
ブログ『文殊菩薩』に、「謎解き2017年エコノミスト表紙」と題する記事が掲載された。久しぶりに年頭のエコノミスト誌の表紙を目にして、咄嗟に思い出したのが拙稿「トランプ占い(2)」で紹介した、安西正鷹さんのエコノミスト誌の表紙についての見解であった。そこで、この両者の見解を読み比べると、興味深い共通点を見出す読者も少なくないと思う。亀さんは安西さんと野崎晃市博士の両者と、同じ釜の飯を食っていることもあり、時々だが、お二人がダブることがある。それは、二人の顔や雰囲気が似ているということだけではなく、二人の〝宗教性〟にある。安西さんの場合、今回紹介した安西ファイルに登場するアラハバキから分かるように、日本の土着宗教に造詣が深い。一方、野崎博士は筋金入りのキリスト教学者である。だから、宗教性という観点から二人の比較論を書けば、興味深い記事になりそうだ。
ところで、今回の野崎博士の記事にクシュナーが登場している。
1、The Tower(塔) ロシアの最高裁判所でエホバの証人の活動を禁止する命令が出された(記 事)。左は旧ソ連の旗で、右の十字架はロシア正教を意味し、ロシアでの禁令に一致する。エホバの証人はキリスト教系の宗教団体で、Watch Tower(ものみの塔)と呼ばれる雑誌を発行している。ちなみに、ニューヨークの同教団ビルはトランプの娘婿クシュナーの不動産会社へ売却が決まった。
上記を読み進めながら、拙稿「月刊日本も…」で、クシュナーの人物についての安西評を紹介すると約束したのを思い出した。よって、さっそくクシュナーについて筆を進めよう。先月行われた会合(まほろば会)で、安西さんが解説してくれた主テーマは以下のとおりである。
①イスラエルへの献身的な愛に潜む罠 ②第2次河豚計画が実現し始めるのか ③世界平和に向けて行動せよ
クシュナーについて安西さんが言及していたのは、「①イスラエルへの献身的な愛に潜む罠」なのだが、これはトランプのイスラエル人脈についての貴重な記事となっており、そうしたイスラエル人脈の一人として、クシュナーが登場しているわけである。安西さんと野崎博士のクシュナー観、そして飯山一郎さんのクシュナー観を立体的に組み合わせれば、クシュナーの正体に肉薄できよう。
北朝鮮が38度線近くの韓国の村に毒ガスを撒いた残酷な写真を… いつも一緒にいるイヴァンカ・トランプ親子に見せながら… 「電磁波攻撃で北朝鮮軍を麻痺させれば,2時間で勝負がつきます!」 と,マクマスターとクシュナーに言われ…
残酷な画像を見た愛姫イヴァンカが… 「これ,ヒドすぎるわ! 金正恩は悪魔だわ! パパがヤッつけて!」 と,涙をポロポロ流して,泣きながら,父親のトランプに訴える…
すると,クシュナーが… 「オヤジさん,ヤッちゃいましょ! 日本,韓国,いや世界中が,ナラズ者を処分した偉大な大統領だ!と賞賛します.」 と,ダメ押し. 武力攻撃をヤリたくてたまらない戦争屋
【ポイント】 ・商務長官のウィルバー・ロスは、「トランプを借金地獄から救った再建屋」として有名だが、その経歴からロスチャイルドの非嫡出子の一人ではないかと疑われている。 ・2016年2月、トランプ大統領は娘のイヴァンカとともに、右翼のユダヤ報道機関「アルゲマイネ」の年次ガラ賞を受賞し、「私たちはイスラエルが大好きです。私たちはイスラエルのために100%、1000%を戦うつもりです。」とスピーチした。 ・トランプのユダヤ人に対する異常な愛と人脈は、トランプ家のルーツと、父親のフレッド・トランプの特殊な人脈によって築き上げられた。
・トランプの運営する企業のメイン・バンクはシティバンクグループ。 ・瀕死のトランプを救った=トランプの生殺与奪の権を握っていた人間たち、つまり、Ann Lane(シティバンク)、Joe Manganello(バンカース・トラスト)、Peter Ryan(チェースーマンハッタン)。彼らおよび彼らの属する組織こそが、ドナルド・トランプの「ボス」である。これらユダヤ・イスラエル人脈の資金がトランプの危機を救っていた。 ・ドナルド・トランプの不動産ビジネスは、父であるフレッド・トランプから引き継いだ。フレッド・トランプの不動産ビジネスとは、ナチスドイツから逃れたユダヤ人資産家たちの資金の隠し場所であった ・トランプのボスにはユダヤ人の超大物であるマーク・リッチがいる。マーク・リッチは自らの部下であるPeter Ryanを通じて、自らのフロント企業であるトランプを監視していた。そして何よりも、トランプのビジネスのもう一つの柱である、カジノビジネスとユダヤ人との関係を見れば、トランプのビジネスがユダヤ人・イスラエルと深く結びついている実態が見えて<る。 ・トランプの人脈・金脈・ビジネスのどこを切っても、必ずユダヤ人脈が出てくる。もはやトランプの資金源はユダヤ資金そのものであるといってもよい。 ・トランプ氏がイスラエル大使指名を発表したデビッド・フリードマン氏(57)も熱心な正統派ユダヤ教徒。彼のように「入植地支援」を公言するユダヤ系が米国の駐イスラエル大使に起用された例はない。
・選挙中、トランプは米国イスラエル公共間題委員会から資金的な援助を受けていたが、それはクシュナーの人脈によるものだ。彼は、クシュナー家の盟友であるイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相とトランプの橋渡し役も務めた。 ・父親のチャールズが逮捕され刑務所に服役したことは、ジャレッド・クシュナーの人格形成に大きな影響を与えた。 ・クシュナーの愛読書は、『モンテ・クリスト伯』。不当な扱いを受けた男が牢獄から脱出して富を築き、かつての敵に秘かに復讐を遂げるという、アレクサンデル・デュマの名作だ。 ・クシュナーは、家族間の問題を面白おかしく取り上げて火に油を注いだメディアこそが、父親を投獄した張本人だと考えるようになった。それが「ニューヨーク・オブザーバー」誌の買収に彼を駆り立てるきっかけになったようだ。 ・クシュナーはメディア界の大物たちと友好関係を築くことに腐心し、彼らのなかに、自分の『理想』、つまり、業績が順調な不動産業を経営しながら、社会的に影響力のある存在になることを夢見ている。 ・クシュナーとトランプの結びつきはとりわけガードが堅い。その核心にあるのは、横暴な家長への「絶対的な忠誠心」だ。クシュナーは、そのトランプ家のモザイク模様の完壁な一部であり、トランプの家族ととても相性がいい。
【私見】 ・トランプ米大統領は多彩な人脈を持っているが、その中の一つがユダヤ・イスラエル人脈である。トランプが事業で窮地に陥った時に救いの手を差し伸べたのがユダヤ人だった。 ・「イスラエルヘの献身的な愛」とまで椰楡されるトランプの異常なまでの親ユダヤ的な姿勢は、父フレッド・トランプがユダヤ人と「特別な関係」を築き、ともに良き協力関係にあったことを目の当たりにするなかで培われた。フレッドはナチスドイツから逃れたユダヤ人資産家たちの資金をかくまい、ユダヤ人に便宜を図ってやった。その恩返しに、ユダヤ人はフレッドや息子のドナルドのビジネスで優遇し、多くのメリットを与えてやった。 ・トランプは今でこそ「不動産王」と呼ばれ、巨万の富を築く成功者として名声と栄誉をほしいままにしているが、1990年代に不動産バブルが崩壊したときには、破滅寸前まで追い詰められた。 その絶体絶命のピンチを救ったのがユダヤ人であった。父フレッドの代から太くしてきたユダヤ人とのパイプがいかに強力で絶大な力を発揮することを、思い知ったであろう。フレッドがフリーメーソンと関わりがあったこと、ドナルド自身もフリーメーソンであり、かつそのトップとも噂されていることから、少なくとも、秘密結社内部でユダヤ人との密接な関係が自ずと出来上がっていたと思われる。 ・トランプ家の日常に大勢のユダヤ人が溶け込んでいることがわかると、ドナルド・トランプが生まれた日からイスラエルに忠誠を尽くしている」という表現が決して大げさには聞こえない。秘密結社フリーメーソンの濃密な人間関係に加え、人生最大のピンチを救った恩人たちの中に多<のユダヤ人がいたとなれば、熱がこもった表現になるのも無理はない。 ・ユダヤ人だからといって、すべてのユダヤ人が悪者で問題というわけではない。しかし、国際政治に多大な影響を及ぼす米国大統領の座にある者が、過激なシオニストや原理主義者の正統派ユダヤ教徒と懇意にしていることは、大いに不安をかき立てられる。人類の未来に不幸をもたらしかねないリスク要因として、ここでは二人の人物を採り上げてみたい。 ・まず、イスラエル首相のベニヤミンーネタニヤフである。彼はシオニストを代表する人物であり、中東情勢の行方を左右する力を持っているのは周知の事実である。トランプとは1980年代からの長い付き合いで、2013年のイスラエル総選挙の際には、トランプが応援のビデオメッセージで熱烈なエールを送るほど仲が良い。トランプが、パレスチナやイスラム諸国に対して強硬な姿勢で臨むネタニヤフに肩入れすることで、中東情勢は不安定化し、第5次中東戦争が現実味を帯びてくる。さらに、欧州やアジアにも飛び火して第3次世界大戦へと連鎖しかねない。 ・2人目の危険人物は、トランプの娘婿のジャレッド・クシュナーである。彼はユダヤ教徒の中でも保守的な正統派に属し、ユダヤ第三神殿の再建を熱望する狂信的な原理主義者である。最愛の娘イヴァンカの夫という姻戚関係にあるだけでな<、トランプに絶対的な忠誠を誓い、相性も良い。シリア空爆や北朝鮮への強硬対応もクシュナーの助言を受け入れて決断したといわれるだけに、トランプの信頼はとても厚い。 ・しかし、温厚な風貌と甘いマスクの裏には、計算高くて腹黒い素顔が隠されている。クシュナーが『モンテ・クリスト伯』を愛読していることが、その何よりの証拠だ。不当な扱いを受けた男が牢獄から脱出して富を築き、かつての敵に秘かに復讐を遂げるというストーリーに心酔していることから、胸中に激しい憎悪と怨恨の炎をたぎらせていることがわかる。また、彼の父チャールズは実の兄弟を卑劣な手段で陥れた極悪な犯罪者だが、「一家族間の問題を面白おかしく取り上げて火に油を注いだメディアこそが父親を投獄した張本人だ」という本末転倒な屈理屈で、父親を擁護している。心が相当歪んでいるのだろう。 ・このように精神をかなり病んでいる者の「助言」を真に受けて、米国だけでなく全世界の命運を左右する政策決定をするとなれば、人類は狂人に自らの命運を託し、かなり危ない橋を渡っていることなる。 ・だが、このような状況を作り出しているのは、ほかならぬ人類自身なのである。つまり、ネタニヤフやクシュナーは自我が肥大化した究極の姿であり、それは人類の集合意識が作り出した最大公約数的な人類の自画像なのである。我々は自らの心の闇の一断面を、彼ら狂人に投影しているのだ。 ・それでもこの悪夢のような状況から脱する手立てはある。それは人類ひとりひとりが、それぞれの心の闇に潜む自我と対時し、それに打ち克つことだ。自らの意識や想念が現実を創り出しているのだから、そこを変えれば目の前にスクリーンに投影される現実もたちどころに変わる。
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