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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
榎本武揚と〝八百長戦争〟
亀さんが榎本武揚に関心を持つようになったのは、昨年の暮れに成甲書房から発行された、『明治維新の極秘計画』の著者・落合莞爾さんに、安部公房の著した『榎本武揚』(中公文庫)を薦められてからだ。落合さんは小生宛ての私信(2012年5月18日)で、以下のように書いている。

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榎本武揚に関しては、安部公房の小説『榎本武揚』が優れている。
榎本と勝がわざと幕府軍を敗けに導いた過程が適示されている。

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ここで注目して戴きたいのは、2行目の「榎本と勝がわざと幕府軍を敗けに導いた過程が適示されている」という行だ。まさかと思い、至急安部公房の『榎本武揚』(中公文庫)を入手した小生は、同書から以下の驚愕の行を見出したのである。

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奥州戦争にはじまり、五稜郭戦争に終わる、この一大叙事詩が、じつは内戦の早期終結を目指した計画的負走であり、世界の歴史にも類を見ない、大胆不敵な……俗な言いまわしを許していただければ、……八百長戦争であったという、この瞠目すべき事実を、錚々たる世の史家諸氏が、なにゆえ指摘し解明しなかったのか、その点すこぶる奇異の念を禁じ得ないのであります。『榎本武揚』p.256
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恐らく、上記の安部公房の記述を初めて目にした読者は大変驚いたことだろう。

世の中では榎本武揚に対する評価は大きく分かれる。しかし、好意的に榎本武揚を評価しているブログでも、榎本武揚と勝海舟が演じた〝八百長戦争〟が何を意味しているのか書いていない。それ以前に、〝八百長戦争〟があったという〝事実〟すら見落としているのだ。例として以下のブログを挙げておこう。
榎本武揚の人物像

上記のブログは札幌市の西野神社に務める職員によるブログのようで、なかなか読み応えがありるブログと言えるだろう。特に、福沢諭吉の『痩我慢の説』を一刀両断にした行は痛快だ。

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福沢諭吉の「痩我慢の説」については、私はあまり評価していません。太平の江戸時代の世に流行った、儒教の影響を強く受けた“武士道”の観点から見ると、二君に仕えた榎本や勝を非難する福沢の主張には確かに一理あります(戦国時代以前は、二君以上に仕える事が不道徳・不忠という価値観はありませんでしたが)。しかし、同時代を生きていながら戦乱の渦中にはいなかった福沢が後になってから何を言っても、所詮は「そんなの後だしジャンケンと同じ」という冷めた印象を受けてしまうからです。
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それだけに、榎本武揚と勝海舟が演じた〝八百長戦争〟という視点が欠けていたのは誠に残念だったが、小生もここ半年で知った事実だけに大きなことは言えないなぁ…。

ともあれ、榎本武揚や勝海舟は何故に〝八百長戦争〟に絡んだのか…、その背後には徳川慶喜、孝明天皇、岩倉具視、久邇宮朝彦親王らが深く関与しているのだが、そのあたりは現在落合さんが誠意筆を進めており、今年の春辺りには新著が成甲書房から新刊本として発行されるものと思う。また、すでに発行された本もあり、それが『明治維新の極秘計画』だ。関心のある読者は一度目を通すことをお勧めしたい。

最後に、別の角度から亀さんが榎本武揚に関心を持つのは、榎本武揚が東京農大を創立した人物であり、かつ植物学の権威だったという点にある。そして、小生は家紋研究の一環として植物学を個人的に学んでおり、その点からも榎本武揚に親しみを感じている。なお、亀さんの道友の中村みつぞうさんが、「みょうがの旅」という興味深い家紋と植物の記事を、『みち』という機関誌に連載しており、ウェブでも記事が公開されているので、関心のある方は是非目を通していただきたい。必ず得るものがあるはずだ。
http://michi01.com/nakamura/myouga_index.html

 政治・経済・文化といった堅苦しい話は、別ブログに書こうと思っていたのだけど、却って面倒なので本ブログで「裏史」を新たに立ち上げ、堅苦しい内容も書いていこうと思う。尤も、亀さんは天の邪鬼なので、大学や高校で教えているような歴史観に立たずに、自由に書かせて戴く。
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コメント

八百長戦争が事実ってどういうことでしょう。
[2013/01/23 23:51] URL | yamai #- [ 編集 ]


出来レースだったということです。
[2013/01/24 04:50] URL | 亀さん #FlJCcfGk [ 編集 ]


この箱館戦争八百長説は昔からある、いわゆる陰謀論のひとつです。
史実としてではなく、それこそ安部公房の小説のようにフィクションとして楽しむべきでしょう。

もちろん「100%ありえない」とは言い切れないし、それを証明することは悪魔の証明になってしまいます。
また個人の見解、思想を否定するつもりもありません。
ただ多少なりとも歴史を学んだ身としては、コメントせずにはいられませんでした。
失礼しました。
[2013/01/24 09:12] URL | yamai #- [ 編集 ]


yamai 様

再度の投稿誠にありがとうございました。

小生の息子も現在京都の某大学で歴史学を専攻しており、その息子や周囲の教授の話から、高校・大学で教えている歴史とはどのようなものか、すなわちyamai 様の考える歴史という土俵がどのようなものか、大凡の見当はついているつもりです。

ただ、小生は生まれながらの天の邪鬼であり、高校大学で学んだ歴史学をそのまま何の疑問も持たずに受け入れることが出来ず、このあたりで共鳴するのが栗本慎一郎の『ゆがめられた地球文明の歴史』に述べられている、同氏の歴史観と歴史との取り組み方です。その意味で、小生の場合はyamai 様をはじめとする他の皆様とは全く別の土俵に立っていると申せましょう。

最後に、ご指摘のように安部公房の『榎本武揚』は確かに小説ですが、登場人物を通して見せた阿倍の榎本武揚観は、渋澤栄一が監修した『徳川慶喜公伝』と根底で相通じるものが垣間見えるだけに、今後も落合莞爾氏および関係者の発言に注目していきたいと思います。
[2013/01/24 09:32] URL | 亀さん #FlJCcfGk [ 編集 ]

福山市神辺町箱田-榎本武揚-農大-W-福山
一昨年から「みち」誌を購読はじめたWです。ご無沙汰しております。

落合氏の本で榎本武揚とその御父の出身を知りその不思議な縁に驚き、「榎本武揚 農大」で検索していたところこのページに行き着きました。世間は狭いですね(笑)。

> 亀さんが榎本武揚に関心を持つのは、榎本武揚が東京農大を創立した人物

亀さん様が榎本武揚と農大に関心を持たれたのはどの辺りでしょうか?

私が驚いた不思議な縁とは、

1) 我が子がこの度農大に入学したこと
2) その数カ月前に榎本武揚が農大を創立したことを知ったこと
3) ほぼ同じ時期に落合氏の本を読んで榎本武揚の不思議な血筋と命運を知ったこと
4) 榎本武揚の御父の実家が今の福山市神辺町箱田であり、私の実家(福山市某町)から車でわずか20〜30分ほどの距離にあること

…という辺りでした。ま、もちろんこじつけと言いますか緩い縁ではありますが、興味深く思った次第です。
[2016/04/19 22:45] URL | W #- [ 編集 ]

榎本武揚と農大
W様

投稿ありがとうございました。貴投稿を拝読し、W様は榎本武揚と不思議な縁で結ばれているようですね。

さて、お問い合わせの「榎本武揚と農大」についてですが、農大を設立したのは榎本武揚と世間では信じられているものの、本当は渋澤栄一です。ここに、渋澤栄一と榎本武揚の世間では知られていない関係が見えてきますね。さらに、その二人の背後に徳川慶喜の影が見えてくる点に注目するべきだと思います。

もっと書きたいところですが、相変わらず本業(翻訳)で多忙なため、このあたりでご勘弁願います。あっ、それから「亀さん様」はおかしいので、単に亀さんの呼び捨てでE-です。今後ともよろしくお願いいたします。

[2016/04/20 02:57] URL | 亀さん #FlJCcfGk [ 編集 ]


お忙しい中、さっそくのお返事ありがとうございます。

> 農大を設立したのは…本当は渋澤栄一です。ここに、渋澤栄一と榎本武揚の世間では知られていない関係が見えてきます…

うーむ。知りませんでした。深い…。歴史は本当に深いですね。畏敬の念を持って探求する「場」だと理解しました。

それでは、またの機会に。
[2016/04/20 23:15] URL | W #- [ 編集 ]


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