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人生は冥土までの暇潰し
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そして、もうひとつ、忘れがたいマドンナの啖呵が、この時のすみれちゃんの啖呵である。しかし、柴又参道の青山巡査はすみれちゃんを連れてきた寅を、指名手配中の誘拐犯人と間違ってしまう。それを体を張ってかばうすみれちゃんの必死の啖呵は、胸にくるものがあった。すみれ:やめてえ!!この人がなにしたって言うんだよ!なんてこと言うの…。 寅さんはいい人だよ。父ちゃんの友達で、私が東京に来たいって 行ったら、心配して一緒について来てくれたんだわ。 そんな人警察に連れて行くなんて、バカだよー!! 何年警官やってんだ!!出世なんかできるもんか!!おまえなんか!! 悪いと思うなら、謝ったらどうなの。こんないい人のこと、あんまりだただただ『気持ち』で動いてくれた寅に対して、心一杯の気持ちで答えるすみれちゃん。どのマドンナにもないダイレクトな優しさは、さすが男気のあったシッピンの常の娘だ。渡世を生きた父親の熱い血と、幼いころから体験した数々の修羅場の残影がこんなところに残っているのかもしれない。寅はそんな一途で、純で、不器用なすみれちゃんが愛しくて、なんとか力になってやりたいと決意していくのだった。そして5日間の奮闘努力の甲斐あって彼女は編入試験に合格し、葛飾高校の定時制で勉強をはじめるのである。「護るべき存在の発見 ― 父親代わりの寅の奮闘記 『学校』構想の原点」から