今東光の『南米耳袋』を読み、ますます南米大陸を再び訪れたいという気持ちが強まった。また、60代といった孫の子守が似合う世代の和尚(当時)が、南米の若い娘っ子に大変もてたという行を読み、それなら亀さんももてるだろうと思うのは、勝手な思い込みか…(爆)。
ブラジル人は人種的偏見がない点では世界一だが、もっと敬服して好いことは年齢的偏見がないことだ。五十だろうが、六十だろうが、七十だろうが、腰の曲ろうが、頭が禿げて居ようが、少しも苦にしないのだ。男としてうまれてこんな幸福な国はちょっとないだろうと思う。 『南米耳袋』p.195

さて、『南米耳袋』を読み終えたんだが、亀さんが同書で最も注目したのが、和尚のゼスイットに対する高い評価である。以下の行に注目されたい。
南米を旅して、はじめてカトリックがいかに生きているかという姿を目にした。しかもそのカトリックの底流に、禁止されたゼスイットの精神が耿々(こうこう)として脈うちながら生きているの発見したのは僕の大きな悦びだった。 『南米耳袋』p.32
ひとたび僧侶となって身に袈裟をかける以上、このゼスイットのひそみにならおうと心がけずにはいられない。外のために涙を流し、人のために汗を流すごとく、正義のためには血を流すことを惜しまない僧侶になりたいと思う。 『南米耳袋』p.103
ゼスイットと言えば、2月16日に『みち』の藤原源太郎さんにお会いした時、マラキの預言について色々と語ってくれたのだが、なかでも亀さんは藤原さんの以下の発言に注目した。
カトリック、ロシア正教、プロテスタントのうち、プロテスタントはユダヤの支配下にある宗派である。残りの宗派で今まで中心となっていたカトリックの力が衰え、今後はロシア正教が中心になるのではないか。
そして、半月後にアルゼンチン出身のホルヘ・ベルゴリオ枢機卿が、第266代のローマ法王に選ばれたのだが、なんと初のイエズス会出身である。このあたりは意味深長で、フランシスコ一世こそは今東光がならおうとしていたゼスイットではないか。
以上から、以下の記事は眉唾物だと分かる。 キリシタンが日本の娘を50万人も海外に奴隷として売った事
特に、記事中の以下の行に注目されたい。
ザビエルはポルトガル系の改宗ユダヤ人(マラーノ)
ユダヤ人という言葉を使うからには、天童竺丸氏の著した『憎悪の呪縛』と『悪の遺産ヴェネツィア』に目を通していない限り、従来のユダヤ人観から抜け出すことはできない。『悪の遺産ヴェネツィア』に関しては、旧ブログで取り上げたので参照されたい。 『悪の遺産ヴェネツィア』 以下の拙記事も併読してもらえればと思う。 一神教の正体
「キリシタンが日本の娘を50万人も海外に奴隷として売った事」という記事では、何故かザビエルをユダヤ人と書き、ザビエルがバスク人であった点に一言も触れていない…。(※ このバスク人は謎の民族とされており、バスク人については、さらなる考察が必要)

ともあれ、どう読んでも今東光和尚が目標としていた、ゼスイット像と結びつかないのが以下の行だ。
しかし、アルメイダが行ったのは、善事ばかりではなく、悪事もありました。それは奴隷売買を仲介したことです。わた〕まここで、鬼塚英昭著「天皇のロザリオ」P249~257から、部分的に引用したいと思います。
「徳富蘇峰の『近世日本国民史』の初版に、秀吉の朝鮮出兵従軍記者の見聞録がのっている。『キリシタン大名、小名、豪族たちが、火薬がほしいぱかりに女たちを南蛮船に運び、獣のごとく縛って船内に押し込むゆえに、女たちが泣き叫ぴ、わめくさま地獄のごとし』。ザヴィエルは日本をヨーロッパの帝国主義に売り渡す役割を演じ、ユダヤ人でマラーノ(改宗ユダヤ人)のアルメイダは、日本に火薬を売り込み、交換に日本女性を奴隷船に連れこんで海外で売りさばいたボスの中のボスであつた。
亀さんは鬼塚英昭著『天皇のロザリオ』には未だに目を通していないが、同氏の『天皇のロザリオ』を読むにあたって注意が必要かと思う。そのあたりの理由は、同じ鬼塚氏の『瀬島龍三と宅見勝「てんのうはん」の守り人』について亀さんは書評を書いるので、目を通してもらえれば分かってもらえるはずだ。 『瀬島龍三と宅見勝「てんのうはん」の守り人』
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