
過日、NHKのダークサイドミステリー・シリーズで、「あなたの知らない童話の闇 夢か悪夢か本当か?」という番組を放送していた。内容は、シンデレラ、ハーメルンの笛吹き男、ヘンゼルとグレーテルといった、グリム童話に隠された闇世界についての話で、童話の闇世界は前々から関心のあったテーマだった。何故なら、グリム童話の場合、その闇世界についての書籍もいろいろと出版されているし、ネットでも話題になることが多いからだ。たとえば以下のネット記事… 闇の支配者の洗脳ツール「グリム童話集」
上掲の記事は、童話が闇の支配者の洗脳ツールだったと主張する、オドオドしい内容になっているが、その出典が故飯山一郎さんに完膚なきまで叩きのめされたカレイドスコープ…(爆) 同ブログについては、拙ブログでも時々登場してもらっている。たとえば、「えっ! 第三次世界大戦が勃発するのォ~?(笑)」といった記事だ。
第三次世界大戦についての上稿に安西ファイルが登場しているが、この安西ファイル、世界戦略情報誌『みち』の「世界情報分析」(藤原源太郎)の代わりとして、最近になって連載されるようになった。そのため、今までのように安西ファイルを拙ブログに転載するわけにはいかなくなったので、安西ファイルを拙ブログで取り上げる機会が激減したという訳である。
ところが、最新号の『みち』(六月一日号)の安西ファイルに、カレイドスコープが登場していたので取り上げないわけにはいかなくなった。そこで、「ピノキオ」と「アンジー」に絞って同号の安西ファイルを紹介したい。

■ピノキオ
 (ピノキオを模したタイのプラユット首相の似顔絵を描いた仮面と、プラユット首相に予定通り選挙実施を要求するタイの反政府デモ隊)
安西ファイルは年始に『The Economist』誌の表紙について、多角的に論評するのを常としている。今年も「英国誌『エコノミスト』の正体」シリーズで取り上げており、『みち』四月十五日号より連載中だ。何故に、毎年『The Economist』誌の表紙を取り上げているのか? このあたりは拙稿「二人の武士 02」にも書いているが、本稿でも再掲しておこう。
英国の政治経済誌『エコノミスト』(The Economist)の特集号「世界はこうなる」に関し、『エコノミスト』の特徴を詳しく見ていくとともに、同誌がなぜ世界寡頭権力のプロパガンダの道具なのか、歴史を遡りつつ、この雑誌を編集・発行した者たちの狙いを暴くことを通じて解明していく。
小生も『みち』校正の手伝いをしていることもあって、『The Economist』誌シリーズすべてに目を通しており、なかなかの力作だと思っている。何故に力作なのかは、実際に『みち』を手に取っていただくとして、最新号で取り上げていたピノキオを最初に取り上げてみよう。安西さんはピノキオについて多岐にわたり、目に見えぬ闇についての鋭い論評を展開しており、特に鋭かったのが以下の行である。
ピノキオに関するHP「The Vigilant Citizen」に収められている中にある「ピノキオの密教的解釈」なる解説によると、「作者のカルロ・コッローディはフリーメイソン会員」であり、「グノーシス流に解釈すると、ジュゼッペ爺さんはデミウルゴス、青い妖精はノウス、ロバに変身するのは女神イシスが登場するアプレイウスの『黄金のロバ』」だという。さらに「クジラに呑み込まれるのは、旧約聖書の『ヨナ書』。いずれも秘教的にはイニシエーションの諸段階を意味する」と分析している。
グノーシス、フリーメイソンといった、実に興味深い言葉が並んでいるではないか…。冒頭のNHKの番組も童話に潜む闇世界の一部を紹介しているが、安西ファイルは更に童話の闇世界に迫っていた…。
また、個人的に鋭い指摘だと思ったのは、「名曲『星に願い』の背後にあるシリウス信仰」という小節である。シリウス信仰については、拙稿「古墳時代 13」でも取り上げた。

それから、野呂芳男の論文『女神信仰と「ピノッキオの冒険」』も、実に示唆に富むものであったことを追記しておこう。そして、野呂の論文についての行は、キリスト教の深奥に迫る上で必読だと思った。何故なら、野呂論文はピノキオ物語が反カトリック的であることを明らかにしているからである。さらに詳しく書きたいのだが、著作権侵害だと天童編集長や安西さんに叱られそうなので、このあたりで止めておく(爆)。

■アンジー
 (大淫婦バビロンを描いた絵画。7つ首の獣(黙示録の獣)に騎乗する女性として描写されている。左はロシアのエングレービングによる1800年代の作品。右は、マルティン・ルターが1534年に翻訳した新約聖書における、ハンス・ブルクマイアー作の木版画(1523年))
安西さんがアンジーを取り上げているあたりで、あのカレイドスコープの登場だ(笑)。どのようにカレイドスコープについて書かれているのか、以下に目を通していただきたい。
HP「カレイドスコープ」を主宰するダンディ・ハリマオ氏は、アンジーを「バビロンの大淫婦」(大淫婦バビロン)ではないかと見立てているが、これは言い得て妙だ。大淫婦バビロンとは、キリスト教の『新約聖書』の一節『ヨハネの黙示録』のアレゴリー(寓意像)であり、大いなるバビロンともいわれる。『ヨハネの黙示録』によれば、「悪魔の住むところ」であり「汚れた霊の巣窟」である。女の姿で表されておりきらびやかな装身具を身につけ、手に金杯を持つが、その杯は姦淫による汚れに穢されているという。大淫婦は殉教者の血を流すが、神のさばきによって滅ぼされる。
詳細は安西ファイルに譲るとして、エコノミスト誌の表紙と絡めて、小生が注目したのは以下の記述であった。ナント、ダ・ヴィンチが登場しているではないか! 確かに、表紙にはダ・ヴィンチが描いた「ウィトルウィウス的人体図」が…。そのダ・ヴィンチについて、安西さんは次回のまほろば会(六月)で取り上げるという。
現代のお金の仕組みのルーツは「古代バビロニア(バビロン)」にあり、「マネーメイキングスター」のアンジーが悪魔に魂を売り渡した虚像であることを鑑みるに、「2019 世界はこうなる」の表紙のイラストにアンジーが選ばれたのは、決して偶然ではないことがわかる。
彼女は闇の勢力が仕立て上げた偽物の女神であり、闇の勢力は、彼女をモデルにして世界中の女性たちをますます魔女に変身させるための広告党として大々的に売り出すことを、堂々と宣言しているのである。
女性信仰はグノーシスと親和性が高く、レオナルド・ダ・ヴィンチとも深い関わりがある。次回はいよいよ、「2019 世界はこうなる」の表紙のなかでも中核的なイラストとなっている「ウィトルウィウス的人体図」を描いたレオナルド・ダ・ヴィンチに関する話へと駒を進めていくことにしたい。
過日、「ダ・ヴィンチの素顔」と題する記事を書いた身として、安西さんのダ・ヴィンチ論について思うところがあったら記事にしたいと思う。
【追記1】 冒頭で取り上げた『みち』の最新号(六月一日号)の巻頭言で、悪霊が取り上げられていた。「悪霊どもが跳梁跋扈する時代」と題した記事であり、天童竺丸編集長は以下のように書いている。
●「令和」になって一ヶ月が過ぎた。この短い期間に、平成までの時代にも確かにあったがさほど顕著でなかったさまざまな動きが形を採って現われ、誰の目にも明らかになった。その最大のものは、先の登戸小学生殺傷事件に見られるような無差別大量殺戮である。米国で繰り返される銃乱射事件がもはや海の彼方の奇異な現象として呆れるわけには行かなくなった。
加えて、天童編集長は悪霊と日本人について以下のように書いた。
ところが、明治維新、大正デモクラシー、敗戦を経て、日本の人心はますます殺伐となってきた。まず家族が崩壊し、地域が崩壊し、学校が崩壊し、そして人間が毀れた。その毀れた人間に、手ぐすね引いて好機を窺っていた悪霊どもが取り憑いたのである。
暗澹たる思いをした読者も少なからずいると思うが、一方で悪霊に立ち向かう術、そして明るい日本の未来についても、天童編集長が結語で述べているので安心していただきたい。
ところで、今回の事件に絡んで気になるブログ記事を一本紹介しておこう。 外務省職員殺人事
トランプ訪日の最中に起きた事件で、小学生の女の子の他、外務省職員が犠牲になった。そのあたりの背景について、きのこ姐さんが書いているが、果たして、あの事件は故意だったのか、あるいは偶然だったのか…。
【追記2】 同じく『みち』の最新号(六月一日号)の「寄絃乃儀」シリーズで、JINMOさんが出口王仁三郎について取り上げていた。ここでも邪神が登場…。
艮の金神は「猛悪の祟り神」とさえ称される邪神であるが、出口王仁三郎はこれを実は鬼門に封印された国祖・国之常立神(国常立尊)であり、他の神々によるクーデタにより邪へと貶められたが、やがて救世主である六六六(或いは五六七)として復活を実現すると主張した。
出口王仁三郎と言えば、咄嗟に思い出すのが合気道の開祖・植芝盛平だ。小生は高校生の時に合気道の修行を始めているが、合気道と大本教の関係は一般に信じられている以上に深い。そのあたりのさわりを示した動画があるので紹介しておこう。
【追記3】 拙稿「二人の武士 02」で登場させた安西正鷹さんと野崎晃市博士の二人だが、カレイドスコープの記事を引用することの多い安西さんは、世界権力の存在を信じていることが分かるのであり、その点は野崎博士も同様だ。たとえば、ブログ『文殊菩薩』の「英国メイ首相が辞任か」という記事にあった、以下の記述に注目していただきたい。
メイ首相もドイツのメルケル首相と同じく、小さなころから将来は首相となるべく某組織により育てられた傀儡に過ぎない。
天童竺丸編集長も同様で、『悪の遺産ヴェルファイア』の終章で、「世界権力の正体を明かす」を書いている。
確かに、お三方の見立ての通りだと小生も思うが、一方、ここ数年に至って世界権力への対抗勢力として、プーチン、金正恩、トランプ、安倍晋三、習近平らが台頭してきたのは、現在進行中である大転換期の前触れである。
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