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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
真言立川流と今東光 2
仕事から解放されたので、机に積んであった落合(莞爾)さんの『南北朝こそ日本の機密』を手に取り、先ほど一気に読了した。ついでに、アマゾンに短いレビューも載せたので、一読いただければ幸いである(本稿の最後を参照)。

ところで、読み進めながら気づいたのだが、同書ではあの文観について様々な角度から言及していた、特に,以下の行に目が止まった。

後醍醐がわが子の護良と宗良を天台座主に就けたのは、倒幕に備えて比叡山傘下の密教勢力を通じ、吉野熊野の海民勢力との関係を構築するためでした。p.146


咄嗟に思い出したのが、先日書いた拙記事「真言立川流と今東光」である。同記事では「今東光は立川流の信者だった」という噂について書いたのだが、その時点では何故天台宗と立川密教とが結びつくのか分からず、単に真言立川流は艶めかしい宗教なので、今東光が注目したのだろう程度に思っていた。しかし、上記の行を目にして、そんな底の浅いものではないことを思い知ったのである。今東光という一個人を超え、天台宗および真言立川流は歴史的に深く結びついていたのだ。おそらく、今東光もそのあたりについて知っていたはずであり、今後の課題として真言立川流が天台宗と文観以降、どのように関わっていたのか調べていこうと思う。案外、「文観の実跡を調べると明治維新後の政界を支配した薩長政体にとって、極めて都合の悪いこと」が、浮き彫りになるかもしれない。

ご参考までに、以下は『南北朝こそ日本の機密』で言及していた文観に関する行である。

文観の実跡を調べると明治維新後の政界を支配した薩長政体にとって、極めて都合の悪いことが出てくる恐れがあったことです。p.94

文観の仲介で後醍醐支援に加わったのが河内国の悪党楠木正成です。p.106

文観を一個の律僧とか真言律集団を率いる宗教指導者として看ては、史観を誤ります。文観の背後には、六百年も昔の奈良時代の行基菩薩以来、いやむしろ古墳時代にまで遡る土師氏の勢力が存在していたのです。p.110

行基が信仰の根本としたのは、深遠な鎮護国家論をかざす国家仏教ではなく、貧者救済の慈悲を重視する民衆仏教と日本古来の山岳信仰など神道系シャーマニズムが習合した、独自の宗教観に基づく大衆仏教ではなかったかと推量します。
こうして看るとき、土師氏→行基→叡尊→忍性→文観の非人救済系統と、土師郷→泉州家原寺→生駒竹林寺→秋篠管原寺→秋篠山西大寺→岸和田久米田寺→鎌倉極楽寺→吉野如意輪寺→京都型護寺と広がるシャーマン・ネットワークの相互関係は、根本に遡ると、非人救済の文殊信仰と、吉野熊野を淵源とする山岳シャーマンの修験道とが結び付いたものと考えるべきことと思科されます。p.122

後醍醐がわが子の護良と宗良を天台座主に就けたのは、倒幕に備えて比叡山傘下の密教勢力を通じ、吉野熊野の海民勢力との関係を構築するためでした。p.146

後醍醐と文観は、倒幕を進めるために仏教勢力を抱き込もうとします。前年に大塔宮を天台座主に就任させたのはその一環なのです。p.172

すでに二十一歳になった大塔宮の将来につき、後醍醐が方策を回らしたのは当然で、相談相手はいうまでもなく、政治面の参謀総長を務める護持僧の文観です。後醍醐と文観が考えついたのは、大塔宮のために新しく世襲宮家を興して第三の皇統とし、将来必ず訪れる皇統断絶の機会を逃さず、これに皇統を継がせて入れて皇統を一元化することでした。p.173

大塔宮の偽装弑逆を企画したのはおそらく文観で、現地の鎌倉でこれを実行したのは、むろん足利直義です。この偽装弑逆は、北条軍の来襲を受けて慌てて実行したものではなく、また北条軍の来襲を予測して待機していたものではなく、計画が既にできて実行の機会を待っていた時にたまたま中先代の乱に遭遇したものと思われます。p.187


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