
近所のコンビニへ行き、〝最後〟のビッグコミックを買いに行った。〝最後〟と言うのは、今号を最後に、同誌の購読を止めるつもりで買いに行ったのだ。同誌は一週間も前に発売されていたが、なかなか買いに行く気が起きなかったのである。最近の同誌が、面白くなくなったのが最大の理由であり、姉妹誌のビッグコミックオリジナルも、「あんどーなつ」が突然終わってしまったことから、購読を止めている。爾来、二年近くが経つ。
ところがである、帰宅して同誌に目を通しながら、もうしばらく購読してみようと、気が変わった…。
その理由は幾つかあるんだが、一つは、「荷風になりたい ―不良老人指南―」(原作/倉科遼 作画/ケン月影)の以下のシーンに、グッと来たからだ。

銀座の女と付き合うに上での大切なこと、まさにその通りだと亀さんも思う。
嘘をつかない 何事も正直に
ところで、この漫画は永井荷風が主人公だが、今東光は以下のように荷風を評している。
荷風は本当に変人だったのか? よく永井荷風氏のことを、世間では変人とかケチとか言って悪い評判ばかリだが、本当に変人だったのか? 私は永井氏の幅広い教養と、欧米通でありながら、日本の外務省のように欧米崇拝などしないで「我らいかやうに外国の感化を受け候ても要するに日本人たリと申す一事に御座候」とはっきり言う態度に敬服している。ご意見お聞かせ願いたい。 (川崎市高津区パウロ)
まさにその通り。変人で人嫌いでどケチ。ケチを通りこして河内風に言うとどケチ。それでど平で箸にも棒にもかからん人だけれども、しかし教養は和漢洋にわたり、その文章のうまさは素晴らしいものだし、大変なもんだ。あくまでもフランス語はうまく、英語も達者。アメリカヘ行けばすぐアメリカの女と同棲しているし、フランスではフランスの女と同棲してね。“至る所青山あり”で暮らしてるほど語学も達者だけど、日本人の誇りを一歩も崩してない。それでいて日本人が大嫌い。前の質問で言ったあれだよ。嫌いだからこそ愛さずにはいられないんだ。 荷風のそれらの性格を悪いと言っていることがそもそもおかしいんだよ。ケチで変わり者で交際しない……。これを志賀直哉と比べるとよくわかるんだ。志賀って奴は何となく子分をこしらえる。芸術院会員の番人でな。本当にイヤな野郎だよ、閥なんかこしらえて。それで“神様”だとか何とかゴマすられて……。 こんなのに比べたら、イヤな奴は志賀直哉で、潔癖で高潔無比なのはむしろ荷風の方だ。 世間の評判なんてものは、それくらい的を外したでたらめなもんでね。 『最後の極道辻説法』p.117~118
禿同!
その他、今号のビッグコミックは、実に、男女の機微をうまく描いていた。例えば、「黄金のラフ」の以下のシーン…。

しかし、最も感動したのは、「ゴルゴ13」の以下のシーンだ。これを見て、もうしばらく同誌の購読を継続すると、亀さんは心に決めた。何故か? 直に同号で確認していただきたい。

【追記】 一年半ほど前になるが、天童竺丸さんが『みち』(2016年1月15日号)の「巻頭言」で、稲村公望さんの「前方後円墳」について取り上げていたことがある。

今号のビッグコミックの「レインマン」を読んでいたところ、、ナント! あの宗像先生が登場、前方後円墳を取り上げているではないか…。

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