TVドラマ「あんどーなつ」第12話(最終回)のテーマは、最終回に相応しい「旅立ち」である。亀さんは子どもたちに向かって、「何でも見てやろう、何でもやってやろう」という気持ちで、20代という二度と戻ることのない青春を過ごすようにと、常日頃言いきかせている。次の30代ともなれば、結婚して家庭を持ち、仕事の責任も重くなる年代だからだ。だからこそ、若いうちにしか出来ないことを、今、やっておくべきなのだ。第一、人生は一度きりなのだし…。
満月堂に勤める安藤奈津(貫地谷しほり)が通っていた、洋菓子学校時代の同級生・三津屋陽介(細田よしひこ)は、一流のパティシエを目指すべく、洋菓子のメッカであるパリへ修行に行く決心をする。そんなある日、和菓子という別の道を歩み始めた奈津に、川縁で己れの夢を陽介は語るのだった。
和菓子職人の道を目指すと心に決め、尊敬できる親方に四六時中ついて、修行している奈津を見ていた陽介は、今までは地元の洋菓子店で、夢だったパティシエとして修行を積んでいる自分に、そこそこ満足していた。しかし、満月堂の暖簾を懸けた和菓子コンクールに、奈津も出場することを知った陽介の心に変化が起きた。

陽介 なっちゃんを見ているとさ、自分で自分の前に、でっかい壁造りたくなったんだ。


陽介 それ乗り越えて、見たことのない景色、見たくなったんだ。

奈津 見たことない景色か…。怖くない?

陽介 ワクワクしたいじゃん。

奈津 ワクワクか…。

TVドラマ「スミカスミレ」を見てからというもの、亀さんは45年という時間を常に意識するようになった。45年前といえば、日本を飛び立った年だ。それだからというわけでもないんだが、何故か今年は人生二度目の旅立ちの年になりそうな予感がする。
無論、入院中の老母や、大学に通いたいという下の息子がいるので、45年前の19歳の時のように自由に動けるというわけではないんだが、それでも老いらくの恋ならぬ老いらくの旅立ちを、実現したいと密かに思う今日この頃である。
【あんどーなつ 第12話】
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