 
本業(翻訳)に追われて時間がかかってしまったが、先ほど漸く船瀬俊介氏の著した『STAP細胞の正体』を読了することができた。
『STAP細胞の正体』は、千島喜久男医学博士の偉業を紹介し、また山中伸弥医学博士のiPS細胞はガン化する危険性が高いこと、一方で小保方晴子さんのSTAP細胞は確実に存在しており、iPS細胞よりも遙かに優れていることを証明してみせた点、同書を高く評価したいと思う。
さらに、どうして今日に至るまで千島博士の偉業が無視され続けているのか、どうして小保方さんが徹底的に叩かれたのかという真の〝理由〟を暴露し、〝かれら〟(ロスチャイルドおよびロックフェラー)の正体を白日の下に晒した、船瀬氏の侠気に接しただけでも同書を手にした価値はあった。
だが、一方で残念な点も幾つかあった。中でも最大のものは千島博士の唯一の〝師弟〟であるという、森下敬一医学博士その人である。船瀬氏は同博士について以下のように書いている。
告白すると、私は今でも(森下敬一)先生の側にいると緊張してしまう。学生時代から畏敬する師ゆえか、その隣に座るだけで固まっている自分を感じてしまうのだ。(括弧は亀さん) 『STAP細胞の正体』p.279
その船瀬氏、森下博士との対談を載せているのだが、亀さんの目が点になったのは以下の行だ。
F(船瀬俊介)そもそも西洋医学には、生命エネルギー(氣)という概念がまったくない。それは、宇宙エネルギーと言い替えてもよい。
森下敬一 それが判るのが胎児の変化です。単細胞生物から人類までの三〇億年をたった三〇〇日で成し遂げる。計算すれば簡単に判ることです。胎児の一日は一〇〇〇万年に相当します。では、一日で一〇〇〇万年もの進化を可能にするエネルギーとは何でしょう? 母体の一日二五〇〇キロカロリーなどといった栄養成分のみでは、そんな大それた変化は絶対に起こしえない。その正体こそ、宇宙エネルギーなのです。
宇宙エネルギーが、臍の緒を通して胎児に送り込まれる。つまり、母親は〝胎生〟という形で子宮を貸しているにすぎないのです。
F なるほど! 人類も、宇宙の子つまりは、神の子なのですね。
森下 私は「腸管造血説」の発表から三〇年後に「経絡造血」の存在を突き止めました。人間の経絡中に存在するソマチッドが宇宙エネルギーの「氣」を栄養源にすることで、「経絡→ボンパ血管→リンパ管→血管→神経」へと、発展する造血・血管プロセスを発見しました。胎児の臍の緒というものは、その過程で全てを抱合した宇宙につながる太いケーブルなのです。「目に見えるモノだけがすべて」という反自然的論理は、けっきょく行き詰まって取り返しのつかない結末を招くことになります。一日でも早く人類がそれに気付くことが焦眉の急ですね。 『STAP細胞の正体』p.183~184
確かに、「氣」や「宇宙エネルギー」については、千島喜久男博士も自著『血液と健康の智恵』の「気血動調和の原理」(p.379)で言及されている。亀さん自身、高校時代に合気道部に入門して初段になったんだが、身体で「氣」というものを体験しているし、そうした「氣」の凄さが佐川幸義先生の演武からも窺い知ることができるのだ。
しかし、だからといって森下博士の主張する、「ソマチッドが宇宙エネルギーの氣を栄養源にしている」という主張には、どうも素直に頷けないのである。このあたりは、今後の研究課題としておこう。
ここで念のため、森下敬一医学博士のホームページを確認したのだが、なんだかなぁ…と思うようなホームページであった。たとえば、「サプリメント(森下強化医食品)」というページに載っていた、以下のように高額な商品の数々…、こうしたページを見せられるとブルーな気持ちちゅうか、ブルータスよ、お前もか、ちゅう気分になるんだが…(苦笑)。

まぁ、貧乏人のひがみといったところかもしれないが、亀さんのような貧乏人の場合、玄米と豆乳を混ぜて作ったヨーグルトを食するしかない…。作り方の本としては、『豆乳グルグルヨーグルトで腸美人』(マキノ出版)あたりがお勧めだ。

以下も納得のできなかった箇所だが、上記と比べれば大したことはないので、忙しい人は読み飛ばしていただきたい。
●森下博士や船瀬氏は、「ノーベル賞委員会は千島・森下学説を知らない無知」と述べているが、それなら何故〝かれら〟が西洋医学を〝拒否〟し、自然治癒を採り入れているのだろうか? また、船瀬氏はノーベル委員会の委員らをあまり評価していないのだが、このあたりは拙稿「ロスチャイルドとノーベル賞」でも書いたように、船瀬氏とは見解を異にする。
森下 そもそもノーベル賞委員会の面々は「腸管造血」にすら、誰一人気づいていないでしょう。 『STAP細胞の正体』p.182
●船瀬氏は同書で「オレンジ色の液体」云々と書いているんだが、どうしてオレンジ色の液体の正体を書かないのだろうか…。『放射能生活の注意事項』で船瀬氏は飯山さんのことを、〝大兄〟と思っていると書いてるほどなのだから、このオレンジ色の液体は飯山一郎さんの乳酸菌のことだと、知らないはずはないと思うんだが…。なお、拙稿「笹井芳樹博士の〝自殺〟」で、オレンジ色の液体の正体を亀さんは書いているので、関心のある読者は一読していただければと思う。
「オレンジジュースくらいの酸でもできるんです」
小保方さんは、にっこり笑顔でテレビカメラに向かって語っていた。 『STAP細胞の正体』p.22
●船瀬氏は、植物と動物の間で遺伝子の〝交配〟はあり得ないとしている。
植物と動物の遺伝子交配など、神(自然)ですら為さない、禁断の領域だ。 『STAP細胞の正体』p.216
しかし、NHKスペシャルの「生命大躍進」では、最新の研究成果として「植物と動物の間で遺伝子の〝交配〟があった」とするデータを紹介している…。本当に、自然の懐は深いなぁ…。人間の体験・知識なんか、まさに九牛の一毛だわぃ。
2014年3月、仮説を発表・・・植物が作った遺伝子が種の壁を越えて動物へと移動した。長い時間を掛けて作らなくて済む第1の大躍進の進化。
米国マサチューセッツ州ボストン近郊の浅瀬に生息する、ウミウシ(エリシア・クロロティカ)の一種は、クロロフィルを持つため光合成で生きる動物。
そのDNAを調べると海藻の遺伝子そのもの、取り込んだに違いない、偶然、ロドプシン遺伝子(植物が光合成を行うため何億年も掛けて作り出したDNA)が生殖細胞の中に入り込んでDNAと結合。植物の宝物を動物がゲットした瞬間!! http://ameblo.jp/aauasks/entry-12024866468.html

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