今年の野球のオールスターゲームは日米ともすでに終わったが、〝政治〟のオールスターゲームに関しては、今や日米とも手に汗を握る白熱の展開となっている。ここで、政治のオールスターゲームとは何を指しているのかについては、拙稿「都議選の陰にネオコン」を参照にしていただくとして、以下のスプートニク紙の記事の場合、「ネオコン」をキーワードに念頭に置けば背景が容易に読み取れよう。 安倍内閣の支持率急落を日露の専門家が読み解く:対露カードは蘇生の役に立つ?
現在、日本のマスコミが大騒ぎしているモリカケ(森友・加計)騒動は、ネオコンが引き起こしたカラー革命であることが理解できれば、安倍首相を退陣に追い込もうとするネオコンの肚が透けて見えてくるはずだ。そして、「安倍辞めろ!!!!」と叫んでいるマスコミや言論人らは、ネオコンの太鼓持ち、あるいはネオコンの存在が見えない盆暗(ぼんくら)、このいずれかということも分かるだろう。
ここで肝心なことは、安倍首相の退陣という最悪のケースを想定の上、仮に安倍内閣が潰れたとしても動じることなく、再び今年の2月11日(日米首脳会談)以前のように、アメリカ(ネオコン)の奴隷国家に戻るだけの話なのだから、その状況下で生き抜いていく術を今から練っておくことだ。なを、今年の3月5日に「奴隷から半奴隷へ」と題した記事を書いているが、もし奴隷国家に戻ったら、「奴隷国家ふたたび」といった題の記事を書くつもりだ。

ところで、弁護士であるケント・ギルバートの以下のブログ記事を読んだ。 悪質さ増す日本メディアの世論誘導
ギルバートの場合、「モリカケ騒動の背景にネオコンの存在あり」と、明確に指摘していないのは残念だが、それ以外については概ね肯定できる記事内容だった。殊に、同記事の結語は頭に叩き込んでおこう。
メディアの横暴を放置すれば、先の絶滅危惧種の絶滅よりも、日本国の絶滅が先かもしれない。
ここまで書き上げたところで、『月刊日本』の最新号(八月号)の山崎行太郎と、『安倍でもわかる保守思想入門』(KKベストセラーズ)を著した、適菜収との対談記事に目がとまった。「小池・都民ファーストの正体」(p.46)という題の記事で、上述のギルバートもやり玉に挙がっていた。取り敢えずサーッと目を通してみたが、注目すべきは同記事の最後の段落である。
共産党を中心に保守政党の結成を 山崎 メディアや政治家が大衆化するのは避けられないとしても、一人や二人くらいはしっかりとした物書きや政治家がいてほしいですね。 適菜 そうですね。今やらなければいけないのは、保守政治を立て直すことです。 その際は、共産党がベースになるかもしれない。共産党はTPPや消費税、移民政策についても反対している。北方領土の主権の問題についても、かなり保守的な立場をとっている。自民党が急速にグローバリズムに舵を切ったので、相対的に共産党が保守的に見えるのでしょう。 ただ、やはり共産党は信用できない。だから、いくつか条件があると思います。 第一にマルクス主義を正式に放棄すること。第二に、天皇陛下に対するこれまでの不敬な態度を反省すること。第三に、共産党という名前は聞こえが悪いから保守党に変えること。そこに真っ当な保守勢力が結集すれば、自民党にも対抗できる。 山崎 それは面白いですね。都議選では野党共闘の中心になるはずの民進党も惨敗しています。彼らのこれまでの振る舞いを見ても、とても期待はできない。 それに対して、共産党は思想的にも一貫性があります。彼らは政治情勢に左右されず、「国家とは何か」「権力とは何か」ということを愚直に考えていますよね。そういう政党や政治家は尊敬すべきだと思います。 適菜 しかし、ここまで政治や社会が壊れてしまうと、立て直すにも相当な時間がかかるでしょうね。 山崎 自民党だけでなく、政治全体が壊れてしまっていますからね。この流れをいかにして食い止めるかということが、保守を自任する人間一人ひとりに問われていると思います。
典型的な「べき論」である(嗤)。それはともかく、「自民党が急速にグローバリズムに舵を切った」とする適菜の現状認識、呆れて物も言えないが、それ以上に酷いのが山崎の、「自民党だけでなく、政治全体が壊れてしまっていますからね」という発言だ。山崎は依然として、世界と日本の現実に明き盲である。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
|