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人生は冥土までの暇潰し

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人生は冥土までの暇潰し
亀さんは政治や歴史を主テーマにしたブログを開設しているんだけど、面白くないのか読んでくれる地元の親戚や知人はゼロ。そこで、身近な話題を主テーマに、熊さん八っつぁん的なブログを開設してみた…。
魔性の女
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近所のコンビニへ行き、〝最後〟のビッグコミックを買いに行った。〝最後〟と言うのは、今号を最後に、同誌の購読を止めるつもりで買いに行ったのだ。同誌は一週間も前に発売されていたが、なかなか買いに行く気が起きなかったのである。最近の同誌が、面白くなくなったのが最大の理由であり、姉妹誌のビッグコミックオリジナルも、「あんどーなつ」が突然終わってしまったことから、購読を止めている。爾来、二年近くが経つ。

ところがである、帰宅して同誌に目を通しながら、もうしばらく購読してみようと、気が変わった…。

その理由は幾つかあるんだが、一つは、「荷風になりたい ―不良老人指南―」(原作/倉科遼 作画/ケン月影)の以下のシーンに、グッと来たからだ。

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銀座の女と付き合うに上での大切なこと、まさにその通りだと亀さんも思う。

嘘をつかない
何事も正直に


ところで、この漫画は永井荷風が主人公だが、今東光は以下のように荷風を評している。

荷風は本当に変人だったのか?
よく永井荷風氏のことを、世間では変人とかケチとか言って悪い評判ばかリだが、本当に変人だったのか?
私は永井氏の幅広い教養と、欧米通でありながら、日本の外務省のように欧米崇拝などしないで「我らいかやうに外国の感化を受け候ても要するに日本人たリと申す一事に御座候」とはっきり言う態度に敬服している。ご意見お聞かせ願いたい。

(川崎市高津区パウロ)

まさにその通り。変人で人嫌いでどケチ。ケチを通りこして河内風に言うとどケチ。それでど平で箸にも棒にもかからん人だけれども、しかし教養は和漢洋にわたり、その文章のうまさは素晴らしいものだし、大変なもんだ。あくまでもフランス語はうまく、英語も達者。アメリカヘ行けばすぐアメリカの女と同棲しているし、フランスではフランスの女と同棲してね。“至る所青山あり”で暮らしてるほど語学も達者だけど、日本人の誇りを一歩も崩してない。それでいて日本人が大嫌い。前の質問で言ったあれだよ。嫌いだからこそ愛さずにはいられないんだ。
荷風のそれらの性格を悪いと言っていることがそもそもおかしいんだよ。ケチで変わり者で交際しない……。これを志賀直哉と比べるとよくわかるんだ。志賀って奴は何となく子分をこしらえる。芸術院会員の番人でな。本当にイヤな野郎だよ、閥なんかこしらえて。それで“神様”だとか何とかゴマすられて……。
こんなのに比べたら、イヤな奴は志賀直哉で、潔癖で高潔無比なのはむしろ荷風の方だ。
世間の評判なんてものは、それくらい的を外したでたらめなもんでね。

『最後の極道辻説法』p.117~118


禿同!

その他、今号のビッグコミックは、実に、男女の機微をうまく描いていた。例えば、「黄金のラフ」の以下のシーン…。

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しかし、最も感動したのは、「ゴルゴ13」の以下のシーンだ。これを見て、もうしばらく同誌の購読を継続すると、亀さんは心に決めた。何故か? 直に同号で確認していただきたい。

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【追記】
一年半ほど前になるが、天童竺丸さんが『みち』(2016年1月15日号)の「巻頭言」で、稲村公望さんの「前方後円墳」について取り上げていたことがある。

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今号のビッグコミックの「レインマン」を読んでいたところ、、ナント! あの宗像先生が登場、前方後円墳を取り上げているではないか…。

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安倍晋三のルーツ
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亀さんが安倍晋三の人物を見直すきっかけとなったのは、フクイチ鎮圧に向かって第一歩を踏み出し(「日露新時代へ」)、ネオコンを官邸から追放したからである(「面従腹背」)。そうした偉業を安倍首相がやってのけたというのに、右も左も関係なく安倍叩きに猛り狂っている、マスコミやブロガーばかりが目につくのは何故か(「放射脳!」)?

それは、政官財が依然としてネオコンの支配下にあり、その政官財の御用聞きであるマスコミが、ネオコンの意向に沿った記事を書いたり、報道したりするのは当然のこと。また、安倍叩きで血眼になっているブロガーは、世界が大きく変化しているのに全く気づいておらず、ネオコンの手のひらの上で踊らされているにすぎない。

さて、本稿ではその安倍晋三のルーツについて探ってみよう。最初に、亀さんは「舎人家紋講座」シリーズを、計26回にわたって報告している。
舎人家紋講座1~8
舎人家紋講座9~17
舎人家紋講座18~26

この講座の講師を無償で務めてくれたのは栗原茂さんで、落合莞爾さんに京都皇統の存在を知らしめた人である。そのあたりは以下の飯山一郎さんのページに詳しい。
http://grnba.com/iiyama/html/16EmperorsDeepHist.html

なぜ、家紋なのか? 諺に「氏より育ち」というのがあり、人間を形成するのは家柄よりも、教育や環境であるという意味だ。確かに、人に及ぼす教育や環境の影響が大きいことは認めるが、実は家柄、すなわち家紋(DNA)も、教育・環境と同じくらい、あるいはそれ以上に影響大と亀さんは見ている。このあたりの詳細は、舎人家紋講座1~26を参照していただきたい。

ところで、安倍家の家紋は梶紋である。以下は富士霊園(静岡県小山町)にある安倍家の墓所で撮影されたもの。安倍晋三の父である安倍晋太郎は日頃、「俺は安倍宗任の41代目の末裔だよ」と語っていたという。このあたり、ブロガーが色々と書き立てており、以下はその一例である。尤も、このブロガーさん、安倍首相の人物が解っていないようだ(笑)。だが、安倍晋三に流れる安倍宗任のDNAを考察する上で、足がかりにはなり得よう。
歴史学習妄想メモ【13】●◎一族1000年の野望と復権への執念

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ここで、安倍宗任と関連して、中央日報が以下のような記事を書いている。
安倍日本首相の父親「私は朝鮮人だ」

日本語が支離滅裂なので判読に苦労すると思うが、ここでは安倍家の家政婦だったという、久保ウメさんの以下の発言に注目されたい。

安倍元外相が朝鮮だと言ったが、これは今の北朝鮮ではなく、その北と吉林省の下側にあった渤海


ウメさんの発言の真偽の詮索はともかく、安倍晋三の父方の遠祖である安倍宗任のルーツは、渤海であることを匂わす発言だ。その他、安倍宗任のルーツはアイヌだといった説もあり、今のところ定かではない。

一方、安倍晋三の母・安倍洋子は、昭和の妖怪と言われた岸信介(のぶすけ)の娘である。そして、安倍晋三の母方には、岸信介、佐藤栄作といった、綺羅星の如く高名な政治家の名前が並んでいる。ネット界隈では、岸信介の祖父が北朝鮮の出だといった説が、真しやかに流れてるが、以下の一連の家系図を眺めれば判るように、出鱈目である。ちなみに、岸信介および佐藤栄作兄弟の祖父は、佐藤信彦(漢学者)。
http://episode.kingendaikeizu.net/7.htm

ところで、最近になって驚愕すべき新説が登場した。それは、掲示板「放知技」の「吠えるE爺と 燃える同志たちの闘議場 -26-」で、【日本国は今も田布施の国】という飯山一郎さんの秘史シリーズである。
【日本国は今も田布施の国】 -5- 「国家存亡の危機には 強力な指導者が必要」
【日本国は今も田布施の国】 -4- 「政体も東京皇室の閨閥」
【日本国は今も田布施の国】 -3- 「天皇は雲上人であるべし!と思う安倍晋三」
【日本国は今も田布施の国】 -2- 「東京皇室を“指導”する家系」
【日本国は今も田布施の国】 -1- 『安倍晋三は,三菱の人間』

特に、「東京皇室を“指導”する家系」という文言に目を剥いた読者が少なくないはずだ。なぜなら、この文言は皇室よりも安倍家の方が、家格が〝上〟であることを意味するからである。ともあれ、この文言も含め、驚愕した読者に対しては、最初に飯山史観に取り組むことをお勧めしたい。その意味で、拙稿「青州で思ふ」を一読していただければ、飯山史観の概要が得られるはずだ。
青州で思ふ(6)
青州で思ふ(5)
青州で思ふ(4)
青州で思ふ(3)

【追報】
安倍宗任と安倍晋三
安倍宗任の子孫

亀とアルコール
一昨日の5月27日、飯能市の主催するツーデーマーチ10kmコースを歩いてきた。掲示板「放知技」の同志7名が集まってくれ、実に充実した一日を過ごせた。当日の思い出だけでも沢山の記事が書けそうだが、取り敢えずは最初の一発といこう。続稿は気が向いたら書こうと思っている。なお、参加してくれた同志の一人、てくのぱぱさんがツーデーマーチの報告を書いてくれたので、詳しくは以下を参照していただきたい。
飯能新緑ツーデーマーチに参加した

道中、同志の一人一人と多くを語り合った。たとえば、てくのぱぱさんとも多岐にわたり語り合っているが、てくのぱぱさんも見たという、TVドラマ「スミカスミレ」が話題になった。そして、亀さんは同ドラマに惹かれた理由について以下のように説明している。

TVドラマ「スミカスミレ」を見てからというもの、亀さんは45年という時間を常に意識するようになった。45年前といえば、日本を飛び立った年だ。それだからというわけでもないんだが、何故か今年は人生二度目の旅立ちの年になりそうな予感がする。
旅立ち


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同じレストランで働いていた日本人の女の子と(1972年5月)


ここまで書いて思い出したんだが、亀さんは参加者の一人、八戸の高橋さんに対して以下のように忠告した。

飯山さんのHPや亀さんのブログばかり読んでいると、●●になるで…!


●●の答えは本稿の最後で確認してもらうとして、亀さんが「●●になる」と、幾度も繰り返すモンだから、移住希望のお母ちゃんが呆れ顔で、「しつこいなぁ、モー」。これで思い出したのが、TVドラマ「スミカスミレ」の以下のシーンだ。

大学を卒業し、希望していた映画会社に就職した如月すみれ(桐谷美玲)、ある日、会社の先輩に合コンに誘われる。そして、ナント男性側の一人に、元恋人だった真白勇征(町田啓太)が…

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すっかり動乱してしまったすみれに、真白と辻井の先輩が質問してきた

先輩 真白と辻井は、どんなだったの、如月さん?

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すみれ 真白くんは、いつだって一所懸命で、誠実で、人の痛みがわかる人でした。ですから、ゼミのみなさんから慕われていて…、

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ここで、すみれは焼酎をゴクリ。

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すみれ 一所懸命ですし、誠実ですし、人の痛みがわかる人で…。

黒い服の女性が話を遮り…

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先輩の友人 同じことを繰り返しているけど?


移住希望のお母ちゃん、飲みすぎですた。同じことの繰り返し、スミマセン m(._.)m

【答え】
●●=skivvy

【別報】
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昨日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(14)。

自衛隊明記
今年の憲法記念日の翌日、亀さんは以下の記事を書いた。
首相の戦略と戦術

同記事のなかで、安倍首相のビデオメッセージを紹介しているが、安倍首相が自衛隊について言及していたのが印象に残る。

9条の1項と2項を維持し,自衛隊の存在を明記する。


それに対して、世間ではどう反応したか? そのあたりは以下のページが参考になる。
安倍首相が提案した「憲法9条への自衛隊明記による加憲案」、上々の評価を得ていることが各世論調査で明らかに

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亀さんは基本的に、上記のページの内容に同意するものである。なお、敬愛する今東光和尚も、自衛隊について多くを語っているが、そうした発言の一部を、拙稿「和尚の自衛隊観 6」で紹介している。

自衛隊は憲法違反だとか、税金の何だのとバカなことぬかしている奴らこそ、オレらの税金の中でのたのたと暮らしているのかと思うと、もう腹が立って「くたばれ!」と言いたくなるんだ。無駄飯食いは死んでもらいたいよ。


自衛隊と云えば、清水精一三部シリーズで紹介した『サンカとともに 大地に生きる』(河出書房新社)に、山窩という集団に存在する〝自衛隊〟について、以下のような記述があった。

最も健康体のものは小屋の中でゴロゴロ遊んで過ごすときがある。すこぶる不生産なことだが一朝事の起こったとき闘争の第一線に立って自己の団体を防禦するのである。そう起るものでは無いがそうした時もある。陸海軍の如きもこれを生産関係だけから見ればすこぶる不生産のようにみえるが、一朝事のある時最も大切なものであるように、乞食の集団にもこうした存在が必要とされているのである。地上にそうした必要もない世界まで浄化されねばと思うが、なかなか求めても無理なものであろう。したがって陸海軍の軍人に等しき役目に当たるものはあまり多く物貰いに出ないのであり、出てもあまり効果はないのである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.161


一ヶ月ほど前、弟が所沢の駅前で、「戦争反対、自衛隊反対」と叫ぶデモ隊に遭遇した時、面と向かって「お前ら阿呆か」と怒鳴ったという話をしてくれた。胸のすく思いであった。

【連絡 1】
放知技にも書きましたが、本日ツーデーマーチが開催されます。参加者の皆さん、よろしくお願いいたします。
第15回 飯能新緑ツーデーマーチ

【連絡 2】
まほろば会の那岐一堯さん、お問い合わせの件、回答が遅くなり申し訳ありません。話題に出た暴走族・関東連合を昭和47年、警視庁交通執行課と共に創立した初代最高顧問、渡辺正次郎のブログは以下のとおりです。
正次郎のNewsToday

関東連合設立の経緯は、同氏の近著に詳しく書かれています。
http://toneri2672.blog.fc2.com/blog-entry-927.html

月刊日本に期待する
掲示板「放知技」の読者であれば、個人差こそあれ、テレビや新聞の嘘報道が手に取るように解るはずだ。左の朝日新聞、〝中立〟のNHK、右の産経新聞に至るまで、判で押したように森友問題や加計問題で馬鹿騒ぎをしているのも、ネオコンに首根っこを押さえられているからに他ならない。だが、一連の騒動は安倍政権を倒すためにネオコンが仕組んだ、日本版カラー革命の一環であることに気づけば、騒動の背景が透けて見えてこよう。

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一方、そのネオコンと対峙姿勢を鮮明に打ち出しているのは、月刊日本とレコンキスタくらいしか亀さんは思い浮かばないのだが、その両誌ですら、最近は流れの本質を見失いかけているのが気になるところだ。ここで、安倍政権が発足した当時の月刊日本に掲載された、「安倍新政権の憂鬱」という特集を改めて再読してみたが、今でも胸を打つのが同誌の発行人である、南丘喜八郎さんの憂国の情に溢れる檄文だ。

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それからしばらく、南丘さんは安倍首相に期待をよせる檄文を書き続けていたのだが、いつしか批判する側に回るようになった。当時は亀さんも安倍晋三の人物を見誤っていたこともあり、南丘さんの檄文(巻頭言)に同調していたが、昨秋トランプが当選、さらには今年のトランプ・安倍の日米首脳会談に至り、亀さんの安倍晋三観は激変した。

以下は2014年2月11日付けの「ロシアの声」(現スプートニク)の記事だが、ロシアとウクライナの間で起きた紛争を理由に、ウクライナ側に立つ西側諸国の首脳が雁首を揃えて、2月7日のソチ・オリンピック開会式をボイコットした中、一人、安倍首相のみが出席したのを覚えている読者も多いと思う。爾来、亀さんの頭の中では安倍首相に対して「?」が浮かぶようになった。(〝武装勢力〟によってクリミアの地方政府庁舎と議会が占拠されたのは、20日後の2月27日)
安倍首相のソチ訪問、首相の立場強化にロシアは歓迎

その後、西側とロシアの関係が一層冷え切っていくなか、安倍首相はプーチンとの会談を続行、先月のモスクワにおけるプーチンとの対談を以て、17回目を迎えるに至っている(拙稿「日露新時代へ」参照)。

長い間にわたり、亀さんは安倍首相がプーチンとの対談を続ける背景が、なかなか読めなかったのだが、それが漸く分かりかけてきたのは、トランプが大統領に当選したあたりで、今年の2月11日の日米首脳会談に至っては確信に変わった。

しかし、南丘さんは最新号(六月号)の以下の巻頭言からも分かるように、未だに安倍首相の人物を見抜けていない。これは、周囲に反安倍派が多いため、やむを得ず反安倍のポーズを取っているのか、あるいは、本当に気づいていないのかのいずれかと思うが、このあたりは意見の分かれるところだ。

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いずれにせよ、月刊日本は日本語のメディアでは少数派となる、反ネオコンの立場を貫く希有なオピニオン誌であるだけに、一刻も早く、本当の安倍晋三の人物を捉えて欲しいと、切に願う。

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竹中平蔵とはさみは使いよう
昨日の掲示板「放知技」で展開された、飯山一郎さんの安倍晋三論は重要なので、「竹中平蔵とはさみは使いよう」と題して筆を進めたい。

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数日前、『月刊日本』(六月号)が届いた。幾本かあった特集の中で、亀さんは「郵便局はアメリカに奪われた」に注目した。この特集では稲村公望さんの他、あの植草一秀氏も寄稿していた。森友学園問題で猛り狂っている今の植草氏からは、想像もできないほど正鵠を射た主張で、郵政民営化を推し進めた小泉政権の正体を正確に捉えている点、流石と思った次第である(赤線)。

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以下は昨日の飯山一郎さんの投稿だが、小泉政権と郵政民営化については、飯山一郎さんも植草氏と同意見であることがわかる(青線)。

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http://grnba.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16117851

だが、月刊日本や植草氏の主張と、飯山さんの主張が一致しているのは、そこまでである。月刊日本は以下のように主張する(赤線)。

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つまり、「民主党が郵政民営化に歯止めをかけたものの、政権交代で安倍政権が再び郵政民営化を推し進めるようになった」と、月刊日本は主張しているのだ。表層的には、確かに月刊日本の言う通りだし、そのように思うのも無理もない。しかし、この点で飯山さんの見解は大きく異なってくる(民主党について言及した青線の最終行)。

その上で、飯山さんは以下のように主張した(赤線)。

安倍晋三は,竹中平蔵を取り込むことによって,偽ユダヤ資本をコントロールしているワケで…

偽ユダヤ資本にコントロールされた小泉純一郎とは,真逆の政治運営をしている.


なぜ、こうも両者の見解が異なるのか? それは、政治家としての安倍晋三を正確に捉えているかどうかの差なのである。飯山さんが安倍晋三の人物を見抜けたのも、過去の安倍晋三の言動を徹底的に調べ、慎重に考察を重ねてきたからこそである(紫線)。

安倍晋三のヤリ方は,日本国にとっては革命的です」という結論にいたるわけなのだ。


トランプ当選以降、殊に2月11日に行われたトランプ・安倍の日米首脳会談前後から、亀さんは安倍晋三の人物の再評価という作業の必要性に迫られ、手透きの時に過去の安倍晋三の言動を独自に再確認してきたが、「なるほど、そうだったのか…」と、気づかされ、驚かされる毎日であった。

それにしても、安倍晋三という人物の持つ器は、計り知れぬものがある。そして、それを見抜いた飯山さんも凄い。

最近のEGボード
掲示板「放知技」の「吠えるEGと 燃える同志たちの議場」(EGボード)というスレッド、最近の流れが大変素晴らしい。飯山一郎さんと堺のおっさんが中心となって同スレを引っ張っているが、ここに至って、亀さんはmespesadoさんと猿都瑠さんの投稿にも注目している。

たとえば、最新のEGボードの投稿だけに限っても、mespesadoさんの以下の優れたインテリジェンス(分析)に目を見張った。確かに、右よりの人たちは中国や南北朝鮮を憎んでいるし、一方で左よりの人たちは安倍首相を憎んでいる…。では、アラシを除いた、EGボードの一般の投稿者はと言うと、「ココの板の人は、ネオコンを憎んでいる」と、mespesadoさんはサラリと言ってのける。思わず膝を打った亀さんであった。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16117851/44/

なお、mespesadoさんの上記の投稿に対して、飯山さんが以下の補足を加えていたので、これも参照されたい。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16117851/45/

次に猿都瑠さん、政治をオールスター(野球)と類比した、以下のアナロジーはお見事の一言!

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16117851/148/

この「オールスター」という類似こそ、われわれが政治を見る時に不可欠な視点である。この視点を身につければ、例えば雑誌などでよく目にする、「~せよ」や「~すべき」といった、「べき論」の阿呆らしさが透けて見えてくるはずだ。観客の一人に過ぎないのに、バッターに対して「ホームランを打て」だの、ピッチャーに対して「三振を取れ」だのと叫んでいる言論人が多い今日、嗤うほかはない。

今、日本で行われている「オールスター」ゲームは、安倍晋三対ネオコンという、緊迫したゲーム展開になっている。放知技の観客であれば、どちらのチームを応援するべきかは、言わずもがなだろう。

シング
拙稿「寅さんのことば 51」で亀さんは、十代の頃にニューヨークのレストランでバイトをしていた体験談を披露している。

1972年の年末と言えば、亀さんは半年ほどかけて中南米を放浪、そのため所持金が底を尽きかけ、日本に帰る飛行機代すら無くなっていた頃だ。だから、慌ててメキシコシティからニューヨーク行きの飛行機に飛び乗り、何とかニューヨーク空港の税関を突破して、日本人の無銭旅行者が巣喰っていると言われていた、マンハッタンはバンコホテルという所に潜り込み、仕事を探して帰国する資金を稼ごうと思っていたんだ。

だから、飛行機がニューヨークに着き、税関の係員に入国目的を拙い英語で伝えたんだが、万一仕事が目的で入国すると知れたら、即入国を拒否されるのが目に見えていたから、もう必死だった。幸い(?)、亀さんの思いが伝わったのかどうかは知らないが、最後には係員が3ヶ月の入国ビザをポンと押してくれた時、心の中で思わず〝万歳!〟と叫んだもんだよ。

そしてバンコホテルに無事に着き、その日から職探しが始まったのだが、所得金も確か2~3万円しか残っていなかったもんだから、一日でも早く仕事にありつけないことには、帰国はおろか、ニューヨークで路上生活者しなければならなくなる。だから、亀さんの生涯の中で、あの時ほど必死に生きたことは無かったと思う。その後の続きはドラマチックな展開になるんだが、別の機会に書こう。


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1972年冬のある日、バンコホテルで


旧ブログにも書いた。

中南米を半年ほど放浪した頃、旅行資金も底をつきはじめたので、メキシコシティから一路ニューヨークへ飛んだ。ちょうどクリスマス前だったため、寒空の下でマンハッタンに点在する日本料理店を一軒一軒回って仕事を探したことになる。当時、一週間が過ぎてもなかなか仕事が見つからず大変焦ったものだが、今では懐かしい想い出だ。そして、確か8日目だっただろうか、その日も1日歩き回ったのに成果がなく、がっかりしてホテルに戻ろうとした帰り道、たまたま「江戸」という看板の日本レストランが目に入ったので寄ってみた。すると、メガネをかけたインテリ風の支配人が「あっ、ちょうどいい。在ニューヨークの日本人向けにおせち料理を作っているんだが、人手が足りない。早速頼むよ!」と言うではないか。その支配人の言葉を耳にした時は咄嗟に言葉が出ず、頷くのがやっとだった。結局、その日本レストランでは8ヶ月ほど働き、かなりの旅行資金を貯めた。その後、2ヶ月弱アメリカとカナダを長距離バスで一周し、続いてサンフランシスコで1年半ほど大学生活を送り、日本に帰国している。
日本脱藩のすすめ


江戸レストランで働き始めた最初の3ヶ月ほどは、無銭旅行者の日本人の若者が屯するバンコホテルに住んでいたのだが、レストランで働いていた他の無銭旅行者が辞め、レストランの屋根裏のベッドが一人分空いたことから、今度は亀さんがそのベッドで寝起きをすることになった。宿代が浮いたこともあり、大変嬉しかったのを今でも覚えている。その後は同レストランを辞める8月頃まで、亀さんの屋根裏生活が続いたのである。

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屋根裏生活が始まって間もなく、毎朝ラジオから決まった時間に、心地よい歌声が聞こえてくるようになった。後で知ったのだが、カーペンターズの「シング」であった。ウィキペディアで確認したところ、「シング」がレコード化されたのが1973年とあり、発売されて間もなくの「シング」が毎朝耳に聞こえてくる頃、亀さんは目を覚まし、寝ぼけ眼で仕事に取りかかっていたのだ。だから、今でも「シング」を耳にすると、あの懐かしい江戸レストランでの日々を思い出す…。

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日本人が愛したカーペンターズ~天才兄妹秘められた物語」NHK「アナザーストーリーズ」

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すみれ 沢山あるんです、思い残してきたことが…。

千明 え?

すみれ  これまでの、65年間の人生のなかで…。だけど、どれだけ思い残しても、時間は戻せない。今の自分を嘆いていても仕方がないって諦めて…。そのうちに、思い残しているという気持ちにフタをして、目を向けないようにして、生きてきたんです。

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すみれ だから、もし奇跡が起きて、時間が戻せるなら、今度は、ゼッタイに後悔しないように、自分の思うように生きてみようって思ったんです。
お節介爺さんと婆さん


亀さんの場合、我が青春で思い残してきたことは、ない。



清水精一に学ぶ
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三部シリーズとして、「清水精一の人生」で求道一筋だった清水師の人生を述べ、「清水精一と山窩」で山窩が清水の生き方に与えた影響を述べた。最終稿である本稿「清水精一に学ぶ」では、激変する世界情勢を意識しつつ、我々はどう生きていくべきかについて、清水の著した『サンカとともに 大地に生きる』(清水精一 河出書房新社)、そして同書を通じて知り得た清水の生き方をヒントに、激動の世界を我々が生きていく上での一つの羅針盤を示すことで、清水精一シリーズの終わりとしたい。

■自然界
前稿の「清水精一と山窩」で、亀さんは以下のように書いた。

プーチン大統領と安倍首相がフクイチ事故後の処理に乗り出すということが明らかになった。よって、現在は静かに成り行きを見守っているところだが、実際にロシアと日本がフクイチ事故処理に乗り出すまで、日本が持つかどうかという一抹の不安が残る。


2011年3月11日の東日本大震災によって起きたフクイチ事故、6年以上も経った今日に至っても尚、の放射性物質が日本列島に降り注いでいる…。そのため、この列島の住民全員が体内に放射性物質を蓄積、深刻な内部被曝を患うようになったのだが、そうした症状が今後は一層目に見える形となって現れるだろう。ここで、最悪のシナリオを想定しておこう。ロシアと日本がフクイチ鎮圧に乗り出す前に、首都圏が麻痺した場合はどうするべきなのか? それを考えるにあたって、『サンカとともに 大地に生きる』にあった以下の記述を引用しておきたい。

真実を求める道に志さずとも、お前のような原始的生活に這入るならば、それは何人も生物としての生命は維持され得るが、しかし現代人の胃袋は飯を食わねばならぬ。飯を食う生活である。しかし飯を食わねば生きて行けないと定めているところに食えぬ悩みの原因があると思う。
『サンカとともに 大地に生きる』p.74


これは、清水が二年近く深山に籠もっていた頃の話で、第9章「山に籠りて」からの引用だ。最悪の事態に陥れば、スーパーで食料を買うこともできなくなくなる。それでも、人間は飯を食わねば生きていけぬ。よって、ここで考えなければならぬことは、そうした最悪の事態に陥った場合、自分、そして家族の食べる分くらいは自身で作っていく他はないということだ。そうしたことを考えると、今、最も注目するべきは掲示板「放知技」で展開されている、「乳酸菌・アミノ酸農業を語る」というスレッドだ。このスレッドは必見である。何故なら、同スレッドを立ち上げた堺のおっさんをはじめ、常連の投稿者の農についての卓見が素晴らしいからだ。最悪の事態を想定し、かつ人は食わねば生きていけぬということを考えれば、、同スレッドを熟読して自らも農を実践していくべきである。

以下、『サンカとともに 大地に生きる』からの引用が続くが、興味がない方は飛ばしていただいて結構だ。しかし、スレッド「乳酸菌・アミノ酸農業を語る」で、積極的に発言を行っている土に生きる堺のおっさんをはじめ、わっぱさん、小ボンボンさん、河内のおんなさん、岐阜 中野さんらを念頭に置きつつ、敢えて紹介させていただく。

百姓は仕事そのものが座禅である。いらいらしたからとて決して仕事が出来るものではない。どっかりと土に座った心持ちになって行かなくては土の声を通じて自然の妙に触れることが出来ないのである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.229


ドストエフスキーは、人間は裸になって、土の上にごろりと寝ながら、土に接吻の出来るほどの親しみを感じないものは真の芸術を語る資格がないと語っている。
『サンカとともに 大地に生きる』p.231


そもそも地上において絶対信ずべきものは土以外になかろう。その信ずべき土にどっかりと座る行を打ち立てたいのである。土のこころをこころとする生活は、人間のこころへ還ることなのである。吾々は一切をこころから出発したいのである。今日の世は、都会人は土を知らない。また農村人は土の中にいながら真実の土のこころを知らないのである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.235


土は一切を育てる根元である。その精神こそ農を基本とした日本精神であると思う。私は日本精神は日本さえ都合がよければいいと思うようなものでは絶対ないと信じる。
『サンカとともに 大地に生きる』p.235


■人間界
ここで、「乳酸菌・アミノ酸農業を語る」が自然界を対象にしたスレッドであるとすれば、同掲示板で人間界を対象にした代表的なスレッドこそが、「吠えるE爺と 燃える同志たちの闘議場」に他ならない。以下は、二年近くに及んだ山籠もりから、人間界に下ることを決断した清水の言葉である。

私は自然界よりさらに人間界においてその調和を一層味わいたい。人の真只中でひとしおの愛と喜びの世界を味得したい。そうした思いが日一日と強まり、ついに私は秋来たりさらに秋を迎えて新緑に美しい山を後に飜然として下りることにした。
『サンカとともに 大地に生きる』p.86


この機会に是非、「吠えるE爺と 燃える同志たちの闘議場」を覗き、激変する世の荒波を泳いでいく上での羅針盤としていただきたい。

■結語
以下は、清水が山窩の根城を初めて訪れた日、帰り道に山窩の子どもが街まで送ってくれた時の清水とのやり取りで、ここに、現代人と山窩の違いを見る。

おいネス(ネスとは一般人を呼ぶ符牒である)さんあれ見んか、よいお月さんや。皓々と冴えている月を指すのである。冬の月は鋭いほど冴えている。悠々と月を観賞するこの余裕には、私の心を潤おしてくれる充分なものがあった。この頃の都会人には、大人としてもそうした心にはなり得ないだろう。百軒長屋の焦々しい生活からこうした自然人に触れて私はますます考えさせられたのである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.113


清水精一と山窩
前稿で「清水精一の人生」を書いた。清水の歩みを大雑把だが、一応は掴んでいただけたのではと思う。本稿「清水精一と山窩」では、山窩と三年半にわたって生活をともにした清水が、具体的に何を山窩から学んだのか、換言すれば、山窩が清水の物の見方・考え方に、どのような影響をもたらしたかについて簡単に述べておきたい。

最初に、『サンカとともに 大地に生きる』(清水精一 河出書房新社)の解説で、磯川全次氏が述べているように、同書で山窩と行動をともにしたことについて述べているのは、第12章の「乞食(行乞)」、第13章の「乞食の群れにて」、そして第14章の「青天人」の三つの章である。「第12~14章が一番面白かった」と、同書を再読した磯川氏が述べていたが、同感である。関心のある読者は同書に直接目を通していただくとして、三角寛といった、山窩との生活を体験していない者たちに多く見受けられる、外から見た表層的な山窩像とは異なり、清水のそれは山窩の内奥に食い込み、しかも三年半も山窩との生活を通じて得た、本物の山窩像である点、三角らの山窩像とは大きく違うのである。

ここで、人によっては山窩は異民族であると主張している者がいる。日本人と中国人の場合であれば、確かに互いに異民族同士であり、言葉も違えば、物の見方・考え方も大きく異なってくるのは、当然の話である。では、清水は山窩を異民族の集団と考えていたのだろうかという点については、『サンカとともに 大地に生きる』に以下のような記述があるので紹介したい。

山窩は民族的なものか、境遇的なものかと言うと、私は民族的なものでなくて、境遇的なものであると思うが、甚だしく民族的の色彩が濃厚なものである。これを分類すると種々あるが、大別し二大系統とすることが出来る。一つは山を根拠として来たもの、即ち山林生活者をしたもので、今一つは河海の辺りを根拠としたものである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.137


つまり、清水は日本人も山窩も同じ民族だと言っているわけで、その点は亀さんも基本的に同感である。そして、日本人と山窩を分けているものこそ、境遇の違いという清水の主張に同意するものである。ここで、「境遇の違い」と亀さんは書いたが、この境遇の違いについては、実際に山窩との生活を実体験した者でなければ、真に山窩の心を理解することは不可能だと、同書を紐解きながら亀さんは直感的に思った。そのあたりを明瞭に述べた清水の言葉を以下に引用しておこう。

すべてのものには、頭で考えて解ることと、行じて初めて解ることとの二つがあると思う。水の冷たさはいかに頭脳で考えても解らぬことだ。それはどうしても飲むという行を通さねば解らないことである。真実解らないものまでも解らないままに概念知として無理矢理に詰め込む。たださえ整理せねばならぬ頭脳へ、整理を待つ暇もなく詰め込まねばならぬ。ついには耐えきれなくなって神経衰弱症などに陥るのである。そこに私は無理があると思う。熱い、冷たいという根本の観念さえしっかりとしておけばそれからはものに触れ、行を通じて真に解ってゆけると思う。余計なものは害にこそなれ、吾らを生かすに何ら役立つべきものはない。
『サンカとともに 大地に生きる』p.38


これは正に、不立文字の真髄を述べた行である。換言すれば、山窩と実際に生活をともにすることで、初めて山窩というものが〝身体で解る〟のだと思うし、文字で伝えるのは不可能とすら思えるのだ。しかし、そう書いてしまっては身も蓋もないので、同書に登場する一人の人物を簡単に描写しておくことで、山窩の実像の一端を見ていただこう。その人物とは、清水が属していた山窩集団の仲間の一人で、「紀州」と呼ばれていた老人である。第14章「青天人」に登場している。その紀州翁を師と仰ぎ、親とも思っていた清水が学んだものは、紀州の生き様そのものであった。特に亀さんが紀州の生き様で印象に残ったものが、天と地についての考え方である。長くなるが、以下の引用に目を通していただきたい。

紀州は決して小屋の中では寝ない。いつも大空を戴いて土の上へそのまま寝る。そしてこの大きな空を味わえ。土の温かいことを味得せよなどと云ってくれた。ある朝である。冬の始めの頃であったが、例の如く裸身のままで土の上へごろりと寝ているのである。そして蓆(むしろ)を被っていた。蓆は霜さえ積んでいる。私は驚いて、紀州冷たいことはないかい、と心配すると、寝たまま蓆をまくして、大地が冷たいなどと言うているものにどうして大地の温かみが解るかい。この頃の奴らは言葉ではいろいろ言うが、土の温かみを知らないで天地間の温かみが解るものでない。天地の温かみの解らないものは人間の温かみをも知れたものでない、と呵々大笑しているのであった。私はその言葉に打たれた。大地の温かみ、天地の広い恵みを味わい得たものには小さい小屋などは問題でないのであろう。

いつも紀州は帽子も笠も冠らない。そして夏の炎天下でもそのままでいる。紀州暑いだろうと云うと、お天道さんと仲よしじゃと笑っている。太陽と仲よしでいる境涯などは実に大きいものだ。大空を帽子に、大地を布団に敷く。天地そのままを自分のものにしている紀州であった。

『サンカとともに 大地に生きる』p.191


大空を帽子に、大地を布団に敷く」という紀州翁の生活…、実は2年前の亀さんは最悪の事態を想定し、万一の場合に備えて『冒険手帳』という本を入手している。その後、神計らいか、最悪の事態を迎えることなく今日に至っているわけだが、仮に今日明日にも最悪の事態を迎えることになったとしても大丈夫なように、サバイバルしていくための心の準備はできており、いつでも必要な行動に移せるように、サバイバルに必要な物は常時手許に置いてある。なお、『冒険手帳』については以下で紹介していたので、関心のある読者は参照していただきたい。
飯山一郎の“新日本建国神話”

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その後に至ってフクイチを取り巻く状況に変化が生じ、プーチン大統領と安倍首相がフクイチ事故後の処理に乗り出すということが明らかになった。よって、現在は静かに成り行きを見守っているところだが、実際にロシアと日本がフクイチ事故処理に乗り出すまで、日本が持つかどうかという一抹の不安が残る。

次回は最終稿の「清水精一に学ぶ」をお届けする予定。

清水精一の人生
拙稿「山窩と生きる」で紹介した、『サンカとともに 大地に生きる』(清水精一 河出書房新社)を読了した。己れ自身の人生について、深く考えさせられ.る本であった。ここで、読後感を書きたいと思うが、どうにも本稿だけでは収まりそうにない。よって、以下のように本稿を含め、三稿に分けたいと思う。

清水精一の人生
清水精一と山窩
清水精一に学ぶ


上記の三部シリーズで取り上げる山窩は、清水精一の目を通して見た山窩なので、本稿では清水の人物についてラフスケッチを試みた。読者に大雑把な清水精一の人物を掴んでいただけたら、次稿の「清水精一と山窩」では、山窩と三年半過ごした清水が何を山窩から学んだか、換言すれば、山窩が清水の物の見方・考え方に、どのような影響をもたらしたかについて示したいと思う。最終稿の「清水精一に学ぶ」では、自動車やパソコンに取り囲まれて暮らす、われわれ現代人には到底理解の及ばぬ、山窩の物の見方・考え方を、どのように今のわれわれの生活に反映できるか、考察してみたいと思っている。

最初に、清水の歩んできた道を一言で言い表すとすれば、「求道」という言葉に尽きると思う。以下、「清水精一師の略歴及び思想の概要」を叩き台に、亀さんなりに清水師の人生のラフスケッチを描いてみた。

清水は明治21年(1888年)、大阪市三島郡(大阪府高槻市)で地主の長男として生を享けた。恵まれた家庭環境の中で育った清水ではあったが、ある日、近所の地主が二名、小作人によって殺害される。自身も地主であった清水の父親は、次は自分の身に及ぶのではと恐れ、逃亡、これが清水の心に深い傷跡を残した。それからの清水は、「人間はいかに生きるべきか」と、道を追い求めて生きていくことになる。

最初、清水の求道は知識の獲得から始まった。京都帝国大学の経済学部で河上肇、続いて哲学科で西田幾多郎に学ぶが、学問で清水にとって納得のいく答えは得られなかった。やがて、清水は酒に溺れるという人生を送るようになる。そんな清水を見かねた父親が、清水に会社を興させ、会社の運営をさせようと試みた。しかし、経世済民を信条とする清水と、金儲けしか頭にない他の役員とは平行線のままに終わり、ついに清水は出資者に会社を追い出されてしまう。

大学で身につけた知識が、まったく役に立たないことを思い知らされた清水は、天龍寺で禅の修行に入る。しかし、結局は煩悩から抜け出すことができず、新たな道を求めて、三年半いた天竜寺を後にした。

次に清水は、二年近く深山に籠もった。しかし、やがて人間への思慕の念を抱くようになり、再び人間(じんかん)に身を投じる決意をするのであった。

山を下りて最初に行ったのが、21日間の断食だった。次に清水は 貧民窟に住むようになる。そこでの清水は、底辺に生きる赤裸々な人間の姿を見た。ある日、一人の乞食の少年と出会い、山窩との交流が始まる。そして、ついには山窩と三年半にわたり、暮らしをともにすることになった。

その後の清水は、山窩の社会同化(トケコミ)を目指し、洗心館、続いて同朋園を立ち上げている。長年にわたり同園の運営に心血を注いだ清水は、五十代の頃、北海道での開拓農耕にも身を投じた。

没年不詳。


清水師の人生については、前述の「清水精一師の略歴及び思想の概要」が詳しいので参照されたい。

ところで、「清水精一師の略歴及び思想の概要」に、以下のような記述がある。

昭和最大の怪物」と呼ばれた大正・昭和期の黒幕的政治家矢次一夫(1899-1983)は清水師を回顧して「僕は色んな人を歴訪して教えを乞うた中では、この人が一番偉いという印象を受けたことを今も忘れません」と語っている。

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矢次一夫


次稿「清水精一と山窩」に続く。

【別報】
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昨日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(13)。


共謀罪にYES!
今朝の東京新聞に共謀罪の記事が載った。上段は共謀罪に「NO!」の立場の弁護士、下段は共謀罪に「YES!」の立場の元警察庁長官・国松孝次氏である。二年前の亀さんであったら、「言論統制から投獄拷問の時代へ」という記事を書いたほどなので、無条件に上段の共謀罪に「NO!」の弁護士を応援していたことだろう。だが、今や下段の国松氏の共謀罪に「YES!」を全面的に支持するものである。

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何故か?

上記の国松氏の意見をじっくりと読んでいただきたい。二年前の亀さんは気がつかなかったのだが、小林多喜二の時の戦前と今とでは、状況が全く違う(赤線)。加えて、共謀罪の成立が絶対に必要であると気づいたのだ(青線)。

以下をじっくりと熟読あれ。

ロシア,自民党の「共謀罪」法案を全面支持!
なぜ日本人は反テロ法に横断幕を持って街頭に出るまで反対するのか?

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16057898/670/

今春、京都の大学を卒業し、就職した上の息子が久しぶりに帰省したので、ささやかな入社の祝杯を近所の居酒屋で上げた。ちょうど予備校から戻ってきた下の息子も誘い、二人と近所の居酒屋で呑んだのだが、二人とは個別に呑んだことはあったものの、二人と一緒に居酒屋で呑むのは初めての体験であった。

若い二人の会話に耳を傾けながら、脳裏に浮かんだのが「親」という言葉である。ビッグコミックオリジナルで、「あんどーなつ」という漫画が連載されたことがあるが、「親」というテーマで記憶に残るシーンが以下で、登場する二人は主人公である安藤奈津の祖父母だ。

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あんどーなつ―江戸和菓子職人物語 (3) p.118

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拙稿「施設で育った私」で、「人間が真に独り立ちするのは28歳前後」という説を紹介したことがあるが、自分の若い頃を振り返るに、確かにその通りだと思う。だから、下の息子が28歳前後に達するまでの5~6年は、現役の翻訳者で頑張らねばと、つくづく思った一日だった。

放射脳!
掲示板「放知技」で、飯山一郎さんが以下のような投稿を行っている。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16090538/694/

■内部被曝の顕在化
ここで、「脳神経細胞の物理的破壊にあるのではないか?」という記述に注目されたい。

ここ数ヶ月にわたり、急に知識人の知的劣化ぶりが目立つようになったことに気づき、これは、フクイチ(福島第一原子力発電所)から、過去6年以上も日本列島を覆ってきた死の放射性物質が体内に蓄積、深刻な内部被曝による症状が目に見える形となって現れるようになったのではと思い、亀さんは「放射脳?」と題する記事を1ヶ月前に書いた。

その後、さらに多くの知識人の知的劣化ぶりをじっくりと観察することで、やはり知的劣化の最大の原因はフクイチであると、ここに至って確信したのである。だから、本稿の題を「放射脳」としたのも、そのためだ。最も分かりやすい例が、金玉満堂こと木枯らし紋次郎さんである。わずか9ヶ月前に亀さんは、「平成の木枯らし紋次郎、参上!」という記事を書いている。ここで、彼は亀さんなんか足下にも及ばぬ、実に秀でた知性の持ち主であった、と過去形で木枯らし紋次郎さんを形容しなければならないのは哀しいことだが、最近とみに多く見受けられるようになった、知識人の知的劣化の典型例を木枯らし紋次郎さんに見る。

■ルサンチマン
次に、知識人の知的劣化で他に考えられる原因の一つに、ルサンチマンがある。ルサンチマンについては、ウィキペディアの「ルサンチマン」の解説が分かりやすい。

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リテラ

最近、産経新聞からリテラや日刊ゲンダイに至るまで、右も左も関係なく安倍首相に対する〝批判〟が凄まじいのだが、同様な現象が「放知技」の嘗ての常連さんにも多く見受けられるようになった。例として、新井信介氏を挙げてみよう。上記のウィキペディアの解説に、ルサンチマン知識人は「陰謀論や急進主義、刹那主義や否認主義」に陥っていると書かれているが、安倍首相のことを「デンデン」だのと、新井氏の好悪剥き出しの人格を貶めるような書き方、「新世代王族」などと、ありもしない幻の組織を頑なに信じるという新井氏の陰謀論に、ルサンチマンの典型例を見る。例えば、以下の新井氏の記事の見出しを一瞥しただけで、国際政治の理解度ゼロ(正恩クン、トランプにロックオンされちゃったよ)と分かるし、また、己れを生み育んでくれた国の首相のみならず、デンデンには関係のない安倍昭恵夫人までも一緒くたにして、「デンデン夫婦」と人格を貶めるような書き方をするあたり、新井氏の末期症状ぶりが分かるのである。
正恩クン、トランプにロックオンされちゃったよ。どうする?デンデン夫婦や葛西組もかな。

まともな神経の持ち主であれば、このような文を目にすれば唖然とする他はない。無論、こうした傾向は新井信介氏だけに限らず、副島隆彦、植草一秀、カレイドスコープといった、本を著したり有料メルマガを発行している人たちにも顕著な点である。

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放知技にも、でんでんと叫ぶ〝とち狂った〟輩が一匹…(嗤)

■大局観ゼロ
内部被曝とルサンチマン以外に、大局観ゼロという点が考えられる。安倍叩きをやっている人たちは、例外なく安倍首相の肚、すなわちネオコンを官邸から追放したという事実、日本の最大の問題であるフクイチについて、プーチンと取り組むことを正式に決定した事実も知らない。だから、一事が万事、プーチンや安倍首相の肚が全く読めなくなっているのだ。例えば新井氏のように、「正恩クン、トランプにロックオンされちゃったよ」などと、正しく国際情勢の流れを把握している人たちから見れば、「阿呆か!」と言う他はないのである。そうした輩が国際情勢を正しく理解し、本物の大局観を身につけようにも、深刻な内部被曝に自身も含め日本列島の住民全員が罹っていること、そしてルサンチマンから抜け出すことが不可能なレベルにまで陥っていることを考えれば、国際情勢についての間違った見方・考え方を抱えたまま、一生を終えるであろうことは想像に難くない。

■太鼓持ち
ここで、改めて拙稿「放射脳?」に目を通していただきたい。佐藤優氏について亀さんは言及しているが、同記事を書いた時点では、佐藤氏は未だ内部被曝の影響が出ているようには見えなかったし、かと言ってルサンチマンでもない。だが、「シリア政府軍が自国民にサリンを撒いた」と、公の前で断言したことが強く印象に残るのだ。大局観ゼロぶりもはなはだしいものがあり、これだけの頭脳の持ち主が、どうして間違った大局観を身につけてしまったのだろうかと、なんとも不思議でならなかったのだが、「佐藤優は二年前にモサドと契約を交わし、情報提供者になった」ということを聞くに及んで、ようやく納得できた次第である。しかし、見方を変えれば、モサドがどのように日本をミスリードしたいのかということが、佐藤優氏の記事や本を読めば自ずと分かってくるので、ある意味で同氏は貴重な存在だと云えよう。

翻って、知識人でもない亀さんのような一般庶民はどーするべきか? 最も大切なことは、怠ることなく内部被曝への免疫力の向上に努めることである。亀さんのように普段は仕事に追われ、本を読む時間的な余裕があまりない場合でも、「放知技」を丹念に読み、そこで紹介された書籍に目を通すことで、だんだんと本物の大局観が身につくものである。やがて、真に安倍首相の肚を理解できるレベルに至れば、自ずと未来に希望を見い出せよう。

絶食青年
最近入手した『サンカとともに 大地に生きる』の第10章、「断食」を興味深く読んだ。以下、同章の一部を引用しておこう。

 食うことを罪悪とするとき、食は取れないのである。ついに食を断つほかないのであった。食はなかったというより食えなかったのである。一日一日してついに二十一日の食を断ったのであった。三日や五日はこれまでも時々食を断った事があるが、二十日を超えた断食はその時が初めてであった。
食欲の強いことはこれまでいろいろの機会に物語った。しかし本当に食欲の真味を会得したのは今回が初めであるような気もするのであった。一日二日はさほどにもないが、早や三日にもなると耐え得られないのである。朝を迎えるとお茶漬の声すらどこからともなく聞こえて来るような気がする。咽喉がゴロゴロ鳴って来る。口には唾液が充ちて来る。食欲というものは単に口だけで求めるものではない。胃や腸のみで求めるのでもない。咽喉も肌も指先にも求めるようにさえ思われるのである。鮨や握り飯を食うには箸を用いずして指でつまんで食う方がさらに美味さを感ずるのであるが、これは指先の食欲を満たすからであろう。私はむしろ身体が食欲の塊であるようにさえ感じられた。そうして十四五日もすると不思議にも食欲を感じない。胃腸は麻痺したのである。私はその時麻痺を真実と誤認したのであった。人問は時々麻痺を真実と誤認する陥し穴に陥るものである。私は、吾世に勝てりと思った。この分で行くならば昔の仙人のように霞を吸って生きて行ける。と飛んでもない世界へと堕ちて行くのである。
私はその時久米の仙人を聯想するのであった。久米の仙人は通力を得て天上したという。雲の上を悠々と逍遥していたところが雲の隙間からちらと見えた美しい女性の脛に蹉いて雲を踏みはずして顚落したと伝えられている。私はかつて大和の国の久米寺でその顚落の場所と云うのを見たが、この所が女難の場所であったのかと思い興深く感じたことがある。仙人は雲の上を走っている者が多い。地から足を離した時そのままが顚落である。私はその久米の仙人に等しきことを食の上に経験したのである。霧や霞を吸って生きて行ける筈であった仙人は恥かしいことに一つの団子を見て顚落したのであった。ちょうど断食二十一日目のことであった。本願堂の御本尊の忌日にでも当たるのであろう。どこの老婆か知らないが、湯気の立っている美味しそうな団子を持って来たのである。しばらく麻痺していた食欲はにわかに起った。美味しそうな団子からは湯気がぽつぽつと立っている。見るから食いたくなるのだと眼を閉じても駄目である。眼を閉ざせばかえって幾百とも知れぬ団子が瞼のうちに拡がる。見ても食いたい。見なくても食いたい。食欲の本能はいずれにもかかわらないで私を圧倒した。
こうしたときに私の内面には相反する二大本能が闘争する。「お前は食うことが罪悪と知り、その罪を超えんとして食を断ったのではないか。それに何と弱いお前ではないか、団子くらいにフラフラするとは何事だ。強くなれ強くなれ」と云う。すると反対にまた「食いたいものは食ってよいではないか、早く食え早く食え」と云う。しかし私はフト気付いた時は、すでに一つの団子が舌の上に乗せられていたのである。私はいつ指で掴んで口に入れたのか、その意識すら無かった。所詮は食わずにおれぬ自分なのである。
食うことが罪悪と知りながらも、食わずにおれぬ、それが人間の姿であろう。自分に食えと持って来られたのであれば格別である。しかも御本尊に供えられたものすら横取りして食ってしまった自分である。生を得んとして得ず、死を得んとして得ず、と悲歎された古聖もあった。もっともっと練らねばならぬと心を静めようとしてもそれすら得られない。「定水を凝らすといえども色浪しきりに動く」のである。私の断食はこれで終ったのであった。

『サンカとともに 大地に生きる』p.89~90


清水精一師の21日間の断食というのも凄いが、世の中、上には上がいるものだ。ナント、二倍近くの40日間もの断食に成功した人物がいる。ぽんぽこ笑店の絶食青年である。絶食青年については、以下の記事が詳しい。
飯山一郎:本日より3日間の絶食

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草むしりに精を出す絶食青年

ちなみに、絶食青年は●絶食青年のブログ●というブログを立ち上げており、また、「絶食笑店はにわ☆のストア」という自前の店も、アマゾンにオープンしている。

明治の絶食青年が清水精一師なら、ぽんぽこ笑店の青年こそ平成の絶食青年、いや、絶食青年中の絶食青年だ。青年よ、荒野をめざす前に、絶食をめざせ!

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『追記』
『サンカとともに 大地に生きる』に登場するスケベーな仙人については、以下の拙稿を参照のこと。
夢の蕭白(しょうはく)

ここで、スケベーの意味が分からない読者は、以下の拙稿を参照のこと。
skivvy

受験は博奕
先月下旬に弟が久しぶりに顔を出し、世界の政治・経済について多くを語り合った。話が一段落した後、いつものように賭博や任侠の世界について、あれこれ語り合っていると、予備校での授業を終えた息子が戻ってきた。彼は高校を卒業して数年、社会人としての生活を体験していく中で、自分が学びたい学問を見出し、大学への進学を決めている。その息子も交えて、大学受験について多くを語り合ったのだが、弟から色々と面黒い話を聞いたので一部を紹介しておこう。

弟の末娘は現役で都内の私立大学に合格している。世界情勢戦略誌『みち』の発行人、藤原源太郎さんの母校である。彼女はそろそろ受験勉強を始めなければということで、高校三年生の夏に予備校を探していたところ、ある予備校の窓口担当者に、「無料にするので、私どもの学校の受講生になってください」と話をもちかけられ、通うことにしたのだという。無料になるカラクリは、東進を叩き続けているMy News Japanの記事に詳しく、例えば以下の最新記事の場合、東進という予備校の舞台裏を暴露している。
現役東大特進スタッフが解説 “デキる生徒のためにデキない生徒がカネを払う”東進の低偏差値生搾取のカラクリ――「塾としてどうなのか?と、正直思います」

ちなみに、弟の末娘が通った予備校は東進ではない。

また、受験生である亀さんの息子に弟がしてくれたアドバイスも、実践的なものであった。たとえば…。

受験テクニックに徹せよ
弟に云わせれば、予備校は学問を学んだり、勉強の基礎を身につけたりする場ではない。徹底的に受験テクニックを身につける場だとのことで、まさにその通りだと思った。

山を張れ
ギャンブル人生を送ってきた弟らしいアドバイスである。たとえば、弟の末娘は日本史を受験科目に選んでいるが、弟は過去の出題傾向を分析し、末娘の受験の年は明治維新について出題される可能性大と睨み、徹底的に明治維新についてやらせたという。そして、弟の勘が的中、彼女は見事に合格を果たしている。


一通り当世の受験事情を語った後、弟がポツリと言った。「大学なんか行く価値は無いんだけどね…」、亀さんも即、「その通り!」と同意した。息子は、ただただ苦笑するのみ…(笑)。

現在、『サンカとともに 大地に生きる』を読み進めているが、同書を著した清水精一の小伝ページに以下のような記述がある。

1906(明治39)頃  18歳頃

   創立間もない京都帝国大学に入学。

   自分が迷いから抜け出せないのは知識が不足しているせいであろう、疑問の解決にはやはり
   知識を求める以外にないのではないかと考え、知識を獲得するために大学に進んだ。
   人類の生命が正しく生かされるためにはまず経済の根本の解明が不可欠であると考えて
   経済学部に入学。マルクス経済学者河上肇に学ぶ。
   しかし知識の道はそれが深くなればなる程、迷いもまた深くなった。
   「いかに生きるべきか」の根本問題はいよいよ深刻さを増すばかりであった。

1910(明治43)頃  22歳頃

   経済学のみではものの判断がはっきりしないと考えて哲学科に再入学。京都学派の創始者
   西田幾多郎に学ぶ。しかしながら満足は得られず、益々分からなくなった。
   「知識の世界は無明の迷いの世界であり、智慧の世界に入らなければ光明の安心は無い」、
   というのが仏教の教えであるが、当時はまだそういうことは分からなかったため大いに煩悶した。

   次第にデカダン生活へと流れて行った。
   酒を飲んで誤魔化す逃避の日々が続いた。
   酒に浸っていなければ生きて行けないほどの苦しさが半年程続いた。
   後日清水師は「何回か自殺も企てた」と回想しておられるが、それはこの頃のことであろうか。

清水精一師の略歴及び思想の概要

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河上肇(左)と西田幾多郎(右)


清水18~22歳の頃の話だが、その年齢に相当する息子も、彼なりの考えで大学への進学を決めたのだろう。今後、どのような道を歩むのかは分からないが、親として見守りつつ、陰ながら応援していきたい。

【別報】
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昨日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(12)。


山窩と生きる
過日、掲示板「放知技」で山窩が話題になり、亀さんも以下のような投稿を行っている。

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http://grnba.bbs.fc2.com/reply/16090538/378/

投稿にもあるように、山窩との生活を実際に体験したという、清水精一の人物に関心を持ち、投稿後、早速オンラインで『サンカとともに 大地に生きる』を取り寄せた。だが、来週の木曜日に仕事の締め切りが迫っていたこともあり、最初は寝る前に華奴をあおりながら、のんびりと読み進めるつもりでいた。ところが、だんだんと同書に引き込まれていく自分がいたのである。なぜか? 上の投稿にもあるように、今までに山窩に関する本を多く読んできた亀さんなのだが、考えてみれば、山窩と生活をともにした人物の本は、未だかつて読んだことがない。だから、同書の腰巻きの赤大文字が目に飛び込んできた時は、「本当だった!」と興奮したものである。

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亀さんの場合、本を読むときは最初に前書きと後書きに目を通し、それから目次に移り、気になる章や節にだけ目を通すというケースが多いのだが、同書に限っては、本文の冒頭(以下)を目にした瞬間、じっくりと目を通すことにした決めたのである。だから、山窩との生活について述べた章(同書第12~14章)には、未だ目を通していないのだが、敢えて未読の書の書評を試みたい。なお、全章を読了した暁には、読後感として改めて記事にしたいと思っている。

人間はこうして地上に生まれて来ている。この私の根本的なやむにやまれぬ欲求は生きんとすることであって、地上はそうした者同士の集団である。その集団の中に我々が自己を生かさんとする時、他人の清明を踏み躙ってゆかねばならぬ場合やその事実に直面するのであって、その中におりつつ自己を生かさんとすることはなかなか難しいことである。
『サンカとともに 大地に生きる』p.9


巻末にある礫川全次氏の解説のページで、古道具屋「宝珠庵」というホームページの存在を知り、清水精一についてのページがあるということで、早速アクセスしている。以下にリンクを示すので、関心のある読者は目を通してみるといいだろう。
清水精一師の略歴及び思想の概要
清水精一師について

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清水精一

また、「宝珠庵」には店主の筆によるものと思われる、コラム「真 善 美」というコーナーがあり、月一本のペースで森羅万象にわたる記事を書いておられるようだ。短文だが、読み応えのある記事が多い、というのが第一印象である。たとえば、「ミツバチ」、「任侠」などの記事が目を引く。

これから、山窩の実際の生活を知ることができると思うとワクワクするが、さらに、今という時代を生きる身として、今こそ読まねばならぬ本であると、直感的に悟った次第である。以下は、腰巻きにある谷川健一氏の推薦の辞。

苦労する青年がつかみとった、
大地に生きる
乞食サンカの教え。
これは先の見えない
今の時代にこそ
読まれるべき、魂の書である。


洞察歯観のすすめ(22)
時々仕事の手を休めてテレビをつけると、行楽地の様子が映し出されるのを見て、「あっ、今は五月連休か…」と思い出す。そんな折、歯科&音楽ウォッチャーさんから連休中の便りが届いた。

今回は歯科&音楽ウォッチャーさんの洞察歯観をフルに発揮した、ヒラリー・クリントンの症状に関する貴重な内容となっている。

それから、クシュナー。一昨日、「クシュナーの正体」を発表したが、翌々日はスプートニク紙が、「危険な関係 トランプ大統領の娘婿がソロス氏のビジネスパートナーと判明」を発表、さらに歯科&音楽ウォッチャーさんも、ヒラリーと並行してクシュナーを取り上げた…。早速目を通してみよう。

ーーゴールデンウイーク、真っ只中ーー

信州は善光寺にて、学校出てからウン十年ぶりに幼馴染と再会。善光寺から、小布施町~中野市~飯山市へと足を伸ばし、桜を楽しんでは珈琲店をハシゴして、夜は幼馴染の家に一泊。思い出話に花を咲かせ飲み明かしました。思い出話が一段落したところで、酔いの回った幼馴染が、
「アメリカのトランプは、出だしは勢いがあったが、最近はあんまり、あんべぇー良くねぇーナァ!」
と言い出しました。
なるほど・・・言われてみれば、米国・大統領、ドナルド・トランプ!?
「We`re An American Band!(アメリカン・バンド)」とばかり、頼もしくも骨太な音を響かせていたものが、これがまた、どうしたわけか・・・「ハバナギラ」を歌っている・・・今日この頃!!
気まぐれなのか。それとも、リップサービス?
なにやら心境変化が起きて、音楽路線変更。それとも、降圧剤服用で情緒不安定なのだろうか?と、ついつい気に掛かります・・・トランプの血圧もジェットコースターのように急降下、急上昇を繰り返しているのかもしれません。

ところで、ドナルドのライバルだったヒラリー・クリントンは、トンとご無沙汰。
---連休が始まる前日のこと---
「ヒラりん・・・最近ニュース、聞かないよねぇ~。どうしたの、政治家やめちゃったのかなぁ~」
「そうだよねェー。どうしちゃったんだろうねェー?あの人って、糖尿病かなんかじゃなかった・・・」
事務所のデスクワーク女子たちが雑談中に、ヒラリークリントンの噂をしておりました。
雑談に加わって暫く噂話を聞いているうちに、ふと、思い出したことがありました。 確か、一年近く前のこと。
ネット上、暇つぶしサーフィンしておりましたら、大口を開いたヒラリーの写真にぶち当たり、何気なく眺めていたところ、なんだか違和感を覚え・・・なんだろうかと思いを巡らせている間に、ホンダラ営業屋たちが集まりスチャラカ宴会が始まってしまい、その後、ヒラりんの大口フォトのことはすっかり忘れていたのですが・・・。
その忘れていた違和感がデスクワーク女子たちの噂話を聞いているうちに思い出し、とは言え、一年前の酔っ払った記憶をなんとか手繰り、寄せて上げて!のことなので鮮明なものではありません・・・・。

大口・ヒラりんの口腔内は、上顎、白く輝くセラミックのマージャンパイが綺麗なアーチをえがいて並んでいたはずなのですが、一年ほど前に見たフォトは、上顎右側1番から6番まで、パーシャル・デンチャー(局部義歯=自分の歯が1本でも残っているときに、残っている歯にクラスプと呼ばれるバネのような留め金を引っ掛けることで固定する、部分的な入れ歯)になっており、これは、おそらく、レジン床義歯(床部分がレジン=プラステックで作られている)。その上、留め金部分は銀色に光って見えるワイヤークラスプ。
歯頸部・歯肉の色、かたちは左側とは異なるもので、何らかの治療を進めており、仮義歯(一時的に入れる仮の入れ歯)状態にしているのかと思いましたが、しかし、大事な大統領選の真っ最中。仮義歯の状態で大聴衆を前に熱弁ふるう表情をカメラアップで捉えられたら、上顎、正中ラインから左右の歯肉の色違いが映し出され、大口開いて、ノドちんこで暴言を吐くヒラりんにとっては按配がよくない。せめて、口元だけは毎度、セラミック・スマイルで綺麗に見せておかないと・・・。
ヒラリーの取り巻きや、お抱え医療チームは、チープで見栄えのよくない、レジン床義歯でOKとしたのだろうかと不思議な思いに駆られます。例えば、クラスプ部分を半透明なプラスティック素材を使ったノンクラスプ・デンチャー等、工夫選択できたはず。それをなぜしなかったのだろうか。仮の状態で留め置くしかない、何か特殊な事情でも抱えていたのか・・・。

ーーさて、ここで、ヒラリーの噂話ーー
ヒラリーは、本格的な選挙戦が始まるかなり以前から、体調不良を起こしていたようで、昨年7月 アメリカ次期大統領の健康問題と題してメディアがこの10数年、ヒラリー・クリントンの体調不良や発病リスク。ヒラリーを襲っている病徴と思われるアクシデントを紹介しておりました。
2005年、上院議員の時、バッファロー市で演説中の失神(58歳)。
2009年、イエメンで飛行機搭乗中に失神して転倒、肘を骨折(62歳)。
2012年12月、ウイルス性胃腸炎に伴う脱水症状のため転倒、脳震盪(65歳)。
精密検査で頭部の静脈に血栓が発見されたため、ニューヨーク・プレスビテリアン病院に緊急入院。2013年1月退院。
12月30日、国務省7階で失神して転倒、脳震盪。ニューヨーク・プレスビテリアン病院に緊急入院(66歳)。同病院の心臓専門医は「脳の凝血塊が脳卒中を引き起こすリスクがある。脳静脈洞血栓症の可能性が強い」と診断している。
また、ヒラリーの元秘書によると、
「ヒラリー・クリントンは、失神発作を起こしやすく、血栓ができやすい体質だった」
と発言している。
この他にも、一時的な意識喪失、視力障害も抱えていると伝えるメディアもあり、日常生活も取り巻きの手がなければ、ままならない状態にあったのでしょう。この、心身ともに病魔に魅入られた状態で大統領選に勝利したところで、長続きするはずもなく、また、不出来な影武者たちの使い回しにも限界があり・・・。

ーーと、そこで、トランプ・ファミリーの噂話ーー
トランプの娘、イヴァンカと旦那のジャレッド・クシュナー。
この二人。出会いは、2005年。共通の友人を通して知り合うことになり、急速に恋愛感情がヒートアップ。「恋人よ」と呼び合う仲に・・・その後、宗教上の問題から恋の熱も一時、クールダウン。終焉かと思いきや、イヴァンカとジャレッドの情熱は両家の心を動かし、イヴァンカは、ユダヤ教に改宗し、2009年に結婚。3人の子供に恵まれたとのこと・・・。
ひと目会ったその日から、恋の花咲くこともある!偶然・・の流れだったのでしょうか。二人の結婚は、トランプ家とクシュナー家を結ぶ合弁儀式だったように思われます・・・。
それにしても、イヴァンカとジャレッドが恋仲になった同じ年、ヒラりんが病魔と離れられぬ熱愛関係に陥るとは・・・これも、偶然の流れによる悪戯!

ーー治療不可ーー

ヒラリーが、体調不良続きから発病リスクが高まったのは選挙戦に突入してからのことではなく、長年におけるシュガーブルース(口から始まる病気)の蓄積によるもところが大きく、局部義歯は頻繁に失神、転倒を繰り返すなか、歯牙破折を起こしたのではないかと思いますが、咀嚼能力の著しい低下、味覚障害、発音障害。加えて、歯槽膿漏に思考膿漏!?状態であったのかも知れません。
一年ほど前に目にしたヒラリーの大口フォトは、撮られた時点で既に、治療不可の状態であり、大統領選・本線から外されていたのではないでしょうか・・・。

ーー追記 黒澤映画ーー

このところ、黒澤映画を引っ張り出して鑑賞しております。
志村喬・主演。「生きる」という作品がありますが・・・
物語りも終盤にさし掛かり、喫茶店内での一場面。
階段を一階から二階席へと軽やかに上る女学生(青山京子)と、二階席から一階へと力なく階段を下る初老の男、渡辺(志村僑)が擦れ違うところが、なんとも印象的。
これは、人生の階段をこれから上っていく未来ある女学生(青山京子)と、不治の病にとりつかれ余命いくばくもなく、人生の階段を下り行く初老の男、渡辺(志村喬)が階段上で一瞬、擦れ違うという、人生の上り下りを交差させた場面ですが、
「わしにも、なにかできる・・・」
と呟きながら、力なく階段を下りる渡辺と、ヒラリーが一瞬、ダブって見えました。

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--追記 酒ーー

幼馴染に会いに電車で移動中、これも偶然なのか・・・クレイグ・カピタス(著) 飯島宏(訳)「メタル・トレーダー」を読んでおりました。
メディアのインタビューに一切応じることのない、マーク・リッチの取引活動の背景を探るため、著者は一年間、トレーダー実務に従事しながら多数の業界関係者への取材を試みまとめたものですが、
「キッシンジャーが初めてリッチのオフィスを訪問したのは、1982年初めで・・・」
リッチとキッシンジャーとの関係の一場面は、なかなか興味深く・・・
ついでながら、幼馴染から酒を一本、土産にもらいました。
「この酒は、うまい酒だ。ただ、酒と言わず、さち(幸)と呼んでくれ」
と言うので、本日は、
「さち!を、もう一杯 もう一杯」
いい加減で、酔いが・・何時もより多く回ってます。

今宵の子守唄は、加山雄三・作品を、寺内タケシのギターで!


首相の戦略と戦術
ここに至って、掲示板「放知技」の「吠えるEGと 燃える同志たちの議場」が、〝看板〟通りに「議場」の形を成しつつあり、誠に喜ばしい。たとえば、昨日は憲法記念日だったが、記念日に相応しく憲法を巡る熱い議論が交わされていた。



その切っ掛けとなったのが、上の安倍首相のビデオメッセージである。安倍首相の憲法改正を巡って、どのような議論が「放知技」で交わされたのかについては、実際にアクセスの上、一連の投稿に目を通していただくとして、我々は安倍首相のビデオメッセージに込められた〝戦略〟を正しく理解した上で、次に個人としてどのような貢献ができるのかを見極め、実践していくことが肝心である。この安倍首相の肚にある〝戦略〟だが、以下の記事に目を通すとよいだろう。
安倍晋三が 『本性』を 現した?

ここで、同記事中の以下の記述に注目されたい。

今の日本は,国民が1つにまとまらないといけない!

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国民を一つにまとめる…、これこそが安倍首相の狙い、〝戦略〟である。換言すれば、日本民族の存亡をかけた〝戦略〟であり、国民を一つにまとめることができれば日本は生き、まとめられなければ日本は死ぬ。

その戦略を達成するため、安倍首相は既に幾つかの戦術を実践してきた。たとえば昨日のビデオメッセージで安倍首相は、「9条の1項と2項を維持し,自衛隊の存在を明記する」と表明、これも一つの優れた戦術と云えよう。さらに今後も、幾多もの戦術を駆使していくことで、国民の間に議論を巻き起こし、国を一つにまとめていこうとするはずだ。

微力ながら、亀さんも個人でもできる範囲で、陰ながら首相を応援していく。

【お知らせ】
5月27日(土)に飯能市で開催されるツーデーマーチ、参加希望の読者にお知らせです。飯能市への事前申し込みの締め切り日が、5月15日と迫ってきましたのでお急ぎください。なお、今後のお知らせは、すべて掲示板「放知技」の以下のスレッドで行います。
第15回 飯能新緑ツーデーマーチ

以上

クシュナーの正体
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ブログ『文殊菩薩』に、「謎解き2017年エコノミスト表紙」と題する記事が掲載された。久しぶりに年頭のエコノミスト誌の表紙を目にして、咄嗟に思い出したのが拙稿「トランプ占い(2)」で紹介した、安西正鷹さんのエコノミスト誌の表紙についての見解であった。そこで、この両者の見解を読み比べると、興味深い共通点を見出す読者も少なくないと思う。亀さんは安西さんと野崎晃市博士の両者と、同じ釜の飯を食っていることもあり、時々だが、お二人がダブることがある。それは、二人の顔や雰囲気が似ているということだけではなく、二人の〝宗教性〟にある。安西さんの場合、今回紹介した安西ファイルに登場するアラハバキから分かるように、日本の土着宗教に造詣が深い。一方、野崎博士は筋金入りのキリスト教学者である。だから、宗教性という観点から二人の比較論を書けば、興味深い記事になりそうだ。

ところで、今回の野崎博士の記事にクシュナーが登場している。

1、The Tower(塔)
ロシアの最高裁判所でエホバの証人の活動を禁止する命令が出された(記 事)。左は旧ソ連の旗で、右の十字架はロシア正教を意味し、ロシアでの禁令に一致する。エホバの証人はキリスト教系の宗教団体で、Watch Tower(ものみの塔)と呼ばれる雑誌を発行している。ちなみに、ニューヨークの同教団ビルはトランプの娘婿クシュナーの不動産会社へ売却が決まった。


上記を読み進めながら、拙稿「月刊日本も…」で、クシュナーの人物についての安西評を紹介すると約束したのを思い出した。よって、さっそくクシュナーについて筆を進めよう。先月行われた会合(まほろば会)で、安西さんが解説してくれた主テーマは以下のとおりである。

①イスラエルへの献身的な愛に潜む罠
②第2次河豚計画が実現し始めるのか
③世界平和に向けて行動せよ


クシュナーについて安西さんが言及していたのは、「①イスラエルへの献身的な愛に潜む罠」なのだが、これはトランプのイスラエル人脈についての貴重な記事となっており、そうしたイスラエル人脈の一人として、クシュナーが登場しているわけである。安西さんと野崎博士のクシュナー観、そして飯山一郎さんのクシュナー観を立体的に組み合わせれば、クシュナーの正体に肉薄できよう。

北朝鮮が38度線近くの韓国の村に毒ガスを撒いた残酷な写真を…
いつも一緒にいるイヴァンカ・トランプ親子に見せながら…
「電磁波攻撃で北朝鮮軍を麻痺させれば,2時間で勝負がつきます!」
と,マクマスターとクシュナーに言われ…

残酷な画像を見た愛姫イヴァンカが…
「これ,ヒドすぎるわ! 金正恩は悪魔だわ! パパがヤッつけて!」
と,涙をポロポロ流して,泣きながら,父親のトランプに訴える…

すると,クシュナーが…
「オヤジさん,ヤッちゃいましょ! 日本,韓国,いや世界中が,ナラズ者を処分した偉大な大統領だ!と賞賛します.」 と,ダメ押し.

武力攻撃をヤリたくてたまらない戦争屋


【ポイント】
・商務長官のウィルバー・ロスは、「トランプを借金地獄から救った再建屋」として有名だが、その経歴からロスチャイルドの非嫡出子の一人ではないかと疑われている。
・2016年2月、トランプ大統領は娘のイヴァンカとともに、右翼のユダヤ報道機関「アルゲマイネ」の年次ガラ賞を受賞し、「私たちはイスラエルが大好きです。私たちはイスラエルのために100%、1000%を戦うつもりです。」とスピーチした。
・トランプのユダヤ人に対する異常な愛と人脈は、トランプ家のルーツと、父親のフレッド・トランプの特殊な人脈によって築き上げられた。

・トランプの運営する企業のメイン・バンクはシティバンクグループ。
・瀕死のトランプを救った=トランプの生殺与奪の権を握っていた人間たち、つまり、Ann Lane(シティバンク)、Joe Manganello(バンカース・トラスト)、Peter Ryan(チェースーマンハッタン)。彼らおよび彼らの属する組織こそが、ドナルド・トランプの「ボス」である。これらユダヤ・イスラエル人脈の資金がトランプの危機を救っていた。
・ドナルド・トランプの不動産ビジネスは、父であるフレッド・トランプから引き継いだ。フレッド・トランプの不動産ビジネスとは、ナチスドイツから逃れたユダヤ人資産家たちの資金の隠し場所であった
・トランプのボスにはユダヤ人の超大物であるマーク・リッチがいる。マーク・リッチは自らの部下であるPeter Ryanを通じて、自らのフロント企業であるトランプを監視していた。そして何よりも、トランプのビジネスのもう一つの柱である、カジノビジネスとユダヤ人との関係を見れば、トランプのビジネスがユダヤ人・イスラエルと深く結びついている実態が見えて<る。
・トランプの人脈・金脈・ビジネスのどこを切っても、必ずユダヤ人脈が出てくる。もはやトランプの資金源はユダヤ資金そのものであるといってもよい。
・トランプ氏がイスラエル大使指名を発表したデビッド・フリードマン氏(57)も熱心な正統派ユダヤ教徒。彼のように「入植地支援」を公言するユダヤ系が米国の駐イスラエル大使に起用された例はない。

・選挙中、トランプは米国イスラエル公共間題委員会から資金的な援助を受けていたが、それはクシュナーの人脈によるものだ。彼は、クシュナー家の盟友であるイスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相とトランプの橋渡し役も務めた。
・父親のチャールズが逮捕され刑務所に服役したことは、ジャレッド・クシュナーの人格形成に大きな影響を与えた。
・クシュナーの愛読書は、『モンテ・クリスト伯』。不当な扱いを受けた男が牢獄から脱出して富を築き、かつての敵に秘かに復讐を遂げるという、アレクサンデル・デュマの名作だ。
・クシュナーは、家族間の問題を面白おかしく取り上げて火に油を注いだメディアこそが、父親を投獄した張本人だと考えるようになった。それが「ニューヨーク・オブザーバー」誌の買収に彼を駆り立てるきっかけになったようだ。
・クシュナーはメディア界の大物たちと友好関係を築くことに腐心し、彼らのなかに、自分の『理想』、つまり、業績が順調な不動産業を経営しながら、社会的に影響力のある存在になることを夢見ている。
・クシュナーとトランプの結びつきはとりわけガードが堅い。その核心にあるのは、横暴な家長への「絶対的な忠誠心」だ。クシュナーは、そのトランプ家のモザイク模様の完壁な一部であり、トランプの家族ととても相性がいい。

【私見】
・トランプ米大統領は多彩な人脈を持っているが、その中の一つがユダヤ・イスラエル人脈である。トランプが事業で窮地に陥った時に救いの手を差し伸べたのがユダヤ人だった。
・「イスラエルヘの献身的な愛」とまで椰楡されるトランプの異常なまでの親ユダヤ的な姿勢は、父フレッド・トランプがユダヤ人と「特別な関係」を築き、ともに良き協力関係にあったことを目の当たりにするなかで培われた。フレッドはナチスドイツから逃れたユダヤ人資産家たちの資金をかくまい、ユダヤ人に便宜を図ってやった。その恩返しに、ユダヤ人はフレッドや息子のドナルドのビジネスで優遇し、多くのメリットを与えてやった。
・トランプは今でこそ「不動産王」と呼ばれ、巨万の富を築く成功者として名声と栄誉をほしいままにしているが、1990年代に不動産バブルが崩壊したときには、破滅寸前まで追い詰められた。
その絶体絶命のピンチを救ったのがユダヤ人であった。父フレッドの代から太くしてきたユダヤ人とのパイプがいかに強力で絶大な力を発揮することを、思い知ったであろう。フレッドがフリーメーソンと関わりがあったこと、ドナルド自身もフリーメーソンであり、かつそのトップとも噂されていることから、少なくとも、秘密結社内部でユダヤ人との密接な関係が自ずと出来上がっていたと思われる。
・トランプ家の日常に大勢のユダヤ人が溶け込んでいることがわかると、ドナルド・トランプが生まれた日からイスラエルに忠誠を尽くしている」という表現が決して大げさには聞こえない。秘密結社フリーメーソンの濃密な人間関係に加え、人生最大のピンチを救った恩人たちの中に多<のユダヤ人がいたとなれば、熱がこもった表現になるのも無理はない。
・ユダヤ人だからといって、すべてのユダヤ人が悪者で問題というわけではない。しかし、国際政治に多大な影響を及ぼす米国大統領の座にある者が、過激なシオニストや原理主義者の正統派ユダヤ教徒と懇意にしていることは、大いに不安をかき立てられる。人類の未来に不幸をもたらしかねないリスク要因として、ここでは二人の人物を採り上げてみたい。
・まず、イスラエル首相のベニヤミンーネタニヤフである。彼はシオニストを代表する人物であり、中東情勢の行方を左右する力を持っているのは周知の事実である。トランプとは1980年代からの長い付き合いで、2013年のイスラエル総選挙の際には、トランプが応援のビデオメッセージで熱烈なエールを送るほど仲が良い。トランプが、パレスチナやイスラム諸国に対して強硬な姿勢で臨むネタニヤフに肩入れすることで、中東情勢は不安定化し、第5次中東戦争が現実味を帯びてくる。さらに、欧州やアジアにも飛び火して第3次世界大戦へと連鎖しかねない。
・2人目の危険人物は、トランプの娘婿のジャレッド・クシュナーである。彼はユダヤ教徒の中でも保守的な正統派に属し、ユダヤ第三神殿の再建を熱望する狂信的な原理主義者である。最愛の娘イヴァンカの夫という姻戚関係にあるだけでな<、トランプに絶対的な忠誠を誓い、相性も良い。シリア空爆や北朝鮮への強硬対応もクシュナーの助言を受け入れて決断したといわれるだけに、トランプの信頼はとても厚い。
・しかし、温厚な風貌と甘いマスクの裏には、計算高くて腹黒い素顔が隠されている。クシュナーが『モンテ・クリスト伯』を愛読していることが、その何よりの証拠だ。不当な扱いを受けた男が牢獄から脱出して富を築き、かつての敵に秘かに復讐を遂げるというストーリーに心酔していることから、胸中に激しい憎悪と怨恨の炎をたぎらせていることがわかる。また、彼の父チャールズは実の兄弟を卑劣な手段で陥れた極悪な犯罪者だが、「一家族間の問題を面白おかしく取り上げて火に油を注いだメディアこそが父親を投獄した張本人だ」という本末転倒な屈理屈で、父親を擁護している。心が相当歪んでいるのだろう。
・このように精神をかなり病んでいる者の「助言」を真に受けて、米国だけでなく全世界の命運を左右する政策決定をするとなれば、人類は狂人に自らの命運を託し、かなり危ない橋を渡っていることなる。
・だが、このような状況を作り出しているのは、ほかならぬ人類自身なのである。つまり、ネタニヤフやクシュナーは自我が肥大化した究極の姿であり、それは人類の集合意識が作り出した最大公約数的な人類の自画像なのである。我々は自らの心の闇の一断面を、彼ら狂人に投影しているのだ。
・それでもこの悪夢のような状況から脱する手立てはある。それは人類ひとりひとりが、それぞれの心の闇に潜む自我と対時し、それに打ち克つことだ。自らの意識や想念が現実を創り出しているのだから、そこを変えれば目の前にスクリーンに投影される現実もたちどころに変わる。


大義の人
BS朝日で先週の土曜日に放送された「ザ・インタビュー」に、鳥貴族の大倉忠司社長がゲストで登場していた。その大倉社長を見て脳裏に浮かんだのが、かの本田宗一郎であった。かつて、亀さんは一度だけだが本田宗一郎に接したことがある(拙稿「本田宗一郎の教え」参照)。

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大倉社長の「自分の身内を鳥貴族に入社させない」という、世襲を否定した信念は本田宗一郎のそれと共通しているものだが、さらに、もっと根本的なもの、経営哲学の核に相当するあたりで、二人は共通していた。それは、大義(人間として踏み行うべき最も大切な道のこと)である。大倉社長が考える大義について、「ザ・インタビュー」は以下のように紹介している。

“利益”だけで会社を経営してきた訳ではなく、ある使命と目的を実現させるためにやってきたからだ。それは、鳥貴族が営業中に掲げる看板に書かれている「うぬぼれ中」という言葉が指し示している。


「うぬぼれ中」という鳥貴族の看板を以下の写真に示すが、正確には「鳥貴族のうねぼれ」のようだ。これは、一般企業が掲げる社是に似ているのだが、美辞麗句で飾られただけの一般企業の社是と異なり、鳥貴族のそれは単なる美辞麗句だけでは終わっていない。鳥貴族は本気で、「鳥貴族のうぬぼれ」を行動に移しているのだ。

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以下は新卒や中途採用で入社した正社員の他、アルバイト社員も入社時に受ける「鳥貴族 うぬぼれ」研修のシーンである。

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大倉社長の言葉を借りれば、「仕事が社会貢献につながることが大切で、世のため人のためになるものでなければならない。単に自分さえ良ければ良いという、私利私欲のためだけに仕事をしてはならず、そこに大義が無ければならない」ということになる。

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大倉社長の語りに耳を傾けながら、本田宗一郎以外の人物が脳裏に浮かんだ。ロシアのプーチン大統領である。経営と政治は違うが、本田宗一郎や大倉社長の経営者としての大義は、プーチンの政治家としての大義とも相通じるものがある。そのプーチンの大義の真逆を行くのが、私利私欲しか眼中にないネオコンの連中であり、プーチンとネオコンの違いは大義の有無ということに尽きよう。

風薫る五月
昨日は国際コミュニケーションズ(TOEIC)の元同僚と、昼間の池袋で半年ぶりに再会、前回同様(拙稿「ハイカラな機械」参照)お互いに飲んで語りまくり、結局4軒をハシゴしてしまった(爆)。

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最初は昼間からアルコールが飲める店で、数種類のビールを中ジョッキーで4杯ほど飲んだのだが、ジャスミン風味のスコットランド・ビール(ブリュードッグ?)が美味かった! 次は魚がメインの居酒屋で焼酎をオンザロックで呑み、もう一軒行こうということで適当な店を探していたところ、通りかかった池袋中公園で、ナント「池袋東口としま商人まつり」をやっているではないか…。さっそく入場し、ホットドッグを注文、ついでに地ビールを飲んだのだが、ナントこれもジャスミン風味のビールで美味いのなんの…。新緑の下でテーブルに座って飲んだのだが、風が心地よく、最高であった。

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五臓六腑がしみるね

三人とも大分ほろ酔い加減になったので、最後はコーヒーでも飲んで別れようと、まほろば会の後にいつも寄るコーヒーチェーン店に行き、ここでもいろいろと話が弾んだ。ふと前を見ると、なにやら見覚えのある人がコーヒーを運び、我々から背を向ける形でテーブルに座ろうとしていたのが目に入った。その後ろ姿から直ぐに天童竺丸さんと分かり、近寄って声をかけると、天童さんも驚いた様子、思わずお互いにハグを交わした次第である。そう言えば昨秋、大阪で飯山さんと再会した時も、やはりハグしたのを思い出した…。

心斎橋から電車で梅田に戻り、全員が阪急アネックスホテルに向かったところ、ナント飯山さん本人がホテルから出てきたと、確か宮崎のおばちゃんが叫んだ…。どうやら飯山さん、ホテル内ではタバコが吸えないので外に出てきたらしい。ともあれお互いに再会を喜び、抱き合った(キッスはしていない、念のため…)。
大阪報告


今度は、きれいなお姉ちゃんとハグしたいと、心から祈った亀さんであった。

【別報1】
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昨日の東京新聞に載った吉永小百合の「私の十本」(11)。