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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
自分の頭で考える
拙稿「赤いシリコンバレー」で紹介した大井幸子女史が、「世界秩序」についての動画も公開していた。


今後のマーケット動向を左右する世界秩序の変動について解説します【ウクライナ侵攻から1年】

2月23日に収録したという大井女史の動画を観て、「何だかなぁ・・・」という印象が拭えなかった。確かに、大井女史の経済・金融に関する動画は概ね肯定できるし、安心して観ていられるのだが、こと政治や軍事の話になると、途端に正鵠を失する話のオンパレードになってしまう。そうなる原因が今までは分からなかったのだが、改めて調べてみたところ、どうやら地政学者である奥山真司氏の影響を受けていることが分かった。

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【奥山真司×大井幸子 後半】2020年代 金融・デジタル通貨・安全保障・技術戦争はどうなっていくのか?/国際金融と地政学から見た未来予想図

奥山氏に関しては、小生は名前を知っている程度で、同氏の本や記事に目を通したことはない。しかし、上掲の大井女史の動画を観て、初めて奥山氏の地政学に触れたと思った。どうやら奥山氏、ランドパワーvs.リムパワーという捉え方をしているようだ。

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大井女史の言葉ではランドパワーvs.シーパワー、奥山氏の言葉ではランドパワーvs.ラムパワーということになると思うが、そうした見方が地政学にあるのは知っていたし、ランドパワーとシーパワーの間に横たわる、地勢的な戦略の立て方に違いがあることも把握していたつもりだ。たとえば、ロシアの場合はランドパワーに属するが、このあたりは拙稿「「今のロシア」がわかる本」に書いた。

ところで、大井女史の動画に登場する、ハートランドはマッキンダーが提唱したもので、そのマッキンダー理論を叩き台にして、「リムランド」なる新理論を打ち立てたのが、ニコラス・J・スパイクマンだった。
地政学/理論/リムランド理論

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リムパワー、確かに一つの見方ではあると思うが、世界戦略情報誌『みち』で最近まで展開されていた、神子田龍山さんの「地政学と伝統玄秘学」シリーズ(全47回)、これに目を通した身として、スパイクマンの理論は腑に落ちない。そのあたりの理由については、神子田さんの地政学理論を解説する必要があり、これは長大な記事になりそうなので、気が向いた時にでもブログ記事にしたい。

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map of multipolar four zones

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ともあれ、大井女史というか奥山氏の地政学理論には、拙稿「習近平とバイデン」でも示した上掲図にある、ツランやフェニキア、さらには権力や権威という視座が完全に欠落している。だからこそ、小生は神子田さんの地政学理論を支持するのだ。つまり、神子田さんの理論には、しっかりとツランという視座が組み込まれているのである。

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また、大井女史の語るところによれば、TRICKSというグループがあり、これは、トルコ、ロシア、イラン、中国、北朝鮮を指しているとのことだ。しかし、ロシアと中国を一括りにするのは馬鹿げている。その理由については、拙稿「平和の使者?」で既に述べたことだが、それに加えて、トルコ、イラン、北朝鮮も一緒くたにするとは、呆れて物も言えない。

それから、大井女史の動画にあった以下の世界情勢の解説・・・

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「アメリカの3大戦略地域」として、ヨーロッパ、中東、および東アジアを米国の三大戦略地域として位置づけているが、たとえば中東の場合、サウジアラビアを例に挙げるまでもなく、今や中東のアメリカ離れが進んでいる。それなのに、こうした点を無視しているのは個人的に納得できない。

ここで、情報というものを捉え直す必要がある。以下の動画は拙稿「平和の使者?」でも紹介しているが、ここでも再掲しておこう。


情報操作に騙されないためには?

この動画で小名木善行氏は、「自分の物差しを持て」と力説、さらには、「自分の頭で考える」ことの大切さを訴えている。

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この「自分の頭で考える」という小名木氏の言葉で、改めて画面冒頭に「学び、考え、行動する」としている意味を、よく噛みしめていただければと思う。そのためにも、自分の物差しを持つべきなのである。

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この「自分の頭で考える」について、文化的考察を加えるとしたら、以下の動画がピッタシであり、目から鱗が落ちること請け合いである。


【武田邦彦】三菱商事の専務から世界中が度肝を抜く衝撃的な話を聞きました! 日本では当たり前の「恩」について理解すれば、ロシアがウク

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「自分でものを考え、自分で自分を作っていく」ことができるのは、日本人だけという武田邦彦氏の視点、正に目から鱗だった。

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まんぞくまんぞく
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大光寺

家の近くに大光寺(真言宗智山派)という寺がある。隣組は七軒だが、そのうちの四軒が大光寺の檀家で、拙宅は同じ真言宗智山派である、観音寺の檀家ということもあり、近所付き合いで大光寺との付き合いもある。

数日前、見知らぬ初老の男性が道から声をかけてきた。しかし、見覚えがない。そこで訊いてみたところ、同学年だったT君の姓を名乗り、T君の弟のN君だと言う。なんでも、今春から大光寺のお世話人を担当することになったので、挨拶回りに来たとのことだった。

話の途中、「子どもの頃は大変お世話になりました」と言われたが、小学生になって以降のT君の弟とは会った記憶が無かったので、どうしても目の前にいる初老の男性が、当時は可愛かったT君の弟と結びつかない・・・。そして、時の流れの早さを思い知らされた。また、小生と同学年だった長男はどうしているのかと訊くと、何でも市内の中山に居を構えているとのこと。道理で、道で会わなかったわけである。

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ところで最近、録画しておいた時代劇ドラマ「まんぞくまんぞく」を観た。昨年末の12月30日に放送されたものだが、仕事や雑用が一段落した今、漸く観ることができた次第である。

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石橋静河主演『まんぞく まんぞく』NHK BSにて12月放送 共演に永山絢斗、國村隼ら

この「まんぞくまんぞく」、久しぶりに観た良い時代劇だったと思う。主人公は大身旗本堀家の養女・真琴だったが、その真琴役を演じたのが石橋静河だった。どこかで見たような顔立ちだったので、彼女について調べてみたところ、あの原田美枝子の娘と知った。

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小生にとっての原田美枝子と言えば、彼女が若い頃(左)のイメージが抜けきれないのだが、現在の彼女はどのような女性になっているのかと、ネットで確認したところ、とても還暦を過ぎた女性とは思えないほど綺麗だった(右)。

さらに調べていくと、山田洋次監督の映画「息子」に出演していたことを知った。「アレ? 原田美枝子が出演していたっけ・・・」と、さらに調べたところ、映画「息子」の主人公である浅野哲夫の兄嫁を演じていたことを知った。以下は映画のワンシーンだが、左隅に座っている女性が原田美枝子である。

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「息子」が公開されたのは1991年10月12日だから、原田が32歳の時の作品ということになる。

それにしても、原田美枝子の娘・石橋静河が演じて見せた殺陣、見事だった。また、男装の侍姿も実に凜々しい。できれば他の時代劇でも、その見事な殺陣を見せてくれたら嬉しい。

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平和の使者?
昨日、某翻訳者(日本人)の英日翻訳文(医学)をチェックするという仕事を承った。語数にして350語ていどだったので、医学分野は専門外とは言え、一時間ほどで終わるだろうと高を括っていたのだが、実際に取りかかってみたところ、数時間も費やしてしまった。医学用語の確認に時間を取られたということもあるが、最も大変だったのは訳文が拙い、しっちゃかめっちゃかな訳文だったので、自然な日本語に直すのにかなりの時間を取られてしまったのだ。

ドッと疲れが出たので、次のブログ記事はドラマ(時代劇)を取り上げ、のほほんとしたブログ記事をアップするつもりでいたが、以下の動画を観て気が変わった。それは、最近アップした「習近平とバイデン」で、「プーチンと非公式会談」と小生は書いたが、下掲の動画を観て、非公式会談の背景ついて言及していなかったのに気づいたからである。


習近平の失態!平和の使者戦略、露ウ和解に誤算? #深田萌絵TV #習近平 #プーチン

深田萌絵さん、お見事!

実は上掲の動画を観る前、以下のネット記事に目を通していたのだが、どれもこれもピント外れだなぁとガッカリしていたのだ。

『現代ビジネス』コラムニストで、ジャーナリストの近藤大介氏。
すがるプーチン、手を差し伸べる習近平、電撃訪ロで見せつけた圧倒的力の差

中日新聞論説副主幹だった長谷川幸洋氏。
プーチンを“子分”にしてやる…中国・習近平が狙う「ロシア属国化」「大中華帝国」の恐ろしい計画

ジャーナリストの福島香織女史。
中露で「世界の枠組み」構築?習近平のロシア「平和の旅」に見る不穏な未来

正直、よくこれで原稿料を貰っているなと感心したほどだ(苦笑)。

他にも、プーチンと習近平の非公式会談を取り上げた、ネット記事や動画が多かったが、上掲の深田さんの動画は、そうした駄文や「駄画」の中では「鶏群の一鶴」という形容が相応しかった。

何故か?

深田さんと上の三者との間には、大きな違いがあったからだ。

1.習近平との非公式会談においてプーチンが実践してみせた戦術を、深田さんは見事に見抜いていた。『三略』にも〝敵〟を欺く戦術についての小節が幾つかあり、小生は上述した拙稿「習近平とバイデン」で、プーチンと習近平の人間関係を「呉越同舟」という喩えで表現したのも、『六韜』が頭にあったからだ。だから、プーチンと習近平の人間関係は、近藤大介氏や長谷川幸洋氏の言うような、習近平が己れの野望を満たすため、プーチンを「手下」扱いにするといったような関係でもなければ、福島香織女史の言うような「親密な」関係でもない。

2.プーチンが世界におけるナショナリストの旗頭とすれば、習近平はグローバリストの旗頭の一人ということを、深田さんは的確に見抜いており、一方で他の三者は見抜けておらず、盆暗だと言うより他はない。


ところで、グローバリストと一言で括っても、連中も決して一枚岩ではないこと、以下の馬渕睦夫大使の動画を観れば十分納得できよう。


馬渕睦夫【大和心ひとりがたり】2023年第12回●ウクライナ戦争で路線変更するアメリカ 〜バイデン大統領のウクライナ電撃訪問、その後〜

何故か、馬渕大使の動画が表示されない。だが、「馬渕睦夫【大和心ひとりがたり】・・・」をクリックすれば観ることができるので、試していただきたい。


それにしても、深田さんと他の三人との間に横たわる落差というか、インテリジェンスの違いを見せつけられて、思い出したのが小名木善行氏の動画だった。


情報操作に騙されないためには?

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インテリジェンスの第一歩である、情報収集術を身につけるヒントが、この動画の至る所に鏤められている。

【グリコのおまけ】
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【深田萌絵東京講演】米技術者が語る次世代通信 中国スパイ企業を打ち破る戦略とは!?

赤いシリコンバレー
3月10日にSVB(シリコンバレー銀行)が経営破綻したかと思ったら、立て続けに他の地銀も連鎖的に破綻、さらにはスイスにまで飛び火し、クレディ・スイスが破産寸前まで追い込まれたのは記憶に新しい。そのニュースに接した時、1929年の世界大恐慌再来かと、一瞬思った読者も少なくないだろう。

こうした時の小生は、欧米のニュースを単に横流ししているだけの日本の大手マスコミ(新聞・TV)なんぞ相手にせず、信頼できる経済関連の情報源にのみ接するのを旨としており、今回もそうした信頼できる情報源から真の情報を得ている。

最初に接した動画は、大井幸子女史の動画だった。


【ゲスト:大井幸子氏】米デフォルト危機を煽る闇の勢力の狙いはデジタル通貨と人類家畜化!?及川幸久The Wisdom LIVE Channel#75

同時に小生の目を引いたのは、道友であるmespesadoさんが行った、掲示板「放知技」への連続投稿だった。
https://grnba.bbs.fc2.com/reply/17344796/311-319/

一通りの情報をチェックした後、次に小生が行ったのは、今回の破綻騒動を引き起こした黒幕の追求だった。なを、以下ではSVBのみに絞って筆を進める。

最初に、SVB幹部のその後だが、そのあたりについては以下の記事が詳しい。
シリコンバレー銀行CEOが破綻直前に株を大量売却。破産後はハワイへ

連中は金儲けというか、お金にしか頭に無い輩であり、銀行幹部という立場にありながら、後は野となれ山となれと言わんばかりに、優雅な生活をハワイで送っている・・・(嗤)。そのあたり、中国人、より具体的には中共幹部の人間性を彷彿とさせるものがある。以下はシリコンバレーという地と中国には相関性がある、同じ穴の狢であることを教えてくれる動画だ。


報道されないシリコンバレーの裏側にある真実|深田萌絵×松本道弘

松本道弘先生は小生に英語道を伝授してくれた先達であり、今の小生の英語力はかなりの部分、松本先生に負っていると言っても過言ではない。それにしても、動画に登場する松本先生は、お元気だった頃を思い出させてくれるのだし、ある種の懐かしさのようなものを感じた。

松本先生の対談相手である、深田萌絵さんは中国問題に造詣が深く、小生は彼女の動画はほぼ欠かさずに拝見している。また、小生にとって人生の大先輩である稲村公望さん、その稲村さんとも深田さんは対談しており、拙稿「蔡英文の闇」に、お二人の対談動画を紹介している。

最後に、1929年の世界大恐慌。経済クラブの横森一輝氏によれば、今年の7~8月頃に再び世界大恐慌が起こるだろうとのこと。そのあたりの詳細は、以下の動画で確認していただきたい。


【米シリコンバレー銀行破綻】世界金融危機の始まり?!インフレ下では数ヶ月でドカンと来ます

以前から横森氏は2023年、すなわち今年は世界大恐慌が起きると予測しているが、そのあたりの根拠は拙稿「ドルの衰退」でも少し触れた。

冒頭の動画で横森一輝氏が言及している2023年世界大恐慌も、人為的に引き起こされるであろうということは想像に難くない。


習近平とバイデン
本稿では、バイデン大統領と習近平国家主席の二人を、対比させる形で世界の潮流を俯瞰してみた。

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上掲の図は小生が作成したもので、拙稿「属国の時代 04」で公開している。

最初に習近平だが、実に華々しい外交成果を上げているように見えることだろう。特に、以下の外交成果が思い浮かぶはずだ。

・サウジアラビア訪問(2022年12月7~10日)
・サウジとイラン国交正常化を仲介(2023年3月10日)
・プーチンと非公式会談(2023年3月20日)


こうした一連の習近平による外航成果を世間では、どのように捉えているのだろうかと、幾つかの動画をチェックしてみた。たとえば・・・


#83 ロシアと中国の絆がますます強まる時、平和への道は?

動画のMihoさんはイタリア人と結婚し、現在はイタリアに住む日本人の主婦だ。小生、イタリアに知人が多いこともあって、彼女の動画を時々拝見させてもらっている。その彼女、DSの正体を相当なまでに見抜いており、DSがイタリアで行っている悪業の数々を、頻繁に暴露してくれるので大変参考になっている。

今回は彼女の中国観の一端を見せてもらったが、中国という国についての理解が浅いようで、彼女の目からは習近平が世界に平和をもたらしてくれる政治家と映ったようだ。

ここで、中国通といわれている近藤大介氏の以下の記事に注目していただきたい。

なぜ習近平主席が、それほどプーチン大統領に憧れていたかと言えば、自身が毛沢東元主席を崇拝しているからだ。毛沢東主席はソ連のヨシフ・スターリン書記長に、1953年にスターリン書記長が死ぬまで頭が上がらず、「スターリン政治」をそのまま、中国で実践した。

つまり、「スターリン→毛沢東→習近平」という図式だ。一方、スターリン時代の「強いソ連」をロシアで復活させようとしているのが、いまのプーチン大統領である。すなわち、「スターリン→プーチン」という図式だ。こうして習近平主席から見れば、プーチン大統領は「スターリン一族」の叔父のような存在に映るというわけだ。

習近平主席「電撃訪ロ」の狙いは何か…? 浮かび上がってきた中国側の「7つの野望」


遠慮しているのかどうなのかは分からないが、近藤氏の中国についての洞察に物足りなさを感じてしまう。つまり、習近平はプーチンに対して「恋は盲目」的な感情を抱いていると、近藤氏は思っている節があるためだ。しかし、これでは近藤氏のロシアあるいはプーチンについての見方が皮相的だし、寧ろ、プーチンと習近平の関係は、「呉越同舟」という喩えの方が小生にはピッタシくる。第一、ロシア人と中国人とでは、そもそも国民性がまるで違うからだ(拙稿「若者の未来」で紹介した、スプートニク紙の記事参照)。

また、習近平のサウジアラビア訪問で小生の脳裏に浮かんだのは、習近平が推し進めている「一帯一路」だった。小生の一帯一路観は掲示板「放知技」で述べており、拙稿「中共の正体」でも紹介した。

そうした寄生虫の一角を占めているのが、一帯一路を主唱している習近平ということになります。その習近平をトップとする中共に対して、今回の武漢ウイルスで怒ったのがトランプであり、そのトランプのアメリカ、より正確に書けば「アメリカ・ファースト」派のアメリカは、今や損害賠償という形で中共に対して訴訟を起こしつつあります。こうして失態続きの習近平なので、最近は胡錦涛派である李克強の発言力が強まってきましたが、これは非常に良い傾向です。ちなみに、胡錦涛の胡という姓は遠祖がツランであることを示しています。
https://grnba.bbs.fc2.com/reply/17178824/62/


日中関係で常に思うは飯山一郎さんの中国観で、小生は以下の飯山さんの意見に同感である。

ワシは,中国の文化,歴史,政治,経済,外交,技術,さらに軍事政策にさえ魅せられてきた.中国フリーク=マニアなのだ.

しかし! 感情的,経験的,個人的に中国が大好きであっても…,国家と国家の関係で見た場合,呑気に「中国大好き!」では済まない国際政治の現実がある.

◆2017/11/14(火)  米国と中国の大国主義と覇権主義>


つまり、日本が手を組むべきはロシア、そしてプーチンであって、決して習近平ではないからであり、そう思う理由を冒頭の図で示したつもりである。

一方、その習近平と並んで図に列記したバイデンはどうか? 以下、バイデンの〝実績〟の数々を思いつくままに列記しておこう。

・1・6事件という虚構
・インフレの激しい高騰
・サウジとの関係悪化
・ロシアへの制裁失敗
・大量の違法移民流入
・エネルギー政策の失敗
・ウクライナ訪問の失敗
・息子の不正取引に関与
・大統領選・中間選不正
・グレートリセットの嘘
・イランとの核合意失敗
・アフガンから米軍敗走
・サプライチェーン停滞
・ペトロダラーの地位低下
・バイデン自宅の機密文書
・銀行の破綻と金融危機
・ワクチンと国民大量死
・列車脱線と危険物流失


まだまだあるのかもしれないが、キリがないのでこのくらいにしておこう。それにしても、バイデンの〝実績〟に何か良いものが無いのかと考えてみたが、何一つ思い浮かばない。

否、あった! それは「アメリカの弱体化」、そして「アメリカの二極化」で、今のところ見事に成功を収めていると思う。

バイデンと云えば、ウクライナを電撃訪問した岸田首相、いつまでバイデン政権に追従するつもりなのだろうか? そろそろ、日本の国益のために立ち上がって欲しいと思うのだが・・・。

日本脱藩のすすめ
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1~2年ほど前、経営科学という出版社が立て続けに出した、GHQ焚書を数冊入手したことがある。そうした一冊に『興亞の大業』(松岡洋右)があったのだが、仕事(翻訳)や雑用に忙殺されていたこともあり、最近に至って漸く同書を紐解くことができた。

その『興亞の大業』、数日前に松岡洋右が十代の頃に渡米し、現地で苦労したという行を目にして、松岡の若き日を思い出したものである。

私は十四の時にアメリカでルンペンになった ・・・中略・・・ 自分と異うものと比較して見て初めて自分と謂うものが判るのである。・・・中略・・・ 日本だけで育って、外の民族を余り見ないと、日本人とは如何なるものであるかという謂うことを知る道がない。
『興亞の大業』p.72


小生も十代の時に日本を飛び出しているが、その時の体験をもとに、日本人のタイプを拙稿「南方熊楠の世界(4)」で以下のように分類した。

国粋派
コスモポリタン派
脱藩派


各々のタイプについての解説は、上掲の拙稿「南方熊楠の世界(4)」で行っているので、関心のある読者は一度確認していただければと思う。

さて、小生は拙稿「古希」で十代の頃に海外で放浪した体験を通して、「心技体」のうちの「心」を鍛えたと書いたが、そのあたりについては松岡洋右の言葉、「自分と異うものと比較して見て初めて自分と謂うものが判るのである」の通りだ。

ここで、海外放浪、小生の言葉で言えば「海外武者修行」を、小生は二十代から三十代の読者にすすめたいと思う。それは、拙稿「若者の未来」にも書いた、「一部の心ある日本の若者は、(このままでは)日本には未来が無いことを見抜いている」の通り、国内に目を向ければ低賃金で非正規の若者、未来に希望を持てない若者が激増、海外に目を転じれば、未だに続く露宇紛争やシリコンバレー銀行・クレディ・スイス問題といった具合に、世界中が閉塞感に覆われてしまった感が強いからだ。そうした世の中なだけに、心ある若者に今後の身の振り方について、ヒントになりそうな動画を以下に紹介したい。


【中東情勢】あなたが知らないドバイ,世界最大級の政府系ファンドと無税国家と脱石油の真実

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このように、湾岸諸国の発展ぶりには目を見張るものがあり、気宇壮大な気持ちになるだろうし、湾岸諸国に赴いて一旗揚げるのも悪くはないかもしれない。

また、サウジアラビアのMBS(ムハンマド・ビン・サルマン皇太子)はゲームやアニメが大好きで、アニメやゲームのコンテンツ産業を育て上げたいようだと、石田和靖氏は語っていたが、拙稿「生命」で紹介した映画「すずめの戸締まり」を例に挙げるまでもなく、コンテンツでは日本は他国よりも抜きん出ているだけに、アニメやゲームを仕事にしている日本の若者には、湾岸諸国での仕事に挑戦して欲しいと密かに願っている。


映画『すずめの戸締まり』予告②【11月11日(金)公開】

小生の子ども時代はゲームやアニメというものは無かったが、成人してからゲーム会社に就いたのでゲームの楽しさを知っているし、子ども時代は漫画に夢中だったものだ。そのためだろうか、小生は視覚に訴えるブログを目指しているし、動画やイラストも多い。

昨今の日本の若者は海外赴任をしたがらないという話を耳にするが、そんな若者のため、上掲の拙稿「南方熊楠の世界(4)」で紹介した、『日本脱藩のすすめ』(藤原肇)の一部を以下に再掲しておこう。

新しい人生の節目である四〇歳を迎える四ヵ月ほど前に、機会があったので独立してコンサルタント業を始めました。この仕事はプロフェショナルとして、実に厳しい真剣勝負の世界で、それだけに勉強しなくてはならないのできついけど、自分に知識をインプットする上でやっておいた方がいいと判断したものや、こういう人と仕事をしておくと情報が得られると考えた場合、そういうことをやっておくのはコンサルタントとして財産作りの役目を果たします。
独立のすすめ


無論、海外武者修行は何も湾岸諸国ではなくてもよいわけで、ともかく若いうちの海外体験を強くお勧めしたい。それにより、自分を生み育んでくれた日本の素晴らしさを、身を以て知ることができよう。

若い読者の健闘を祈る。

生命
読者が今、この拙稿を読んでいるということは、取りも直さず〝生きている〟、生を謳歌している真っ最中ということになる。それでも、一人の例外もなく、やがては死を迎えるのだが・・・。

小生は、「地球と生命」と題するブログ記事をアップしたことがある。この記事は、生命が地球上で誕生したという前提で筆を進めた記事だったが、最近の研究によれば、どうやら生命は地球で誕生したのではなく、隕石が運んできたという説が有力になりつつあるようだ。このあたりについては、確か掲示板「放知技」にも書いた筈だが、残念ながら見つからなかったので、関心のある読者は自分でネット記事を探していただきたい。

さて、この生命だが、地球で誕生したのか隕石で誕生したのかはさておき、そもそも生命とは一体全体どのようにして誕生したのか、これは今以て謎であり、今日に至っても答えを呈示してみせた研究者を小生は知らない。これは取りも直さず生命というものが、如何に神秘に満ちたものであるかという何よりの証だろう。取り敢えず、生命について考察する足がかりとして、以下の動画をご覧いただきたい。


宇宙最大の謎【生命体】

小生はNHKの「ヒューマニエンス」というシリーズ番組を、ほぼ欠かさず観ているのだが、この番組を観る度に思うは、人智を超えた「神」の存在である。つまり、生命が神の手を借りて誕生し、その後は進化論を地で行く形で生命が発展してきたのではなく、進化の過程でも神の手を借りた、つまり原始生命から人類に至るまでも神が造りたもうたという考えに傾きつつあるのだ。そして、小生と同じように考えていた人物を紹介してくれたのが武田邦彦氏で、その人物とは昆虫学者のファーブルである。


【公式】人類の起源:進化論と創造論どっち?【武田邦彦】

ところで、最初の動画「宇宙最大の謎【生命体】」でも言及していたことだが、「意識」も摩訶不思議なものと云えよう。つまり、我々人間は、本当に〝自分〟の意志で日々を生きているのか、考えれば考えるほど分からなくなるのだが、そのあたりについては以下の動画を参照されたい。


人間は本当に自由意志を持っているのか?その決断は、本当にあなたが下したのか?【真実の目】

さて、そろそろ現実の世界に戻り、仕事(翻訳)に精を出さなければならなくなった。また、昨日拙宅を訪れ、お線香をあげてくれた叔母(90歳)やカミさんは、小生に庭の草取りをしろと五月蠅いったらありゃしない。まぁ、やるしかないなあ・・・、蚊が出てこないうちに・・・

【グリコのおまけ】

【日本理化学工業株式会社】

古代の天文学
寒さ暑さも彼岸までという慣用句があるが、今年の春分は3月21日、久方ぶりに御先祖様の墓前で手を合わせてこよう。

ところで昨日、現代天文学の間違いを拙稿「ビッグバン説の嘘」で指摘したが、この機会に我々の遠祖である古代人の知恵(天文学)も取り上げておきたい。

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三内丸山遺跡

最初に観ていただきたいのは、以下の動画である。


科学が明かす古代人の驚くべき真実! 小名木善行&羽賀ヒカル

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この三内丸山遺跡の六本柱の並びは、動画が示しているように夏至や冬至の日出と日没、春分や秋分を表している。

自然の懐に抱かれつつ、日々の生活を営んできた古代人には、上掲シーンのように天文学の智慧を垣間見るのだし、これは何も三内丸山遺跡だけではなく、秋田県にある大湯の環状列石、さらには海外に目を向ければ、英国のストーンヘンジにも見い出せるのだ(拙稿「縄文の息吹」および「古代精神に帰れ!」参照)。

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今回取り上げた動画でも、春分と秋分あるいは夏至と冬至が主テーマとなっている。そして、我々の遠祖は今の我々よりも遙かに優れた、天文学の智慧を身につけていたと言っても過言ではない。

動画では古事記も取り上げている。小生は毎晩、風呂に浸かりながら古事記を暗唱しているが、太極と陰陽について風水師の珪水さんと、やり取りしたのを思い出した。そのあたりは、拙稿「風水師から見た福島の光景」に書いている。

■太極から陰陽へ
『古事記』の冒頭に「天地の初發の時、高天原に成りませる神の名は、天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神」とあるが、その三柱の神に相当する太極と陰陽を巡ってあらゆる話に及んだ。


また、小生は「プーチンと六韜」で六韜を取り上げ、太極と陰陽について言及している。

軍勢第二十六

武王問太公曰、攻伐之道奈何。太公曰、勢因敵家之動、變生於兩陳之間、奇正發於無窮之源。故至事不語、用兵不言。且事之至者、其言不足聽也。兵之用者、其状不足見也。倏而往、忽而來、能獨專而不制者兵也。聞則議、見則圖、知則困、辨則危。

故善戰者、不待張軍。善除患者、理於未生。善勝敵者、勝於無形。上戰無與戰。故爭勝於白刃之前者、非良將也。設備於已失之後者、非上聖也。智與衆同、非國師也、技與衆同、非國工也。

事莫大於必克、用莫大於玄黙、動莫大於不意、謀莫大於不識。夫先勝者、先見弱於敵而後戰者也。故士半而功倍焉。聖人徴於天地之動。孰知其紀。循陰陽之道、而從其候。當天地盈縮、因以爲常。物有死生、因天地之形。



聖人は天地の動きに徴す、孰れか其の紀を知らん。陰陽の道に循いて、其の候に従う。天地の盈縮に当りて、因って以て常と為す。物に死生有るは、天地の形に因る。
故に曰く、未だ形を見ずして戦わば、衆と雖も必ず敗れん。善戦う者は、之に居りて撓れず、勝ちを見れば則ち起ち、勝たざれば則ち止む。
故に曰く、『恐懼する無かれ、猶予する無かれ。兵を用うるの害は、猶予、最も大なり。
三軍の災は、狐疑より過ぎたるは莫し』と。



聖人は天地自然の動きに順応して行動します。凡人はだれもその条理を知りません。聖人は陰陽の道に従い、その季候に従い、その変化の状況に従います。天地における満ち欠けの法則を把握して従うのを常法とします。万物に生と死とがあるのは、天地の満ち欠けの法則によるのです。
ですから『その形勢を見ないで戦えば、味方が多数であってもかならず敗北する。巧妙に戦うものは、どんな場合でも乱されることがなく、勝機とみれば兵を起こし、不利と思えばただちに戦いを止める』というのです。
また『恐れるな、猶予するな。兵を用いるとき、最大の害はぐずぐずと猶予することだ。軍には狐疑躊躇が最大の災禍である』ともいうのです。


本当に六韜は、地の利を活かしての喧嘩に役立つ(笑)。

それから、太陽系という視座で古事記を解説してくれたのが栗原茂さんで、栗原さんを囲んだ古事記の講義は数年に及び、その時に入手したのが『太陽系大地図』(小学館)だった。

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さて、伊弉諾尊と伊弉冉尊が最初に産んだのが、淡路島だったのは読者もご存知だと思うが、その淡路島にある伊弉諾神宮を起点とした、日本列島のレイラインの存在は、あまり耳にしたことはないはずだ。

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伊弉諾神宮 陽のみちしるべ

何故、斯くも見事なレイラインが成立しているのか、不思議に思う読者も少なくないと思うが、ここにこそ、小生は古代人の智慧を見る。

最後に余談になるが、今回取り上げた動画で唯一残念だったのは、 小名木善行氏も羽賀ヒカル氏も、何の疑問も抱かずにビッグバン説を盲信していたことで、実に残念だ。

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ビッグバン説の嘘
9年ほど前になるが、小生は『間違いだらけのNHK「コズミック フロント」』と題する記事をアップ、以下のようなことを書いた。

・宇宙が膨張しているというのは嘘
・宇宙はビッグバンによって、138億年前に誕生したというのは嘘


このあたりについては、拙ブログの他記事でも折に触れて語ってきた。そして最近、以下のような動画も公開されるようになったのだが、これは、我々の宇宙観が変わっていく第一歩なのだろう。


物理学者大混乱!?最新の観測から判明!ビッグバンなんてなかった!?

この動画で残念だったのは、「ビッグバン説が完全に否定されたわけではない」、という曖昧な結論になっていたことだ(笑)。まぁ、これから辻褄合わせの作業が、天文学の世界で始まるのだろうが、どのような新説(珍説?)が飛び出すのか、今から非常に楽しみだ。それにしても、今のビッグバン説や宇宙膨張説は間違いだということは、拙稿で紹介した以下の記事に目を通せば一目瞭然なのだが・・・
間違いだらけの宇宙論

ともあれ、天文学者や関係者にとって、御飯(おまんま)の食い上げにもなりかねないので、これからが大変だ。

【グリコのおまけ】

重力波を捉えろ! KAGRAで聞く宇宙からのメッセージ | ガリレオX 第205回


【反物質とは何か?】消えた“反物質”の謎 私たちはなぜ存在しているのか? | ガリレオX 第142回


世界は本当に3次元か? 重力が伝える宇宙の姿 | ガリレオX第62回

神話と女性
世界戦略情報誌『みち』において、15年もの長きにわたり掲載されている、安西正鷹さんの「人間の深層心理とお金」シリーズが今でも続いている。何故に、安西さんは「お金」について長期連載を続けているのか? その解は、『みち』の令和3年2月1日号にある(本稿の末尾参照)。

安西さんによれば、お金とは「知れば知るほど疑問は解消するどころか、次々に新しい疑問がわき出てくる」とのことであり、そのために安西さんは、「古今東西の悠久の歴史を書く必要がある」という境地に達したとのことだ。斯様に広大無辺な安西世界を隅々まで本稿で網羅することは、とてもではないが出来ない相談なので、「群盲象を撫ず」を地で行く形で、「女性」についてのみ焦点を絞って安西世界を覗いてみよう。

最初に、今年発行された「みち」(1月15日号)に目を通していただきたい。

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どうだろうか? 「女性も人間として一連の権利を持ち、一人の人間として尊重されるという表現は一切見られない」という行、西洋社会の本質を突いていることがお分かりいただけるだろう。ここで、拙稿「文化発祥の地」で武田邦彦氏の動画を紹介したが、その時に小生は以下のように書いた。

女性を最高神(天照大神)としたのは日本だけだという、武田氏の言葉に注目していただきたい。


「女性が最高神」が意味するところは深遠だ、ここに、武田氏ではないが、日本人の持つ女性観や道徳観は、西洋のそれよりも遙かに進んでいることが納得いただけよう。小生は長年にわたって日本文化というものを様々な角度から追究してきたが。武田氏の「日本は文化発祥の地」という言葉に接し、漸く長年にわたる疑問が氷解した思いをした。

【『みち』令和3年2月1日号】
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なぜ日本人は妻をカミさんと呼ぶのか?誰も知らなかった本当の理由|小名木善行

若者の未来
季節は春、あの日が、ふたたび巡ってきた。今日の午後2時46分、北東に向かって一分間の黙祷を捧げる自分がいることだろう。あれから12年、毎年この時期になると件の震災を思い出すのだし、津波にのみ込まれて尊い命を失った大勢の同胞、続く福島原発の大爆発で数年間にわたり、放射能対策に取り組んだ日々も思い出す。

あの当時は、民主党の政権下にあった。ヘリで福島原発へ視察と称して作業の邪魔をした菅直人元首相、「直ちに影響はない」という嘘を吐いた枝野幸男元幹事長、実に、実に酷い政権だった。このような最悪最低の政権だったため、我々は数年に亘って放射能の恐怖に怯えながら暮らしたことになる。一方、国難に直面して大勢の人たちが立ち上がってくれたのも事実で、飯山一郎さんもそうした一人だった。その飯山さんが我々に教えてくれた乳酸菌の培養や放射能対策の数々、斯様に飯山さんから受けた恩は生涯忘るべきではない。

それから12年が経ったが、今の我々の祖国はどうか? 一部の心ある日本の若者は、(このままでは)日本には未来が無いことを見抜いている。しかし、そうした国難の時にこそ、本物の人物が輩出するものだし、そんな一人が参政党の神谷宗幣氏だ。その神谷氏が吠えた。


【参政党】日本史上一度も無い事態です。ワ●と人口激減だけじゃない。植民地日本の最悪の現状!防衛省に防衛費43兆予算の使途を聞いた

神谷氏と一緒に炎天下の中、日本各地を演説で飛び回った武田邦彦氏も、心から日本の未来を案じ、子どもたちの未来に心を砕いている一人だ。以下、そんな武田氏の言葉に耳を傾けてみよう。


【武田邦彦】主犯を発表するぞ…

昨日の拙稿「思いやり」で紹介した飯山一郎さんの言葉、「大切な日本の子どもたち」は、拙稿「古希」で紹介した菊谷隆太氏の言葉、「70年間に得たものを後生に遺すこと」と相通じるものがあり、まさに、小生の気持ちを代弁してくれている。

最後になったが、日本の未来と日本を背負う子どもたちのことを念頭に置きつつ、馬渕睦夫大使の言葉に耳を傾けていただきたい。


【馬渕睦夫】世界でどうしても滅んでほしくない民族は●●です...【ひとりがたり/振り返りpart22】

動画の後半で馬渕大使は、ロシア人と日本人に共通する精神性について語っていたが、最近のスプートニクも同様に、この精神性についての記事を組んだ。
【特集】「日本に15年いて、ロシア人と日本人は精神的にとても似ていると気付いた」文化学博士のナデジダ・イゾトワ教授のインタビュー

今回紹介した三本の動画は、YouTubeによって削除されてしまう可能性が高い。消される前に、ダウンロードしておくといいだろう。

思いやり
今朝、神計らいで武田邦彦氏の動画を観た。


【第13回 幸せ砂時計サイエンス】科学報道が不幸を作る

流石に武田氏で、今回も多くの気づきをもたらしてくれたのは有り難かった。一時間強と長い動画だが、得るものは多いと思うので、時間が許す時に観ることをお勧めしたい。

今回の動画を観てつくづく思ったことは、武田氏の持つ優しさというか、思いやりの心だ。動画の後半で、視聴者から武田氏に対して多くの質問が投げかけられたが、特に心惹かれたのが日本人の道徳性についてだった。

それは、中国人が金に物を言わせて、日本の土地を買い漁っている様を嘆いている一視聴者からの質問で、中国人の金に目が眩んだ政治家などを弾糾、日本の学校に道徳教育を導入すべしと主張したのに対して、武田氏も賛同、日本の学校教育に道徳を採り入れるべしと熱く語ったのである。この武田氏と一視聴者のやり取りに耳を傾けながら、飯山一郎さんが『StarPeople』に綴った、ある言葉を思い出した。その行は拙稿「飯山一郎の“新日本建国神話”第5話」で一度引用しているが、本校でも再掲させていただこう。

日本人の道徳哲学は世界一!

さて、〝新日本国〟の国民になるには、心構えが必要です。その心構えとは「大胆細心」。大胆で柔軟な発想と、細やかな心づかいが絶対に必要であるということです。〝新日本国〟の国民には、キビキビと働き、話し、人には明るく礼儀正しく接することが求められます。優しい心と思いやり溢れる心が大切だということです。また、少食粗食など禁欲的で勤勉な生活を楽しく過ごす前向き思考も求められます。リーダーの指示には素直に従い、不平不満を口や顔に出さないことも肝に命じなければなりません。以上は、日本人の特長でもあり、そのまま「新日本人の条件」にもなります。郷に行ったら郷に従い、中国人の生活文化を深く理解しようとする氣持ちを忘れず、好き嫌いを言わず、まずはどんな食べ物でも食べてみる度胸も必要です。その度胸がない日本人が多いのですが、ヤルっきゃない! なぜなら、大切な日本の子どもたちに〝日本〟を引き継いでもらうためなのですから。

『StarPeople』秋号 p.79


こうした日本人の思いやりの心、寛容性については、拙稿「貴族の時代 05」でも触れており、これも再掲しておこう。

その後の小生は、古墳時代に豪族たちが渡来する前、日本列島にいた原日本人の民族性を多角的に考察してみた。それで改めて思ったことは、原日本人は外来のもの(人・物)を一旦は受け容れ、やがて自分たちのものにするという、寛容性を持っていた人たちで、同時に人としての優しさを兼ね備えた人たちあったということだ(「貴族の時代 03」参照)。


武田氏の動画を観て、映画「すずめの戸締まり」を思い出した。小生、まだ観ていないが、機会があれば一度は観てみたい映画だ。


【超重要】これからの日本の姿がわかる『すずめの戸締まり』に描かれた真のテーマとは|小名木善行

【心温まる動画】

【感動する話】両親を亡くした小学4年生の姪を引き取り養子に迎えた。ある日新学期の授業参観で先生から指名をされて作文を読んだ娘


【感動する話】母に捨てられ祖父も他界し施設で育った天涯孤独な私。中学の同窓会で再会した彼と結婚することになった。結婚式当日養護施

第三神殿と核戦争
小生は、今年の年賀状に以下の文を認めている。

昨年の2月24日、ロシアが特殊軍事作戦を開始、未だに終戦の目途が立たない中、一時は局地核戦争も覚悟していました。幸い、今のところ最悪の事態には至っていないものの、取り敢えず食糧備蓄等の備えは完了しました。


現在、ロシア対ウクライナ、より正確にはロシア対NATO・アメリカの戦争が展開しているが、最悪の場合はロシアとアメリカによる核戦争、すなわち世界最終戦争になるかもしれないという話がネット界隈で飛び交っている。

しかし、核戦争に発展しそうなのは、何もロシア対ウクライナのケースだけではない。現在進行形のイランとイスラエルの対立も、そうしたケースの一つであり、最悪の場合は核戦争になる恐れが十分にある。よって、本稿ではイランとイスラエルの対立に焦点を当てて筆を進めたいと思う。

最初に、中東関連に強いユーチューバーとして台頭してきた、【越境3.0チャンネル】の石田和靖氏だが、同氏はイランとイスラエルの対立について以下のように総括している。


【中東情勢】イランとイスラエルの対立が最高潮に! それまでの流れを簡単に整理します

動画を一通り観てみたが、石田氏には大事な視点が欠落している。それは、イスラエルによる「第三神殿」の建立計画だ。石田氏の見解では、ネタニヤフ首相がイランとの開戦を急いでいるのは、イランの核計画を防止するためだとのこと。つまり、イランが核保有国になるのをイスラエルは恐れており、その前にイランを叩きのめしたい、だからこそ、イスラエルは開戦を急いでいるのだと石田氏は主張する。

しかし、イランによる核兵器保有の防止だけが開戦の理由ではない。それは、イスラエルにとっての重要な計画、すなわち、「第三神殿」の建立だ。第三神殿と言っても、馴染みの無い読者にはピンと来ないかもしれないが、この第三神殿の建立こそが、ユダヤ民族の長年にも亘る宿願だ。第三神殿については、以下の田中宇氏の記事に目を通し、第三神殿とは何かについての大枠を掴んでいただきたい。
ユダヤ第三神殿の建立

この第三神殿だが、小生は山浦嘉久さんに十年ほど前から、折ある毎に話を聞かされてきたし、それを受ける形で天童竺丸さんや安西正鷹さんも、第三神殿についての記事を多く世界戦略情報誌『みち』に発表している。最近も、神子田龍山さんが第三神殿についての貴重な記事を『みち』に連載しているほどだ。神子田さんは第三神殿について、建立初日に「岩のドーム」が破壊され、その跡地に第三神殿が建立されると記している。

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岩のドーム

ここで、ユダヤ教といった一神教の人たちは、数を聖なるものと見なしており、数というものに厳格な人たちである。だから、ユダヤ教の暦法に依れば岩のドーム破壊は今年、すなわち2023年中だと神子田さんは記した。これが意味するところは、核兵器が完成する前にイスラエルがイランを叩くのか、それとも岩のドームが破壊される前にイランがイスラエルを叩くのか、という話になる。だから、小生は固唾を呑みつつ、日々のニュースに接している今日この頃なのである。ちなみに、世界戦略情報誌『みち』(2月1号)にあった神子田さんの「世界戦略情報」シリーズに、「●第三神殿の建立で世界が滅亡する」(p.7)と題する小節があったが、ハルマゲドンを連想させるに充分であった。

その神子田さんが、最新稿(3月1日号)に書いた結語に小生は息を呑んだ。

ドゥーギンは世界四ブロック構想実現に於いて、三つの枢軸の確立を必然としている。まずベルリン・モスクワ枢軸、次に東京・モスクワ枢軸、そしてテヘラン・モスクワ枢軸である。
『みち』3月1日号p.7


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map of multipolar four zones

また、神子田さんは以下のようにも書いている。まさに、ドゥーギンはロシアの〝頭脳〟だと思った。

ドゥーギンは主著『Основы геополитики(地政学の基礎)』の中で、はっきりと「米国はスケープゴートとなる」と断言している。これがロシアの思惑、米国に与える未来像である。
『みち』3月1日号p.7


ここで、ドゥーギンの主著『Основы геополитики(地政学の基礎)』のキーワードの一つが旧約聖書だが、そのあたりについては馬渕睦夫大使の以下の動画を参照されたい。


【馬渕睦夫】旧約聖書から見える陰謀論ではない真実とは...【ひとりがたり/振り返りpart18】

少し古くなるが、天童竺丸さんの著した「ラビン暗殺とエルサレム第三神殿計画」、馬渕大使の動画を深く理解する上で役に立つと思ったので、以下に転載させていただいた。


「ラビン暗殺とエルサレム第三神殿計画」 天童竺丸

●ラビン暗殺は「宗教的」犯行だった!
 一九九五年一一月四日にイスラエル首相のイツハク・ラビンが暗殺された。犯人はユダヤ教系Kバール・イラン大学に通うイガル・アミルという二五歳の学生だった。中東和平協定に基づくパレスチナ国家創設に反対し、和平推進者ラビン首相を「裏切者」と決めつけるユダヤ教過激派組織「エヤルEYAL」(ユダヤ闘争機関の略、一九九三年創設)のメンバーだった。
 犯行は事前に組織的に計画されたもので、イスラエル当局は事件をエヤルによる共同謀議と断定、アミルをはじめメンバー七人が逮捕された。
 計画はイガル・アミルが中心となって進められ、イガルの実兄ハガイ(二七)と友人の現役軍人エリック・シュワルツ軍曹(二一)が武器・弾薬を調達し、イガルによって実行された。イガルの友人のミハイル・エプシュタイン(二二)、エヤルの創設者で指導者のアビシャイ・ラビブ(二八)らも、関与していたとして逮捕された。
 エヤルと治安情報機関シャバク(旧称シンベト)との関係も浮上した。ラビブ容疑者は
エヤル創設時から「シャンペン」という暗号名をもつシャバクのスパイだったし、暗殺犯イガル・アミルは、一九九二年にラトビアの首都リガでユダヤ人社会の警備員に採用されたとき、シャバクによる射撃訓練や要人警護の講義を受けたといわれる。
 最右派政党モレデトの議員は「エヤルはシャバクが創設し、資金を提供していた」と非難する。シャバクが過激派内のスパイにわざと過激な行動をさせることによって、右派勢力全体に対する世論の批判を高め、揺さぶりを掛けようとした(読売新聞一一月二一日号など)、というのである。
 以上、マスコミ報道によっても、ラビン首相暗殺が、単なる精神異常者による激発的異常行動などではないことがわかる。ユダヤ教過激派エヤルによる「組織的」犯行だった。そしてさらに、イガル・アミルが逮捕時に、「神の命令でしたことで、まったく後悔していない」と語ったように、ラビン暗殺は宗教的確信に基づく犯行でもあったのだ。
   
●「受難の民」の報復の特権は破綻した
今回のラビン首相暗殺は、ユダヤ人によるユダヤ人のテロという点でも注目されたが、
ユダヤ人の同胞テロはこれが初めてではない。
たしかにユダヤ人は歴史上多くの迫害・受難に遭い辛酸をなめてきた。
 ところが、「受難の民ユダヤ民族」という幻想を維持するために常に犠牲者・殉教者が必要とされるという倒錯した心理が根付いたのも事実である。つまり、ユダヤ人自身の犠牲者をみずから創り上げるという思想が培われ、時に実行されてきたのである。
 ヒットラーのナチスによるユダヤ人政策も、その背後にはユダヤ人自身による承認・密約があったといわれる。つまり、西洋化したユダヤ人たちは「来年こそはエルサレムで!」といいながら、ドイツでのぜいたくな暮らしに慣れて、一向にパレスチナに移住しようとしなかった。これに業を煮やしたシオニスト指導者らは、彼らを「不毛の地」に輸出するため、ヒムラーとアイヒマンとのあいだに密約を交わした、というのである。
 西洋化ユダヤ人たちを徹底的に軽蔑した正統派ユダヤ教ハシディズムの指導者だったマルティン・ブーバーも、シオニストによるこの計画を支持した、とジョン・コールマンは指摘している(歴史修正叢書 ジョン・コールマン『ルドルフ・ヘスの生と死』参照)。
 また、一九五二年ハンガリーのブダペストで開かれた欧州ラビ緊急会議で演説したラビ=エマニュエル・ラビノヴィッチの発言も、ユダヤ人自身の犠牲・殉教者を求めたものであった(ユースタス・マリンズ著、歴史修正学会訳『衝撃のユダヤ五〇〇〇年の秘密』日本文芸社刊、三〇九ページ)。
 「第二次世界大戦でわが同胞の一部をあえてヒットラーの悪党どもに生け贄として捧げざるをえなかったあの辛い日々を、われわれはふたたび繰り返さねばならぬかもしれない。……
諸君がそうした義務を果たすための覚悟をいささかも必要としないとわたしは確信する。なぜなら、生け贄は常にわが民族の合い言葉だったのであり、世界の主導権と引き換えに数千人のユダヤ人を犠牲にすることは、むしろささやかな代償にすぎないからである」
しかし、今回のラビン暗殺で特異な点は、ユダヤ人自身の犠牲が暗殺者たちの意図である「大イスラエル主義」(シナイ半島からユーフラテス川までのパレスチナ全域にユダヤ人国家を樹立しようという構想)を促進するよりは、非ユダヤ人によるパレスチナ国家の存在を容認する和平合意を展開させる方向に寄与した点であろう。
 つまり、イスラエルという現実の国家を樹立したユダヤ民族は、みずからの手でパレスチナ・アラブ人という新たな「受難の民」をつくり出し「加害者」となることによって、これまで恣に享受してきた「地上唯一の犠牲者」としての報復・賠償の正当性を破綻させざるをえなくなったのである。
その結果、ラビン暗殺は「受難の民」の悲劇性を世界に際立たせるよりはむしろ、ユダヤ人同胞内部の憎悪・分裂・抗争を露呈させ、ユダヤ人の犠牲が他民族の存在を容認することにつながるという皮肉を生み出したのであった。

●「受難」と「大量殺戮」は掠奪思想の両面
 日本人が虚心にユダヤ民族の聖典とされる「律法」「預言書」「諸書」などのいわゆる『旧約聖書』を読むと、血で血を洗う掠奪と復讐と殺戮の物語に満ち満ちていることに驚かざるをえない。
 本誌『みち』創刊号で藤原源太郎は、万人に開かれた生成発展を旨とする日本文明の原理を「明示録世界」と捉え、仏教・儒教・道教などの東洋宗教の包括的原理を天地一体の階層的秩序を志向する「暗示録世界」と規定したさいに、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の世界観を「黙示録世界」と総括して、その征服的自然観と救済・布教への宗教的情熱とが演繹的思想から必然的に帰結するものであることを指摘した。
 また、林秀彦は『中央公論』で本年一月号より三月号まで「ジャパン、ザ・ビューティフル」と題し、戦後の日本の無節操ぶりに絶望して逃れたオーストラリアの地から、遠く祖国日本に寄せる切々たる真情をつづった。
 日本人だれしもの胸を打つこのすばらしい文章のなかで、西洋の「嫉妬文明」と日本の「和の文明」とが本質的に相容れないこと、「嫉妬文明」が行き詰まりにある現在、日本民族こそ「和の文明」をもって世界人類を嚮導すべき責任があるというのに、日本人は「嫉妬文明」の豊かさに目が眩んで、とうてい修得しえない異質の文明を猿まねする無魂無才の無節操人間になり果てていることを、林は痛恨・痛罵している。
 日本にとって異質な、いわゆる西洋文明とされるもののなかに、少なくともユダヤ思想とキリスト教思想の区別を、できればさらにギリシア・ローマ・ゲルマン・イスラム・スラヴ思想の差異を理解することは、日本の文明の原理を知るうえに重要である。とりわけ、偽装された形で西洋思想一般に潜り込んでいるユダヤ思想を見極める必要がある。
 日本人にとってユダヤ思想は異質であることを越えて異様である。宗教的迫害を逃れて新天地を求めた清教徒の子孫であるアメリカ人の愛国者ユースタス・マリンズはユダヤ民族の本質を「寄生体」であると洞察している(『寄生体~ユダヤ民族の生物学的特質』当学会にて翻訳刊行準備中)が、生存の基盤をみずからの生産に置かず他からの掠奪に求める民族が、強烈な嫉妬に駆られるのは当然であろう。
 そして、嫉妬に駆られた欲望を成就しえないとき、「受難」を言い立て「大量虐殺」の理由とするのは、「出エジプト記」に記された「過越の祭」の来歴や「エステル記」の物語などに見られるように、掠奪と憎悪を本質とする思想が必然的にもたらす悲劇の両面である。

●神に裏切られた民のメシア願望
 「受難」と「選民思想による大量虐殺」は、永遠の相克を生む闘争の原理であり、その根底にある略奪・憎悪の思想はユダヤ民族自身にとっても救済の原理とはなりえなかった。 神が「カナーンの地を与える」とユダヤ人に繰返し語った約束は、現実にその地を耕し生存する人々が先住している以上、まともに考えれば一方的なメチャクチャな約束である。約束が実現されるためには、戦争・略奪は避けられない。
 ユダヤの神は妬む神、戦争の神であると言い直るが、こんな身勝手な約束がいかになされようとも、容易に実現されるはずがない。しかし、神はかえってユダヤの民が神を裏切ったと非難するのだ。神による約束の書のなかに、ユダヤ民族の神への裏切りと、それに対する神からの呪詛がいかにおびただしく語られていることか!
 しかし、異教徒である私が単純に見れば、神が約束を果たさなかっただけの話である。そもそも約束自体が天道に悖る理不尽な約束だった。だがこうして、神に選ばれたはずのユダヤの民は神に裏切られる。ついに神による救済はやってこないのではないか? この恐ろしい可能性に、ユダヤ民族は気づかざるをえなかったと思われる。そこで、神の契約が果たされないことを疑いはじめたユダヤ人は、別の原理を必死に求めた。それが、メシアによる救済の思想である。
 キリスト教徒はイエス・キリストをメシアとして受け入れ、掠奪と憎悪の思想から原理的に脱却した。つまり、救済はメシアの地上への登場によっていつか将来成し遂げられる問題ではなく、みずからの魂の内奥のできごととして現下に問われるべき問題となったのである。こうしてキリスト教文明自身は救済の原理をもつことができた。
 しかし、魂の救済を説くイエスはユダヤ民族のメシアとはなりえなかった。彼らのメシアはカナーンの地に全ユダヤ民族を帰還させ、楽園を実現する者でなければならなかったからである。そこで、イエス殺害の血の責任を子々孫々まで被ってもよいと断言してイエスを拒絶し殺害した。ユダヤ民族は、将来にメシアの登場を待つほかなくなった。

●メシアによる救済は文明の終焉である
 だが、メシアとはなにか? 日本もまた、弥勒下生を願う一種のメシア信仰を経験したが、それは日本の文明の本流とはなりえなかった。メシアとは一つの奇跡である。私は奇跡そのものを一概に否定する者ではないが、奇跡はついに奇跡であるにすぎない。奇跡は文明の停止であり終焉である。とうてい文明の創造の原理とはなりえない。
 ほんとうにメシアが現れたらどうなるか?メシア信仰に基づく宗教は、真のメシアの出現に困惑し、かえってメシアを幽閉して民衆の目から遠ざけるのではないか? 
 これが、メシア信仰によって民衆を誑惑する「大審問官」の偽らざる本音であることを洞察したのは、ロシア民族の心をよく理解していたドストエフスキーであった。メシア来臨を説く僧官たちの二重思考、プラグマティズムを鋭く見抜いたといえよう。

●偽メシアに翻弄されたユダヤ民族
 ユダヤ民族はメシアへの焦がれるような渇望をどの時代にも捨てることができなかった。メシア渇望はユダヤ民族の本質といってもよい。
 バビロン捕囚のとき、ローマによる属州支配のとき、そしてオリエント・ヨーロッパ各地でのディアスポラ(離散)にあって、ユダヤ民族はどれほど激しくメシアを希求したことであろう。『死海文書』には、ユダヤ紀年まで調節してメシア来臨の時(ユダヤ紀四〇〇〇年と計算されていた)をギリギリまで延ばそうと悪戦苦闘した跡が記されている。
 しかし、ユダヤ民族にメシアはついに訪れなかった。そして、ユダヤ民族のメシア待望の歴史は同時に、偽メシアに翻弄され裏切られる歴史でもあったのだ。確かにこの意味では、「悲劇の民」である。  
もっとも名高い偽メシアは、オスマン帝国のスミルナの上流階級に生まれたシャブタイ・ツヴィ(一六二六~七五)であろう。彼はカバラ神秘主義者ルリアの「追放され屈辱と迫害にさらされているユダヤ民族は、まもなくメシアを産み出すことによって、全宇宙の秩序を回復し、ユダヤ民族最後の贖いを完成するであろう」という教えに深い影響を受け、一六四八年にみずからメシアであると宣言した。そして、一八年後の一六六六年をすべてが成就する千年至福と名づけて、活動を開始する。
 ツヴィはオリエントからヨーロッパまでの全ユダヤ人のあいだに熱狂的な信奉者を獲得した。多くの著名なラビや金持ち・知識人らも含めて、一時は全ユダヤ人口の三分の一が
ツヴィの信者になったといわれる。
 一六六六年、「スルタン(ムハンマド四世)は王座を放棄し、我を王のなかの王と崇めるであろう」とツヴィは予言して、コンスタンチノープルに上陸しようとしたが、気狂いと見なされ、逮捕・投獄されてしまった。スルタンに死刑か改宗かを迫られると、さっさとイスラム教に改宗し、なんと! 高給をあてがわれスルタンの後宮の門番になった。それでも信者たちの多くはツヴィの「受難」に倣ってイスラムに改宗してデンメー派という一派を形成し、ツヴィをメシアだと信じつづけたという。
暗示にかかりやすい幻想家肌の性的不能者(このため三度結婚に失敗した)シャブタイ・ツヴィによって震撼され大混乱に陥ったユダヤ世界は、その後も多くのメシアに裏切られる。
 その一人ウクライナに生まれトルコで行商人だったヤコブ・フランク(一七二六~九一)は、ポーランドでメシアに祭り上げられた。フランクはカバラ主義の本『ゾハル』を聖典として、姦淫・近親相姦をものともしない乱交パーティーの教えを説き、悪徳の限りを尽くした。ラビによってユダヤ教からは破門されたが、三位一体を認めると称してカトリックに近づいたり、ロシア正教に庇護されたりしながら、大勢の信者に護られて、死ぬまで君主同然の贅沢三昧の暮らしをしたという。

●現代の偽メシア運動
 シャブタイ・ツヴィやヤコブ・フランクにひけを取らない現代の偽メシアが、ニューヨークはブルックリン出身のアシュケナジー・ユダヤ人のラビ=メイヤー・カハネ(一九三二~一九九〇)である。そしてこの男こそ、ラビン首相暗殺犯イガル・アミルと過激派組織エヤルの実質的な産みの親なのである。
 権力欲と性欲だけは旺盛な無節操きわまる破廉恥漢・ゴロツキのカハネは、FBIやCIAの密告者を務めつつ、一九六八年ニューヨークでユダヤ防衛連盟(JDL)の創設者の一人となり、やがてこれを私物化して、黒人に対するテロや、ソ連領ユダヤ人の弾圧に対する抗議として在米ソ連施設に対するゲリラ攻撃によって勇名を馳せる。
 一九七一年にイスラエルに移住したカハネは、七三年にイスラエルJDLよりクネセト(国会)に立候補して惨敗し、その屈辱のなかでメシア思想の虜になっていく。
 カハネは『ユダヤ思想』(七四年刊)で、イスラエルの土地(カハネの大イスラエル主義によれば
ナイル川からユーフラテス川までの全パレスチナ)にいるアラブ人の存在そのものがユダヤ教に対する挑戦・汚染であり、アラブ人の排除こそメシアによる救済の前提条件だとして、こう語る。
 「シオニズム、イスラエル国家樹立、ユダヤ民族の故郷帰還、優勢アラブ人に対する 劣勢ユダヤ人の奇跡的勝利、ユダヤ・サマリア・ガザ・ゴランの解放、ユダヤ王座の聖都市エルサレムのマウント神殿への帰還 ……これらすべてが神の意志の保証であり、その成就なのだ」
 そして、カハネはご多分に洩れず、アラブ人追放を実現しユダヤ民族を救うメシアは自分以外にない、と確信するにいたる。

●現実的神秘主義メシア運動
 偽メシアのカハネとは別に、第四次中東戦争(一九七四)によってイスラエルが占領したヨルダン川西岸地区へのユダヤ人入植を推進したのが、「グーシュ・エムニーム」(信者の砦)という神秘主義メシア運動である。
 エルサレムのユダヤ教学校の校長イェフダ・クークは、ユダヤ人のエルサレム帰還とその地の繁栄とが来るべきメシア時代の幕開きとなるとして、占領地は神がユダヤ民族に与えた遺産であり、いかなる犠牲を払っても、イスラエルの手に取り戻すべきであると主張した。
 クークの教え子たちが中心になってグーシュ・エムニームを一九七四年にはじめると、正統派ユダヤ教徒や建国精神に無縁な無気力の第二世代の若者、米ソからの少数の新規移民たちの心をがっしりとつかんだのだある。彼らは西岸地区に古代のユダヤ・サマリアを再建する「聖なる十字軍」活動に着手した。アラブ人の土地を没収して、ユダヤ人入植地を一つずつ建立していくという現実的なやり方である。グーシュ・エムニームの西岸入植地建立は、ヘブロンのキリアト・アルバを拠点に、右翼リクード党のベギン政権下(一九七七~八二)、農業大臣アリエル・シャロンの後援で飛躍的に増大する。

●妖怪カハネがイスラエルを席巻
 このアシュケナジー系ユダヤ人を主体とするグーシュ・エムニームは、カハネのアラブ人追放という過激な主張とは当初なかなか結びつかなかった。
 一九七四年カハネは自分の政党「カハ」を創設してクネセトへの選挙運動を再開する。グーシュ指導者のラビ=イェフダ・クークが従来の国家宗教党への支持を取りやめカハ党支持に鞍替えしたが、それがそのままグーシュの大量票とはならなかった。
 しかし、一九八四年七月カハネは全投票数の一・二%を獲得、ついにイスラエルの国会議員となる。カハ党の主な支持層となったのは、アラブ人に憎悪を抱いているイスラム圏からのスファラディー系移住者たちだった。彼らは少数のアシュケナジーが政治・軍部の中枢を占めるイスラエル社会で低学歴・低賃金の貧困階級を形成し、しばしば同然の境涯にあるアラブ人と対立してきた。今年一月二八日のエチオピア系ユダヤ人(約三万人)による献血血液廃棄抗議行動に見られるように不満が鬱積しており、カハネの過激な反アラブの主張が恰好のはけ口を提供したのである。
 カハネは「アラブ人追放」「ユダヤ人と異教徒との性交禁止」「ユダヤ民族侮辱禁止」などの諸法案を国会に提出し、識者の大憤激を買ったがものともせず、テレビ・ラジオでしゃべりまくり、辻説法も行なった。
 一九八七年末に、イスラエル占領地でパレスティナ人の「インティファーダ」(抵抗運動)が起こり、ユダヤ人の危機意識を煽って、右傾化に拍車をかけた。アラブ人に対するテロが頻発する。カハネは過激な言辞でこれを煽動、その人気はうなぎ登りに上昇した。カハ党の内部にも過激テロ組織ができる。
こうした事態に対し、クネセトの中央選挙委員会は一九八八年一一月の選挙にカハ党が立候補することを禁止、カハネはクネセトから追放された。
 すると、カハ党の攻撃はアラブ人のみならず、パレスチナ人との和平を推進する左派労働党の政治家(ラビン、ペレスなど)にも向けられるようになった。
 「アラブ人に死を! アラブの友なる左翼 に死を!」
というスローガンが渦巻き、ユダヤ人同胞のテロ犠牲者も増えてくる。

●オウムとも共通するメシア信仰テロリズム
カハネ自身は一九九〇年一一月六日ニューヨークのマンハッタンのホテルでのユダヤ人集会で演説中に暗殺されたが、偽メシアのカハネが撒いた反アラブ・大イスラエルの種はユダヤ人内部、とくにヨルダン川西岸入植地のグーシュ・エムニームのユダヤ人青年のあいだで着実に育っていったのである。
いまから二年前の一九九四年二月二五日、西岸地区にあるへブロンの町のモスクで機関銃を乱射し、イスラム教徒五〇人を殺害し、三〇〇人に傷を負わせたバルーク・ゴールドシュタインは、ヘブロンの町を望む入植地キリアト・アルバの医師であり、カハネの信奉者だった。
 今回のラビン首相暗殺の中核となったエヤル(ユダヤ闘争機関)も、西岸入植地の青年から構成されるカハ党の過激テロ組織である。
つまり、その思想はメシア信仰を中核とする宗教的テロリズムといえよう。
 この異様な思想も、オウム真理教の麻原彰晃を輩出した日本民族にとって、もはや無縁とはいえなくなってしまった。両国の社会的事情はまったく異なるにせよ、ともに国家としての安全保障にかかわる重大な問題を提起しているからである。

●ラビンは本当の敵に気づいていた!
 ヘブロンのモスクでユダヤ人による大量虐殺事件が起こった直後の二月二八日、ラビン首相は国会で次のように演説した。
 「殺戮犯の背景勢力は、少数の取るに足りない政治勢力であります。彼が育った沼地はわが国とそして海外にあり、暗殺者の供給源となっております。彼らはユダヤ民族とは無縁の者たちであり、……このような者たちに向かって、われわれはこういってやりましょう。
  『おまえたちは外国が植え込んだスパイだ。風に吹かれて紛れ込んできた雑草だ。ユダヤ民族は、おまえたちを叩き出してやる』
 と」 
 リンドン・ラルーシュのEIR誌(一九九五年一一月一七日号)は、イスラエルの秘密テロ組織もイスラム教秘密テロ組織(イスラム聖戦ハマスなど)も、イギリス国王みずからによる中東不安定化工作の直接的産物であると主張する。
イギリスの中東に対する 宗教戦争・大量殺戮を手段とした「力による均衡」政策の推進機関が、女王のいとこケント公をグランド・マスターに戴く英国グランド・ロッジ内に設けられた「クアトロ・コロナティ」ロッジであり、エルサレム第三神殿建設計画と大イスラエル構想の仕掛人だという。


日本とトルコ
2月6日にトルコで大地震が発生して以来、ちょうど一ヶ月が経つ。産経新聞の報道によれば、死者数が5万1千人を超えたという。

一ヶ月前の小生は、仕事(翻訳)など様々な用事に追われていたため、トルコ大地震についてのネット記事を読んだり、動画を観たりするだけで精一杯だったが、その中で特に印象に残ったのが及川幸久氏の動画で、その時に「海難1890」という映画の存在を初めて知った。


海難1890 ダイジェスト特別映像PART2

ピンと来るものがあったので、早速DVDを取り寄せたのだが、なかなか同映画を鑑賞する時間が取れなかった。それでも漸く今朝、観ることができたのは嬉しい。

この映画は前編と後編の二編からなり、前編が1890年のエルトゥールル号、後編が1985年のテヘラン脱出で、これはテヘランに取り残された日本人の救出に、トルコ政府が手を差し伸べてくれたという実話である。

映画を見終えて思ったことだが、期待に違わぬ素晴らしい映画だったと思うし、特に個人的に感動したのが二シーンだった。一つは日本人救出に危険なテヘランへ飛ぶのを厭わない、パイロットの志願者はいないかと声をかけたところ、その場にいた全員が挙手するシーンだ。

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志願者を募ると、全員が挙手・・・

もう一つは、テヘランからトルコに帰国しようと、飛行場に殺到したトルコ人に向かって、一人のトルコ大使館員が日本人も搭乗させるように説得するシーンである。両シーンとも、久しぶりに感動を覚えたシーンであり、実に心が洗われるような思いをした。

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日本人のため、道をあけてくれたトルコの人々

ここで、同映画はトルコが親日国家である理由として、エルトゥールル号事故を取り上げていたが、実はもっと深い由来がある。それは、日本民族もトルコ民族もツラン、つまり元々は同じ民族だったということだ。

トルコといえば、道友であるトルコ人のシナンさんを思い出す。彼は日本史を研究に来日、東大や早稲田に籍を置いた。小生は彼と幾度となく接しているが、実に好感の持てる漢だった。12年ほど前の2011年1月23日、小生の地元である飯能で開催した新年会にも来てくれたことがある。彼以外には、栗原茂さん、山浦嘉久さん、天童竺丸さんといった面々も集ってくれ、実に貴重な一時を過ごせたと思う。お開きの後、栗原さんと林廣さんは地元の大松閣という鉱泉宿に投宿、翌日の小生はお二人を車に乗せ、飯能市内を案内している。

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大松閣の皇太子殿下(平成16年4月28日(水))

それにしても、シナンさんは下手な日本人よりも、実に優れた日本語を書いていたのを思い出す。論より証拠、近衛武というペンネームで世界戦略情報誌『みち』に寄稿していた一時期があったが、以下はその一部である。どちらかと言えば、息子たちと年齢も近かったこともあり、二人がトルコに来たら歓迎してくれるとのことだった。

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ChatGPTの正体
あのビル・ゲイツが会長を務めたマイクロソフトが、昨秋の2022年11月30日、ChatGPTなるものを公開、瞬く間に全世界で登録者が一億人を超えたという。このChatGPTとは一体全体何なのか、そのあたりについて検索をかけてみたところ、和文で最初に出てくるネット記事が「ChatGPTとは?」だった。ChatGPTの全容を知る上で、一度は目を通しておくといいかもしれない。

さて、ChatGPTの全体像を捉えたところで、次はChatGPT賛否両論の動画を観てみよう。

最初に、賛成派に与する動画からいこう。以下は、ChatGPTがバラ色の未来を約束してくれるかの如く錯覚しそうな動画だ。


【ChatGPT完全解説】人類社会はこれから激変します!

つまり、ChatGPTとは、人類が過去に体験した革命、すなわち、農業革命→産業革命→情報革命に続く4番目の革命だと、上掲の動画は力説しているのである。 

また、翻訳者である身として「ギクッ」とさせられたのは、ChatGPTの登場によって翻訳者は淘汰される、つまり職を失うという話だった。

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翻訳者だけではない。プログラマー、教師、デザイナーといった数々の仕事も、やがてChatGPTに奪われていく、「危険な状態に陥るだろう」と予言している。

次に、否定派の動画を観てみよう。

先日、IT業界に身を置いている、下の息子にChatGPTについて訊いてみたところ、「プログラミングする時は重宝しているし、仕事で頻繁に使っている」とのことだった。そこで、経済クラブの動画で飛び出した横森一輝氏の発言、「ChatGPTは陰謀論に〝弱い〟」というのは本当なのか、そうしたバイアスを回避するには、どうすればいいのかと訊いてみた。


【最強AI vs 陰謀おじさん】ChatGPTに世界の裏を質問しまくってみました!

横森氏がChatGPTに、「ワクチンの狙いは、人口削減か?」と質問してみたところ、即座に「違う」と即答してきたそうだ(笑)。そこで、世の中では「陰謀論」と揶揄されているテーマを質問して、「真実をChatGPTから引き出す方法があるのか?」と、さらに息子に質問してみたところ、「有る」とのことだった。これから先はスノーデンの世界の話になるので、このあたりで深入りはしないでおこう。

ともあれ、陰謀論ではない一般的、つまり〝教科書的〟なテーマであれば、ChatGPTは実に重宝するだろうし、これからの世界は、実際にChatGPTを使いこなせるのとそうではないのとでは、雲泥の差が生じるだろうと横森氏。さらに、自分もChatGPTを使いこなせるようになりたいと、横森氏自身はChatGPTにノリノリの様子だった。

ここで、横森氏よりもさらにChatGPTに辛辣なのが深田萌絵さんだ。


ChatGPTの背後に中国の影 #深田萌絵TV

深田さんはChatGPTの〝限界〟を、トランプとバイデンを対比させる形で、実に分かりやすく解説してくれた(3:07~)。

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明日(3月3日)も深田さんが、ChatGPTの続編を公開してくれるそうなので、楽しみに待とう。

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