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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
満島ひかり×海部陽介
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一週間前にNHKで放送された、「SWITCHインタビュー 達人達」に満島ひかりが登場、その満島が指名した対談相手は、天文学者の海部宣男を父に持つ、人類進化学者の海部陽介であった。この対談番組は、対談者の人間性があからさまに映し出されるということもあり、マンウォッチング(人間観察)が趣味の亀さんが好きな番組の一つである。番組は前半と後半とに別れ、それぞれ場所を変えて行われた。前半は海部の勤める国立科学博物館で、後半は満島の母校である都内の中学校で行われ、彼女の女優としての姿勢に感銘を受けた亀さんであった。そのあたりについては、「満島ひかりという女優」と題した記事を、もしかしたら近く書くかもしれないが、その前に海部陽介の研究、非常に興味深い内容だったので、最初はこれについて書いてみたい。

海部の研究だが、アマゾンの『日本人はどこから来たのか?』(文藝春秋)にアクセスすれば、「内容紹介」に研究のアウトラインが示されており、それに目を通すことによって、大凡の海部の研究内容が分かるはずだ。

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番組では海部が中心となって進めた、「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」を主に取り上げていたが、亀さんが同番組を見ながらつくづく思ったのは、「人類とは何か」、「我々は何者なのか」という長年の疑問だった。このあたりについては、過去の拙記事でも色々と書いているが、別の角度からも新しい記事をいずれ書くつもりである。

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さて、ここで目を転じて我々が住んでいる日本列島だが、上の画像のように我々の遠祖は三つのルートのいずれかを航海し、この島国に辿り着いたことが、海部の最近の研究から分かってきたようだ。そして、脳裏に浮かぶのが、稲村公望さんの黒潮文明、天童竺丸さんのツラン、そして飯山一郎さんの飯山史観…。

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こうなると、さらに時間を遡り、日本列島がどのように誕生したのかについて、知りたいと思うのが人情というものだが、そんな折、タイミングよくNHKスペシャルの「列島誕生 ジオ・ジャパン」が放送された。第1集の「奇跡の島はこうして生まれた」が先週放送され、本日は第2集「奇跡の島は山国となった」が放送されるので、近日中に「列島誕生 ジオ・ジャパン」について記事にしたいと考えている。

【別報】
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今日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(21)


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日米オールスターゲーム
今年の野球のオールスターゲームは日米ともすでに終わったが、〝政治〟のオールスターゲームに関しては、今や日米とも手に汗を握る白熱の展開となっている。ここで、政治のオールスターゲームとは何を指しているのかについては、拙稿「都議選の陰にネオコン」を参照にしていただくとして、以下のスプートニク紙の記事の場合、「ネオコン」をキーワードに念頭に置けば背景が容易に読み取れよう。
安倍内閣の支持率急落を日露の専門家が読み解く:対露カードは蘇生の役に立つ?

現在、日本のマスコミが大騒ぎしているモリカケ(森友・加計)騒動は、ネオコンが引き起こしたカラー革命であることが理解できれば、安倍首相を退陣に追い込もうとするネオコンの肚が透けて見えてくるはずだ。そして、「安倍辞めろ!!!!」と叫んでいるマスコミや言論人らは、ネオコンの太鼓持ち、あるいはネオコンの存在が見えない盆暗(ぼんくら)、このいずれかということも分かるだろう。

ここで肝心なことは、安倍首相の退陣という最悪のケースを想定の上、仮に安倍内閣が潰れたとしても動じることなく、再び今年の2月11日(日米首脳会談)以前のように、アメリカ(ネオコン)の奴隷国家に戻るだけの話なのだから、その状況下で生き抜いていく術を今から練っておくことだ。なを、今年の3月5日に「奴隷から半奴隷へ」と題した記事を書いているが、もし奴隷国家に戻ったら、「奴隷国家ふたたび」といった題の記事を書くつもりだ。

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ところで、弁護士であるケント・ギルバートの以下のブログ記事を読んだ。
悪質さ増す日本メディアの世論誘導

ギルバートの場合、「モリカケ騒動の背景にネオコンの存在あり」と、明確に指摘していないのは残念だが、それ以外については概ね肯定できる記事内容だった。殊に、同記事の結語は頭に叩き込んでおこう。

メディアの横暴を放置すれば、先の絶滅危惧種の絶滅よりも、日本国の絶滅が先かもしれない。


ここまで書き上げたところで、『月刊日本』の最新号(八月号)の山崎行太郎と、『安倍でもわかる保守思想入門』(KKベストセラーズ)を著した、適菜収との対談記事に目がとまった。「小池・都民ファーストの正体」(p.46)という題の記事で、上述のギルバートもやり玉に挙がっていた。取り敢えずサーッと目を通してみたが、注目すべきは同記事の最後の段落である。

共産党を中心に保守政党の結成を
山崎 メディアや政治家が大衆化するのは避けられないとしても、一人や二人くらいはしっかりとした物書きや政治家がいてほしいですね。
適菜 そうですね。今やらなければいけないのは、保守政治を立て直すことです。
その際は、共産党がベースになるかもしれない。共産党はTPPや消費税、移民政策についても反対している。北方領土の主権の問題についても、かなり保守的な立場をとっている。自民党が急速にグローバリズムに舵を切ったので、相対的に共産党が保守的に見えるのでしょう。
ただ、やはり共産党は信用できない。だから、いくつか条件があると思います。
第一にマルクス主義を正式に放棄すること。第二に、天皇陛下に対するこれまでの不敬な態度を反省すること。第三に、共産党という名前は聞こえが悪いから保守党に変えること。そこに真っ当な保守勢力が結集すれば、自民党にも対抗できる。

山崎 それは面白いですね。都議選では野党共闘の中心になるはずの民進党も惨敗しています。彼らのこれまでの振る舞いを見ても、とても期待はできない。
それに対して、共産党は思想的にも一貫性があります。彼らは政治情勢に左右されず、「国家とは何か」「権力とは何か」ということを愚直に考えていますよね。そういう政党や政治家は尊敬すべきだと思います。

適菜 しかし、ここまで政治や社会が壊れてしまうと、立て直すにも相当な時間がかかるでしょうね。
山崎 自民党だけでなく、政治全体が壊れてしまっていますからね。この流れをいかにして食い止めるかということが、保守を自任する人間一人ひとりに問われていると思います。


典型的な「べき論」である(嗤)。それはともかく、「自民党が急速にグローバリズムに舵を切った」とする適菜の現状認識、呆れて物も言えないが、それ以上に酷いのが山崎の、「自民党だけでなく、政治全体が壊れてしまっていますからね」という発言だ。山崎は依然として、世界と日本の現実に明き盲である。

青木理の『安倍三代』
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ジャーナリストの青木理氏の筆による、『「祖父は反戦政治家」安倍首相が決して語らない、もう一つの系譜』という記事を読んだ。同記事は青木氏本人が著した『安倍三代』を下敷きにした記事で、安倍首相の父方の祖父・安倍寛、父・安倍晋太郎、安倍晋三の三人についての人物評といった記事だ。同記事に目を通せば分かるように、青木氏は安倍首相の父方の祖父、そして父を高く評価しているのが分かる。

一方、安倍首相について青木氏は、同記事中で以下のように酷評している。

失礼ながら、恐ろしくつまらない男だった。少なくとも、ノンフィクションライターの琴線をくすぐるようなエピソードはほとんど持ち合わせていない男だった。誤解してほしくないのだが、決して悪人でもなければ、稀代の策略家でもなければ、根っからの右派思想の持ち主でもない。むしろ極めて凡庸で、なんの変哲もなく、可もなく不可もなく、あえて評するなら、ごくごく育ちのいいおぼっちゃまにすぎなかった。

言葉を変えるなら、内側から溢れ出るような志を抱いて政治を目指した男ではまったくない。名門の政治一家にたまたま生を受け、その“運命”やら“宿命”やらといった外的要因によって政界に迷い込み、与えられた役割をなんとか無難に、できるならば見事に演じ切りたいと思っている世襲政治家。


亀さんは青木氏の著書を読んだことはないものの、定期購読している『月刊日本』に青木氏が寄稿していることもあり、気骨あるジャーナリストとして高く評価していた。たとえば、三年以上前に書いた拙稿「いま 集団的自衛権を考える 2」でも、青木氏を以下のように評価している。

NHK経営委員が新会長に任命したのが、あの籾井勝人氏であった。この籾井氏、就任早々色々と問題発言を引き起こし、結局は国会やNHK番組で〝謝罪〟したのだが、そのあたりについて以下の青木理氏の批判は正しく、必聴である。


また、当時の亀さんは安倍晋三の人物を見抜けていなかったこともあり、以下のように書いてしまったものである。

安倍首相はアメリカのネオコン(戦争屋)の流れを汲む人物である事実である。ネオコンの正体を知れば、何故に安倍首相が熱心に原子力発電所を海外にセールスし、さらには武器輸出三原則を全面的に見直すことで、輸出への道を開こうとしているのかが見えてくる。


今読み返してみるに赤面の至りだが、当時は安倍首相が本当にネオコンの手羽先と思っていたのである。しかし、当時の官邸を牛耳っていたネオコンに逆らおうものなら、確実に死が待っていたのだ。だから、当時の安倍首相のあれは、面従腹背のポーズだったことが今にして分かるのだし、このあたりは拙稿「面従腹背」に書いているが、特に同稿の最後に転載した安西正鷹さんの記事、実に優れた記事なので以下に再掲しておこう。

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ともあれ、上記の青木理氏の記事を読む限り、同氏は今でも安倍首相の人物がまったく分かっていないし、ネオコンの太鼓持ち、換言すれば売国奴に成り下がっているのにも気づいていない。だからこそ、ネオコン系のテレビ朝日の「モーニングショー」にコメンテーターとして出演でき、朝日新聞出版から『安倍三代』を出せたのも頷けるのだ。以下の画像は「テレビにだまされないぞぉⅡ」から拝借したものだが、同ブログに載っている青木氏の発言を読む限り、安倍首相が国士であることに、同氏が丸で気づいていないのは確かである。

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ロシアのエネルギー事情
世の中、フルベッキ写真なるものが存在する。お雇い外国人のフルベッキを囲んで、明治天皇、岩倉具視、勝海舟、坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通、伊藤博文、横井小楠、高杉晋作、副島種臣、小松帯刀、大隈重信、大村益次郎といった、そうそうたる大物が一堂に写る集合写真という触れ込みだ。しかし、左に挙げた大物は誰一人として写っていない、というのが本当のところで、そのあたりについて亀さんは、拙稿「フルベッキ写真に写るは…」に書いた。

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なを、慶応大学の高橋先生(当時)が、フルベッキ写真の真実についての論文を執筆されており、それを亀さんの旧ブログにアップしているので、関心のある読者に一読してもらえたら幸いだ。
http://pro.cocolog-tcom.com/edu/2007/01/post_1dcc.html

掲示板「放知技」への拙投稿がきっかけで、この高橋先生の論文に久しぶりに目を通して改めて思ったことは、徹底して検証を重ねることの大切さである。これはロシアのエネルギー事情についても云えることで、ロシアの主な外貨獲得源である石油や天然ガス事情を、正確に把握しておくことの必要性を感じたので、JBpressに掲載されていた杉浦敏広氏という人の記事を、昨日はじっくりと目を通してみた。ちなみに、杉浦氏は現在、環日本海経済研究所共同研究員という要職にあるが、かつて伊藤忠に在籍時はソデコ(サハリン石油ガス開発)に出向、サハリン事務所計7年間にわたり勤務するなど、ロシアのエネルギー事情に精通したプロフェッショナルである。

最初に、昨年の記事になるが、石油と天然ガスがロシアにとって、どれほどの意味があるのかが、一目で分かる図が載っていたので以下に転載しておく。

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 ロシア国庫収入の約半分が石油・ガス関連税収、輸出額の約7割が天然資源輸出だが、アゼルバイジャンでは国庫収入の7割以上が石油・ガス関連収入であり、石油・ガス輸出金額は輸出総額の9割以上になる。
油価下落で最大の試練を迎えたプーチン大統領


ロシアにとって石油や天然ガスが、大きな意味を持つことを頭に入れたところで、続いて杉浦氏の他の記事を読み、目を引いた記述を幾つか引用しておきたい。なを、杉浦氏のプーチン観については、同意できぬ点が幾つかあったものの、今回はロシアのエネルギー事情に的を絞るべく、敢えて目を瞑ることにした。

最初に驚いたのは、日本のエネルギー評論家らのデタラメぶりが、甚だしいという事実であった。そのやり玉に挙げられていた評論家らに、たとえば『ロシア・ショック』(講談社)を著した大前研一氏がいる。

世の中には間違いだらけのロシア・エネルギー論やパイプライン談義が横行しており、権威ある学者や知識人が書いた本や記事の中にも多くの間違いがある。
パイプラインを知らなすぎるエネルギー評論家たち


次に、民間企業がパイプライン(P/L)建設を検討する際、三つの要件を検討しなければならないと杉浦氏は指摘しているが、書籍・雑誌・ネット等で学者や識者がパイプラインについて言及した時、以下の三点の要件を念頭に置けば、その学者や識者のエネルギー論のレベルが、手に取るように分かるはずなので、今後の読者の〝モノサシ〟として活用していただけたら幸いだ。

 私企業が長距離幹線P/L建設構想を検討する場合、下記3要件をまず考慮する必要がある。

●何を輸送するのか? (原油・石油製品・天然ガス・水?)
●どこから?どこまで建設するのか? (供給源と需要家は存在するのか?)
●P/L建設費は回収可能か? (経済合理性は?)

 そのP/Lで何をどれだけ輸送するのかにより、使用される鋼管の鋼種・品質・口径や輸送圧力が決まる。私企業にとりP/L建設費・運営費が回収可能かどうかは非常に重要な判断材料になるが、実務に疎い学者や知識人のP/L談義には、往々にしてこの視点がすっぽりと欠けていることが多い。

パイプラインを知らなすぎるエネルギー評論家たち


また、ロシアのエネルギー事情を考察する上で、以下の記事も大いに役に立つと思う。サハリンから日本に向けたパイプライン建設構想を、日本側で打ち出したものの、杉浦氏というプロフェッショナルの眼から見れば、フィールド・スタディがデタラメであることが暴露されており、貴重な記事と云えよう。

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サハリンから日本向けパイプライン建設構想の実現可能性は?
 筆者は海外で長年、実際に海洋鉱区の探鉱・開発や長距離幹線P/Lの建設事業に従事してきました。その経験から申せば、今回の暫定F/Sに記載されている、S-3海洋鉱区を天然ガス供給源とする、2022年全面稼働前提の日本縦断陸上P/L建設構想は“机上の空論”としか言いようがありません。

エネルギー評論家の意見を鵜呑みにしては危ない


以下の別記事も、サハリンから日本向けパイプライン建設構想についてのものだが、前記事よりも一段と厳しく、「日本縦断陸上天然ガスP/L建設構想は国益を毀損する」と、杉浦氏はバッサリと斬り捨てている。

国益を毀損する日本縦断陸上天然ガスP/L建設構想
 上記より筆者は、日本側が策定したとされる暫定企業化調査の内容は非現実的であり、数字には整合性がないと考えている。

 日本側策定の暫定企業化調査は、単に日本縦断陸上P/Lを建設したいという願望の表明にすぎず、これは国土強靭化計画の一環という錦の御旗を前面・全面に押し出した、利権目当てのP/L建設構想と言わざるを得ない。

日本縦断陸上パイプライン構想の大不思議


最後に、杉浦氏の最新記事から、亀さんが注目した記述を二点挙げておこう。

筆者は、ロシアのエネルギーを理解する鍵は次の3点と考えます。

(1)ロシアは信頼に足る資源供給源。
(2)ロシアにとり欧州は最重要市場。
(3)ロシアは輸出市場の拡大と輸送路の多様化を目指す。

世界の信頼度:米国とロシアの立場が逆転?


上記(1)~(3)にピンと来ない場合は、記事に目を通して直接確認していただきたい。次にロシアと中国は〝最大の敵性国家同士〟という杉浦氏の意見、亀さんも概ね賛成だ。

プーチン・ロシアにとり中国とは?
 筆者は、プーチン・ロシアにとり最大の敵性国家は中国だと考えております。この点には異論もあろうかと思いますが、筆者はそう理解しています。

 日本にとり最大の敵性国家が米国であると同様、ロシアにとり最大の敵性国家は中国、とプーチン大統領は認識しているものと推測します。

 ロシアと中国が長い国境線を挟んで隣国同士であり、そこから多くの問題が生じてきたことを考えれば、ロシアが中国に対して(そして中国がロシアに対して)警戒感を抱くのは当然と言えましょう。

 このような状況認識のもとで、ロシアは中国との間で戦略的パートナーシップを構築しています。敵性国家たる隣国との友好関係維持こそ、自国の国益に適うと正しく理解しているからです。敵性国家を研究し、理解し、友好関係を築くことこそ国益に適います。

世界の信頼度:米国とロシアの立場が逆転?


【別報】
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日曜日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(20)


和尚の絶筆
現在発売中の『ビッグコミック』に連載中である、「荷風になりたい」に印象に残るシーンが登場した。どのシーンを指しているのかは、本稿の最後に転載しておいたので見てもらうとして、永井荷風と谷崎潤一郎の文士としての交流が、どのようなものだったのかが一目で分かるシーンだ。

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谷崎潤一郎と云えば、天台宗の大僧正だった今東光を思い出す。谷崎と和尚の交流を拙稿「谷崎潤一郎の学殖の豊かさ」に書いた時、亀さんは改めて谷崎の凄さを再認識したものだ。その谷崎との交流録を和尚自身が書いているのが、『十二階崩壊』という本だ。この本は和尚の絶筆となった本であり、そのため未完の本でもある。その後になって同書を入手したものの、仕事に追われて未だにページを開いていなかったのだが、『ビッグコミック』の最新号を見て改めて目を通したいと思い、そこで今、パラパラと同書を捲ってみたが、和尚の谷崎との交流の深さが窺い知れるだけではなく、和尚の赤裸々な青春時代の体験が至る所に綴ってあった。因みに、書名の「十二階」だが、「十二階下の女」という隠語があり、娼婦を意味する。かつて浅草にあった、凌雲閣という12階建ての塔を指しているようだ。つまり、放知技の常連さんの一人、歌麿オマンゴロ~ノヴィッチ・ニコチンスキーさん(以降、歌麿)が、泣いて喜びそうな遊びの里についての本というわけだ(爆)。歌麿さん、スケベ和尚は曹洞宗から天台宗に鞍替えしたと書いているが、亀さんは和尚の〝本願〟は立川流だったのではと推測している。以下の拙稿を参照されたい。
真言立川流と今東光

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ちなみに、天台宗および真言立川流は深い繋がりがあるのではと、亀さんは睨んでいる。以下の記事に、「真言立川流が天台宗と文観以降、どのように関わっていたのか調べていこうと思う」と書いたが、仕事(翻訳)に追われている身、未だに果たせないでいる。
真言立川流と今東光 2

それから、歌麿さんは以下のように書いているんだが…

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16113357/323/

あのぉ~、今東光は大卒ではなく、中学中退ですぜ(笑)。しかも、二回も中学を追い出されている…(爆)。このあたりは、『最後の極道辻説法』(p.182~)に書いてあるので、この機会に以下に転載しておこう。まぁ、見方によっては、一高(東大)を卒業したと言えなくもないか…(爆)。

弟の友人をニセ一高生と思い、確かめにいくと
川端(康成)とはじめて会った頃は、オレは東大のある本郷のゴロでね。つまらん女とケンカしたかして、面白くなくて、西片町にある自宅へたまに帰ろうと思って、本郷通りをブラブラ、昼間、赤門の前を通って歩いてきたんだ。
そうしたら向こうから、ガランゴロンって下駄を鳴らしながら、まっさらの一高の帽子をかぶって、♪ああ玉杯に……と昼間から歌をうたいながら歩いている野郎が来たんだ。あの野郎こっちに来やがる、と思ってたら、向こうもオレの方を見てる。おかしな野郎だな、オレにガンつけやがって……。
これはひとつ、ここでケンカかな、と思いつつ、だんだん近寄ってった。そうしたら、
「東光さんじゃない?」
「誰だっけ?」
オレの二番目の弟と同級生の池田という男なんだ。あんまりできもしないような。
「ああ池田か。トラやないか」
「おお、トラや」
「おまえ、いい道具、手に入れたな」
オレはそいつの着ている一高の制服と帽子を〝道具〟だと思ってたんだよ。
「おまえ、そいつでコレひっかけているんだろう? 捕まったらドつかれるぞ、一高の奴に」
「阿呆なこと言ってくれるな。ぼくは本当の一高生だよ」
「そんな……。おまえみたいな頭の悪い奴が入れるか、一高に」
「いや、ぼくは補欠で入ったんや」
参ったよ、オレ、これには。こんな野郎が一高に入ってるのに、オレは相変らずだしな。
「おまえ、ほんまに一高やったら、おまえのとこに行ってみるぞ。何ていう寮にいるんだい?」
「北寮何番の何とか」って言うから、翌日、オレ行ってやったんだよ。いたんだ、本当に。
そいつが、
「東光さん、文学好きなのが数人おるのや」
って。一部屋に八人もいたかな、万年床の上にあぐらかいて。その中にいたんだよ、川端が。
「これ、川端康成って、文学。これは鈴木彦次郎。これは石浜金作で、石川知行っていう経済学者の弟や」
みんな文学好きなんで、今度は池田そっちのけでな。すっかり面白くなって、「今度、今のうちへ行こうや」なんてことになった。

寮に泊りこんで、寮の飯食って……
こうして年中一高へ行って、夜の九時、十時までしゃべりこんでしまう。一高の門限は九時なんだ。
「門が閉まるから、オレ帰るよ」
「いや、門を越えて行きゃあいいから、もう少しいいだろう」
なんて夜遅くまでひきとめるんだ。一高って面白いとこでね。塀を越えて入ると制裁されるんだが、門限になっても堂々と表門をよじ登って越えるぶんにはかまわないんだよ。外のすぐそばには交番が、内側には風紀係がいて見てる。塀を越える奴には鉄拳制裁。ドツキ回すんだから。門の上から来る奴は、酔っばらってモタモタしてるとお巡りまで尻おしてくれてな。
川端は度胸のいい奴だから、
「この部屋は八人だが、一人や二人はうちへ帰ったり、どこか女のとこへ泊りよる。誰かのあいてるふとんにもぐりこんで、泊って、一晩中喋っていかないか」って言うんだ。それでオレがもぐりこむんだけど、寝ていると夜中に帰ってくる奴がいるんだ。
「あれ!? 誰かおれの床、もぐってる」
そうするとオレが、
「うるさいな。足元から入って寝てろ!」
無茶苦茶だよ。オレは枕を占領して、向こうは座ぶとん折ってな。
「いろんなむずかしい話してもわからん奴は、思想がないんだから、足元で十分だ」と勝手な理屈つけて。今日はこっちへ寝たと思ったら、明日はここへ寝たりと、空いた床、空いた床寝て、もう家に帰らない。
一高前に「のんき」というおでん屋があって、そこへ行ってオレは飯を食うんだ。そうすると川端が、「そんな無駄せんで、ええやないか。寮の食堂へ行こうや。食いに来ない連中がいるから、そいつの分、食うのは、別に学校へも迷惑をかけないし、政府にも損害かけてることにならへんやないか」
「ああ、それはいい考えや。行こう」
そんなわけで、オレも一緒になって食堂へ。ただ、月謝納めてないから教室だけには入れない。一高はちゃんと出欠とるからね。東大になると、もう誰が入ったっていいけどね。
教室へ入れないかわりに、奴らの使っている本を見るんだ。
「ここわからへん」「これはこういうことやな?」と、あいつらの教科書みんな見ちゃった。
当時、一高の入学は九月だった。その九月の末か十月には、もう一高に入りびたりだったから、ほとんど康と一緒に入って大学出るまで暮らしたようなもんだ。こうやって、一高三年、とにかく無事に卒業しましてね


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定常経済?
「ダイヤモンド・オンライン」に、経済学者・水野和夫氏のインタビュー記事が載った。
世界は閉じた地域帝国に再編、経済成長は終わる

最初に、水野氏の以下の発言に注目されたい。

 国家が、世界に向かっての「拡張」から、世界に対して「閉じる」という選択をし始めていると見ています。こうした状況は今後も続く見通しで、これからは世界がいくつかの閉じた「地域帝国」に再編される一方、経済は閉じた世界を舞台に、ほとんど成長のない「定常経済」に落ち着いていくということです。


経済は閉じた世界を舞台に、ほとんど成長のない定常経済に落ち着いていく」と、水野氏は主張していることが分かる。しかし、現実の世界は、水野氏の主張とは真逆の道を歩みつつある。そのあたりが良く分かるのが、飯山一郎さんの以下のHP記事である。殊に、経済の観点から注目していただきたいのは以下の記述だ。

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『てげてげ』『放知技』の「客層」が様変わり!

このような視点が、水野氏には欠けているのである。インタビュー記事が掲載されたのは昨日(7月20日)なのだから、日本がEUと緊密な経済協定を結んだニュースについて、水野氏の耳にも入ってるはずだが、なぜかそのあたりの言及がまったくない。この経済協定が如何に途方もないことであるか、以下の記事を一読すれば分かる。特に注目していただきたいのは以下の記述…。

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政治家は,結果・成果・業績で評価すること

ここで、現在の安倍首相を理解する上で欠かせないキーワードは、「国家資本主義」であることを付言しておきたい。従来の資本主義や共産主義と比較して、何処がどう異なるのかについては、掲示板「放知技」の論客の一人、mespesadoさんの投稿を熟読すれば自ずと理解できよう。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16155707/231/

ほんの一年ほど前までの亀さんは、水野氏の記事や本を高く評価してきた。しかし、ある時点を境に、水野氏に対する見方が大きく変わったのだが、そのあたりについては拙稿「トランプ革命」で言及した。

武道家と勝負師
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武道家と勝負師を追った番組を録画してあったので、昨日、それぞれを連続して見た。一人は、「SWITCHインタビュー 達人達」に登場した、柔道家の野村忠宏。このNHKの番組は対談形式の番組で、野村を対談相手に指名したのは女優の寺島しのぶだったが、実に見応えのある番組であった。殊に、これからという若い人たちには、是非観て欲しいと思った番組の一本だ。それにしても、寺島との対談中でも、武道家の野村が時々放つ鋭い眼光に、一流の武道家としての凄味を感じた亀さんであった。

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一方、NHKスペシャルで一人の勝負師を取り上げていた。番組名は「進化する14歳棋士・藤井聡太」。詰め将棋で鍛え上げた棋力で発揮した、藤井四段の終盤での正確無比かつ想像を絶する強さ、またAI将棋を自家薬籠中の物にしているあたり、如何にも時代の申し子といった感を強くした。しかし、さらに驚愕したのは、手持ちの「桂馬」で王手をかけた時のシーンだ。

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何故なら、AIはコンピュータであり、あの局面で手駒の桂馬を使って王手をかけるなどといった、悪手は絶対に指さないようにプログラミングされている。しかし、藤井四段はAI将棋をも超えてしまう、勝負師としての勘を働かせ、敢えて桂馬で王手をかけた…。そこに、人間の、藤井四段の持つ無限の可能性を見たのである。

蛇足ながら、同番組ではゲストとして、乃木坂46の伊藤かりんが登場していたが、彼女が「藤井四段に八冠をすべて取って欲しい」といった旨の発言をした時、同じくゲストとして呼ばれていた佐藤天彦名人、そして藤井四段の師匠である、杉本昌隆七段が見せた表情が強く印象に残った。

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「八冠すべて取って欲しい」と伊藤かりん

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伊藤かりんの発言を耳にした時の佐藤名人と杉本七段

藤井四段、どのような棋士に大成していくのだろうか…。

【追報1】
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藤井四段を応援する環境を 羽生三冠、学生棋士を語る

【追報2】
藤井四段の「戦い方」に見るAIと人間の頭脳の相乗効果


読むに値せず
掲示板「放知技」の常連さん、最近は読むに値するブログが激減、時間を持て余していると〝ボヤク〟ようになった。たとえば、堺のおっさんと発酵花子さんの場合…。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16155707/114-115/

亀さんの場合も同様なんだが、増えたのは呑む時間…(爆)。

冗談(?)はともかく、亀さんの場合も、お気に入りに登録していた数々のブログ、ほとんどを登録から外した。また、依然として登録しているブログもあるが、今では見出しに目を通すだけになった。しかし、こうした読むに値しなくなったブログでも、時と場合によっては敢えて本文にも目を通すことがある。たとえば、哲学者の山崎行太郎氏の場合、同氏の記事に目を通すことは滅多にないが、それでも同氏が畑違いの分野について言及した時は、一応は目を通すことにしている。どのていどズッコケたことを書いているのか、確認したいからだ。たとえば、拙稿「放射脳?」で、同氏の記事の本文に久しぶりに目を通したことを書いたが、それは、シリア問題に山崎氏が首を突っ込んでいたからである。しかし、本文に目を通してみたものの、ピント外れまくりの記事なので、呆れて物も言えなかったワイ(嗤)。

なお、他のブログの場合で、別の目的で本文にも目を通すことがある。たとえば佐藤優氏の記事だ。何故なら、どのように日本をモサドがミスリードしたいのか、佐藤氏の記事の行間を読めば、大凡が分かるからである。そのあたりについては、上の記事「放射脳?」に詳述した。

一方、専門家が自身の専門について書いた記事も、一応は本文に目を通すことにしている。最近のケースとして、植草一秀氏の以下の記事がある。
アベノミクスで99%主権者の生活はズタズタだ

経済評論家という肩書きがついている植草氏、どのようにアベノミクスを評価しているのか、興味津々読んでみた。しかし、冒頭の以下の記述が目に入り、本文の残りを読む気が失せてしまった…(嗤)。

安倍政治とはハゲタカの利益極大化を目指す政治なのである。


事実は植草氏の主張と真逆なのだが、世界政治経済について、同氏の目が節穴であることは、同氏の著書『アベノリスク』の副題、「日本を融解させる7つの大罪」の内容を知れば(以下)、一目瞭然だ。

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蛇足ながら、最近の植草氏のブログ記事は、ほとんどがモリカケ騒動のテーマで始終している。そこで、掲示板「放知技」の論客の一人である、mespesadoさんの以下の投稿を紹介しよう。

 実は、この加計問題と言うのは、マスコミで報道されていないところで本質が解明されていて、安倍さんに対しては全くの濡れ衣であることが解明されています。
http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16155707/218/


モリカケの本質について鋭く抉り出してみせた、極めて優れた投稿だ。大手マスコミは無論のこと、植草氏自身も知らない、あるいは知らんぷりをしているが、モリカケの本質を捉える上で欠かせない記事であり、この機会に一読をお勧めしたい。

【別報】
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先週日曜日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(19)


熱血塾長
先週日曜日の7月9日に放送された、フジテレビの「ザ・ノンフィクション」で、「人生の失敗を生かすとき~あぶれ者たちの最終決戦~前編」という番組を見た。今回のドキュメンタリーの主人公は、広島県福山市にある学習塾「フジゼミ」の塾長、藤岡克義氏(41歳)である。一年ほど前だったか、やはり藤岡塾長を追いかけたドキュメンタリーを見て、ここにも一人、熱血塾長がいるんだなと嬉しく思ったものである。だから、「ザ・ノンフィクション」が藤岡塾長の第二弾を放送するというので、前々から楽しみにしていた亀さんであった。

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第二弾の今回の場合、藤岡塾長を慕ってフジゼミで学ぶ、二人の若者を取り上げている。一人は医学部への進学を目指す本田君(26歳)、もう一人は東京の私立大学を目指す早望さん(19歳)だ。

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このフジゼミには、落ちこぼれの若者たちが多く集まる。なぜか? それは、藤岡塾長が若者に対して、何故に大学に行くのか、換言すれば、何のために学問をするのかを、真剣に、そして誠意を持って伝えてくれるからだ。つまり、どのような人生を送ろうかと、悩みに悩むのが十代や二十代の若者というものであり、そうした若者に道標を示してくれるのが、熱血塾長の藤岡氏なのである。

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思えば、亀さんも二十代の前半ころは生き方に迷い、時には自殺を考えていた一時もあった。そのあたりについては、拙稿「20代の自殺」にも書いている。

筆者は二十代のはじめ、人生に行き詰まって自殺を考えていた一時がありました。そんなおり、ニューヨークの日本レストランで一緒に働いていた友人の地元、群馬県沼田市の実家に数日泊めてもらい、その間に友人に尾瀬ヶ原を案内してもらったことがあります。季節は5月連休直前だったと記憶しています。車で大清水に到着した時は未だ辺りが真っ暗闇でした。車から降りて徒歩で尾瀬ヶ原に近づくにつれて、周囲も明るくなり始めたものの、依然としてあたりは濃霧に包まれて何も見えませんでした。やがて、嘘のように霧が晴れると、目の前には雄大な尾瀬ヶ原の大自然が忽然と姿を現したのです。その時、まさに人智を超越した「ある存在」を感じ取りました。爾来、数十年の歳月が経ちましたが、今にして思うに、あの時こそ心の中における役小角との出会いだったのではと、ふと思うのです。
http://pro.cocolog-tcom.com/edu/2010/03/post-4f89.html


一方、二人の息子は京都あるいは宮城で、それぞれの生きる道を自分で見つけた。なかなか自分の生き方を見つけられなかった、親である亀さんと比較するに、まさに月とスッポン(無論、スッポンは亀さんの方)であり、二人の息子を知る『みち』発行人・藤原源太郎さんの、「やはりトンビがタカを産んだというわけだな、ワッ、ハッハハハ---」という高笑いが、今にも聞こえてきそうだ…。

なお、同番組の後編が明日(7月16日)放送されるので、今回の亀さんの記事を読み、関心を持った読者はチャンネルを回してみるといいかも…。

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http://www.fujitv.co.jp/thenonfx/

食に歴史あり
7月9日の東京新聞のテレビ番組表に、NHKの「きょうの料理」が登場、この11月で六十周年の節目を迎えるという。記事に目を通してみたところ、時代とともに日本人の食生活が変化していく様が分かり、大変興味深い記事であった。

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「きょうの料理」については、てくのぱぱさんも以下の記事で取り上げている。毎日の献立に頭を悩ませている、世の中のお母ちゃんは〝必読〟デス。
最強のレシピ集をネットで発見!

てくのぱぱさんの記事で思い出したのが、柴田錬三郎の『円月説法』(集英社)である。これは人生相談の本なんだが、その中に、「男子厨房に入るべきや否や」という台所に関する質問があり、如何にも柴錬らしい回答だったので以下に転載しておこう。てくのぱぱさんがコレを読んだら、カチンと来るかもしれないけど、あくまでも柴錬が書いたことであり、亀さんの意見ではないので、ドーカ誤解のなきようお願いしたい(笑)。また、柴錬は男尊女卑の時代を生きた漢なので、てくのぱぱさんだけではなく、世の中のお母ちゃんにも総スカンを食らうかも…。

男子厨房に入るべきや否や

読者 最近はテレビでも男子が厨房に入り、自慢の料理をご披露する番組が流行っている。僕の彼女も「あんな料理上手の夫を持ったら、素敵」といっていますが先生はどう思いますか。(秋田市 T・U 25歳 会社員)

柴錬 男が女房のために、料理を作るなんて実にくだらんな。堕落だ、これは。おれはね、そういう話を聞くと情ないというより気持ちが悪くなる。

編集部 だめですか?

柴錬 いいかい、女ができることを考えてみなさい。食事、洗濯、料理の三つだけなんだ。ガキなんていうのは、女が努力なんかせんでも生まれるものだろ。それなのに女房がドデーッとひっくりかえって『あなた、ご飯まだなの』なんてホザくさまなんざ、見られた図じゃない。
日本人はね、勘違いしているところがあると思うね。外国なんかでは、亭主が女房のために、料理を作っているんじゃないかというようにね。それはとんでもない誤解だよ。フランスあたりなんかそんなことは絶対に考えられない。英国あたりではさ、女房が勝手にいろんな料理を作って亭主に食わせるんで、亭主の方がうんざりしているくらいだ。こういう場合は、反動で男が料理に手を出す場合はあるわな。
おれの知り合いの実業家でね、家におるときは、箸が出るまでは、自分でお膳の上の料理に手もつけない。昼間は一流のレストランで、一流の料理を食べている。ところが妾のマンションヘ行くとだね、狭い台所に入って自分で食べたい料理を、コチョコチョ作って食べている。これも美食にあきた男の一種の反動でね。これはいいんだ。何か楽しいんだな。
それとは別に自分から率先してだ、厨房に入って、女房孝行するなんて男はキンタマを取って女になった方がいい。
第一ね、女房の一番美しいのは、割烹着姿なんだよ。その美しさを自分が奪って、台所で立ち働くのは馬鹿野郎としかいえんね。
それでもどうしてもやりたければ、定年を過ぎてからおやんなさい。オジイになって、なんにもできなくなっちゃってだ、女房子供からも馬鹿にされて、座敷にいるのはどう考えてもみっともない。それで、台所に入ってコチョコチョやる。行き着くところがなくて、台所に入っちゃった。つまり台所なんてところは、そんなところなんだ。男が世界とするところじゃないんだ。
おい、次へいこうや、次へ……。


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如何にも柴錬らしい辛辣なコメントではある。その柴錬が「親父」と仰いでいた、今東光和尚の数多くの著作の中で、食に関する本として『和尚の舌』(KK・ロングセラーズ)があり、実に興味深い食に関する話が続く。一例として、日本人の主食である「米」(p.180)をテーマにした和尚の話、少々長くなるものの、以下に転載しておこう。ちなみに、安倍晋三の父方の遠祖・安倍宗任も登場する。



米は、八木とも書いて何といっても日本人には命の綱。
ところが僕がまだ中尊寺の住職にならない頃、というのは中尊寺住職に任命されたのは昭和四十年十二月二十七日だから、三十九年だったかもしれない。外務大臣の頃の椎名悦三郎君と会った時、うまい物食わすから一度自分の故郷へ来ないかと誘われた。周知のごとく椎名さんは奥州水沢の産。高野長英を出した家であり、後藤新平は叔父に当るという名流だ。
何を御馳走してくれるのかと質ねると、彼は甚だ得意そうに米だと答える。これにはあきれた。いやしくも豊蘆原瑞穂国に生まれた僕をつかまえて米を自慢するのだから、吾また何をか言わんやという顔付を見せると、絶対に米を食いに来いと強要する。
約束を重んじて亡き尾崎士郎と共に水沢に出かけて行った。何とかいう川魚料理のうまい家で御自慢の米の飯を御馳走になったが、その米のうまいのに二度びっくり。鮎も鮒も鯉もあったものではない。僕は御新香だけで三杯も飯をくった。
うまいのも道理、水沢から程遠からぬ江刺米という上物の米の飯だ。東京の一流の寿司屋ではもっぱらこの江刺米を使うと聞いていたので、これが江刺米かと今更のように感歎したのである。
その筈で、昔、安倍頼時という俘囚長は奥六郡を領して北方の王者と称されたが、この江刺の田はその当時からの美田として知られていたのだ。鎮守府将軍源頼義が陸奥守を兼任して下って来たので、頼時は恭順して臣礼を執ったが、ふとした間違いから合戦になった。安倍頼時は能く戦ったが鳥海の柵で矢を射られ、それがもとで戦死した後も、子息の安倍貞任、宗任その他が大将の器たる貞任の指揮に従い、頼義は嫡男八幡太郎義家と共に苦戦を重ね、実に九カ年も戦って漸く貞任を討ち、宗任を捕えることが出来たのだ。すなわち前九年ノ役である。
それから数年を経て、安倍頼時父子を退治するのに力を籍した清原家に騒動が起こった。清衡と異母弟の家衡との争いが遂に合戦に発展した。何故こんな兄弟喧嘩が起こったかというと、八幡太郎義家は戦後処理にあたって二人の兄弟に遺領を分けて与えた。清衡には南の三郡、家衡には北の三郡を与えたのだ。これで満足していれば無事だったのに、家衡は清衡の土地の方が上等だと言って不平不満から合戦をしかけた。清衡の貰った土地にこの江刺郡が入っていたのだ。江刺の美田と、其所から産する米こそは黄金と馬に換えても惜しくない。そこで八幡太郎も腹を立てて家衡を討った。この合戦も家衡が善戦したので思いのほかに日数を費やした。これが後三年ノ役というものだ。いずれも江刺米が絡んでいる。
頼義将軍は安倍頼時が収穫時には農民の他に兵三千人を動員している事実を目撃して、如何に奥州というものが豊かな土地であるかに驚いたくらいで、内地人が狭い土地で小さな田を耕しているのに比べると、まるきり奥州とはスケールが違っていたのだ。
そこへいくと言っちゃ悪いが河内米などは不味い。とても食えたものではない。天台院のある中野村などの百姓は、中にはチョビ髭など生やしていっぱし政治家気取りの馬鹿野郎もいるが、此奴等の作る米ときたら、まったく箸にも棒にもかからない。気候温暖な河内国などで、のへのへと育つ米などにうまい筈はないのだ。
何といっても風雪にいためつけられるような土地で、その風雪を凌いで育つ米でなければ美味とは言えない。それゆえに世に名高い酒田の庄内米とか、宮城県の湧谷附近の米とかは格別な美味を誇るのだ。庄内米は彼の有名な酒田の本間家の田園が産するものだし、この湧谷附近は古、亘理ノ郷と称し、亘理権ノ太夫経清の領だった。経清は安倍貞任の妹を妻に貰い、その仲に生まれたのが藤原清衡で後に平泉に鎮し、中尊寺を再建した大檀那であることは説明するまでもあるまい。
封建時代になって特に徳川幕府の近世は、百姓に対して悉く圧迫を加えたことは人の能く知るところだ。
衣食住を例にとると、一般百姓は布と木綿しか着るを許さず、庄屋様で漸く絹、紬、麻などを着ることを許可したに過ぎない。
住では、各藩ともに瓦屋根を禁じたのが多く、従って火災に対して脆弱だった。徳川時代に火事の多いのは町人百姓ともに瓦屋根の家が少ないためだ。しかも天井、長押、縁側などを禁じたのも少なくないのだ。特に奥州では、津軽、南部、佐竹などの各藩では百姓家に雨戸を禁じ、板敷を禁じて土間の住居を強制した例が多いのだ。これではまるきり人間生活を放棄せしめたと一般、馬並みの暮しと言わなければならない。事実、南部や津軽では人間は馬と同居し、その馬のために曲り家と称する馬小屋の附属した家屋が今に残っているのである。
寛永二十年癸未三月十一日土民仕置条々覚という馬鹿気たものを見ると、その圧制振りがよく解る。
一百姓の食物、常々、雑穀を用ふべし。八木(米のこと)猥りに食せざるやうに申し聞けられるべき事。
一在々所々にて、うどん、索麺、蕎麦切、饅頭、豆腐以下、五穀の費えに成り候間、商売無用の事。
こんな風に読んでいくと仕舞いに腹が立ってくる。
よく日本の百姓は三百年間も謀反も起こさずに平身低頭していたものだ。百姓一撲のような自然発生的な暴動は鳥合の衆の集りだけに容易に革命には成長しないものだ。僕なんかだったら到底我慢がならぬ。
うどんや蕎麦は高いから不可ん。饅頭さえも高価だから食ってはいけないと言われれば、百姓は一体全体、何を食ったら好いのだ。
従って、百姓の米に対する愛着は僕らの想像外に強いものがあったらしい。昔から諸地方に伝わっている「振り米」という哀しい伝説は、実は伝説でも何でもないのだ。米を竹筒の中に入れて瀕死の病人の枕もとで振って聞かせるのが振り米だ。治ったらこの米を食わせるぞと力づけるのだが、本当に治ったら麦しか食わせないのだ。
戦時中の統制経済になって、日本中の百姓が白米を食ったというのは本当の話だ。未だに麦を食っていた百姓は、はじめて配給米を受けることによって白米にありついたというのが事実に近い。
椎名さんから江刺米のうまさを知らされ、どうしたらあんなうまい米が食べられるかと思っていたら、はからずも中尊寺の住職になって江刺米が食べられる身分になった。これは何とも有難い御仏恩だと思っている。中尊寺の宿院東稲荘は東稲山にちなんで名づけられたが、その名称が既に上米の稲に関するだけに面白い。東稲荘に宿泊する人達に江刺米を供するのは吾々中尊寺一山のせめての心尽しなのである。はるばると中尊寺に詣うでて心ゆくまで江刺米を食べてもらいたい。僕はお世辞抜きに奥州の風雪にきたえられた米はうまいと言えるし、本当に自慢して好いのは江刺米だと言えるのだ。


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この今東光の『和尚の舌』で、最も感動した話が「サン・フランシスコの思い出」(p.108)だ。拙稿「サン・フランシスコの思い出」に転載してあるので、この機会に再読してもらえたら嬉しい。

【追記】
拙稿「昭和の家」でも、昭和三十年代から四十年代にかけての、日本人の食事内容が分かる写真をアップしている。

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一葉の写真が語るもの
人は動画派と写真派とに分けられる。亀さんの場合、テレビ番組やDVDをよく見ることから、一応は動画派ということになるのかもしれない。

一方、亀さんの一番下の弟は根っからの写真派だ。彼は若い頃から数々の写真展に出展、幾度か入賞を果たしている。その弟が親孝行を兼ね、父と母を京都に案内した時の一葉の写真がある。写真に写る後ろ姿の父は、長年勤めた国鉄を定年退職して間もない、55歳の頃だ。場所は嵯峨野の竹林の道。それから一年ほどして父は亡くなっているが、写真に写る父の背中から、すでに病魔に蝕まれていたのが、今にして分かる。そして、父を支えるように歩く母、ともに長い人生を歩んできた、二人の後ろ姿の写真を見るたびに、当時の父と母を思い出す…。

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このように、写真は多くを語りかけてくるのだが、ここで、G20サミットで実現したトランプとプーチン初会談の写真が、何を語りかけているのかを見てみよう。すると、2本の記事が目を引く。

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会談中のプーチン・トランプ両大統領のジェスチャーが物語るものは? 専門家の見解

スプートニク紙の場合、写真というよりは、ジェスチャーに主眼を置いた記事で、トランプとプーチンの二人の仕草から、「相互尊重」を読み取れるとある。〝ロシアゲート〟の渦中にあるトランプ、そして〝ロシアゲート〟の中心人物である、プーチンとの間に流れる相互尊重の空気。これをノンバーバルコミュニケーションの専門家、ダレン・スタントン氏が読み取っているのは興味深いが、同氏同様に相互尊重という空気を読み取れる人は、かなり正確に国際政治の流れを把握していると断言できよう。

だが、スプートニク紙よりも、もっとストレートに書いているのが飯山一郎さんである。

・今回のトランプ・プーチンの長時間に渡る首脳会談は,“ロシアゲート”を打ちのめす!というトランプの決断表明でもあった.


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プーチン・トランプ:初顔合わせは「色」に出た

亀さんも上の写真から、同様のメッセージ(阿吽の呼吸)を読み取った。そして、こうした視座を持たぬ限り、正確に現在の国際政治の流れが分からないはずで、モリカケで騒いでいる他の連中と、何等変わるところがない。たとえば今朝の東京新聞、相も変わらずモリカケ問題や、共謀罪法といった記事のオンパレード…(嗤)。東京新聞をはじめとする日本のマスコミには、飯山さんの記事中にある以下の結語、逆立ちしても理解できまい。

日本国と日本民族の未来は,国際政治のなかで決まる!


しかし、新聞も役に立つことがある。昨日は風呂場の大掃除をしていたのだが、風呂場の簀の子を庭に運ぶ際、畳に直接汚水が滴るのを防ぐため、新聞紙を敷いている。このように、新聞も時には役に立つので購読を止められないのだ(笑)。また、ある程度溜まったら、ちり紙交換に出せば、トイレットペーパーがロールで一つや二つ、タダで貰えるのも新聞を購読する大きなメリットである(爆)。

【別報】
高橋洋一氏の以下の記事、石破茂の正体はネオコンの手羽先を念頭に読むと、ネオコンが今までに日本経済にしてきたこと、また、現在はどのような企みを抱いているのかが、手に取るように分かる記事内容となっている。だから、ネオコンの企みを知る意味で、一読の価値はありそうだ。〝幸い〟、最近の石破はテレビなどに頻繁に顔を出しているので、ネオコンの企みを読み取る訓練にはなると思う(嗤)。
「安倍降ろし」で石破総理が誕生すれば、日本経済は大失速間違いナシ

限界国家?
今日も朝から晴天、15時あたりの最高気温が34℃に達するという。亀さんの仕事部屋は二階にあるので、連日15時には多分35℃を優に超えているはずだが、それでもエアコンのスイッチを入れることもなく、扇風機だけで仕事をしている。尤も、深夜の午前2時頃からブッ通しで仕事をしているので、昼過ぎあたりから仕事は打ち止め、あとはビールやワインといった、酒仙李白の時間になる(李白には遠く及ばないけど…)。タ・ノ・シ・ミ!

それから、5月末のツーデーマーチに参加した「放知技ご一行様」の皆さん、とても64歳には見えない元気な声で、ユーモアたっぷりの開会の挨拶を行った、飯能市の大久保市長を覚えているだろうか? 実は市長選が昨日あり、亀さんも久しぶりに投票所に足を運んだ。大久保市長とは同期というだけではなく、4年前に亀さんの同窓生が、一所懸命応援していた光景が脳裏に焼き付いているだけに、今回無事に再選を果たせて良かったと思っている。なお、市長選に関する地元の新聞の切り抜きを、本稿の最後に掲載しておいた。

ところで、「DIAMOND online」に、以下のような記事が掲載されていたので一言。
年間20万人が孤独死!「限界国家」日本のXデー

要するに、日本の人口減少が急激過ぎる。このままでは、日本が限界国家(持続可能性が危ぶまれるような巨大な限界集落になった国家)になってしまうといった、悲観論的な記事だ。まぁ、確かに周囲を見渡しても、高齢化社会になりつつあるのをヒシヒシと感じる。たとえば、亀さん家を含め、七軒で隣組を形成しているんだが、現在同居している者だけに限定すれば、ゼロ歳児から二十代は亀さん家に同居する下の息子だけ、三十代と四十代は居らず、あとは九十代の亀さんの実母を含め、五十代から九十代にかけての爺さん婆さんばかり…。しかも、七軒のうち、八十代の独り住まいの家が二軒、七十代の独り住まいの家が一軒ある。

お隣のMさん家の場合、息子夫婦は仕事の関係で同居しておらず、Mさん家のお婆さん(八十代後半)が一人で家を守っている。そのMさん家のお婆さん、一年前だが、もう少しでオレオレ詐欺に引っ掛かりそうになったことを、最近になって直接本人から聞かされた。もし、亀さんがその場に居合わせていたら、遠慮なく木刀で輩の脳天を叩き割ってやったところだ。だから、お婆さんに今度は遠慮なく、亀さんに声をかけて欲しいと伝えたのは言うまでもない。

ともあれ、亀さんの実母を含め、八十~九十代の年寄りが七軒の隣組に6人もいる。あと十年もすれば、ほとんどがこの世からいなくなるのは目に見えており、葬儀のお手伝い等で、亀さんを中心とした五十~六十代が、動き回らなければならなくなるのは目に見えているのだ。このように、亀さん家の隣組だけを取り上げても、「日本の人口減少が急激」という現実が、ヒシヒシと伝わってくるのである。

しかし、亀さんは日本の人口が3000万人台になってもE-と思っている。第一、時代こそ違うものの、拙稿「縄文人に倣う」にも書いたように、江戸時代中期から幕末明治にかけての日本の総人口は、3000万人台で推移してきたのだし、それで立派に日本は国家として立ち回ってきた。だから、何の心配もしていないんだが、「年間20万人が孤独死!「限界国家」日本のXデー 」は以下のように書いている。

文科省の調査では2002年度から2013年度に公立の小中高校の廃校の数は全国で5801校にも上る。毎年500校以上の学校が日本から消失しているのだ。一方、80歳以上の人口は2015年についに1000万人の大台を突破。2030年には1571万人にまで増加すると予測されている。


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安芸高田市の男女年齢別人口(2012年12月現在)と2035年の人口予測図(『限界国家』より)

しかし、八十代と言えば人生の黄昏を迎えているのだし、やがてこの世から消えていくのだ。だから、いつまでも八十代以上が大勢を占めるような、歪な社会が永久に続くわけではない。そして、総人口が3000万人台になるころには、人口ビラミットもきれいな三角形になっているはずだ。また、日本列島の広さを考えれば、3000万人ていどが丁度よいのかもしれない。なを、フクイチによる内部被曝を考慮すれば、総人口3000万人台の時代への突入は、思った以上に早いことだろう。

 このままいけば、あらゆる業種で人が決定的に足りなくなる。すでに農業従業者の平均年齢は67歳だ。農業などの第1次産業はいうに及ばず、前述の鉄道・バスや電気・水道などのインフラから、サービス業、そして国の基幹をなす製造業まで、日本は持続可能性が危ぶまれる巨大な限界集落=「限界国家」と化す。


この心配も無用だ。内閣府がすでに、国家再興戦略を打ち立てているからだ。だから、介護の分野にロボットが導入され、鉄道やバスの場合、無人電車や無人バスが活躍しているはずだ。
日本再興戦略 内閣官房日本経済再生総合事務局

さらに、同記事は以下のように続ける。

 では本当に解決策はないのだろうか? 著者が提案するのは、選択的に外国人の定住化を図るということである。製造業、サービス業や農林水産業の現場で働くアジアの若者を受け入れ、優秀な人材には定住の可能性を認めるというものである。


このあたり、今後AIがどのていど浸透していくかによるが、ここは発想の逆転で、介護関連はAIロボットに任せ、日本の若者は未開拓の土地が無限大に広がる、シベリアの大地で生きていくという選択肢もある。現実には、すでに大勢の中国人がシベリアに押しかけているが、ロシア人との間で様々なトラブルが発生していると聞いており、嘉納治五郎を敬愛するプーチンは、日本人の勤勉さを熟知しているだけに、中国人よりも日本人にシベリアの開拓を任せたいと、多分心の中で思っているはずだ。

青年よ荒野を目指せ…、ではなくて、シベリアを目指せ!

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ションベン横町
掲示板「放知技」は虻農○…、ではなくてアブノーマル(abnormal)な投稿が多い。だから、フーテンの寅さんと違って、聖人君子で、高倉健似で、決してHな話なんかしたことはない亀さんなので、いつも放知技の投稿に辟易しているんだが(オイ! そこの外野、五月蠅いョ!)、今日もmespesadoさんのアブノーマルな投稿があった…

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16114465/208/

まぁ、掲示板の管理人である飯山一郎さんも、「トイレの後は手を洗うべからず」と、主張している掲示板なので、mespesadoさんのような投稿が多いのもやむを得ないwww

で、mespesadoさんの言うところの「その進歩を消去すると、きっと唖然とすると思う」だが、この文言に、「その通り!」とゴク自然に頷くのは、多分アラカン(還暦)の世代だろう。拙稿「申し訳ない…」で、亀さんは以下のように書いた。

「45年前に戻してやる」と、もし自分も神様に言われたとしたら、果たして自分は45年前に戻ることを望むだろうかと…。

少し考えてみた。当時は目一杯人生を謳歌していたこともあると思うが、いまさら若い頃に戻りたいという気持ちはゼロであるのに気づかされた次第である。


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しかし、それだけではない。mespesadoさんが云う、『三丁目の夕日』を例に持ち出すまでもなく、昭和20年~30年代は、まだまだ戦争の傷跡を引きずっていた時代だったノダ。たとえば、近所でお祭りがあると、決まって傷痍軍人の姿があったものだし…(今の人は、傷痍軍人なんて言っても分からんだろうなぁ…)。

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時代を遡り、1960年代の新宿駅西口に、「ションベン横丁」という一角があった。文字通り、ヨッパライがアルコールの勢いに任せて、辺り構わず道端にションベンを垂れ流していたことで有名になった飲食街である。また、暗い事件が多発した時代でもあった。こうしたことも、45年前に戻りたくない、理由の一つなのでR。以下、「スミカスミレ」の第一話から…。

 お前の望みは何だ?

如月澄 大学に通いたかった…。もっと、勉強したかった…。

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 それだけか?

 恋をしてみたかった…。青春を楽しみたかった…。

 もっとだ、もっと、望みを言え!

 わたしは…、人生を…、やり直したい…。

 承知した

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人生は片道切符、後戻りはできないノダ。特に若い人は精一杯、一度切りの人生を生きていって欲しい。

海老蔵の今
拙稿「都議選の陰にネオコン」を先日アップしたが、亀さんの本文よりも【追報】で紹介した、渡辺正次郎氏の以下の記事に関心が集まったようだ。
巨大スクープ①!安倍総理、政権を麻生太郎副総理に禅譲決意!!北鮮の血を引く進次郎厚相などあり得まえせん!!

そこで、本稿では渡辺氏の別の最新記事を取り上げてみたい。
海老蔵クン、自称霊能者に頼るな!!私が力に!!「殴られてふた皮剥けて海老飛翔」。海老蔵くん、お詫びに力になる。

■海老蔵の今
麻央さんが6月22日に逝去してから、今日で二週間以上が過ぎた。仕事に追われていたこともあり、海老蔵のその後を追っていなかったのだが、最愛の妻を亡くしたことで、海老蔵は一皮も二皮も剝けた歌舞伎役者になるだろうと、漠然と思っていた。しかし、芸能情報では日本でも五指に入る、渡辺氏の以下の記述を読み、海老蔵の今に一抹の不安を感じた。

 気丈に振る舞ってきた海老蔵だが、麻央さんの密葬が営まれた26日前後から、自身にも変化が現れているのだ。

 こうした変化について精神科医で日向野クリニック院長の日向野春総氏は「喪失感」を挙げる。

 「闘病生活の長さにかかわらず、大切な人を失うと喪失感が生まれる。そして、それが『なぜ自分がこんな思いをしなければならないのか』という怒りに変わる。アルコールなどに逃げるケースもあるが、一番いいのは泣くこと。海老蔵さんも会見で涙を流したことはよかった」

 ただし、危険なのはこれからだという。「生活上、うまくいかないことや、これまでと違うことが出てくるようになり、それがうつへとつながっていく」

 その期間は「人それぞれだが、1週間から10日で出てくる」。症状は「頭の回転が悪くなり、集中できなかったり、記憶力が落ちたりする」とされる。海老蔵も次の舞台の台本がなかなか頭に入らないとブログでつづっているが、日向野氏は「兆候かもしれない」と危惧する。


大歌舞伎役者になるか、あるいは消えていくかの瀬戸際に、今の海老蔵は立たされている。そうした中、救いの手を差し伸べた渡辺氏の気持ちが、何等かの形で海老蔵に伝わればと切に願う。

■関東連合
海老蔵と言えば、読者は2010年11月25日未明、麻布の会員制バーで起きた、「市川海老蔵暴行事件」を覚えているだろうか。このあたりの経緯は以下の記事に詳しい。
市川海老蔵の暴行事件の真相に迫る!

当初、警察もマスコミも、海老蔵に怪我を負わせた犯人を割り出せなかったのだが、やがて犯人が出頭してきた。「関東連合」傘下のスペクターの頭・伊藤リオンである。実は、独自のルートで犯人を割り出した渡辺氏は激怒し、以下のように認めたのであった。

「伊藤リオン、出頭せいッ!匿っている暴力団も許さん!!」
関東連合創設者・初代最高顧問・渡辺正次郎


こうした渡辺正次郎の人物は、拙稿「芸能人、ヤクザ、政治家は弱い者イジメが大好き」に詳しいので、関心のある読者は一読していただきたい。また、渡辺氏が関東連合を創設し、初代最高顧問に就いた経緯が、同書に詳述されているので、関心のある読者は同書を手に取ってみるといいだろう。

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■『空海に教わる親子学』
上記の渡辺氏の最新記事を読み、ハッとしたのが以下の記述だ。

空海の幼名は『眞魚(まお)』です。発音は麻央さんと同じですね。“運命”だと思われたのでは。。。そして、あなたの友人が西麻布に開店させたお寿司屋に、あなたが「眞魚」と名付けたことを知って、やはり…と。


上記の渡辺氏の指摘で、空海の幼名である眞魚と、麻央さんのよみが同じであることに、今頃になって気づいたという次第である。その渡辺氏は『空海に教わる親子学』を著しており、亀さんは同書を入手している。菩提寺が真言宗智山派であることも、同書を入手した理由の一つだったが、『空海に教わる親子学』は積ん読のまま…、折を見て、読み進めてみよう。

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■残された二人の幼子
拙稿「悲喜こもごも」にも書いたことだが、他人事ながら残された麗禾ちゃん(五歳)、そして勧玄君(四歳)のことが気になる。それだけに、以下の渡辺氏の言葉に温もりを感じた。

海老蔵くんは歌舞伎界の至宝です。背負う物は重いです。しかも二人のお子さんもまだ幼い。どうしていいか判らない。。。お子さんで困ることはあなたのお母さん、麻央ちゃんのお母様に遠慮なく頼ることです。

 自分一人で背負うなど無理です。


そして、海老蔵のブログに子を思う父親の心境が赤裸々に綴られているとあり、胸を打たれた亀さんであった。

 26日には、日本テレビで放送された追悼特番を見ながら「まお、あいたい、あいたいよ」とぽつり。さらには長男の勸玄くん(4)が朝、突然泣き出すなど、母親を失ったことに傷ついていることに途方に暮れる心境も明かしている。



米朝もし戦わば
現在、福岡県と大分県に跨がり、数十年に一度という集中豪雨が襲っている。そして、10名の同朋の安否が不明と言うことであり、亡くなられた方もおられるという。ここに、心より哀悼の意を表したい。

さて、日本の大手マスコミは報じていないものの、米朝戦争の開戦の恐れが、日に日に高まっていると、一部の中小メディアで報じられるようになった。たとえば、「Electronic Journal」誌、「米朝もし戦えば1時間で反撃封殺」(EJ第4525号)」と題する記事を公開している。そこで、先ほどサーッと流し読みしてみたが、残念な点が二点あった。

軍産複合体の正体に無知
一つは、軍産複合体の正体に同紙が気づいていない点である。たとえば、同記事の以下の行…。

 米国、とくに現在の米政権は「アメリカ・ファースト」を標榜するトランプ政権です。当然のことながら「米国は多数の自国民が北朝鮮の核・ミサイルによって死ぬ事態だけは、断じて避けなければならない」と強く考えています。


確かに、トランプは「アメリカ・ファースト」を、前面に押し出している大統領である。そして、「米国は多数の自国民が北朝鮮の核・ミサイルによって死ぬ事態だけは、断じて避けなければならない」と、トランプが強く思っているのも本当だろう。しかし、トランプのコントロールの及ばない、軍産複合体の先兵がネオコン(戦争屋)なのであり、そのネオコンと対峙しているのが、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ陣営なのだ。換言すれば、米国は目に見えぬ第二次南北戦争の真っ只中にある。

ともあれ、戦争屋の背後にいる軍産複合体の〝産〟は多国籍企業であり、国家を超えた存在である。だから、極論すれば、仮に北朝鮮がICBM(大陸間弾道弾)の開発に成功し、何等かのきっかけで米朝戦争となり、ICBMが米国本土の上空で炸裂したらどうなるか? それでも、大勢の米国市民が死のうが死ぬまいが、連中にとっては痛くも痒くもないのである(実は、スーツケースに入るていどの大きさの核爆弾が、既に米国本土の至る所にある。だから、ICBMを開発するまでもないのが本当のところだ。金正恩が核ボタンを押すだけで米朝戦争の決着がつく)。このあたりについて疑問に思う向きは、『横田めぐみさんと金正恩』(飯山一郎 三五館)のp.67、「金正恩の超小型水爆とは?」を参照されたい。また、軍産複合体の一角をなす多国籍企業については、拙稿「時代を見抜く目」でも紹介した、『国際寡占体制と世界経済』(岩城淳子 御茶の水書房)に目を通すといいだろう。。

繰り返しになるが、軍産複合体の〝産〟は、多国籍企業と言い換えてもよく、その多国籍企業は国家を乗り越えた存在である点、改めて思い致すべきである。この視点が、残念ながら「Electronic Journal」誌には欠けている。

■米軍を圧倒する中露の軍事力に無知
もう一点、「Electronic Journal」誌に欠けているのが、現今の米軍力の実態である。確かに、1991年12月にソ連が崩壊した時点なら、米軍は世界でナンバーワン、圧倒的な軍事力を誇っていた。しかし、その軍事力に胡座をかき、金儲けに目がくらんだ軍産複合体が、高額であるのにも拘わらず、ほとんど使い物にならない武器を他国に押しつけて金儲けをしている間、今や中露は愚か、北朝鮮+瀋陽軍区にすら歯が立たないまでに堕落し切ってしまった。そのあたりを把握していない「Electronic Journal」誌は、以下のように書いている。

米朝もし戦わば「1時間で平壌制圧」/元海自司令官ら断言
『週刊文春』5月18日号


このようなことを平気で書くのも、「元海自司令ら官ら」という人たちの言葉を、「Electronic Journal」誌が鵜呑みにしているためだ。その「元海自司令ら官ら」の一人が、元自衛艦隊司令官の香田洋二氏だ。多分、元自衛艦隊司令官が断言するのだから、本当だろうと普通は思うかもしれないが、分かる人が読めば、そもそもネオコンの太鼓持ちである文春に、そのような記事が載っている裏が読めるのである。ともあれ、この元自衛艦隊司令官殿、何にも分かっちゃいない。ブログ『文殊菩薩』の記事「中国版GPSシステム「北斗」」を例に挙げるまでもなく、今や中露と比べて米国の軍事技術は、中露のそれと比較して、遙かに後れを取っているのが本当のところだ。

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ここで、他のメディアに目を転じてみるに、なかには北朝鮮情報についての素晴らしい記事を多く出しているメディアもある。埼玉県川越市に本社を置く「行政調査新聞」だ。この行政調査新聞、大手メディアも含め、日本語のメディアで最も真実に近い、北朝鮮についての報道をしていると断言しても差し支えないと思う。その行政調査新聞、ここ数ヶ月にわたり、「米朝開戦が近い」と警鐘を鳴らし続けてきた。例えば、二日前の7月4日に発行された記事に目を通していただきたい。
7月末「第二次朝鮮戦争勃発」は確定か?

そして、以下の記述に目が釘付けになるはずだ。

事前に何らかの「通告」が行われ、それに基づいて戦争が開始される。通告は来週中――「100日期限」の7月10日から14日の間だろう。そして、そのまま戦争が始まるとしたら、それは7月末になると考えられる。


『行政調査新聞』は、北朝鮮の背後に瀋陽軍区が控えていること。そして瀋陽軍区と北朝鮮は一体であることを正確に見抜いている。同紙は過去においても多くの北朝鮮関連の記事を発表、どれもこれも優れた記事内容であり、それだけに北朝鮮の政治・軍事事情についての多くを、亀さんは同紙から学んだ。

しかし、最近の同紙は目が曇っている。そう思う理由は、「Electronic Journal」誌同様、〝国家を超えた多国籍企業=軍産複合体〟の正体、そして中露はおろか、北朝鮮+瀋陽軍区の軍事力が、米軍のそれを遙かに凌駕している現実に気づいていないからだ。

最後に、ブログ『文殊菩薩』の以下の記事、じっくりと目を通していただきたい。
フィリピンは中国と共同でISISを掃討

そして、同記事の結語に注目だ。

もしかすると、フィリピン籍のコンテナ船と米軍のイージス艦の衝突はISIS占拠へのフィリピン人の沈黙の抗議だったのかもしれない。


このあたりについては読者のご想像に任せるが、いずれにしても、コンテナ船と衝突したくらいで使い物にならなくなるだけでなく、同艦の乗組員7人が行方不明という有様…。これが米軍の〝誇る〟イージス艦なのかと思った読者が多かったはずだ。他の米軍の戦闘機や軍艦も推して知るべし。

結論として、『文春』が書いている「米朝もし戦わば1時間で平壌制圧」は、「米朝もし戦わば1時間で米軍艦隊は海の藻屑」が正しい。

人生如白駒過隙
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中国の古典の格言の一つに、「人生如白駒過隙」(人生は白駒の隙を過ぐるが如し)というのがある。意味するところは、人生とは戸の隙間から白馬が走りすぎるのを見るが如く、ほんの一瞬のことにすぎないといったほどの意味だ。今から四半世紀前の四十代に突入した頃、思うところがあって中国古典の通信教育を受け、その後は主な中国古典を次々と読破した。そして、まさに中国古典は格言の宝庫だと思ったし、中には、脳裏から離れなくなった格言も多い。そうした格言の一つが、主題の「人生如白駒過隙」であった。ふと、同格言についての記事を書こうと思い立ち、出典について書こうとしたのだが、どの中国古典が出典だったか思い出せなかったのである。確か、孟子か荘子あたりだったかな…、と記憶をまさぐりつつネットで検索したところ、『十八史略』が出典とあった。『十八史略』と言えば、サラリーマン時代に電車の中で陳舜臣の『十八史略』を通読した、在りし日を思い出す。

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さて、どうして本稿の主題に「人生如白駒過隙」を選んだのかと言うと、二日前、歩いて6分ほどの所にある「おらく」という店で、都内の予備校まで土日も含め、連日頑張って通っていた下の息子に、ご褒美に一杯呑ませてやろう思い、創業以来70年近く暖簾を守り続けてきた同店に入ってみたのである。通っている予備校について、多岐にわたって語る息子の言葉に耳を傾けながら、ふと上記の格言が思い浮かんだのだ。それは、拙稿「人の一生」にも書いたことだが、すでに晩秋真っ只中の亀さんから見て、21歳の息子は一生で最も輝いている夏の季節を迎えたばかりであり、傍から見て眩しかったからだ。やがて予備校の話も一段落し、同店の料理に舌鼓を打ちながら、大学でビジネスについて大いに学び、将来は日本を含めたアジアを拠点に、何等かの起業をしたいという息子に、ロシア・中国を中心に亀さんの体験談を多く語った。殊に、中国では飯山一郎さんや野崎晃市博士が、着々と準備を進めている乳酸菌事業について語って聞かせ、在学中に一度中国に行ってこいと発破をかけた次第である。だから、あと5年ほどは、現役の翻訳者として頑張らねば…。

ところで、今日初めて訪れた「おらく」、この店に来てみようと思ったのは、以下の記事の影響が大きい。
飯能〈おらく〉やきとりに、湯豆腐も。創業70年の居心地いい居酒屋

また、地元であるのにも拘わらず、同店は初めて行く店だったので、行く前に食べログの口コミを読み、ある程度期待して行ったのだが、残念ながら、電通の息がかかってからの食べログ、あまり当てにならないことを痛切した次第である。尤も、ロンドン、ニューヨーク、池袋、お茶の水等で包丁を握っていた亀さんなので、飲食店に対しての評価はやや厳しいところがあるんだが…www。そして、亀さんはモーGⅢなので、量より質を重視しているんだが、息子は質より量を重視する方なので、美味しい美味しいと、大分満足している様子だった(笑)。まぁ、確かに美味くはないけど不味くもない、まぁまぁといったところだった。
「食べログの信頼性が損なわれた理由」/口コミサイトが独立性を保つことの難しさ

【人生如白駒過隙】

人生は、戸の隙間から白馬が走りすぎるのを見るように、ほんの一瞬のことにすぎないという意味。人生の短いことを語ったことばである。宋王朝を創った初代皇帝の太祖が皇帝の位についてから、功臣たちを集め、このことばを引いて、「そちたちもあとはせいぜい人生を楽しむがよい」と語った話が出典。
短い人生をどう過ごすか、これは大問題であるが、参考のため『菜根譚』のアドバイスを紹介しておこう。
「天地は永遠であるが、人生は二度ともどらない。人の寿命はせいぜい百年、あっというまに過ぎ去ってしまう。幸いこの世に生まれたからには、楽しく生きたいと願うばかりでなく、ムダに過ごすことへの恐れをもたなければならない」
楽しく、そして有意義に、ということだ。楽しみのない人生や意味のない人生では、なんのために生まれてきたのかわからない。自分なりにそれを発見したいものである。

『中国古典 一日一言』(守屋洋 PHP文庫)


【グリコのおまけ】
先週の土曜日、BSアサヒの「ザ・インタビュー」で杉田二郎が登場していた。数々の名曲が懐かしく、我が青春時代を思い出した。



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「戦争を知らない子どもたち」17070303.jpg


都議選の陰にネオコン
都議会選で小池百合子の都民ファーストが大躍進し、自民党が歴史的な大敗北をきしてから数日が過ぎた。その間、大手メディアからブログ記事に至るまで、あれこれ目を通してみた。そして分かったことは、ほとんどのマスコミやブロガーの都議選についての記事が、的外れのものばかりという現実だ。その代表例が植草一秀氏の以下のブログ記事…。

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http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/post-1813.html

「ハゲタカファースト」の政治を行っているのが安倍政権、一方で「国民ファースト」の政治を行おうとしているのが、小池百合子率いる都民ファーストの会だと植草氏は主張しているのだが、亀さんは植草氏とは全く逆の見方をする。つまり、「国民ファースト」の政治を行っているのが安倍政権に他ならず、一方で「ハゲタカファースト」の政治を行うとしているのが、小池百合子の都民ファーストの会ということだ。このように、出発点からして相互の認識が根本的に食い違っているため、議論を進めても全く噛み合わないのは目に見えており、これ以上の植草氏への批評は時間の無駄なので止したい。

さて、拙稿「最近のEGボード」で亀さんは以下のように書いた。

今、日本で行われている「オールスター」ゲームは、安倍晋三対ネオコンという、緊迫したゲーム展開になっている。


「国民ファースト」の政治を行っているのが安倍政権、一方で「ハゲタカファースト」の政治を行うとしている小池百合子がネオコンであることを理解しているのは、一部のアラシを除き、EGボードに集う論者くらいしか見当たらないのが現実だ。しかし、なかには都議会選についての卓見を示す記事も、数は少ないものの、確実に存在する。その代表的なものを三本だけ紹介しておこう。

東京都議選:新政党の驚くべき勝利は何を意味するのか?
同記事で注目すべきは以下の結語である。

パブリャチェンコ氏の意見によれば、安倍首相は現状をやりすごすとみている。安倍氏は2021年まで自民党総裁としての政治生命を伸ばすだろう。ロシアにとってこれはおそらく、どちらかといえば良いだろう。安倍首相はロシア政府との良い関係を保つことに尽力し、産業界にロシアに目を向けるよう呼びかけた。そして彼はついに日露間で平和条約を結びたいと考えている。もし安倍氏が現在の地位から去れば、また日本政府はこの問題を長きにわたって後に残すことになるだろう。


この記事の主張は、安倍叩きに血眼になっている人たちには、到底理解できないだろう。ともあれ、安倍首相が首相でいる間に、日露平和条約の締結を切に切望するものである。

小池都知事の急所と安倍政権の「これからの秘策」を明らかにしよう
筆者の高橋洋一氏の場合、ネオコンの存在、すなわち今の日本で激しく火花を散らしている、〝オールスターゲーム〟という認識に欠けているので、亀さんはあまり評価していないのだが、この高橋氏の記事内容については概ね賛成だ。とくに、結語に近い箇所にある、以下の高橋氏の意見は、今後の安倍政権の動きを予測する上で参考になるはずだ。

ここで、反安倍の動きが出るかどうか、ここが正念場である。強い逆風が吹くようであれば、2018年後半での、国民投票と衆院選のダブル選のメインシナリオも変化する可能性も出てくる。

しかし、ここでひとつ釘を刺しておきたいのは、政権に対して逆風を吹かせるにしても、それに政策論が伴うかどうかが重要、ということだ。政策論としては、安倍政権下の雇用環境は歴代政権の中でも最高のパフォーマンスであり、これでは政局を起こそうにも、大義名分が生じない。


東京都はネオコンに完全に支配された (上)
飯山一郎さんの上記の記事を読み、拙稿「フクイチと不正選挙」を思い出した。不正選挙と言えば、「先住民族末裔の反乱」というブログが同テーマについて力を入れており、前回の都知事選についても以下のような記事を書いている。
目を疑いたくなる小池と鳥越の得票配分の見事な一致!

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特に同記事で参考になるのは以下の記述で、今やネット界隈で有名になった上のグラフがどのように広まったのか、その背景が分かって面白い。また、筆者はグラフの背景を説明した後、〝マスコミの印象操作〟についても言及しており、これも参考になるだろう。まさに、日本のマスコミは社会の木鐸どころか、国民を間違った方向に導く〝印象操作屋〟、すなわち社会のゴミ、ネオコンの太鼓持ち、と断言して差し支えないのである。

 この方法はghost ripon さんが考案し、過去の都知事選を事例に用いたものである。これを後に孫崎氏が取り上げたことで、一気にネットで話題となった。これは元々、公表された区割り得票数をもとに重ね合わせる作業を行っているが、この「見かけ」の公表値(相関関係は高いが決定的とはいえない部妙な相関係数)に、一元一次方程式でバイアスを取り除き、相関係数が1.000になる「実体値」に置き換えて比較している。


なお、筆者のブログのカテゴリ、「自民党/民主党」および「不正選挙」は、不正選挙について知る上で役に立つものの、惜しむらくは筆者も安倍首相の肚が分かっていないという点である。

【追報】
渡辺正次郎氏と亀さんの政治認識は大きな隔たりがあるものの、時には優れた情報もある。都議会選についての以下の記事も、小泉親子の肚が分かるので面白い…、いや面黒い。
巨大スクープ①!安倍総理、政権を麻生太郎副総理に禅譲決意!!北鮮の血を引く進次郎厚相などあり得まえせん!!

雑草

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NHKの「100分de名著」で、『維摩経』について一ヶ月にわたり放送していたのだが、維摩と文殊菩薩との間で交わされた問答を中心に、なかなか見応えのある番組であった。殊に、第三回目の放送の主テーマは「空」、その空という概念を誕生させたのが「縁起」、すなわち、大乗仏教で云う、「すべては関係性によって成立している。あらゆる現象は固定的ではなく実態はない」という意味の縁起である。

このあたり、放知技の「乳酸菌・アミノ酸農業を語る」で展開されている〝雑草論〟と結びつくものがある。これは、堺のおっさんの発言を皮切りに、飯山一郎さん、わっぱさんという、三人の論客が雑草についての自説を展開したもので、我々は作物を育てるにあたり、雑草を邪魔者扱いにしているのが普通である。しかし、作物も雑草も分け隔てなく接していこうとする、そうした姿勢こそが空に向けた修行になると思った。このように、従来の「雑草」についての固定概念を取り払うところから、空を理解するための第一歩を踏み出せるのである。
・堺のおっさんの雑草説
・飯山一郎さんの雑草説
・わっぱさんの雑草説

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その空について、維摩と文殊菩薩との間で問答が交わされているのだが、実に為になった。雑草と関連して、殊に亀さんが唸ったのは、「空へと至るために仏教以外の思想・信仰(六十二見=ろくじゅうにけん)から学べ」、と維摩が語る場面であった。つまり、作物と雑草の話ではないが、仏教以外の思想・信仰を排除しない、むしろ、異なる思想・信仰からも積極的に学んでいく姿勢こそ、空を理解するための近道となる。

これ以外にも、維摩と文殊菩薩との間で交わされた問答は、実に深い内容だったが、本稿は雑草が主テーマなので、このあたりで割愛させていただく。なお、本ブログでも、雑草そのものについての記事が数本あるので、関心のある読者に一読いただければ幸いだ。
◆舎人家紋講座19
◆舎人家紋講座20
◆舎人家紋講座21
◆舎人家紋講座22

★「SWITCHインタビュー 達人達」
本当の「雑草魂」とは?

【別報】
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今朝の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(18)


サルマン皇太子の肚
本稿では、副島隆彦の「重たい掲示板」で目にした、二人の人物の支離滅裂な投稿を叩くつもりでいた。その二人の人物とは、[2149]の副島隆彦、そして会員と思われる [2152]の澤田正典という御仁である。

しかし、ここで改めて二人の投稿を読む返すに、どうしようもない投稿なので、敢えて取り上げて叩くまでもないと判断、急遽、ブログ「櫻井ジャーナル」の以下の投稿について、一筆書くことにした。ちなみに、副島隆彦と澤田正典の両氏について、徹底的に叩こうと思っていた投稿内容の一部を、魚拓として本稿の最後に貼り付けておいたので、関心のある読者は一読いただきたい。

さて、ブログ「櫻井ジャーナル」の以下の記事…。
米国はシリアで手先の傭兵集団が敗走、同盟国で国内が不安定化のサウジは武力信仰の危機的状況

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上記の櫻井春彦氏の文章から明らかなことは、櫻井氏はムハンマド・ビン・サルマン皇太子の人物を、全く分かっていないというだけではなく、あれだけ中近東情勢について多くの記事を書いてきたというのに、今日に至っても中近東問題の本質を把握していないという点にある。櫻井氏は以下のように書いた。

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子はネオコンの強い影響下にあり、武力で物事を解決したがる傾向が顕著。


それに対して、亀さんは拙稿「サウジ国王の肚」で、以下の記事を紹介した。
サウジ副皇太子が訪米に出発、トランプ大統領らと会談へ

同記事にある、以下の記述に注目されたい。

声明は公式訪問は16日開始としているが、それ以上の詳細は明らかにしていない。


ここで少し横道に逸れるが、副島隆彦氏のように、「秘密警察=政治・思想警察の長官なる」などと、吹聴するのは馬鹿である何よりの証拠である。一歩譲って、本当に日本の革新勢力(小沢一郎・鳩山由紀夫の路線を引き継ぐ)とやらに、副島が秘密警察の長官就任を依頼されたのだとしても、「秘密警察の長官になる」などとペラペラと喋るものではない。そのような場合は、「秘密警察の長官就任などという依頼は一切ありません」と、嘘を貫き通すのが本当なのだ。

ここで、政事家には嘘が許されるとうことを思い出して欲しい、これこそが、マキャベリズムの真髄の一つに他ならないということを思い出して欲しいのだ。このあたり、副島隆彦と澤田正典のお二人は無論のこと、櫻井氏も分かっていないようだ。この機会に、以下の記事を熟読するようお勧めしたい。
◆2017/04/22(土)2  ほとんどの批判は無益である!
◆2017/04/22(土)  マキャベリスト(政治家)はウソを言う

さて、何故にサルマン国王が、ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子を皇太子に就けたのか? 亀さんが思うに、サウジ国王の肚は、「産油国から投資国へと国のかたちを変え、究極的には世界仮想通貨という第二のFRBを目指す」というところにある。そして、その国王の肚を、サルマン皇太子は確実に引き継いでいる。

【おまけ】
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昭和の原風景
国内外の翻訳会社への請求書を作成し終えた月末の昨日、6月10日に放送されたNHKの番組、「“原爆スラム”と呼ばれた街で」を録画してあったので、さっそく見てみた。

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広島市を流れる太田川の河川敷に、かつて原爆スラムと呼ばれる地区があった。以下は当時の光景だが、思わず自分の子ども時代を思い出した亀さんであった。まさに、そこには、昭和20~30年代の日本の原風景がある。

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当時、亀さん家も日本も貧しかった。しかし、昨日より今日、今日より明日を実感できる時代でもあった。ウィキペディアによれば、日本の高度経済成長期とは、「1954年(昭和29年)12月(日本民主党の第1次鳩山一郎内閣)から1973年(昭和48年)11月(自民党の第2次田中角栄内閣)までの約19年間」とある。つまり、昭和28年生まれの亀さんが、生まれてから成人式を迎える頃までの19年間は、日本の高度成長期とほぼ重なるのである。以下の写真は亀さんだが、就学前の5~6歳の頃だと思うので、昭和33~34年頃のものだ。当時の日本はまさに日の出の勢いだったが、そうした時代の雰囲気が実に良く出ていることから、お気に入りの写真の一枚になっている。

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ところで、番組で最も印象に残ったのが、金子裕子(82歳)さんというお婆さんだ。子育ての真っ最中だった金子さんは、被曝した夫の身体が弱かったため、生活費のほとんどを金子さんが稼ぎ、大勢の子どもたちを育て上げたのだという、長女の直子さんの話によれば、母親の裕子さんは仕事を終えた帰り道、米を一升(約1.5kg)だけ買い、その他に豆腐、さわら一尾を買って持ち帰り、家族全員で一尾の魚を突っついたという思い出話を語ってくれた。一尾の魚を家族全員で突っつきながら食べる…、拙稿「今のわたしがあるのも あなたのおかげです」に書いた、一個の卵を子どもたち全員で分けて食べていた、懐かしい当時のエビソートを思い出した。

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この主食である米だが、亀さん家では放射能まみれのスーパーの米などは買わず、専らぽんぽこ笑店の玄米だけを食している。そのぽんぽこ笑店から、曽我の十郎梅干し、本葛、ねじめびわ茶が届きましたぁ~♪ 感謝感激雨あられ! これで、〝マスマス〟亀さんも健康になるであろう。アレ? これ以上〝元気〟になったら、どうすんべぇ…。

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