3月1日(現地時間2月28日)、米国議会で行われたトランプ大統領による初の施政方針演説をNHKが生中継、翌朝の東京新聞が施政方針演説要旨を載せているが、その全文を亀さんは拙稿「トランプの肚」に転載した。
同記事を書いた3月2日の時点では、堺のおっさんが放知技に書いていたように、「ネオコン戦争に対する、トランプの勝利である」という指摘は正しかった。しかし、同時に堺のおっさんは、「だが、まだ安心はできない」という言葉を添えるのも忘れなかった。果たせるかな、その後は堺のおっさんが危惧していた通りの展開になった。それが〝電撃的〟な米軍によるシリアへのミサイル攻撃、ざらには米国と北朝鮮の直接対決という流れである。
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ここで思い起こしていただきたいのは、拙稿に転載した施政方針演説の中で、特に亀さんが注目したトランプの以下の発言である。
▼過激派組織「イスラム国」(IS)はイスラム教徒、キリスト教徒、あらゆる信仰の男女、子どもを殺害してきた。この下劣な敵を地球上から消滅させるために、イスラム世界を含む同盟国と共に取り組む。 ▼イランの弾道ミサイル計画を支援する組織、個人に新たな制裁を科した。イスラエルとの強固な同盟を再確認した。
これは、背後に戦争屋が控えていることを匂わすトランプ発言だったが、演説の2週間ほど前、ロシアとの太いパイプを構築しようとしていた、フリン大統領補佐官が辞任に追い込まれたことで、戦争屋の影がくっきりと見えるようになり、さらに1ヶ月後の4月5日、シリアへの攻撃に反対していたバノン大統領上級顧問・首席戦略官も、NSCから外されるに及んで、戦争屋によるトランプ包囲網が一層強固なものになったことが分かる。
このあたりを堺のおっさん同様に危惧していたのが、拙稿「トランプ占い」で紹介した『月刊日本』の山浦嘉久論説委員の記事、「戦後という楽園の喪失」で、山浦さんが指摘していた東シナ海とゴラン高原、ここに来て世界の注目を集めるようになった。ゴラン高原について言えば、イスラエルとシリアが国境を接している地帯であり、今回の米軍によるシリアへのミサイル攻撃とコインの裏表の関係にある。
ただし、今回の米軍によるシリアへのミサイル攻撃が、どのような顛末を迎えたかという点については、昨日発行された田中宇の最新記事、「軍産複合体と正攻法で戦うのをやめたトランプのシリア攻撃」にあった、以下の記述通りである。
米軍はこれまで、ロシア軍と協調し、シリア東部でIS退治の空爆を続けてきた。だが今回の濡れ衣的なミサイル攻撃で、ロシアは怒って米国との協調を解除した。米軍がシリアで活動するのは困難になった。今回の件は、シリアの将来を決める国際体制から米国が追い出され、ロシアやイランの影響力が増し、露イランの傘下でアサドが続投する多極化的な事態に拍車をかけそうだ。
次に、やはり山浦さんが指摘していた東シナ海に目を転じても、北朝鮮への攻撃を匂わすトランプの発言を裏付けるかのように、原子力空母カール・ビンソンを擁する第1空母打撃群が朝鮮半島に向かった。そうした米軍の動きと合わせるかのように、中国も香港のビクトリア湾に軍艦を待機させているとは、拙ブログの香港の読者から情報である。読者の話によれば、一隻だけでもビクトリア湾に軍艦が停泊しているのは大変珍しいことなのに、一度に三隻もの記憶はないと言う。
ところで、朝鮮半島を巡る情勢は今後どう展開するのだろうか…。いつものように最悪のシナリオを想定するとすれば、日米韓と北朝鮮+瀋陽軍区の直接対決である。そうなった場合、北朝鮮、すなわち瀋陽軍区の圧勝で終わることは確実であり、空母カール・ビンソンを中心とする第1空母打撃群は、一瞬にして海の海蘊となる。なぜ、そう断言できるのかと言えば、アメリカの兵器は高いだけで、役に立たない代物ばかりだからだ。そのような事態に陥ったのも、ソ連の崩壊で冷戦が終結して以降、アメリカに驕が生じたためである。そのため、今や陸海空(宇宙含む)にわたる軍事力競争においては、すっかりロシアと中国に水をあけられてしまっているのが現実だ。だから、米軍が軍事行動を起こし、北朝鮮(瀋陽軍)に完膚無きまでに叩きのめされるという、〝最高〟のシナリオを期待している。
【別報】
 東京新聞に掲載された乳酸菌に関する大図解
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