
ジャーナリストの青木理氏の筆による、『「祖父は反戦政治家」安倍首相が決して語らない、もう一つの系譜』という記事を読んだ。同記事は青木氏本人が著した『安倍三代』を下敷きにした記事で、安倍首相の父方の祖父・安倍寛、父・安倍晋太郎、安倍晋三の三人についての人物評といった記事だ。同記事に目を通せば分かるように、青木氏は安倍首相の父方の祖父、そして父を高く評価しているのが分かる。
一方、安倍首相について青木氏は、同記事中で以下のように酷評している。
失礼ながら、恐ろしくつまらない男だった。少なくとも、ノンフィクションライターの琴線をくすぐるようなエピソードはほとんど持ち合わせていない男だった。誤解してほしくないのだが、決して悪人でもなければ、稀代の策略家でもなければ、根っからの右派思想の持ち主でもない。むしろ極めて凡庸で、なんの変哲もなく、可もなく不可もなく、あえて評するなら、ごくごく育ちのいいおぼっちゃまにすぎなかった。
言葉を変えるなら、内側から溢れ出るような志を抱いて政治を目指した男ではまったくない。名門の政治一家にたまたま生を受け、その“運命”やら“宿命”やらといった外的要因によって政界に迷い込み、与えられた役割をなんとか無難に、できるならば見事に演じ切りたいと思っている世襲政治家。
亀さんは青木氏の著書を読んだことはないものの、定期購読している『月刊日本』に青木氏が寄稿していることもあり、気骨あるジャーナリストとして高く評価していた。たとえば、三年以上前に書いた拙稿「いま 集団的自衛権を考える 2」でも、青木氏を以下のように評価している。
NHK経営委員が新会長に任命したのが、あの籾井勝人氏であった。この籾井氏、就任早々色々と問題発言を引き起こし、結局は国会やNHK番組で〝謝罪〟したのだが、そのあたりについて以下の青木理氏の批判は正しく、必聴である。
また、当時の亀さんは安倍晋三の人物を見抜けていなかったこともあり、以下のように書いてしまったものである。
安倍首相はアメリカのネオコン(戦争屋)の流れを汲む人物である事実である。ネオコンの正体を知れば、何故に安倍首相が熱心に原子力発電所を海外にセールスし、さらには武器輸出三原則を全面的に見直すことで、輸出への道を開こうとしているのかが見えてくる。
今読み返してみるに赤面の至りだが、当時は安倍首相が本当にネオコンの手羽先と思っていたのである。しかし、当時の官邸を牛耳っていたネオコンに逆らおうものなら、確実に死が待っていたのだ。だから、当時の安倍首相のあれは、面従腹背のポーズだったことが今にして分かるのだし、このあたりは拙稿「面従腹背」に書いているが、特に同稿の最後に転載した安西正鷹さんの記事、実に優れた記事なので以下に再掲しておこう。

ともあれ、上記の青木理氏の記事を読む限り、同氏は今でも安倍首相の人物がまったく分かっていないし、ネオコンの太鼓持ち、換言すれば売国奴に成り下がっているのにも気づいていない。だからこそ、ネオコン系のテレビ朝日の「モーニングショー」にコメンテーターとして出演でき、朝日新聞出版から『安倍三代』を出せたのも頷けるのだ。以下の画像は「テレビにだまされないぞぉⅡ」から拝借したものだが、同ブログに載っている青木氏の発言を読む限り、安倍首相が国士であることに、同氏が丸で気づいていないのは確かである。

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