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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
古墳時代 08
今日(3月18日)は春の彼岸入り、明日あたりから再び仕事に追われる身なので、本日中に菩提寺へ行ってくるつもりだ。この「墓参り」だが、飯山(一郎)さんが実に興味深いことを書いている。

仏教とは無関係の”墓参り”

……中略……

 では、この“墓参り”という宗教行事は、一体どんな宗教なのか?
 この意味を本当に知っているのは、実は、美智子皇后であると思う。

 ★”お盆”を考える


お盆と彼岸は違うものの、同じ墓参りということで取り上げてみるのだが、同記事で注目すべきは、「墓参りは仏教と無関係」という飯山さんの言葉だ。ならば、墓参りは何の宗教と関係があるのか、というヒントが上掲記事の結語、「美智子皇后」という言葉に隠されている。

墓参りと関係する〝宗教〟について、飯山さんと直接語り合う機会はなかったものの、多分、その宗教とはシャーマニズムのことを指しているはずだ。そのシャーマニズムについては、以下の拙稿で輪郭を掴んでいただければと思う。
巫女・雅子妃

■『日本書紀』の背景(コンテキスト)
前稿「古墳時代 07」で約束した通り、『日本書紀』の背景について筆を進めてみたい。昨秋発売された『飯山一郎の最終講義』に、飯山さんが『日本書紀』について少しだが、触れていたのを朧げに思い出したので再読してみた。

■『日本書紀』は世界一!
  さて……、人が文章を書くのは動機や目的があるからですよね? 落書きだって、それを書く動機や目的があるワケで。
  であるから、文章を読むときは、「この文章を書いた動機は何か?」「この文章を書いた目的は何か?」とチェックしながら文章を読み進める。
  すると、文章の表面に書かれた美しく耳ざわりの良い話が、実は読者をダマすために創作された「感動の物語」だった!なんてことが見え てくる。
  その「読者をダマすために創作された物語」の〝見本〟として、世界一壮大な「物語」が、じつは、日本にある。
  それは、いったい何か?
『日本書紀』だ。『日本書紀』というのは、当時世界一の大帝国だった〝大唐帝国〟を見事にダマしきった、壮大な「歴史物語」なのです。

『飯山一郎最終講義』p.11

18112519.jpg


下線で示した「見事に唐帝国を騙しきった『日本書紀』」という、飯山さんの結語を理解するには、飯山史観、特に天武天皇の正体について識る必要がある。天武天皇については、今の古墳時代シリーズを終えた後に筆を進める予定だが、一足先に飯山さんの大まかな天武天皇観だけでも確認したいのであれば、「飯山一郎の古代史」に掲載されている、天武天皇に関した記事に目を通すといいだろう。たとえば、「天武天皇は,済州島の御方である!」といった記事だ。

『飯山一郎最終講義』で、注目して欲しい行がもう一ヶ所ある。

『日本書紀』の表面ヅラの文章(テキスト)は流し読みしながら、『日本書紀』を書いた動機や目的、そして当時の国際環境や背景(コンテキスト)を徹底的に分析しながら『日本書紀』を読み進める。その結果、飯山一郎は、『日本書紀』の秘密だけでなく、古代の日本人が「日本国」と命名した、その国名の秘密をも知ることができました。
『飯山一郎最終講義』p.17


前稿にも書いたことだが、「コンテキスト」を把握することの大切さが、この飯山さんの文章で改めて確認できよう。

それにしても、コンテキストを読み抜き、誰にも真似のできぬ分析力(インテリジェンス)を発揮し、驚くような数々の結論を示してみせた飯山さんには、過去のHP記事や放知技への投稿などを読み直すたびに舌を巻くのだし、まさに巨人という形容が相応しい先達であった。そして、巨人と謂えば、堺のおっさんや小ボンボンさんの投稿を思い出す。

多くの教えを残した飯山氏の功績は、時間の経過とともに薄れるばかりか

いっそう深く、より鮮明になりつつある。

巨人を理解するには時間が必要なのである。

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16492748/998/


>飯山先生の巨人ぶりがどのように形成されてきたのか

確かなことは…常人とはつねに真逆の道を進んで歩んだ。この一言に尽きると思います。

また、ろくに学校に通わずともほぼ独学で、渉猟した書籍の数は3万冊にも及んだとも。

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16507984/210/


再び『飯山一郎最終講義』に戻るが、小生が寄稿した飯山さんへの追悼文の題は、「飯山史観を後世に遺す」というものだったが、これは単に過去の物語として『飯山史観』を遺すということだけではなく、現在、さらには将来に向けた一種の羅針盤、見取り図にしたいと思ったからだ。その意味で、以下の飯山さんの文章、目に見えぬ形で愚生の背中を押してくれているような気がする。

歴史とは、過去と現在と未来のために生かしてこそ価値を発揮するのであり、それこそが本物の歴史観です。
『飯山一郎最終講義』p.17


そうしたニュアンスを込めて、小生は掲示板「放知技」に投稿した。

堺のおっさんやmespesadoさんによる放知技への投稿、あるいは野崎博士によるブログ記事は、国際政治・経済の優れた解説になっていることから必読で、これらを丁寧に追っていくことは、あたかも大海を航海する上で不可欠な羅針盤を手に入れたようなもの、つまり、今後の世界の潮流をほぼ確実に見通すことができる、見取り図を手に入れたに等しくなります。
だから、「現在」についての見取り図は「放知技」、特に本スレで、「将来」についての見取り図はブログ【文殊菩薩】で、「過去」についての見取り図は飯山さんが遺してくれた過去の記事や投稿、殊に飯山史観に関係するものを、それこそ眼光紙背に徹して(行間を読むつもりで)いけばE-のではないでしょうか。

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/12492283/355/



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古墳時代 07
前稿「古墳時代 06」で、亀さんは以下のように書いた。

飯山史観の古墳時代という「料理」を作る前に、昨日集めた記事や投稿という「食材」から、どのような「料理」ができるのか、今から楽しみだ。


ところが、未だに何の「料理」を作ろうかと、具体的な「料理」を決められないまま、三週間が流れてしまったwww。それはともかく、以下のpdfファイルは、放知技で検索した古墳時代についての投稿から、これはと思うものをピックアップしたものだが、これに飯山一郎さんから直接受けた講義内容と組み合わせつつ、思いついたテーマを徒然なるままに書き連ねていきたい。
http://www.nextftp.com/tamailab/etc/houchigi_kofun.pdf

ここで、上掲のpdfファイルを見た読者は、「検索に使ったキーワードが少ないのでは?」、あるいは「仲哀天皇、北魏、馬韓、卑弥呼、シャーマニズムといった、他にも重要なキーワードがあるのに、何故使わないのか?」と思ったことだろう。しかし、放知技の投稿すべてが古代史についてのものではないし、意外とpdfファイルに示す若干のキーワードだけで、重要な投稿が相当数ヒットする上、ダブっている投稿も多いのだ。ともあれ、飯山さんの頭の中にあった古墳時代観については、上掲のpdfファイルに挙げた飯山さんの投稿で大凡がわかると思う。

それから、拙稿「古墳時代 05」では、古墳時代について以下のようなテーマを取り上げたいと書いた。

・外圧と占領
・応神天皇の出自
・墳丘墓(クルガン)と古墳
・武士の誕生
・志布志ハブ港
・唐仁古墳群
・原田古墳
・横瀬古墳
・ツランの影響
・太陽信仰と聖方位
・熊襲と隼人
・知覧 


上掲の一部のテーマに加えて、その後思いついた様々なテーマについても筆を進めていこう。そこで、今日のテーマは「熊襲と隼人」。

■熊襲と隼人
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「熊襲と隼人」というテーマに基づいて古墳時代に思いを巡らすと、飯山さんの投稿(2018年1月4日)が脳裏に浮かぶ。つまり、『日本書紀』の「応神天皇紀」以前は「熊襲」と呼んでいた集団が、いきなり「応神天皇紀」以降は「隼人」と呼称するようになったという飯山さんの投稿である。しかし、それ以上に重要なことは、「仲哀天皇を射殺したのは譽田別尊(ホンダワケのミコト)を酋長とする熊襲族」とする、同投稿にある飯山さんの記述だと思う。

大隅半島まで熊襲征伐に遠征して来た仲哀天皇を「賊矢」で射殺したのは…
譽田別尊(ホンダワケのミコト)を酋長とする熊襲族であったことは間違いない.

ホンダワケは,政治と軍事は武内宿禰(タケノウチの宿禰,弥五郎どん)に任せ…
高麗人,百濟人,任那人,新羅人らの来朝時は,権威的な外交を行っていた.
河内王朝の統治構造は,仁徳天皇陵の如き「権威」を高揚させる政治であった.
しかし,その河内王朝を打ち立てた「軍団」が,熊襲族であったこと!
このことを↑↑『日本書紀』は巧妙に隠しているが…
応神天皇紀からは,「熊襲」が一切出てこず,代わりに「隼人」がデビューしたことは…
ウラ側の事情(「熊襲隠し」)が,逆に,ミエミエになっているwww

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16340424/49/


念のため、日本書紀全文のデータベースで確認したところ、「熊襲」でヒットしたのは、「景行天皇~成務天皇」、「仲哀天皇紀」、そして「神功皇后紀」の3件のみだった。以下は、最後の「神功皇后記」に登場する熊襲についての記述である。

然後、遣吉備臣祖鴨別、令擊熊襲國、未經浹辰而自服焉。


次に、「隼人」で検索すると8件ヒットした。最初にヒットした「神代下」を除き、続く二件目の「履中天皇~反正天皇」から先は、全て応神天皇の御代から以降である。そこで問題は、応神天皇の御代以前について書かれた「神代下」の以下の記述である。

始起烟末生出之兒、號火闌降命。是隼人等始祖也。


因みに、手許の『日本書紀』(宇治谷孟 講談社学術文庫)を紐解くと、同書p.59に登場する「隼人」に注(2)と記されており、p.89には以下のような解説があった。

(2)隼人 大隅・薩摩の地方に住んでいた種族で、宮門の警護や歌舞に従事することが多かった。


飯山史観について多少なりとも知る読者であれば、「神代下」にある「隼人」、もしかしたら当初は「熊襲」と記してあったのでは…、といった勘が働くことだろう。そうした読者であれば、上掲の飯山さんの投稿の冒頭にある、以下の記述が理解できるはずだ。

>応神天皇(ホンダワケ)が、実質的な日本の国家構造を作られた


という堺のおっさんの発言に対して、飯山さんは以下のように応えている。

このことは↑↑『日本書紀』と『古事記』を,眼光紙背,注意深く読めば見えてくるはずだ...


「眼光紙背」…。この言葉に接すると、飯山さんの別投稿(2017年9月16日)を思い出さずにはいられない。

世の中,ほとんどの人々は,文章(テクスト)の表面の意味にとらわれて,文章の背
景(コンテクスト)を読まない.
だっから,テクストだけでなくコンテクストをキチンと読める人だけがE~おもいを
するワケで.www

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16216140/411/


次稿では、コンテキストと絡めて、『日本書紀』が成立した背景について少し言及してみよう。

巨大地震再び
昨日の午後2時46分、北北東に向かって黙祷を捧げた。

それにしても、亡くなった方々が二万人を超え、未だに行方不明の方々が二千名以上という事実に言葉もない。同時に、毎年やってくるこの日、思い出さずにはいられないのが今上陛下の御言葉である。



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M9.1の最大規模の南海トラフ巨大地震の想定震源域

ところで、世間では南海トラフ巨大地震のニュースで喧しいのだが、騒ぐまでもなく、巨視的に見れば南海トラフに限らず、相模トラフや三陸沖でも間違いなく大地震が再び発生するだろう。それが我々の住む日本列島の宿命であり、天災は忘れた頃どころか、東日本大震災の記憶が未だに生々しく残っている内に、巨大地震が日本列島のどこかで、再び発生する可能性も無きにしも非ずだ。その意味で、日頃から備えをしておきたいものだ。

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地震発生のしくみ 気象庁

ただ、地震発生の原因とされている従来のプレートテクトニクス説、この説は間違っている。そのあたりを再確認していただく意味で、以下に飯山一郎さんの記事を再掲しておこう。

プレートの跳ね上がりも,活断層のズレも,結果なのです。
「結果」なのに「原因」と思い込む,従来の地震学。
飯山一郎が提唱する新説(真説)によって書き換えましょう!

◆2016/04/23(土)4  原因,説明してよ!


それから、きのこ組長の以下の記事を読んだが、改めて備えの大切さを再認識でき、感謝の一言である。
3.11に思う「防災意識」

亀さんも「サバイバル」シリーズの「準備」篇を書いているので、この機会に再読してもらえたら幸いだ。
サバイバル - 準備篇その1
サバイバル - 準備篇その2
サバイバル - 準備篇その3
サバイバル - 準備篇その4


戦意高揚の歌?
ロシアのスプートニク紙に載った、以下の記事に目に留まった。
明治天皇の歌引用、首相「正当」 戦意高揚、反平和主義批判に反論

この短い記事は、安倍総理が今年1月の施政方針演説で、日露戦争時の明治天皇の御製、「敷島の大和心のををしさは 事ある時ぞあらはれにける」を引用したことに対して、立憲民主党会派の小西洋之氏が、「日露戦争で国民を鼓舞した歌」と批判したという内容であった。その小西議員に対して安倍総理は、「平成は災害が多く、困難に直面したが、皆で頑張っていこうとの趣旨だった」と反論を述べている。

言いだしっぺは、天皇陛下在位30年記念式典に党として出席しない旨表明した、共産党の志保和夫委員長のようで、このあたりの背景は以下の記事が詳しい。
https://twi55.com/abe20190129/



この明治帝の御製だが、旧ブログで記事にしているので、関心のある読者に一読してもらえたら幸いだ。
ををしさ

目を転じて昨今の国会中継を眺めるに、共産党や立憲民主といった野党には呆れるばかり…。そのあたりについて、亀さんは掲示板「放知技」で以下のように書いた。


一昨日の夕方、仕事を終えたのでテレビをつけたら、国会中継をやっていたので見たんだが、国会という公も公の場で質問していた女性議員、タコにもイカにもふてぶてしい態度、だらしのない仕草、言葉遣いも乱暴、礼儀作法のレの字も知らなそうなオバさん…、よく見ると森裕子だったwww 阿保らしい質問の連続なので、途中でチャンネルを変えたものでR。

嫌な気分にさせられたので、気分直しに久しぶりに三原じゅん子の動画を見て、スカッとした(爆)
https://www.youtube.com/watch?v=1wXKmgHDR7M

暫くして再び国会中継にチャンネルを回すと、今度は堀井巌という議員が質問をしていたが、各大臣の答弁が終わるごとに「ありがとうございます」と、礼儀正しかっただけではなく、背筋を伸ばし、質問の内容も真っ当なものだった。なによりも、民衆のことを心から思っているのが分かるのだし、そうした質問の連続だったのには大いに好感を持てた。
http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16675542/137/




父母の恩
昨日の晴れ渡った昼前、徒歩で往復一時間半はかかる母の入院する病院へ、久しぶりに見舞に行ってきた。きっかけは、仕事の合間に見た以下の動画である。



上掲の動画を見つつ、仕事に追われて見舞いに行っていなかった自分に気づき、久しぶりに病院へ足を運んだというわけである。途中、菩提寺に立ち寄って御先祖様に手を合わせた。綺麗な花が飾ってあったが、御年86歳になる叔母だなと分かるので、手を合わつつ、心の中で叔母に感謝の言葉を述べた。

病院に到着、先月、92歳の誕生日を迎えた母は穏やかに寝ている。起こすのも可哀想なので、しばし母の寝顔を眺めてから病院を後にした。

帰り道、再び菩提寺の近くを通った時、39年前に57歳の若さで旅立った父の法要時、今は亡き方丈様が唱えていた経の言葉を思い出した。

父母の恩は、山よりも高し、海よりも深し…


39年経った意味でも耳に残る言葉なのだが、あれは『父母恩重経』だったのだろうか…。当時は27歳だった亀さんに方丈様は、「父母の恩を忘れるではないぞ」と、暗に伝えたかったのかもしれない。再来週は春の彼岸、再び墓前で手を合わてきたい。

【追加】


梅原哲学の限界
録画してあったNHKの再放送番組(初回放送は2012年3月10日)、「3.11後を生きる君たちへ~東浩紀 梅原猛に会いにいく~」を見た。内容は若手の哲学者・東浩紀氏が在京都の梅原猛を訪ね、梅原の話に耳を傾けるというものだった。梅原猛と言えば、四十代の頃に西洋哲学の限界を感じ、日本文化に回帰した哲学者という印象が個人的に強く、亀さんが二十代の頃、日本の古代史に関心を抱くようになったのも、梅原の『隠された十字架』や『地獄の思想』といった、一連の著作から受けた影響が多少はあったと思う。

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しかし、後になって飯山史観を知り、その飯山史観の編集を手掛けるようになった今では、梅原の限界が見えてきたのも確かだ。一例として、『天皇家の“ふるさと"日向をゆく』を取り上げてみよう。アマゾンの「カスタマーレビュー」に、サーッと目を通してみたが、その中で最も優れていたレビューは、mon8氏のレビューだと個人的に思う。殊に、mon8氏がレビューで紹介していた、『天皇家の“ふるさと"日向をゆく』からの引用を読み、唖然とした。

私の旅は本居宣長のいうところに従って、なるべく「古事記」と「日本書紀」に書かれていることを素朴に信じ、その物語が一貫性をなすかどうかを探究する旅であった。
『天皇家の“ふるさと"日向をゆく』


飯山史観の編集に着手した身として、記紀、特に日本書紀が成立した経緯を知るだけに、梅原の上の記述、あまりにもナイーブすぎると分かるのだ。

肝心なテレビ番組「3.11後を生きる君たちへ~東浩紀 梅原猛に会いにいく~」だが。どのような内容の番組だったのか、その大凡の流れが分かるブログ記事を以下に紹介しておこう。
老兵は黙って去りゆくのみ

同ブログ記事で亀さんが思わず唸ったのは、同ブログの記事そのものではなく、同記事に寄せられた黒沢孝裕氏という人のコメントであった。以下に全文を転載しておくが、黒沢氏は「老兵は黙って去りゆくのみ」を介する形で、梅原本人に以下のように問うた。

 梅原先生は西田の次の箇所をどうお読みになるのでしょうか。

「私はデカルト哲学へ返れというのではない。唯、なお一度デカルトの問題と方法に返って考えてみよというのである。(中略)哲学の方法は何処までもデカルト的でなければならない。何処までも否定的自覚、自覚的分析である。この故に哲学は個人主義的とか自由主義的とかいうのではない。哲学は自己を否定すること、自己を忘れることを学ぶのである」

「人は真実在は不可知的というかも知れない。もし然らば、我々の我々の生命も単に現象的、夢幻的と考えるのほかはない。そこからは、死生を賭する如き真摯なる精神は出てこないであろう」

 僕はこの文章に、身が震えるような共感を覚えます。さながら行によって身を清められたようです。勿論、こんな抽象的な短い引用で、何かが分かったと言っているのではありません。また、先生に向かって、夜郎自大なデカルト擁護の説法をするほど自惚れてはいないつもりです。「草木国土悉皆成仏」にも宮沢賢治にも限りない郷愁を感じているのです。しかし、頭の硬い近代人である僕には、一旦デカルトに返り、西田に学び、存在についての思い込みを正すという迂回がないと、恵み深く畏敬的でもある自然を素直に受け入れられないということかも知れません。


一読して、梅原が青年期に強く惹かれたという、京都学派の西田幾多郎の言葉を梅原にぶつける形で、黒沢氏は梅原に問うているのが分かる。しかし、今回のテレビ番組に登場した梅原を見た限りでは、梅原が西田の問いに答えることは、恐らくできなかったのではと思う。

それはともかく、レビュー全文から伝わってくる黒沢氏の人物に心を打たれた。哲学、そしてデカルトに纏わる西田の的確な言葉を引用するという教養の深さ、一見批判の形をとりつつも、相手(梅原)へ心配りを忘れないという黒沢氏の人としての優しさ、なかなかの人物と見た。そのあたりが、同氏の文体全体から伝わってくるのである。

もう一つのブログを紹介しよう。「読書日記」というブログだ。同番組を見たというブログ主のt-forreal氏の場合、冒頭で以下のように書いている。

非常に残念な内容だった。


いきなり、同番組を同ブログ主は否定、その理由が以下である。

人間中心主義の西洋哲学は、自然や環境を支配の対象としてとらえ、それを破壊することを常として、揚句の果てに原子力災害を引き起こした。だから、西洋哲学は生き詰まりを見せており、それに代わるものとして、人間と自然を調和することを根本に据えている日本古来の思想に立ち返るべきである。以上が小沢―梅原の論点である。

これは、20世紀以前の西洋の思想に基づいた観方で、それ以降の構造主義、ポストモダン、分析哲学、科学哲学、プラグマティズム周辺の考え方をほとんど無視した恐るべき結論である。現代の西洋思想は、人間中心主義、ヨーロッパ中心主義あるいは近代的思惟と呼ばれるものに対して、いかにそれを乗り越えるか、という歴史である。それをほとんど無視して日本の思想の優位性を説くのであれば、西洋から見れば逆の意味で日本中心主義、自民族中心主義のドグマに陥っていると簡単に指摘されよう。それは西洋の反対のバージョンである人間中心主義ではなかろうか?


このように、同ブログ主は梅原を一刀両断、結語として以下のように述べた。

だいたい、グローバルな世の中で東洋だの西洋だの言って正統性を主張すること自体ナンセンスだ。人類としての存在が我々の唯一の拠り所となるはずだ。他との違いより共通点を見出すべきだ。


このあたりのブログ主の主張は分からないでもないが、上掲の黒沢氏のような人としての優しさに欠けているのが気になった。尤も、亀さんにもそうした傾向があるので、ここは他山の石とせねば…。

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ともあれ、ブログ主の結語「他との違いより共通点を見出すべきだ」、確かにその通りなのだが、梅原が日本の思想の原理だと主張する、「草木国土悉皆成仏」について深く言及していなかったのは残念である。その意味で、「一神教vs.多神教」、「アニミズム」、「言霊」といったテーマを追求している身として、同ブログ主の記事には物足りなさを感じた。孫子ではないが、「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」を思い起こし、彼(西洋哲学)の深掘りと同時に、己、すなわち日本の思想の深堀りも、冥土までの暇潰しとして進めていかねばと心から思った。

村田らむ
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大分前から、東洋経済に寄稿している村田らむ氏に注目している。それは、拙稿「釜ヶ崎」でも紹介したような、社会の底辺に生きる人間像を描く、同氏の筆が実に冴えているからだ。たとえば、「20代無職の男が大阪・釜ヶ崎で見出した希望」といった記事だ。むろん、それだけではない。サラリーマンから起業した人たちのルポも面白い。

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こうした多様な男女の生き様を読むにつれ、新しい元号に切り替わる次の時代こそ、婆娑羅の時代になるのではという予感がする。それまでは、『東光のばさら対談』の記事を一読してもらえたら有難い。

柴田錬三郎
井上ひさし
戸川昌子
野坂昭如
平岩弓枝
瀬戸内寂聴


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なを、婆娑羅と言えば楠木正成だが、この正成を今東光は高く評価していた。その意味で、今東光と奈良本辰也の対談も、南北朝に関心のある読者にとって必読だ(下線は亀さん)。
今東光×奈良本辰也対談 1

奈良本 日本の最初の歴史哲学は『愚管抄』ですよ。歴史の発展は道理の経験だということをいって一本通している。これもやっぱり慈円が比叡山の上におって、関東の荒武者どもが入ってきて、今まで立っておった貫主の地盤がみながらがらと崩れていくのを見ながら書きあげたのが『愚管抄』ですからね。歴史というのは、やっぱりそれで書かれたやつは本物なんです。これまでの一切の知識をばーっと吸い出されるんですね。太平に慣れていると昔やったことを忘れているけれども、そういう時になってくると、やっぱし出てくると思うんだね。
今東光×奈良本辰也対談 4

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奈良本辰也(左)と今東光


また、毎晩少しずつ和尚の『毒舌日本史』を再読している。それは、現在編集中の飯山史観で南北朝を扱うからだ。殊に、楠木正成についての和尚の筆は鋭く、大変参考になる。ともあれ、今東光和尚の楠木正成観、「飯山史観」の南北朝編で取り上げる予定だ。

19030403.jpg

金正恩の肚 03
一昨日の午後、一仕事終えてテレビをつけてみたところ、昼食会と共同声明署名が中止になったという報道が流れていた。それを耳にしたのはトランプの記者会見直前で、一瞬、「交渉決裂か」という最悪のケースが脳裏をよぎったものだ。幸い、予定の午後2時(日本時間 午後4時)を大分過ぎて始まった記者会見でのトランプは、「合意には至らなかったが、引き続き交渉を進めていく」と明言、また口調も普段とは違って穏やかなものであった。

その後、テレビの各局が今回の米朝首脳会談についての特集を組んでいたが、どの局もアメリカの制裁解除と北朝鮮の非核化に加えて、日本の拉致問題に終始していたのが印象的であった。『飯山一郎最終講義』、飯山HP記事「ビビンバ! 北朝鮮!」、あるいは「金王朝の “深い謎”」に目を通している読者であれば、テレビに登場していた識者が言及していなかったことは何か、すでにお気づきのことだろう。

■北の非核化
テレビに登場してい識者のほとんどが、「(最終的に)北朝鮮は非核化すべし」と、異口同音に主張していたが、これは、イラクやリビアなどで起きたカラー革命の実態を知らない者の言うことで、核を放棄すれば、イラクのフセイン大統領やリビアのカダフィ大佐と、同じ運命を金正恩がたどるのは火を見るよりも明らかだ。カラー革命のため、フセインやカダフィが悲惨な最期を迎えたことを知り尽くしている金正恩。そうした金正恩の心のうち、恐怖心を知ってか知らずか、カラー革命について言及する識者は皆無だったが、このあたりがテレビに登場する識者らの限界である。

一方、カラー革命について熟知していたのが故飯山一郎さんであった。

カダフィやフセインをアメリカが真っ先に殺したのは,民族をバラバラにして,国家全体を収奪するためでした.

実際に,国家統合の象徴を失ったリビアとイラクはバラバラになり,国家は崩壊し,国民は不幸のドン底に突き落とされたまま.

金正恩という存在あるかぎり…,北朝鮮と韓国は,リビアやイラクのようにはならないでしょう.

好き嫌い・善悪は別にして,こ~ゆ~↑↑認識をもたないと,朝鮮半島情勢は何も見えなくなる.

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16457818/356/


ご参考までに、カラー革命についての拙稿を以下に紹介しておこう。
韓国のカラー革命

■米の制裁解除
会談が流れた直後の記者会見でトランプが、「北朝鮮が全面的な制裁全面解除を要求してきたため、会談が流れた」と答えていたのに対して、北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は、「要求したのは一部の解除だ」と反論している。このあたりは、制裁のコアとなる石油や海産物の全面解除を、北が要求したあたりにヒントが隠されていそうだ。尤も、ここで瀋陽軍区の存在を思い出せば、北朝鮮にとってさほど深刻な問題ではない。

それはさておき、飯山さんの以下の投稿を改めて再読していただきたい。

金正恩の目論見は…

米・中・韓・朝だけでなく,露・日・英・独・仏をも巻き込んだ一大経済プロジェクト(経済特区)に他国を巻き込み…

主導権は,悪魔でも金正恩王朝が握る!と,そのような固くて柔軟な構想を練り終わったようです.

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16422161/623/


「一大経済プロジェクト」という言葉に注目していただきたい。これが、前稿で紹介した堺のおっさんの発言につながる。

現段階では、俗にいうDSとトランプの路線に違いはない。
http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16675542/71/


■北の外交力
最近の放知技の本スレで、思わず唸ったのが堺のおっさんの以下の発言だ。

世界の構図がすでに変わり始めていると私は思う。

事実、北朝鮮の問題は6か国協議などある枠組みの中で協議されてきたが

今は基本的には2国間で交渉が行われるという構図に変わった。


これはこれからの世界を考えていくうえで重要なポイントだ。

2国間交渉が外交の基本になるという方式は言うまでもなく

トランプと金正恩の功績だ。

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16675542/87/


なるほど、言われてみれば確かに…。その北朝鮮の交渉能力について、深い洞察を示したのが飯山さんの以下の投稿だ。
http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16457818/488/

一方、放知技で「OB」という御仁が以下のようなことを書いていた。

これで、米朝合意に至れなかったんだろ。ハードルが高くなったんだよ。

http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16675542/89/


「OB」という御仁が引用したFNNPRIMEというメディア、他のニュースの見出しをサーッと眺めただけで、同メディアの思想的傾向というか〝正体〟が透けて見えてくる(嗤) まぁ、野崎博士の『飯山一郎最終講義』ていどは一読して、最低限の大局観を「OB」という御仁にも身に着けて欲しいところだ。なお、FNNPRIMEの思想的な偏向は、すでに堺のおっさんが論破済みであり、殊に辛辣なのは以下の堺のおっさんの言葉だ。

一番肝心の、ロシアとのつながりが証言できなかった。
http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16675542/90/


このあたり、放知技との付き合いの深い読者にとって、先刻承知のことなんだが、ホストがbbtec.netの「OB」という御仁、全く気付いていない…(嗤)。

ともあれ、今後の米朝交渉の進展は時間がかかるとは思うが、じっくりと見守っていこう。

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