以下は、TVドラマ「スミカスミレ」(最終回)で、松坂慶子演じる如月澄が、45歳下の町田啓太演じる真白勇征から、心の籠もったプロポーズを受けるシーンである。
真白 すみれ、如月澄さん。
澄 はい…

真白 おれも、あなたのことを愛しています。
心から…、この世の中で一番!
僕と結婚してください。



70歳の女性が初めてプロポーズされた時に示すであろう、表情と仕草、これしかないだろうという完膚無きまでの演技で、松坂慶子が見事に演じ切っているのを見て、思わず唸った。
ここで、松坂慶子と言えば山田監督を思い出す。彼女は同監督の「男はつらいよ」に2本(「浪花の恋の寅次郎」および「寅次郎の縁談」)の他、「キネマの天地」に出演している。この山田監督は筋金入りの反戦派監督であり、その山田監督の映画に出演している俳優の中に反戦派が多い。例えば、「男はつらいよ」の「柴又慕情」、「寅次郎恋やつれ」の他、「母べえ」、「母と暮せば」などに主演した吉永小百合、「男はつらいよ」の「寅次郎頑張れ!」、「学校III」に主演した大竹しのぶなどだ。その他にも、山田監督同様に筋金入りの反戦派の俳優がいた。あの故三國連太郎である。三国は同監督の「息子」に主演しているが、血は争えぬもので、その三国の息子・佐藤浩市も、己れの意見を持つ俳優のようだ。以下の記事を参照されたい。 佐藤浩市がテレビの萎縮・右傾化に危機感表明!「このままだとナショナリズムに訴えるドラマしか残らなくなる」
ここで、松坂慶子と大竹しのぶと言えば、原作が亀さんの敬愛する大岡昇平の『事件』を原作とした、映画「事件」を取り上げないわけにはいかない。 名匠新藤兼人逝く 松坂慶子を女優にした「事件」

今後も松坂慶子の活躍を期待しよう。
 左は松坂慶子、右は桐谷美玲
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