとばかりは言えないのだ。
劇場主達の話によると閉館の後、客席を掃除するとそこにゴム製品が二つも三つも落ちていると語っていた。ここに社会の病根があるのだ。これ等の異性に興奮する客の中には、妻や愛人に裏切られたり、短小のために軽蔑されて劣等感を抱いたり、極端に臆病のため女性に接することができなかったり、性交不能のためにせめては肉体を眺めに来る不具者であったり、そのような社会の裏街道を歩く不幸な人々が漸く浮世の片隅に発見したオアシスとして、毎日、劇場に通勤せずにはいられない病人が来ているのだ。もし取締りが厳重になって閉鎖などしたら、これ等の人々はどこへ行くであろうか。恐らく少女を襲ったり、自分に抵抗のできない幼女を押えつけたり、意外な椿事を招く結果になるのだ。人間の深層心理を探求すると、このような常連の救いこそはストリップ劇場だということになるのだ。
政治家諸公や財閥などは最高級の花柳界で遊蕩し、一流のキャバレーやバーで、思いのままに美女を撰しているのではないか。売春禁止法そこのけで遊んでいて、人民には売春禁止法で臨んで取締りを強化するのは、果して善政といえるであろうか。
何といってもストリップ劇場では、踊子に触ることはできないのだ。いわんや彼女等を自分の物にすることなどはできないのだ。単に眺めるだけだ。せめて見ることだけは許してやってもいいだろう。
大袈裟な言い方をすればストリップ劇場の存在は、杜会に対する一種の救いであり、安全弁だと言うことができるのだ。従ってあまり要らざる干渉はしないことだ。
この取締りも各府県によって違い、警察本部長の手心によって相違するというのは可笑しなものだ。かつて名優ピーター・ローレーによって少女誘拐の物凄い映画があった。これは小心で、臆病で、恥ずかしがり屋の男が女性とは対等の位麗を意識することができないために、か弱い少女を誘拐し、暴行を加え、殺害する変態性欲者を扱ったものだったが、もしストリップ劇場が自由に与えられたら、このような犯人を生まずに済んだかもしれないのだ。
日本人の悪い癖でストリップ劇場など見て来ると、得々として誇大に喋り散らすが、これが警察の干渉を誘発するわけで、むしろわびしく小屋の片隅でそれを観賞している人々に同情を持つべきなのである。
とりわけ顰蹙したいことは、同業者があること無いことを書き散らして警察に投書するそうだが、このような投書魔こそ逮捕して留置場でド頭を冷してやるべきだろう。
僕なども投書魔に悩まされる人種だが、当今は投書に対しても鈍感になり、むしろそれをエンジョイしてどうして日本にはこのような阿呆なお節介屋が生きていやがるのかと面白くなっているが、この種の同業者間の嫉妬誹謗がいかにあらゆる方面の妨げとなっているかを反省する必要があると思う。
桃花会が健全に発達するなら単に大阪だけでなく、全日本のストリップ劇場は団結して社会のために貢献すべく努力するべきだ。

『おれも浮き世がいやになったよ』p.170


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