数年前、「舎人家紋講座」と題する講座を平均して毎月2回、1年以上の長きにわたって栗原(茂)さんから直伝してもらったことがある。あれから数年経つが、依然として「舎人家紋講座」は未消化のままだ。そろそろ、「舎人家紋講座」を〝復習〟することにより、栗原流〝家紋哲学〟なるものを、自家薬籠中の物にしていく時期が到来したような気がする。なぜなら、亀さん家のルーツ調査を進めていくなかで、家紋は避けて通れないと日増しに痛感するようになったからだ。よって、当面の間、本ブログの「ご先祖様」のカテゴリでは、〝復習〟の場にさせていただきたい。〝復習〟が終わるまで一年ほどかかると思う。
第一弾として、栗原さんが作成した「舎人家紋講座」の冒頭を、本稿の最後に転載しておこう。全体で146ページに及ぶテキストであり、前半部にあたる64ページ目までを順次公開していきたい。但し、65ページ以降の後半部は個人情報が含まれているため、公開する予定はない。
以下の「●舎人家紋講座その基本経路」を読むと、いきなりDNAだのといった小難しい話になっているが、これが栗原流の筆の進め方なので我慢して戴きたい。栗原さんは以下のように述べる。
人は細胞間伝達系を結ぶ交流回路により、人との接しかか方を決しているが、その基底に働く要素の多くは遺伝情報にあり、単なる好き嫌いも遺伝きてい情報と無関係でないため、人の素養は家紋にも顕われるのだ。
栗原さんは初対面の人間に必ず問うのが、氏名・生年月日、そして家紋だという。換言すれば、家紋によって栗原さんは、その後の付き合い方を決めていることを意味している。そのあたりの真偽のほどは、これからじっくりと検討していくつもりだ。
なお、テキスト「舎人家紋講座理」以外で、亀さんが所有する家紋に関する蔵書は以下のとおりであり、適宜引用させて戴くつもりだ。

●舎人家紋講座その基本経路 人は多細胞生命体であり、その細胞一個の大きさは米粒(こめつぶ)の六〇億分の一くらいといわれ細胞膜(さいぼうまく)に覆(おお)われている。電気的性質をもつ細胞膜の外面(がいめん)と内面(ないめん)では、電位(でんい)差(さ)をもつ分極の(ぶんきょく)働きがあり、脱(だつ)分極(電位差の消失)(しょうしつ)→オーバーシュート(極性の(きょくせい)逆転)→再(さい)分極(静止(せいし)電位に戻る)というサイクルを繰り返している。この周期(しゅうき)に際する、静止電位とは非(ひ)活動(かつどう)時の外面膜(がいめんまく)電位ゼロの仮定に対し、内面膜電位の値が(あたい)常に負(ふ)の状況を指しており、それは外部環境の変化に対応する細胞膜透過(とうか)の電気的刺激(しげき)調整を意味する。ところが静止電位を保つ閾値(しきいち)(限界値)を越えた刺激が加わると、細胞膜透過性(とうかせい)に変化が生じる、これを活動電位と呼ぶが、静止電位と活動電位との差(振幅(しんぷく))は細胞種(しゅ)で異なり、特に神経(しんけい)また筋(きん)で顕著(けんちょ)な振幅を起こし、極端な(きょくたん)刺激は機能障害(きのうしょうがい)の原因ともなる。たとえば骨格筋線維(こっかくきんせんい)の静止電位はマイナス七〇~九〇ミリボルト、閾値は同五〇~六〇ミリボルト、また活動電位はプラス四〇~五〇ミリボルトゆえ、振幅は一一〇~一四〇ミリボルトが通常である。この生命メカニズムは単細胞も同様だから、微生物(びせいぶつ)の鞭毛(べんもう)や繊毛(せんもう)を構成する蛋白(たんぱく)も高等動物と変わらないが、ここに本講座のテーマが潜んでいる。 例えば銀の標準酸化還元(さんかかんげん)電位は〇・七九九一ボルトすなわち七九九・一ミリボルトゆえ振幅は約一六〇〇ミリボルトこの値は二五℃の状態下(じょうたいか)であるが、これだけ大きな電位差の刺激を受けたら、微生物のような単細胞生命体は機能障害どころか、瞬時(しゅんじ)に原型(げんけい)を残さず自爆(じばく)テロのように自壊(じかい)死滅(しめつ)してしまう。ところが、多細胞生命体の組成(そせい)は細胞分裂の立体複合構造ゆえ、その結合法により、外部環境の刺激調整機能が大きいため、電気抵抗率も微生物とは比較にならない。通常の動物細胞は、小体核D(しょうたいかく)NA染色体を(せんしょくたい)含む核が核膜孔(かくまくこう)を持つ核膜に覆われ、その核膜と細胞膜の間でゴルジ体や中心小体、ミトコンドリア、リボソーム(顆粒(かりゅう)状で蛋白質(たんぱくしつ)合成の主役)、リソソーム(各種の加水分解酵素(こうそ)を含む小器官)、滑面(かつめん)小胞体、粗面(そめん)小胞体、空胞(くうほう)などの小器官(しょうきかん)が働いており、細胞間の結合を強める仕事を行う細胞膜の分化構造のデスモソームを含む組成(そせい)が基本単位とされる。つまり、核膜内の遺伝情報源DNAの大部分を含む総称を細胞核といい、細胞核以外の総称を細胞質という大別あるが、原核(げんかく)(細菌、藍藻(らんそう)、植物などの前核(ぜんかく))と真核(しんかく)(原核以外の後核(こうかく))の相違性は細胞核と細胞質が明確に隔(へだ)てられているか否(いな)かで分けられている。 核分裂(ぶんれつ)その次に質(しつ)分裂を起こす体細胞(たいさいぼう)分裂に対し、減数(げんすう)分裂は染色体数を半減させ生殖(せいしょく)細胞を作ることをいい、核の遺伝情報に左右されながらも、その形質が独立した細胞質の遺伝因子(いんし)にミトコドリアやDNAなどあり、これを核外(かくがい)遺伝と呼んでいる。体液(たいえき)性免疫(めんえき)は抗原(こうげん)が侵入すると、体液(血液)中に抗体(こうたい)が生じる反応(はんのう)をいうが、細胞性免疫はリンパ系細胞の直接反応であり、抗原に特異的作用を及ぼす働きが知られている。また神経単位をノイロンとかニューロンとかいうが、神経系の構造的・機能的な単位となるもので、神経細胞とそれから出る突起(とっき)を合わせたものをいい、神経細胞は、神経単位(ノイロン)から突起を除いた部分すなわち細胞核と細胞質で成るものとされている。いずれにしろ生命体細胞は、遺伝子二重螺旋(らせん)一本のRNA、同二本のDNA、多細胞の分類あるも、好気性(こうきせい)と嫌気性(けんきせい)の異なる作用のもと、遺伝子と緊密(きんみつ)な関係をもちながら、電子伝達系を巡(めぐ)らせ遺伝情報が自然に働く仕組みで成り立っている。これらの基本は植物も同じであり、遺伝性の働きは家紋に限らず、あらゆる選択肢(せんたくし)の標準に影響してくる。 家紋の分類は、通常一般的に自然紋、植物紋、動物紋、建造紋(けんぞうもん)、器物紋(きぶつもん)、幾何紋(きかもん)、文字紋など、大別的な大枠(おおわく)に各種の仕分けを施し(ほどこ)ながら、その図案化(ずあんか)した紋様(もんよう)で仕切る方法を取り入れているが、原初(げんしょ)に基づけば、家紋の歴史も遺伝情報と無関係ではない。そもそも家紋が何ゆえ用いられたのか、その原初は文明の基礎であり、言語以前の表象に(ひょうしょう)利用した痕跡(こんせき)は、考古発掘(こうこはっくつ)が進むほど明らかになる。すなわち、他の動物に比して、人の衣食住は大自然の恵(めぐ)みを活用しながら、栽培(さいばい)や加工などの技芸(ぎげい)を磨(みが)いてきたが、いまや技芸以前の要素が問題の時代であり、実証現場の解明を踏まえると、未来は特許の如き独占権などは意味をなさなくなる。その未来に達するまでは、実(じつ)と虚(きょ)が入(い)り交(ま)じる時空において、最も重大なコミュニケーションが一期一会(いちごいちえ)を含む人と人の接し方にあり、その善(よ)し悪(あ)しは日常生活に直結する問題を抱(かか)えている。人は細胞間伝達系を結ぶ交流回路により、人との接し方を決しているが、その基底(きてい)に働く要素の多くは遺伝情報にあり、単なる好き嫌いも遺伝情報と無関係でないため、人の素養(そよう)は家紋にも顕(あら)われるのだ。
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