掲示板「放知技」で時々登場している「大阪のおばちゃん」、たまに拙ブログにもコメントを書き残してくれているんだが、最近大阪のおばちゃんの投稿に対する亀さんの回答、現代の若者にも是非参考にして欲しいと思ったので、改めて本稿でも紹介しておこう。
最初は、コメント「亀さん:先人の知恵 (10/19)」から…。
大阪のおばちゃん
いつも投稿ありがとうございます。昔は、「二十代は挑戦の時期だ、ガンバレ!」で済んだのですが、小泉と竹中が登場して自由主義が導入された頃から、正規社員の数がグングンと減っていき、「二十代は挑戦の時期だ、ガンバレ!」と無責任なことは言えなかった一時期がありました。二十代にアレコレ体験しても、いざ三十代に入った途端、中々正規社員の仕事にありつけない日本になっていたからです。
ところが、311から状況が一変しました。このまま日本に居ても、タイタニック号のように沈んで海の海蘊となるだけです。だから、再び青年らしい夢を抱くと同時に、併せてフクイチの現実を冷静に見つめつつ、一人一人の若者が勇気を持って日本を飛び立ち、己れの人生を切り拓いていって欲しいと、切に願っています。
亀さんは高校時代に小田実の『何でも見てやろう』に触発され、卒業後は旅行資金を稼いで日本を飛び出し、3年間近くにわたって世界各地を放浪している。小泉純一郎と竹中平蔵が新自由主義を導入するよりも大分前の話で、当時は亀さんのように海外を3年間近くブラブラしたとしても、帰国後は大手企業にラクラク正社員として入社できた時代だった。そうした時代に書かれたのが今東光の「和尚独白」であり、別のコメント「亀さん:NHKの“気配り” (10/21) 」で全文を紹介しているが、改めて本稿でも紹介しておこう。
*************** 和尚独白 四月の風に桜の花も無残に散ってしまった。あの爛漫を誇った桜の花も、風に散り落され、道路端に積もっている姿を見るにつけ、美しいものは、所詮移ろうものか、という感慨を深めた。
どんなに美しい女でも、畢竟、桜の花のようなものなのだ、なんて言っても、若い諸君は永遠たるものと思うだろう。
どんなに確かな相思相愛の恋も、またしかりだ、と言っても、諸君は信じたがらないだろう。
それが若者の特権というものだ。女を激しく愛している若者に、「どうせ移ろうものだからやめろ」と言うのは、まるで荒れ狂う暴風雨の海に向かって、「静まれ」というみたいなものだろう。
オレぐらいに人生を長くやってきた男でさえ、道行く女に心が動くことだってある。
諸君、なんでもやりたいことを大いにやるこった。人生とは、なにもやらない虚無よりも、たとえ失敗しても、傷心の方がはるかに貴いものなのだ、とオレは思っている。
空々寂々たる人生なんて、糞くらえ、と思うべし。
『最後の極道辻説法』p.30 ***************
繰り返しになるが、4年半前に東日本大震災で福島原発事故が発生、過去4年半にわたり大量の放射性物質が日本列島全土にまき散らされ、我々はそれを大量に吸い込み、食物を介して大量に摂取してきた。ほとんどの人たちは気に留めていないようだが、そうした人たちはここ数年という短命で終わる。一方、乳酸菌ヨーグルトやあらびき茶で相応の免疫力を付け、放射性物質を体外に排出することに努めてきた人たちは、このまま油断せずに免疫力を高めていけば助かる可能性が高い。
だが、如何せん既に東日本は人の住むような土地ではなくなっており、生きのびるためには何時かは日本列島から出なければならないのだ。そのあたりは「私は安心して死んでいけます」に詳しく書いたので繰り返さない。ともあれ、これからという若者には上記の「和尚独白」を繰り返し読んで欲しいと思っているし、特に以下の和尚の言葉は頭に叩き込んでくれ。
なんでもやりたいことを大いにやるこった。人生とは、なにもやらない虚無よりも、たとえ失敗しても、傷心の方がはるかに貴いものなのだ、とオレは思っている。
空々寂々たる人生なんて、糞くらえ、と思うべし。
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